クロイツフェルト・ヤコブ病とは?感染経路や原因を知ろう!症状や治療法はなに?似ている病気はなにがある?

クロイツフェルト・ヤコブ病という病気を知っていますか?この病気は現在500人ほどしか登録されていない為、知っている方も少ないと思います。この病気は、異常プリオン蛋白質という蛋白質が増加し、神経細胞を壊していく病気です。

症状はアルツハイマーの症状とよく似ている為、見分けがつきにくく、実際にアルツハイマーと診断された方の中でも、クロイツフェルト・ヤコブ病である可能性は否定できません。ここでは、クロイツフェルト・ヤコブ病の原因や症状、予防方法について詳しくご紹介します。

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クロイツフェルト・ヤコブ病について

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クロイツフェルト・ヤコブ病の概要や似ている病気についてご紹介します。

クロイツフェルト・ヤコブ病とは?

クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease, CJD)は、プリオン病と呼ばれる中枢神経の疾患の1つで、自分の意志とは反する行動をしたり、認知症などの症状が見られます。現在、この病気の根本治療はなく、この病気が発症してから1年~2年ほどで死に至ると言われています。

プリオン病とは、別名で伝達性海綿状脳症(でんたつせいかいめんじょうのうしょう)と呼ばれています。プリオン病は、感染性のある異常プリオン蛋白と呼ばれるたんぱく質が体内で増加し、蓄積されることで神経細胞を壊し、最終的に死に至る難病の総称です。このプリオン病と呼ばれる代表的なものの中に、人の場合はクロイツフェルト・ヤコブ病、羊の場合は、スクレイピー、牛の場合は、牛海綿状脳症が挙げられます。

この病気にかかった患者を光学顕微鏡脳で脳の組織を確認すると、多数の泡の集まりのような、海綿状態が見られることが共通な症状として挙げられます。日本では、クロイツフェルト・ヤコブ病の患者さんは、年間100万人におよそ1人の確率だと言われており、毎年100名~200名ほどがこの病気の診断を受けています。

現在では、およそ500名がこの病気に登録されています。男女比は特に大差はありませんが、女性の方が発症する率が少しだけ多い傾向にあります。また、平均発症年齢は、原因にもよりますが、平均して68歳です。

似ている病気

クロイツフェルト・ヤコブ病は、症状がアルツハイマー病に似ている為、アルツハイマー病と診断される患者さんも少なくありません。アルツハイマー病と診断された亡くなった方の遺体を、病気の原因を突き止めることを目的として病理解剖した結果、クロイツフェルト・ヤコブ病であったという事例も中にはあります。

病理解剖の方法を取らないと、本当の病気の原因を突き止めることが難しい場合がほとんどで、実際にアツルツハイマーと診断されたクロイツフェルト・ヤコブ病患者の数がどれくらいいるのかは定かではありません。

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クロイツフェルト・ヤコブ病の原因について

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クロイツフェルト・ヤコブ病はプリオン病と呼ばれる、病気の一つです。この病気は、正常プリオン蛋白質が立体構造を変化させ、感染性を持った異常プリオン蛋白に変化し、増加することが原因で発症することが分かっています。

プリオン蛋白は、約230個のアミノ酸から生成されたたんぱく質で、正常プリオン蛋白は全ての人の体に存在します。特にこのプリオン蛋白質は、脳や脊髄などの神経系に多く集まっています。この正常プリオン蛋白がなんらかの原因で、感染性を持った異常プリオンに変化し、中枢神経内に溜まり、神経細胞を破壊していきます。

クロイツフェルト・ヤコブ病の原因は大きく分けて3つあります。原因が明らかにされていない「特発性」、異常プリオン蛋白遺伝子の遺伝による「遺伝性」、異常プリオン蛋白の感染による「獲得性」です。クロイツフェルト・ヤコブ病の原因となる確率が、特発性が76.7%、遺伝性が19.4%、獲得性が3.6%の割合で発症していると言われています。

特発性

特発性とは、原因はハッキリとは分からないことを指します。メカニズムは明らかにされていませんが、加齢が原因となって、異常プリオン蛋白質が発生し、脳に蓄積されると考えられています。特発性の場合の発症年齢は、60歳前後です。

遺伝性

遺伝性は、生まれた時からプリオン蛋白遺伝子に変異がある為、異常化しやすく、発症しやい傾向にあります。遺伝性の中でも、プリオン蛋白遺伝子コドン180が異常を起こした場合は、平均発症年齢77歳、プリオン蛋白遺伝子コドン200が異常を起こした場合は、58.4歳が平均発症年齢だと言われています。

獲得性

異常プリオン蛋白質の感染によって引き起こされます。原因は、移植などで感染した「医原性」と他の動物から感染した「変異型」の2種類あります。医原性の場合、プリオン病疾患者の硬膜を移植して感染する場合があります。

ドイツのビー・ブラウン社が製造したヒト乾燥硬膜(ライオデュラ)を、移植した多数の患者がクロイツフェルト・ヤコブ病を発症した例があり、この事件は世界的に問題になりました。日本では、プリオン病患者の硬膜を移植して発祥した割合が他国に比べて高く、全世界の約2/3は日本で発症していると言われています。医原性の場合、感染するまでに潜伏期間があり、潜伏期間は1年~30年と人によって様々で、平均して12.8年もの間潜伏してから、発症します。医原性の平均発症年齢57.9歳です。

変異型とは、異常プリオン蛋白質を含む動物を食べることで感染して発症するタイプです。特に有名な例は、牛を食べることで牛のプリオン病である牛海綿状脳症が感染源となり、発症します。プリオン病原体は、遺伝する可能もある為、牛の脳、脊髄、目、回腸などの部分は食べないようにすることが予防にも繋がります。

また、その他の症例として、ニューギニア島で昔行われていた、葬儀の際に死者の脳を食べるという儀式が原因となって、発症したこともあります。また、感染している患者の血液を、他の人に輸血することで、血液感染します。

感染している方と接触しても接触感染を引き起こすことはありませんが、患者が指をきって血が出てしまった状態の際には、周りは十分に注意する必要があります。変異型が発症する年齢は、12~74歳と幅広い年齢に起こりますが、平均発症年齢は29歳だと言われています。

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クロイツフェルト・ヤコブ病の主な症状について

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ここでは、クロイツフェルト・ヤコブ病の症状について、詳しくご紹介します。主な症状は、認知症とミオクローヌス、小脳失調です。異常プリオン蛋白質が脳内に侵入し、脳の組織内に海綿状の空腔を作り始め、脳機能障害を起こします。

進行が非常に早いのが特徴的で、初期の段階では、倦怠感やふらつき、めまい、視覚異常やうつなどが現れ、認知症状の症状が進むにつれて、全身衰弱を起こし肺炎などにかかります。発症から半年ほどで、言葉が喋れず、動けないといった無言無動状態になり、1年~2年で死に至ると言われています。ここでは、主な症状についてご紹介します。

認知症

人間の脳は、生命活動維持に大変重要な機能で、様々な働きをコントロールしている司令塔のような役割をしています。脳が上手く機能しなくなると、精神状態や身体活動にも影響を及ぼします。クロイツフェルト・ヤコブ病が発症すると、異常プリオン蛋白質が中枢神経に蓄積し始め、脳の細胞をどんどん破壊していきます。

脳の細胞が破壊されると、脳がコントロールしている様々な機能に影響が出始めます。認知症は、65歳以上の4人に1人が発症する症状で、認知症にも様々な種類があります。主なものとして、アルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症が挙げられます。

認知症の中でも、約60%はアルツハイマー型認知症が原因といわれ、約20%は脳血管型認知症によるものだと言われています。年齢とともに認知症になる確率が高いことや、認知症が関わる症状が多くの病気に存在し、非特異的であること、クロイツフェルト・ヤコブ病と診断される確率が非常に低いことが要因となり、実際は、クロイツフェルト・ヤコブ病であったとしても、アルツハイマーと誤診されている可能性があります。

認知症になると、「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」の2つの症状を引き起こします。中核症状は、脳の細胞が壊れることで引き起こされる症状です。主な症状として、記憶が出来なくなる記憶障害が起こります。初期の段階では、過去の記憶は鮮明に思い出せるものの、数日前や直前に起こったことを忘れてしまう、思い出せなくなることが起こります。

症状が進行するにつれて、昔の記憶も曖昧になります。また、論理的に物事を考えられなくなったり、判断能力が低下したり、今自分がいる場所や状況を理解できなくなる、見当識障害が起こります。

行動・心理症状(BPSD)は、本人が元々持っている性格や置かれている状況や環境、人間関係が大きく影響する為、人それぞれ違った多様な症状を引き起こします。主な症状としては、妄想を抱く、幻覚を見る、暴力をふるうようになる、徘徊するといった症状があります。またその他に、うつ病や不安感、無気力のような感情障害が同時に起こる場合もあります。

クロイツフェルト・ヤコブ病の場合、これらの認知症の症状が急激に進行します。その為、発症してから、半年以内には自発的に言葉が話せず、意志を疎通することができなくなります。

ミオクローヌス

ミオクローヌスとは不随意運動の1つで、自分の意志とは関係なく体が動く症状のことです。
ミオクローヌスは、手足や全身のビクッとする速い動きが特徴です。急な筋肉の収縮や、収縮がなくなることで引き起こされます。短い周期で筋肉の収縮が起きる為、てんかん発作や痙攣の症状と似ています。運動する方向が一定でなくランダムに動くのが特徴の1つでもあります。

この症状は、健康な人でも睡眠中に見られる場合があります。睡眠に入った浅い眠りのときに、ビクッと動く人を見たことある人はいると思います。このような動きと同じ動きをします。また、しゃっくりは横隔膜のミオクローヌスとも呼ばれています。この症状は、アルツハイマー型認知症や低酸素脳症でよく見られる症状の1つでもあります。

具体的な動作としては、急に物を投げるような動作をしたり、立っている時に急に転倒するなどが挙げられます。クロイツフェルト・ヤコブ病の原因が遺伝性の場合は、ミオクローヌスの症状はあまり見られないと言われています。また、獲得性の変異型の場合は、ミオクローヌスの症状が見られる場合もありますが、出現する期間や頻度は少なく、医原性の患者の30%は緩やかな進行状態の場合が多く、この場合はミオクローヌスの症状が現れにくいと言われています。

小脳失調

小脳失調とは、小脳や脳幹から脊髄にかけて、神経細胞が壊されることで引き起こされる病気で、運動が上手く出来なくなります。起立する時や歩行する際に、平衡障害が生じたり、上肢の運動障害や言語障害など,広い範囲で運動障害を起こします。

具体的な例としては、歩行時には、酔った時に現れるような千鳥足のような、ふらつきが見られ、歩行が困難になります。また、物を取ろうとする時には、手が届かなくなったり、手が物よりも行き過ぎてしまったり、手が震えて物がつかめないといった症状も現れます。その他には、舌がもつれて喋りにくいなどの症状も見られます。

クロイツフェルト・ヤコブ病の原因が遺伝性が原因の場合は、小脳失調の症状はあまり見られません。獲得性の医原性が原因の場合は、初期症状に小脳失調が多く現れ、併せて眼球運動障害や視覚異常が見られます。

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クロイツフェルト・ヤコブ病の予防方法について

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クロイツフェルト・ヤコブ病は、少しの異常プリオン蛋白が体内に入っただけでも発症する可能性があります。ここでは、自分で出来る予防方法をご紹介します。

動物の特定箇所を食べない

異常プリオン蛋白を含む動物を食べることで感染する場合があります。特に有名なものとしては牛や羊です。異常プリオン蛋白は、人間だげでなく他の動物でも起こります。人と病名は異なりますが、牛の場合は、牛海綿状脳症、別名狂牛病として知られ、羊やヤギの場合は、スクレイピー、鹿の慢性消耗病などと呼ばれています。

これらのプリオン病の症状をみせた動物を食べることで、感染します。2000年代初頭にアメリカで起きた狂牛病(BSB問題)の事件を鮮明に覚えている方もいると思います。日本ではアメリカの牛の輸入率が高かったこともあり、生活に大きく影響を及ぼしました。

この当時は、牛肉食品を扱う企業は大打撃を受け、中でも牛丼をメインの売りとしていた、大手フードチェーン企業の吉野家は、牛丼の販売を一時中断するといった出来事もありました。

当時は、動物の異常プリオン蛋白は人間に感染しないと考えられていましたが、今では感染することが明らかになっています。2000年当初に起こったアメリカの狂牛病事件をきっかけに、アメリカからの牛の輸入は一時ストップした為、その当時に日本国内で感染した方はいませんでした。

狂牛病が起きる原因は、イギリスで起きたBSB問題からして、飼料として与えた汚染肉骨粉(BSEに感染した牛の脳や脊髄)が感染源として考えられています。現在、日本や海外では、牛の脳や脊髄などの組織を家畜のえさに混ぜない規制が定められています。

その結果、BSEの発生は、2013年に世界中で発見された数は全部で7頭へと激減しています。日本では、2003年以降に出生した牛からは、BSEは確認されていないと言われています。現在は安心してお肉を選べる状態にはなっていますが、肉を選ぶ際にも、長年狂牛病を発症していない国産のお肉の方が輸入ものと比べて安心して摂取できます。

感染した動物を食べることで、人間も感染するため、万が一狂牛病などの問題が起こったとニュースで取り上げられた際には、すぐに対象の肉の消費を避けるようにすることが重要です。

また、プリオン病原体は、遺伝する可能もあります。異常プリオン蛋白が蓄積しやすい箇所、特に脳、脊髄、目、回腸などの部分は食べないようにすることが予防にも繋がります。加熱加工しても、死滅させることは出来ません。これらの危険な部位については、日本では流通が禁止されているので、目にすることはないと思います。しかし、海外に旅行に出かけた際など、物珍しいからといって手を出すのはリスクがあるので、おススメしません。

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血液感染に注意する

クロイツフェルト・ヤコブ病にかかった患者さんがいた場合は、血液感染に注意しましょう。血液、尿、便、唾液、汗、涙、精液、乳汁などの体液は、世界保健機構(WHO)による感染性の分類の中では、「検出できない程度の感染性」に属しています。

その為、現在では体液汚染の可能性は非常に低いと考えられいます。しかし、輸血による感染の可能性が指摘されている為、患者さんは献血できないように定められています。クロイツフェルト・ヤコブ病にかかった場合は、他の人への感染を防ぐ為に献血など行わず、必ず医師に病気を持っている旨を伝えましょう。また、患者の周りにいる方は、患者の傷口などには注意して、血液感染しないように予防しましょう。

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おわりに

クロイツフェルト・ヤコブ病は、異常プリオン蛋白が増加し、脳の細胞を破壊されることで起きる病気です。主な症状は認知症やミオクローヌスで、アルツハイマー病と似ている為、間違えて診断されることも多くあります。

この病気の主な原因は明らかにされておらず、発症すると根本治療ができない為、1~2年以内に死に至ります。私たちが出来る予防策としては、狂牛病などの事件に敏感になり、対象の肉を避けること、また、動物の脳や脊髄などの部分を食べないこと、患者からの血液感染には注意することです。

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