腕が痛む時、腕全体が痛むのか、部分的なのか、その場所によっても痛みを起こす原因は違ってきます。
そして、どのように痛むのか、ズキズキ痛む、もやっと全体が痛い、動かすと痛いなど、その症状の違いと、考えられる原因をさぐり、腕の痛みを改善する方法や、治すためにはどのようにすればいいのか、その効果的な方法などを紹介します。
どのように腕が痛む?その症状
一言で腕が痛むと言っても、肩に近い腕の付け根部分なのか、肘の関節あたり、それとも手首付近など、腕のどの部分に痛みの症状が現われているのかによって、疑われる原因は異なってきます。そして、しびれを伴う痛みや、ずーんと重く鈍い痛み、動いた拍子にズキッっとくるような激しい痛みもあります。
このように腕の痛みには様々な症状があるので、それぞれ痛みの出ている場所や、痛みの強さ、程度によって原因と対処法を考えなくてはいけないのです。神経痛、ストレス、病気、四十肩(五十肩)、神経痛、頸椎や首の異常、肩のコリのほかにも色々な要因があるといえます。
いずれにせよ、怪我だと思われる場合はもちろんですが、1週間以上たっても痛みが治まらず、弱まる気配もないようなら、一度、整形外科を受診して、検査を受けたほうがいいでしょう。
腕の痛み、考えられる原因とは?
では、腕の痛みの原因について紹介します。
怪我による腕の痛み
腕をどこかにぶつけたとか、高いところにあるものを取ろうとしてひねったり、躓いて転んでしまったなど、何かしら思い当たる原因があるなら、それは打撲やヒビ、骨折のような怪我によるものなのだと、ある程度は予想はつくものです。
怪我で痛みがある場合は、もしも骨折や骨にひびが入っているなどだった場合、そのまま気が付かず痛みを我慢していたら、炎症や骨が変形してくっついてしまうなど、大変なことになりかねません。
ちょっとぶつけたくらいだからとタカをくくったりせずに、とにかくまずは、整形外科などを受診して、骨に異常がないか、筋肉や腱が傷ついていないかを見てもらうことが重要です。
筋肉まわりの異常による腕の痛み
腕の痛みを調べてもらうときに、レントゲンでも見つけにくいのが筋肉や、筋肉と骨をつなぐ腱(けん)という丈夫な繊維組織の束に損傷や断裂が起きている場合などです。もしも原因がこれらによって起きている場合には、筋肉や腱の専門医でないと見つけられない場合もあるようです。
また、歳をとることで、だんだんと固くなってくる肩の関節にある関節包や腱などが、炎症を起こして肩が上がらなくなったり、肩や腕などが痛むのが四十肩・五十肩などとも言われる、肩関節周囲炎という疾患もあります。
神経の異常による腕の痛み
神経が起こす腕の痛みもあります。身体と脳をつなぐ背骨の内部を通っている、脳から送られてくる指令を身体の各部分に伝える役目をしている神経の束のまとまりが脊髄と呼はれるものです。
脊髄から伸びている神経根を変形した首の骨や椎間板などが圧迫してしまうことによって起きる腕の痛みが、頸椎椎間板ヘルニアや変形性頸椎症と呼ばれるものです。
腕の痛みから疑われる病気と疾患
では次に、腕の痛みの症状がある病気を紹介します。
頸椎椎間板ヘルニア
頸椎椎間板ヘルニアとは、首の背骨一つ一つの間にあるクッションの役割をしているゼリー状の椎間板と呼ばれるものに、腕や手などを動かす神経を圧迫することで痛みやしびれを起こしててしまう症状がある炎症です。真上を見るように首を後ろにそらすと腕の痛みやしびれが強くなることが多いようです。
頸椎椎間板ヘルニアになりやすい行動は、うなずく動作(首を上下に振る)などが挙げられます。
変形性頸椎症
腕や手に電気が走ったように鋭い痛みを伴うしびれが起こるのが、変形性頸椎症です。首の骨が長期間かけて変形して背骨が徐々に変形したために、神経の通っている穴が狭まり、それによって神経を刺激して、手に痛みやしびれが出てしまうようです。
自己でむちうちや、首を鳴らしてしまう癖、猫背など姿勢が悪い方に起こりやすく、40代以上に特によく現れるようです。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)
腕のほかに肩や首周辺に続く痛み、腕が上げづらくて、無理に上げようとするとしびれを伴う痛みが出る症状は、肩関節周囲炎かもしれません。四十肩や五十肩とも呼ばれますが、これは肩の周りの関節や腱、腱板などが炎症を起こしている状態なのです。
特に効果的な治療もあまりない上に、それでも痛みが長期化することも多くあるため、出来るだけ肩まわりを冷やさないように気を付けて生活し、そのまま変形してしまわないように、無理はせずに、適度な運動は行った方がいいのかもしれません。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
テニス肘と呼ばれるもので、テニスや野球などの腕を酷使するスポーツだけでなく、長時間パソコンのマウスを操作する方などにも多い症状なのです。
これは腕の肘や手首を使う際に、痛みが起こるというものです。原因となる動作を減らしたり、湿布などを使って様子をみます。あまり長引く場合は手術することもあるようです。
脊髄空洞症
脊髄のなかを通っている髄膜を流れている髄液の流れが悪くなってしまうために起こる疾患です。交通事故などでも発症する場合があります。
胸郭出口症候群
手の小指側が鈍い感じでしびれるのは、胸郭出口症候群かも知れません。首から胸の前部分にかけての神経の通り道が細くなってしまい筋肉や骨などに挟まれた神経が圧迫を受けることで起こっているようです。
手首の腱鞘炎
ピアニストやキーボードを打つ、小説家などのように手首をよく使う仕事で、一か所にストレスが長くかかった状態を続けることで起きてしまうのが、腱鞘炎です。詳しくは、腱鞘炎に湿布は有効?それともテーピング?適切な処置とは!を参考にしてください。
頸部脊柱管狭窄症
腕や指先などが痛みを伴うしびれを感じる症状で、脊柱管が首の骨にかけての部分で狭まってしまうことで起こります。首や肩などが緊張して強くコリを感じるようになります。ひどくなると握力が低下したり、手に力が入りづらくなったりする方もいるようです。
そのほかこんな病気も
肺がんの初期症状や痛風、関節リウマチなども腕が痛い症状がでることがあるようです。心配な方は医師の診察を受けてください。
肺がんの初期症状については、肺がんの初期症状をチェック!咳や背中の痛みに要注意!
リウマチの初期症状については、リウマチの初期症状をチェックしよう!指のしびれに要注意!をそれぞれ参考にしてください。
そして心筋梗塞でも、特に左腕の内側が痛む場合があるのだそうです。なんとなく左腕が怠い感じや、足がよくつる、虫歯でもない歯が痛むなどの症状も併発していたら要注意かもしれません。心筋梗塞の初期症状は、心筋梗塞の前兆は?症状を知って適切な処置を!を読んでおきましょう。
どちらか片側の手が痛い、しびれる、顔の片側がゆがんでしまうなどの場合は、手遅れにならないように、とにかく早急に受診して検査をしてもらいましょう。
腕の痛み、どうしたら治る?
ここでは、上記で紹介してきた腕の痛みを伴う症状の病気や疾患などに、それぞれ効果がありそうな方法を選んで、そのいくつかを紹介していきます。
マッサージする
もしも、肩こりや首や肩甲骨周りのコリによって起こっている腕の痛みなら、右利きの人は右、左利きの人は左の二の腕を揉んでみるとやわらかい部分の奥にしこりのような塊を触ることができるかもしれません。
それは、長時間パソコンのマウスを触っているために起こる腕のコリが原因となって出来るのですが、放っておくとどんどん肩や首から二の腕にかけての部分が凝り固まってしまいます。
解消するためには、腕を頭の上に乗せるような形で二の腕の下部分のコリコリした塊を揉みほぐすつもりで、掴んで離すという動作を繰り返します。そうして徐々にコリをほぐしていきます。最初は痛いかもしれませんが、揉んでいるうちにだんだんやわらかくなっていくのがわかります。
そして、脇の下部分も、ついでに揉みほぐしておくことで、わきの下を通っているリンパの流れも良くなって、老廃物が流れやすくなっていきます。
整形外科を受診する
レントゲンで骨や筋肉などの異常を調べて、医師の触診や問診によりどのような原因で痛みが出ているのかを調べてから、消炎鎮痛剤(湿布)や、筋弛緩剤などの薬物療法が行われる場合が多いようです。場合によっては手術を進められることもあるようです。
何科を受診すればいいのか迷うところですが、おすすめなのは整形外科のなかでも首や肩の専門医など、それぞれの得意な専門の科があるので、なるべく自分の症状に合った医者を訪ねるのが正解と言えるでしょう。
そのような専門医を訪ねることで、今まで見落とされていた原因がより早く見つけてもらえるかもしれません。そして、ある程度の期間、治療してもあまり改善してこなかったり、1か月以上長引くような場合は、整骨院やカイロプラクティック、鍼灸などほかの代替治療の方法も視野に入れていくようにしましょう。
カイロプラクティックや鍼灸
腕の痛みが継続的に続いている場合、整形外科などに通っていたが改善しないなどの場合、整体や接骨院、カイロプラクティックや鍼灸といった、ほかの治療や施術を受けてみるのもいい方法だと言えます。
効果がないというのは、もしかしたら診断された結果と違う原因かもしれないので、あらゆる方向から調べてみるのも、重要だということです。見当違いの治療をしても、効果が出ないのは当たり前ですし、骨の異常以外の筋肉や腱、神経などの異常は外科的診察だけでは案外、見落とされる場合もあるようです。
まとめ
腕の痛みは、腕以外の首や背骨、脊椎や肩など別の部分の異常から発生していることが、意外と多いのかも知れません。このように、さまざまな原因から起こりうる腕の痛みについて、今回はその主な症状に対して疑われる病気や疾患、そしてそれらに効果がありそうな治療や痛みを減らす方法をご紹介しました。
ご紹介した疾患のほかにもたくさんの病気が隠れている可能性もあります。色々な治療を試しても快方に向かわないという場合、もしかすると診断や治療が間違っているのかもしれません。整形外科だけでなく、カイロプラクティックなどの代替医療の施術も一度検討してみるのも一つの方法と言えるでしょう。
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