軟骨肉腫は危険なの?症状や原因、検査方法や治療方法を知って対処しよう!

軟骨肉腫は、良性腫瘍が悪性化(悪性骨腫瘍)したものになります。良性腫瘍と言っても腫瘍は腫瘍です。病気がどのように進行していくのか、治療費はいくらかかるかなど不安がつきまといます。

腫瘍と向き合っていくため、様々な情報を収集して医師と相談していきましょう。では、軟骨肉腫について細かく説明をしていきます。

軟骨肉腫とは

癌

皮膚や肺や胃などの様に身体の表面や内臓を形成している上皮組織にできる悪性腫瘍が「癌(がん)」と呼ばれます。この上皮組織以外の骨や、筋肉・脂肪などの骨以外の軟らかい軟部組織にできる悪性腫瘍が「肉腫」と言われます。

この骨の癌の事を「悪性骨肉腫」と言い、悪性骨肉腫の中で最も頻度が高いものが「骨肉腫」、次いで多いものが「軟骨肉腫」となっています。これについて更に砕いた説明と発症率や発症年齢、症状等について述べていきます。

悪性骨肉腫の中の軟骨肉腫とは

「悪性骨肉腫」とは、手足や脊椎(背骨)、骨盤などの骨に生じる悪性腫瘍を指します。悪性骨肉腫は2つに分類されます。内、原発性悪性骨肉腫が骨そのものに腫瘍が生じるもので、「骨の肉腫」とも呼ばれています。

もう1つが続発性(転移性/二次性)悪性骨肉腫で、乳癌や前立腺癌などの骨以外の組織に生じた癌を言います。軟骨肉腫は、軟骨系の組織が主体に増殖した腫瘍です。

悪性骨腫瘍の中には、軟骨肉腫ではなく骨肉腫と判断されるものもあり、軟骨形成が主体にあったとしても一部に骨組織を作るものもあり、その場合に骨肉腫とされます。

軟骨肉腫の種類

軟骨肉腫にはいくつかの種類があります。ぱっと見だけでは鑑別できないこともあり、詳細に判別しようと思えば顕微鏡で見て、その見え方の違いで判断しないといけません。下に5タイプの軟骨肉腫を列挙していきます。

  • 通常の軟骨肉腫(Conventional chondrosarcoma)
  • クリアーセル軟骨肉腫(Clear cell chondrosarcoma)
  • 粘液様軟骨肉腫(Myxoid chondrosarcoma)
  • 間充織性軟骨肉腫(Mesenchymal chondrosarcoma)
  • 脱分化性軟骨肉腫(Dedifferentiated chondrosarcoma)

発症率と好発年齢

30歳以上の中・高年者に多く発症します。10~20歳代の若年者にも発症することはあり、膝の周囲や肩の周囲に発症することが多いです。

原発性悪性骨腫瘍は、他の癌よりも比較的稀な疾患です。人口100万人に対し、年間約4人の割合で発症すると言われています。原発性悪性骨腫瘍の内の骨肉腫が約半数、軟骨肉腫は約1/4の割合で発症し、骨肉腫の方が多くなります。ちなみに、ユーイング肉腫は3番目に多いです。

好発部位

発症部位は、上腕骨近位部(骨肉腫、軟骨肉腫)や大腿骨近位部(骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫)、骨盤(軟骨肉腫、ユーイング肉腫)、肋骨(軟骨肉腫)などの体幹(胴体の部分)や脛骨・腓骨(骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫)など足にも生じます。

好発部位は大腿骨近位部と骨盤であり約半数を占めています。

軟骨肉腫の症状

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軟骨肉腫にも症状が軽いものと重大なものがあり、特に5種類の分類の中では脱分化性軟骨肉腫と間充織性軟骨肉腫が症状の重篤なものになりやすく、注意が必要だということが分かりました。続いては、軟骨肉腫の症状にはどのようなものがあるのかみていきましょう。

軟骨肉腫の症状

初期では症状がみられないことが多いです。主にみられる症状は、発生部位の腫脹や運動障害、腫瘤(しこり)や骨折です。

自身で確認ができる程に腫脹が出現した場合は痛みと伴う場合があります。また、軟骨肉腫は骨の破壊が進行し、骨がもろく崩れやすくなってしまいます。これにより、少しの外力や衝撃で骨折してしまい(病的骨折)、軟骨肉腫であった発覚すりケースも少なくはありません。また、血行性に肺転移がしやすく肺疾患を呈する可能性もあります。

また、晩期合併症を発症することがあります。治療後しばらく経過してから生じる合併症のことです。軟骨肉腫により生じるというより、これに対する放射線治療や抗ガン剤治療、手術などによる治療が原因となります。晩期合併症の症状は腫瘍の種類や治療方法、年齢や性別により異なります。例えば、上記で述べた病的骨折も含まれ、生殖機能の疾病、発達障害、小児の成長軟骨の障害、臓器機能の疾病、二次的な癌などを発症する可能性があります。

長期的な定期検査と診察を行って経過を観察していく必要があります。

発生部位による軟骨肉腫の症状

特に重篤な症状が見られる脱分化性軟骨肉腫ですが、軟骨肉腫発生件数全体における発生割合としては10%以下しか占めておらず、それほど頻度の高いものではありません。一般的に脱分化性軟骨肉腫が発生するのは腕や脚、骨盤などにある軟骨で通常の軟骨肉腫と発生する部位はほとんど変わりがありません。

しかし、脱分化性軟骨肉腫は他の軟骨肉腫と性質が異なるため、特に治療に際しては、通常の軟骨肉腫を治療する場合とは区別が必要で、さらに増殖力も強いため、根治の難しいやっかいな軟骨肉腫となります。

軟骨肉腫の原因

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軟骨肉腫とは、軟骨にできる悪性の腫瘍であり、5つのタイプに分類できるということが分かりました。では、軟骨肉腫はどのようにして発症するのでしょうか?続いては軟骨肉腫の原因についてみていきましょう。

軟骨肉腫はどうやって起きる?

多くの腫瘍、ガン細胞と同じように、軟骨肉腫の発生原因は依然としてはっきりしていません。しかし、これまでの研究から、人がある疾患にかかり、またはその疾患の治療をすることによって軟骨肉種が増加・発達するリスクがあります。そのような状態は以下のような疾病によって引き起こされることが知られています。

・Ollier’s Disease(Ollier病)

・Maffucci Syndrome(Maffucci症候群)

・Multiple Hereditary Exostoses(骨軟骨腫からの転化)

・Wilms’ Tumor(Wilms腫瘍)

・Paget’ disease(Paget病)

・幼少年期の児童に対する放射線治療を含む化学治療が優先的に採用されるような疾患

軟骨肉腫の攻撃性

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軟骨肉腫が発生する原因はがん細胞の研究が進むにつれてさらに明らかになっていくでしょうが、現時点ではまだはっきりとしたことは分かってないようでした。さらに、上記のような疾患が間接的な原因となって軟骨に悪性腫瘍ができることもあるということも分かりました。続いては、軟骨肉腫をその重篤度の点からみていきましょう。

軟骨肉腫の重篤度での分類

軟骨肉腫は同じ種類の腫瘍でもさらに攻撃性の違いによって症状が軽微なもの、中くらいのもの、重篤な物と三段階に分けることができます。軟骨肉腫は出来る部位は場所、腫瘍の状態によってそれぞれ異なった様式で活動します。しかし、実際にできる腫瘍の多くはさほど深刻でない症状の軽微な腫瘍です。腫瘍の内部に観察される細胞は、あたかも自分は普通の軟骨であって腫瘍ではないかのように振る舞うため、問題が表面化しないで済んでいるのです。

もちろん、一部の例外的な腫瘍細胞は、人間の体内にあるルールを無視してどんどん増殖していきます。ただし、症状が軽微なものに関してはそれほど大きな問題はありません。

症状が中くらいの軟骨肉腫はの場合も、腫瘍細胞は依然として軟骨の細胞の一部であるように振る舞います。しかし、症状が軽微なものと比べて悪性の度合いが高まり、かなりガン細胞化しています。そして、症状の重篤な軟骨肉腫の場合、もはや腫瘍細胞は軟骨の細胞のふりをするのはやめて、勝手に増殖・成長し、がん細胞を体内に増やしていきます。

5タイプの軟骨肉腫と重篤度での分類

さきほどでてきた5タイプの軟骨肉腫はこの3種類の軟骨肉腫の症状の強さによって大まかに位置づけることができます。それぞれ当てはめてみます。

通常の軟骨肉腫とクリア―セル軟骨肉腫はだいたい症状が軽微なものか中くらいものです。したがって、それほど攻撃性は高くありません。また、腫瘍が転移することも少なく、一か所に留まり続けることが多いです。

脱分化性軟骨肉腫と間充織性軟骨肉腫は症状の重篤な腫瘍になりやすいです。これらの軟骨肉腫は積極的に増殖し、周囲の部位に患部が広がっていく傾向にあります。

軟骨肉腫の検査・診断

CT 画像診断

診断をする上で、年齢、発症時期、発症部位を問診します。

この時、以前にも(特に小児・思春期)同じような病気を患っていたか、以前に発症した経験のある病気や服用していた薬などについても医師に伝えておくと今後の検査・治療に役立てることができます。特に、骨腫瘍、皮膚の病変、骨変形の診断を受けていた場合は必ず医師に伝えましょう。

もちろん、問診だけでは診断材料は足らないため、以下のような検査も行っていきます。

画像検査

肉腫の診断のための血液検査も行いますが、それ以外に画像診断も必要になります。レントゲン検査、CT、MRI、骨シンチグラフィー、PETなどの画像検査を行います。レントゲン検査にて骨の変化がみられるまで症状が生じないことも多いです。

あまり聞いたことのない骨シンチグラフィーは、全身の骨の病変を調べる検査になります。この検査の方法は、テクネチウムというラジオアイソトープ(放射性同位元素)を含んだ薬剤を注射するというやり方になります。注射した薬剤が、骨の代謝や反応が活発なところに集まる性質を利用し、腫瘍の広がっている度合いや骨の炎症状態、骨折の有無を確認していきます。これにより、全身の骨の状態を把握することができます。特に、骨転移の診断には良いとされている方法です。活動的な軟骨肉腫では、周囲の骨や骨の組織を破壊して骨代謝を亢進させるため、この検査の結果は陽性と出ます。

その他の画像検査では、造影剤を使用する場合にアレルギーが生じることがあります。アレルギーが生じた経験のある方は事前に医師に伝えて相談する必要があります。

針生検

以上の検査では最終診断に至ることはありません。最終診断として、生検という検査を行います。これは、病理医が腫瘍組織を採取して細胞が良性か悪性か、どんな疾患であるかを診る検査になります。採取方法は、針を刺して組織を採取する方法です。より正確な診断を行うために骨の肉腫の場合には十分に組織を採取します。

生検が不適切に施行された場合には、より大きな手術が必要になることや、腫瘍の周囲の組織を汚染してしまうことがあります。こういった事にならないためにも、生検は専門の施設で行うことが最適でしょう。また、良性と悪性の鑑別が困難なケースも多くみられるため、検査・治療経験の豊富な医師に診てもらうようにすると良いと思われます。

切開生検

針生検では、骨の組織が硬く診断に必要な大きさの組織を十分に採取することが困難なことがあります。この場合、より正確な診断をするために骨を切開して十分な大きさの組織を採取する切開生検を施行します。

良性腫瘍である軟骨系の腫瘍と悪性腫瘍である軟骨肉腫では極めて鑑別が困難なため、専門の病理の医師によって診断されます。針生検では不十分な場合にはこういった切開が原則必要となってきます。

軟骨肉腫の治療方法

癌 切断

数多くの臨床研究により、世界的に標準的な治療法として、術前化学療法→手術→述後化学療法が確立されています。

年齢や病気の場所、病期によっては治療方法が異なってくるため、軟骨肉腫の疑いがあった場合には早期に診断・治療を受けるようにしましょう。

手術(外科治療)

手術(外科治療)が基本的に中心となって施行されます。腫瘍細胞を取り残さないために、腫瘍を正常な組織で包み込んで切除する「広範囲切除術」を施行します。このために、腫瘍の周囲にある正常な骨や筋肉などの組織も一部一緒に切除する必要があります。

患肢温存術と再建術

「患肢温存術」によって患肢の手・足は切断せずに腫瘍を切除する方法があります。患者の手や足の機能を維持したり、機能の低下を防ぐことができ、中心的な手術療法とされてきています。

腫瘍を切除して患肢を温存しても、「再建術」が必要になることも多くあります。再建術は、手術で取り除いた骨があった場所を人工関節や自身の他の部位の骨を移植し置き換えることを言います。これにより、身体の支持や運動などの骨や関節などの機能を補っていきます。これは、腫瘍の切除手術と並行して行う場合と切除手術の後に施行される場合とあります。

「予後」でも述べた様に、患肢を残す患肢温存術も試みますが、腫瘍が神経や血管を巻き込んでいるなど切除範囲が広範囲である場合や、再建しても患肢の機能を保持することが困難な場合、には「切断手術」が施行されます。

効果が得られ難い治療もある

抗ガン剤治療や放射線治療が適応される場合もありますが、あまり効果が得られないと考えられています。骨に発生した肉腫の場合、効果は得られ難いかもしれませんが一般的な治療方針に沿って、抗ガン剤治療を中心とした治療から開始されます。

抗がん剤治療に関しては、副作用の白血病といった二次的癌のリスクも伴うため、定期的な通院が必須です。

治療後の対応

軟骨肉腫は悪性腫瘍の中でも再発や転移を生じることが少ないですが、治療後も定期的に通院して検査を行う必要があります。小児の場合は成長に伴い再手術を施行しなければならないことが多いです。一般的には、最初の1年間は3~4カ月ごとに1回の通院が必要です。

診察では、問診・視診・触診・レントゲン検査等を行います。状態により、CTやMRIの画像診断が必要な場合もあり、局所的な再発や肺への転移がされていないかを確認します。こういった病理的な診断以外にも、治療後の骨や関節の支持性や機能面、痛みや腫脹の状態などを検査します。

また、人工関節や装具の状態や日常生活で不便なことがないかといった状況も確認します。人工関節は消耗品であり、何年もすると老朽化するため場合によっては人工関節を交換するための手術が必要になります。

軟骨肉腫の予後

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やはり腫瘍に関する治療であれば、外科的な処置がかなり効果的であるということが分かりました。では、仮に無事に軟骨肉腫の切除手術を終えたとして、どれくらい体の調子が回復するのでしょうか?

術後のケア

軟骨肉腫の切除手術を受けた後の追跡調査というものが存在しますが、実際のところ、症状の進行具合や腫瘍の状態、手術の内容などによってどのくらい症状が改善し、手術を受ける元と同じような生活を送れるかどうかは個人差があるとしか言えません。

そのため、手術を受けた後も安心しきってしまうことなく、病院と患者が一体になって術後の経過を慎重に見守る必要があります。

転移・再発

外科手術をすると回復の見込みが大きくなることは事実ですが、しかしそれも患者さんに発症している軟骨肉腫の症状の度合いによります。

やはり、症状の重篤な軟骨肉腫の場合、手術が無事に終わったとしても腫瘍が転移していたり、脱分化性軟骨肉腫の場合、手術を終えても脱分化した腫瘍がまだ残っていて、術後にかえって増殖していたりすることが考えられます。いずれにしても術後も予断を許さない状態です。

小児に多くみられる悪性骨腫瘍の骨肉腫よりも比較的、転移を起こしにくく、腫瘍が大きく成長する早さもゆっくりです。初診時に転移のない四肢に発生した場合、5年生存率は約70%です。患肢を温存した(切断をせずに足を残す)場合は約90%と言われています。

まとめ

生命 病期

軟骨肉腫は、原因不明の稀に見られる疾患であり、悪性腫瘍ではありますが予後は暗い経過を辿ることは少ない疾患ということがわかりました。予後は暗くないと言っても、発見がされにくいと言われ、早期発見・早期治療ができなければ生命予後は良いとしても切断をしなければならない等のリスクが伴っています。

合併症も極めて重症な病気を発する可能性があります。こういった病気の進行を防ぐためにも、定期的な癌検診などを行っていくようにしましょう。

  
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