絨毛癌ってどんな病気?症状や原因は?治療方法はあるの?

妊娠の際、色々な悩みなどがつきものではないでしょうか?妊娠という重要な時だからこそ知っておきたい事が沢山あるのです。今回は妊娠時に知っておきたい病気のひとつ、絨毛癌について紹介させて頂きます。

お腹の子供のことを心配するのは勿論の事、母親の体調の心配もしなければならないのです。この絨毛癌を通して、母親と胎児の両方に注意を向けなければならないこと、悪性腫瘍の厄介なことなど知っておきたいことを改めて理解して頂けたらなと思います。

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悪性腫瘍とは何なのか

悪性腫瘍

まず、悪性腫瘍について説明をしていきます。絨毛癌を知る上で悪性腫瘍の知識を知っておくことでより理解できると思います。

悪性腫瘍は増殖が早く、発生した部位での増生だけでなく周囲の組織に浸潤し、血管やリンパ管に入り他の臓器やリンパ節に転移する腫瘍です。無限に増殖して、最終的には死に至る病気です。

悪性腫瘍にはどのようなものがあるのか

悪性上皮腫瘍と悪性非上皮腫瘍のふたつのパターンがあります。悪性上皮腫瘍は皮膚や食道、消化管、肺、膀胱といった所に発生する腫瘍で成人の大半はこちらを発症します。

悪性非上皮腫瘍は骨や軟骨、脂肪、血管、平滑筋とった所に発生する腫瘍で小児の大半はこちらを発症します。

悪性腫瘍はどのようにして転移を行っていくのか

悪性腫瘍は様々なルートで浸潤し、転移していきます。腫瘍細胞が原発巣から遠隔部位に増殖するのを転移と呼ぶ。転移した腫瘍を転移巣と言います。癌患者の死因はこの転移によるものと言われ、予後に大きく関わってきます。

転移の種類として、リンパ行性転移、血行性転移、播種性転移の3つがあります。転移のメカニズムとして、原発巣から癌細胞の離脱と間質への浸潤、血管・リンパ管への侵入、脈管内での生存、脈管内皮へ接着する、脈管外への浸潤、再増殖があります。

悪性腫瘍の進行度を把握することが必要

悪性腫瘍の進行度を理解し、治療などに活かしていくことが必要になります。悪性腫瘍の進行度は患者の予後を知る上で重要で様々な指標を用いて進行度や病期が分類されています。

その中のひとつ、TNM分類というものがあります。病変の解剖学的広がりで癌の進行度を分類するものです。国際対がん連合が中心になって各臓器癌ごとに病期が規定されています。Tは原発巣の大きさや周囲の組織への浸潤度、Nは所属リンパ節の転移の度合い、Mは臓器の転移の有無を指しています。

これらを元に病期を4期に分けているのです。これらは診断法や治療法の変化に伴い、見直されています。

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絨毛癌について

子宮

本題の絨毛癌について移ります。妊娠時の胎盤を形成する絨毛細胞が悪性に変わるものを絨毛癌です。

具体的にどこにできるのか

大部分は子宮に発生します。場合によっては肺に見つかるケースもあります。まれに妊娠とは別に卵巣や精巣に発生することもあるのです。

妊娠性絨毛癌

絨毛癌のほとんどの場合は妊娠で発症します。妊娠の際に絨毛細胞が増加し、何らかの原因で絨毛細胞が癌細胞に変異するのです。

非妊娠性絨毛癌

妊娠に関係なく発症する絨毛癌です。発症するのも極めて稀と言われている珍しい癌なのです。

どのような転移が見られるか

血行性転移を起こすケースが多いです。

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絨毛癌の原因は一体何なのか

妊娠

絨毛癌の原因について説明させて頂きます。

妊娠性絨毛癌の原因について

妊娠性絨毛癌の原因として、胞状奇胎で発症する場合が多いです。他にも妊娠や流産、子宮外妊娠でも発症することがあります。

非妊娠性絨毛癌の原因について

非妊娠性絨毛癌の原因は分かっていないことも多いですが、男性に発症するケースも十分あります。原因として、胚細胞腫瘍のひとつとして発症する場合がほとんどです。他の癌の分化異常で絨毛癌を発症するというケースもあります。

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絨毛癌の症状にはどういうものがあるのか

黄斑上膜

絨毛癌の症状について説明させて頂きます。

不正性器出血

絨毛癌の自覚症状のひとつとして、不正性器出血があります。女性性器から出る生理的でない出血です。最も発症しやすい症状として知られています。出産後や流産、胞状奇胎の痕に出血が続くと絨毛癌の疑いが強くなります。

帯下の増量

絨毛癌の自覚症状のひとつです。膣などの生殖器から出る分泌物の量が生理的もしくは病的に増加したものが帯下です。

下腹部痛

子宮・卵巣の腫大や腹腔内出血により生じます。

つわり

重度の悪心や嘔吐が発生しやすいです。

青藍色のしこり

膣や会陰部に転移することで起きます。

肺に転移した場合

肺に癌が転移することで胸痛、咳、血痰、呼吸困難といった症状が現れます。

脳に転移した場合

脳に癌が転移することで頭痛、吐き気、嘔吐、麻痺、神経障害といった症状が現れます。

つまり

絨毛癌は生殖器だけの症状と思われがちだと思いますが、全身に癌が転移し、症状が出現するということを理解する必要があります。

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絨毛癌の検査・診断について

検査

絨毛癌の検査・診断について説明させて頂きます。

出血の有無

不正出血が日々の生活で見られる場合、胞状奇胎、絨毛癌の疑いが強いです。

血液・尿検査

血液や尿に含まれているヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンを測定します。絨毛癌の場合、高値が測定されます。しかし、妊娠などの場合でも高値が出るため、これだけで確定できるとは言えないです。

胸部X線検査・CT検査

子宮や他の臓器の病変部位の確認のために行われます。肺や脳、肝臓などに転移するケースが多いからです。これにより、全身状態を把握することができます。

超音波検査

血流像を把握するために行われます。骨盤内の血管造影を行うこともあります。超音波のみでは流産との鑑別が困難なので、他の検査と並行して行われます。妊娠2か月~3か月の時期に診断していきます。

PET

高度な画像診断を得るために行われます。

絨毛癌診断スコア

経過や転移部位などを点数化します。臨床的侵入奇胎と臨床的絨毛癌との区別を行っていきます。

つまり

絨毛癌かどうかを知る際、血液・尿検査など単一の診断で判断するのではなく、CT検査などを組み合わせて絨毛癌かそうでないかを鑑別していく必要があるということです。超音波検査の場合は妊娠2か月~3か月の時期で行えることから早期発見することが可能と言えます。それほど医療技術が発達していると言ってもいいでしょう。

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絨毛癌の治療方法について

治療薬

絨毛癌の治療方法について移ります。

はじめに

絨毛癌は進行が早く、悪性が強いです。しかし、適切な治療を受けると半数以上の患者を治すことができるとも言われています。そのため、早期発見と早期治療が重要とも言えます。

化学療法

絨毛癌の治療の中で抗がん剤治療が有効な治療法とも言われています。1種類のみ使用するケースもあれば、複数の抗がん剤を組み合わせて治療を行っていく場合があります。90%以上の寛解率があります。昔は致死率が高いとされた絨毛癌の寛解率が上がったのもこの化学療法が発達したためと言われています。

抗がん剤として、以下のものがあります。

  • メトトレキサート
  • アクチノマイシンD
  • エトポシド
  • シクロホスファミド

手術

化学療法だけで不十分な場合に行われます。ケースに応じて手術のアプローチも変わってきます。胞状奇胎の場合は子宮摘出術や子宮内容掻爬吸引切除術といったアプローチが行われます。

胞状奇胎があると出血のリスクもあるので早期に手術を行われる場合が多いのです。最も子宮摘出術は共通して行われる手術のアプローチとも言えます。妊娠希望がない場合に行われたりします。

なので問診の際に妊娠の希望があるかどうかを確認する必要が出てきます。

放射線治療

化学療法だけで不十分な場合に行われます。遠隔転移が見られる場合に行われます。痛みを緩和したりすることができます。臓器をそのまま残せるといった手術にはない利点があるのは大きいです。予後不良の場合にも用いられたりします。X線やγ線、電子線などその人に応じて放射線を選択することができます。

治療が終わっても治療の効果と放射線による副作用などを知るために経過観察を行っていくことが重要になります。

絨毛癌の予後について

絨毛癌の予後について説明します。

絨毛癌の5年生存率はTNM分類のステージⅠの場合は約90%、ステージⅡの場合は約80%、ステージⅢの場合は約65%、ステージⅣの場合は約30%ととも言われています。つまり、早期発見と早期治療が5年生存率を引き上げるポイントということになります。絨毛癌は無症状の段階でも確認できるので、普段の定期健診などから発見されるケースが多いと思われます。

絨毛癌は寛解と再発を繰り返すので、治療の経過をしっかりと追っていくことが重要です。治療後も定期的に検診を受けて再発していないかを確認していくことになります。脳や肝臓に転移すると予後不良となります。

つまり

絨毛癌も他の従来の癌と同じく、早期発見と早期治療が大切と言えます。TNM分類から予後予測を行い、どのようにして治療を行うかが決まってくるからです。

治療としては抗がん剤を用いた化学療法がベースになると思われますが、必要に応じて手術による外科的治療や放射線療法が行われます。手術を行う際も妊娠希望があるかどうかも把握しておく必要もあります。これにより、子宮摘出術が行えない場合もあるからです。

子宮内容掻爬吸引切除術での治療が可能かどうかも画像診断の際で確認しておきます。放射線治療も作用と副作用を把握したうえで行っていく必要があると言えます。

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まとめ

今回、絨毛癌について紹介させて頂きました。珍しい悪性腫瘍とはいえ、妊娠後の検査で見られるといったことが往々としてあります。妊娠後の不正出血や血液検査、超音波などで早期発見し、早期治療を受けられる悪性腫瘍としても知られています。なので無症状の状態でもすぐに治療を行うことができる病気とも言えるでしょう。

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