色盲とは?原因や遺伝との関係を知ろう!社会への対応方法も紹介!

虹の七色をはじめ、自然は鮮やかな色彩に溢れています。この「色を見る」とは、どういうことなのでしょう?

色は、脳に生じる感覚です。目が受ける光の強弱や波長を、刺激として脳に伝え、脳が働いて、虹の七色のように色を識別するのです。

光刺激を受け取る目の網膜に異常があると、色を識別することが難しくなります。これを「色覚異常」といいます。古い言い方では、「色盲」「色弱」ですね。

色覚異常とは、どういうことか?その原因や社会生活における対応の仕方をお伝えしますね。

色覚異常とは?

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色覚異常とは、色の識別能力が十分に働かない状態です。大辞林によれば「色の3要素 赤・緑・青のうち、ある系統の色覚を欠く状態」です。

すべての色は、3原色「赤・緑・青」の混合で表されます。赤と青を混ぜれば紫、赤と緑を混ぜれば黄色になります。

ヒトは、眼球の網膜にある錐体細胞が吸収する光の組み合わせにより、さまざまな色を識別します。錐体細胞の働きに異常があれば、色を識別することが困難になります。

[色の識別]

色覚とは、可視光線(400~800nm)の波長の違いに応じて生じる感覚です。

ヒトは眼球の網膜によって光を感受します。網膜には、波長の違いによって光を吸収する視物質を持つ錐体細胞(視細胞)があります。目に光が入ると、その波長によって錐体細胞の視物質が反応し、それを情報として神経細胞に伝えます。情報が神経細胞から大脳皮質の色覚中枢に伝えられると、色という感覚が生じます。

錐体細胞は、3種類あります。

長波長(565nm付近の波長)の光に反応しやすいのが、L-錐体(赤錐体)です。中波長(545nm付近の波長)の光に敏感に反応するのがM-錐体(緑錐体)です。短波長(440nm付近の波長)の光に敏感に反応するのがS-錐体(青錐体)です。

光を感受するのは、膜タンパク質とビタミンA誘導体が結合したオプシンという視物質です。オプシンは4種類あり、1つはロドプシンといって、神経細胞の桿体にあります。他の3種類は、それぞれ長波長・中波長・短波長を感受します。赤錐体オプシン、緑錐体オプシン、青錐体オプシンです。

長い波長の光が目に入ると、L-錐体(赤錐体)の赤錐体オプシンが反応して、網膜神経節細胞から大脳皮質の第一次視覚野に情報を伝え、色覚中枢で赤と識別されるのです。

光の波長の混合具合により、3種類の錐体が反応して、紫・黄・橙などさまざまな色を識別しています。光が高い反射率で乱反射する場合は白、ほとんど反射されない場合は黒という色覚が生じます。

[色覚異常の種類]

色覚異常には、遺伝子異常による先天性と、事故や眼・脳の疾患による後天性のものがあります。ここでは、先天性色覚異常について書きます。

遺伝子の変異により、錐体視物質が欠損したり、十分に機能しなかったりすると、色覚異常が生じます。

色覚によって、1色覚(全色盲)、2色覚(色盲)、異常3色覚(色弱)と分類できます。錐体視物質の異常により、L-錐体(赤錐体)に異常のある1型色覚、M-錐体(緑錐体)に異常のある2型色覚、S-錐体(青錐体)に異常のある3型色覚と、分類します。

これを組み合わせると、下記のようになります。

1色覚(全色盲)

錐体細胞が3種類ともない、または、1種類しかない場合です。錐体細胞が全くなければ、色を識別することが全くできない上に、視力もかなり低下します。つまり弱視です。

L-錐体またはM-錐体のどちらか1種だけの場合は、色の識別は全くできませんが、視力は正常です。S-錐体だけの場合は、視力がかなり弱くなります。

日本人には極めてまれで、1万人に1人程度と言われます。

赤緑色覚異常(赤緑色盲)

赤緑色覚異常には、1型2色覚と2型2色覚があります。

1型2色覚は、L-錐体(赤錐体)が欠損しているか、異常があると、生じます。2型2色覚は、M-錐体(緑錐体)が欠損しているか、異常がある場合です。どちらも、緑系統と赤系統の色の識別が困難です。赤と緑、オレンジと黄緑色などが、識別できません。

色覚異常には、最も多い型です。特に、2型2色覚が多いようです。日本人男性の5%、日本人女性の0.2%が、赤緑色覚異常です。白人種の男性の8%が、赤緑色覚異常です。

視力は正常です。

青黄色覚異常

3型2色覚といいます。S-錐体(青錐体)が欠損しているか、異常がある場合に、青から緑にかけての色が識別困難になります。黄緑と青紫、藤色と黄土色の見分けがつきにくくなります。

青黄色覚異常はまれで、しかも、日常生活に支障をきたすことは、ほとんどありません。色覚が正常な者でも、青錐体は数が少なく、緑と青の識別が曖昧です。日本人は、信号機のススメの色を「青」と言ったり、「緑」と言ったりします。

色覚検査では、赤緑色覚異常に重点を置くことが多いので、発見される機会も少なくなります。視力が正常なので、本人が全く青黄色覚異常に気づかないまま、一生を過ごすこともあります。

青黄色覚異常は、後天的に生じることが多いようです。

異常3色覚

錐体細胞も視物質も3種類ともあり、欠損していません。しかし、錐体視物質の機能が弱いために、色の識別に多少の困難を生じます。いわゆる「色弱」です。

L-錐体やM-錐体の働きが悪いと、赤錐体系統と緑錐体系統の色が識別しにくくなります。赤錐体の反応が鈍い場合を1型3色覚、緑錐体の反応が鈍い場合を2型3色覚といいます。

緑と茶、ピンクとグレイ、青と紫などが識別しにくいようです。詳しくは、色弱とは?見え方や遺伝との関係、対処方法を知ろう!を参考にしてください!

[色覚異常の原因]

先天性色覚異常

先天性色覚異常の原因は、遺伝子にあります。色覚異常を起こす遺伝子は、性染色体に存在します。

(性染色体)

性染色体とは、男と女の区別をつける染色体です。ヒトには、22対(44本)の常染色体と1対(2本)の性染色体があります。女性の場合、性染色体はXXのダブルですが、男性の場合は、性染色体はXYで、Ⅹが1つしかありません。

色覚異常の遺伝子は、X染色体にあります。色覚異常の遺伝子は、劣性遺伝子です。父母から受け継ぐ形質が強く現れるものを優性遺伝子、受け継ぐ形質が現れにくいものを劣性遺伝子といいます。

(劣性遺伝子と保因者)

色覚異常は劣性遺伝子なので、X染色体が2つとも色覚異常遺伝子を持っていないと、表に現れることがありません。女性に色覚異常者が少ないのは、XX染色体のためです。しかし、表面上は、正常色覚者ですが、色覚異常の遺伝子を持っている保因者の場合があります。

男性の場合は、X染色体が1つだけなので、その1つが色覚異常の遺伝子を持っていれば、色覚異常者になります。ですから、男性に色覚異常遺伝子の保因者はありません。

(色覚異常の子供が誕生する確率)

正常色覚の男性が異常色覚の保因者の女性と結婚すると、生まれて来る男児は50%の確率で色覚異常者になります。生まれて来る女児は50%の確率で異常色覚の保因者になります。

正常色覚の男性が異常色覚の女性と結婚すると、生まれる男児は100%の確率で色覚異常者です。女児は100%の確率で異常色覚の保因者となります。

異常色覚の男性が正常色覚の女性と結婚すれば、生まれて来る男児は100%正常色覚者です。生まれて来る女児の100%が保因者になります。

異常色覚の男性が保因者の女性と結婚すれば、50%の確率で正常色覚者と色覚異常者の男児が生まれます。女児も、50%の確率で正常色覚者と保因者になります。

異常色覚の男性と女性が結婚すると、生まれる男児は100%色覚異常者です。生まれる女児は50%の確率で保因者と色覚異常者になります。

後天性色覚異常

眼疾患の症状の1つとして、色覚異常が起こります。また、何らかの原因で、脳の視覚野や色覚中枢が損傷されて起きることもあります。

両眼ではなく、片側に起こりやすく、両眼に生じても、左右で差があります。視力や視野にも異常を生じます。原因となる疾患を治療すれば、症状が改善、または回復します。

色覚異常と社会生活

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色覚異常は、程度によって自覚しないまま成長することがあります。昔は、学校で色覚検査を行っていたので、赤緑色覚異常は発見されることが多かったようです。しかし、色覚検査を受ける機会がなく、進学・就職となり、そこで初めて発覚することが少なくありません。

色覚異常を理由に、進学や就職を拒否されることは少なくなりましたが、職種によっては、制限を設けていることもあります。

[色覚検査]

先天性色覚異常者の中には、特に支障がないため、一生自覚せずに過ごす人もいます。2003年に小学校における色覚検査が廃止されてから、子供も親も異常色覚に気づかないことが多くなっています。

しかし、図画・工作や美術の授業でとまどったり、教師を困惑させたりすることがあります。また、進学・就職の時期になって、色覚異常が障害になることがあります。医者・パイロット・警察官など、色覚障害があると、困難の多い職種や制限されている職種があります。

進路を決める前に、色覚検査を受けておくと、慌てないで済みます。色覚異常は遺伝によるものですから、悪化したり改善したりすることはありません。色覚検査は1度で十分です。

色覚異常検査法には、次のような方法があります。

➀仮性同色表(色覚検査表)

石原色覚検査表や標準色覚検査表が、よく使われます。色のモザイクの中から、数字や記号を読み取ります。正常色覚者でも、目がチラチラしますね。

②パネルD-15

15枚の色パネルを基準となる色に近いものから並べます。色覚異常の程度や誤認しやすい色の組み合わせを見つけるのに役立つ検査です。

③アノマロスコープ

特殊な機器を使用する検査です。色覚異常を正確に診断・判定できます。高価な機器なので、一般の眼科には、あまり設置してありません。

④運転免許試験場の検査

赤・青・黄の3枚のプラスチック板を弁別します。

強度色覚異常者でも、3色の弁別ができれば、運転免許は取得できます。たいていの色覚異常者が問題なく弁別できます。

[色の誤認を起こしやすい状況]

色覚異常の程度にもよりますが、色の誤認が起きやすい状況があります。これを知っていれば、色の誤認を少なくすることができます。

➀対象物の面積が狭い

小さな水玉模様などの色の弁別は難しくなります。

②彩度が低い色

鮮やかな色は識別しやすいのですが、ぼんやりした、くすんだ色は識別しにくいものです。

③暗い

老眼と同じです。老眼は暗いと、文字などを判別できません。色覚異常者も、明るさが十分でないと、色の識別がしにくくなります。

④短時間で識別する

じっくり時間をかけて見れば識別できるのですが、短時間で色を識別するのは困難です。ちらりと見ただけで色を正しく識別することは、ほとんどできません。

⑤先入観がある

「これは、こういう色だ」と決め込んでいると、色を誤認することがあります。

⑥疲労・過労

だれでも、疲れていると注意力散漫になります。注意力が低下すると、色の誤認をしやすくなります。疲れている時ほど、注意深くなる必要があります。

[色覚異常と職業]

色覚異常にもいろいろと程度があります。自分でも周囲の人達も気づかず、日常生活に支障のない軽い色覚障害から、緑と赤の区別が全くできない強度の色覚障害まであります。その色覚異常の程度によって、困難の多い職業があります。

しかし、どの職業にどの程度の色の弁別能力が必要とされるのか、わかっていないことが多いようです。ですから、先天性色覚異常者ということに、あまりこだわることもないでしょう。

ただし、学校や職種によって、色覚異常者は入学や就職を制限されることがあります。

原則として、色を正確に迅速に識別できないと、生命の危険が生じる可能性のある職業は、色覚異常者に向かないとされます。そのため、そうした職種に就くための知識や資格を得る学校は、色覚異常者を受け入れないことがあります。

色覚異常者が就業できない職種・取得できない資格

国家試験には、正常色覚または一定水準以上の色覚を必要とするものがあります。

警察官、自衛官、防衛省、消防、鉄道、航空・船舶に関するもの、毒劇物取扱責任者、ふぐ調理師、オートレース選手と審判 は、色に関わる判断の誤りが人命を危うくする可能性がある職業・資格と考えられています。

色覚異常者には困難の多い職種

(医療関係・理工系研究職)

医療関係では、医師や薬剤師の分野によって、色覚異常が生命に関わる判断ミスを招く危険性があります。医師は患者の顔色など微妙な色によって病状を判断したり、微量な血液の混入に気づいたりする必要があります。強度色覚異常者には、難しいことが多いようです。

理工系の研究者でも、分野によって、色の識別ミスが重大な過失や危険を起こす可能性があります。

医学部(医大)も薬学部も理工学部も、入学制限はしていません。医師の国家試験を受けることもできます。しかし、色の判断ミスが患者さんを危険な状態に陥れることがあります。研究者の色誤認が大事故を起こすこともあります。危険を覚悟して、分野を選ぶ必要があります。

(生鮮食品関連)

色の弁別能力ということから、生鮮食品を扱う職業、調理師や仲買業なども、常に万全の注意を払う必要があります。

(運輸・交通関係)

交通・運輸関係の仕事も、色覚異常者には努力の要る職種です。道路上の運転に関する仕事は、信号機の信号灯を間違いなく識別する必要があります。軽度の色覚異常(色弱)ならば、信号灯は、赤・黄・緑(青緑)とはっきりした単色なので、まず見誤ることはありません。

夜間の長距離ドライブは、途中で休憩して疲労を溜めないようにします。強度の色覚異常は、緑と赤の識別が難しいので、色ではなく、信号灯の位置(左端は止まれ、というように)で、判断する必要があります。でも、たいていの強度色覚異常者が運転免許を取得できます。

色覚異常者には不適切と思われている職種

画家・デザイナーなど色彩感覚を必要とする仕事、小学校学校教師(子供達に図画や工作を教えるから)は、色覚異常者には不適切と思われています。

確かに、建築家やインテリアデザイナーなどは、注文主の色彩感覚と違うと、トラブルを生じやすいものですが、あらかじめ断っておけば、問題を回避できます。

教師に色覚異常があっても、特に問題はないと思われます。むしろ、自分に弱点があることで、障害のある子供達の気持ちがよくわかり、適切な指導ができます。健常者である子供達にも、より良い接し方を指導できるでしょう。

不適切と思われる職業が天職になることもあります。

色覚異常と向き合うには?

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先天性色覚異常は、治療して治るものではありません。しかし、悪化することもありません。極めてまれな1色覚でなければ、視力も正常ですし、視野に異常もありません。近視や遠視、乱視、老眼になることはありますが、メガネやコンタクトレンズで補正できます。

しかも、色覚異常は、男性には珍しいことではありません。日本人男性の約5%、白人男性の約8%(北欧やフランスでは10%)、アフリカ系では2~4%が色覚異常です。

女性の場合は、性染色体異常のため発症することが少なく、日本女性0.2%、白人女性0.5%です。しかし、遺伝子保因者がどれだけいるのかは、わかりません。

先天的色覚異常は、特別な目の疾患だと考えず、高い声が出にくいとか、走るのが速いとか、味覚が敏感であるとか、そういう身体能力の1つと考えてください。

[色覚異常を自覚する]

まず、自分が色覚異常者であることを自覚します。そして、自分の色覚特性をしっかり把握します。どの色の組み合わせが識別できないか、どの色を誤認しやすいか、どのような状況で色の識別ができなくなるか、色の誤認をしやすいのはどういう時か、よく見極めます。

そうすれば、とっさに色を識別・判断して行動しなければならなくなっても、十分に注意して、うっかりミスをすることが少なくなります。

同級生や職場の同僚・上司にも、色覚異常者であることを、はっきり伝えます。色覚正常者と違う点について、わかりやすく伝えることが大事です。そうすれば、つまらないトラブルを避けることができます。

色覚異常者は、パソコンなど色がチラチラする画面は読み取りにくく、色の誤認をしやすいものです。パソコンのグラフや図表など、目が疲れていると、余計判別しにくくなります。「こういうのは苦手なので、読み取りミスをしたら教えてください」などと、職場の人々にあらかじめ伝えてあれば、フォローが受けやすくなります。

[色覚異常を逆手に取る]

色覚異常だから、「画家やデザイナーなど、色彩感覚を必要とする仕事に就けない」ということはありません。むしろ、色覚異常だから、独特の色彩感覚を持つことができます。

マリー・ローランサンという女流画家は、強度の近眼でした。すべてがぼやけて見えるのです。彼女が見ているままに描いたのが、あの幻想的な色彩の美しい世界なのです。

軽度の色覚異常でも強度色覚異常でも、その人独自の色彩の世界を表現すればいいのですから、画家でもデザイナーでも、なろうと思えばなれるのです。

ただ、前述したように、顧客の注文に従う必要のある場合は、色覚異常者であること告げ、自分の色覚特性を正確に伝えることが必要です。

[職種によっては、困難が多いことを自覚する]

医療関係・理工系研究者・生鮮食品取扱・運送関係など、色覚異常者は、常に多大な注意力を要求される仕事があります。一瞬たりとも気が抜けないというのは、心身ともにかなり負担が大きくなります。まして、判断ミスが他人の生命の危機を招く可能性があれば、その緊張感は並大抵ではありません。

どれほどの緊張感を強いられても、その仕事をしたいと思うならば、自己責任をよくわきまえて、突き進んで行けばいいのです。ただ、心身の疲労とストレスが過酷であることだけは、覚悟する必要があります。

また、そうした過酷なストレスや緊張に耐えられないと知って、他の仕事を選ぶのも賢明と言えます。無理をするよりも、自分の特性をフルに発揮できる仕事に就くことは、素晴らしいことです。

どちらにしても、自分の意思で選択することが大事です。自分で納得して選んだ道ならば、どんなことがあっても、後悔しないですみます。

[知覚異常者に対する周囲の態度]

「知覚異常は疾患でも障害でもない」という考え方が、世界の人々に広がっているようです。日本でも、知覚異常への考え方や対応の仕方が変わってきました。

眼科用語の変化

2004年頃から、眼科用語も変化しました。日本眼科学会では、「色盲」「色弱」という言い方をやめました。

「赤緑色盲」は「先天赤緑色覚異常者」と言い、「全色盲」は「1色覚者」と言います。「色弱」は、「異常3色覚」と言います。

色覚バリアフリー

「色覚異常は障害ではない」という考えに基づき、さまざまな色で表現される情報を、色覚異常者が見やすいように、改善策が考えられるようになりました。「色覚バリアフリー」です。

例えば、「地下鉄の路線図」ですが、色覚正常者でも判別するのが難しいですね。少しでも錐体神経に異常があれば、当然、見にくくなります。

どのような配色、どのようなデザインであれば、だれにでも見やすくなるのか・・・そのような考えで、色覚バリアフリーに取り組んでいるのが「ユニバーサルデザイン」です。

まとめ 色覚異常は疾患でも障害でもありません

すべての色は、赤・緑・青の3原色の混合により生じます。ヒトも、赤・緑・青の波長の光の組み合わせで、多くの色覚を生じます。

光を感受するのは眼球の網膜です。網膜には、3種類の錐体細胞(視細胞)があって、それぞれが長波長(赤系統)・中波長(緑系統)・短波長(青系統)に反応して、神経細胞を通して大脳に情報を伝え、色の感覚を生じさせます。錐体細胞のいずれかが欠損したり、機能が低弱だったりすると、色の識別が難しくなります。これが色覚異常です。

最も多いのは、赤と緑に反応する錐体細胞の異常で、赤系統と緑系統の色の識別が困難になります。赤緑色覚異常といいます。青に反応する錐体細胞の異常を青黄色覚異常といいますが、極めてまれです。青系統と黄色系統の色が識別しにくくなります。

色覚異常のほとんどが先天性です。X性染色体上にある遺伝子の異常で、錐体細胞に異常が生じます。色覚異常の遺伝子は劣性遺伝子で、形質が表に現れにくいのです。女性はX性染色体が2つありますが、男性はX性染色体が1つしかありません。そのため、女性はX染色体が2つとも異常でないと、色覚異常になりません。男性は、1つしかないX染色体が異常であれば、色覚異常になります。色覚異常が男性に現れやすいのは、性染色体のためです。しかし、女性は正常色覚者でも、遺伝保因者のことがあります。遺伝保因者は、遺伝子を調べない限りわかりません。

職種・資格によっては、色覚制限を設けています。色覚判断ミスが生命の危険を招く可能性があるような職種・資格は、一定水準以上の色覚を必要とするのです。

しかし、色覚異常は疾患でも障害でもありません。他の人達とは少し異なる独特の色覚を持っているのです。ですから、色覚異常に必要以上にこだわって、進路や就職を決めることはありません。ただ、自分が色覚異常であることを自覚し、自分の色覚特性をしっかり把握することが大事です。色覚異常であることを周囲の人々にも伝えて、無用なトラブルを避けます。

独特の色彩感覚を持っていると、普通の人より余計な緊張や苦労をするかもしれませんが、独自の世界を築く基になることもあります。色覚異常ではなく、独特な色彩感覚と考えて、すべてのことに前向きに取り組んでくださいね。

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