血尿の原因は?ストレスや病気の可能性について!

血尿が出ると、何か重大な病気に罹ってしまったのではないかとびっくりしてしまいます。目で見える身体の不調はショッキングなものです…

見た目に反してそれほど大きな病気ではない事も多いのでそんなに心配する必要もないのですが、大病の可能性がないわけではありません。

なぜ血尿が起こっているのかを知り、適切な対応ができるよう心がけましょう。

どうして尿に血が混ざってしまっているのかの正しい原因を知り、再発の防止と症状の悪化の食い止めを行いましょう。あらかじめ、病気になる可能性や大きな原因を知っておきしっかり対処をしておくことで症状や病気を未然に防ぎ発病を食い止めることが出来ます。

尿に血が混ざりやすい原因を知り、対策をしていきましょう。

血尿とは

排尿-4

血尿の定義は、「尿に血が混ざっていること」です。そのため、どんな理由があっても尿に血が混じっていた時点で血尿と呼ばれ、原因は様々であると考えられます。

血尿には、目で見てわかる「肉眼的血尿」だけでなく、見た目には分からず、顕微鏡で見て初めて分かる「顕微鏡的血尿」があります。

100mlの尿に0.1mlの血液が混ざると肉眼で見えるようになると言われており、血尿の中の血液の量は1~2%くらい、多くても5%と言われています。つまり、見た目程出血している訳ではありません。

症状で分類すると、痛みや排尿障害など他の症状を伴う「症候性血尿」と、血尿以外の症状のない「無症候性血尿」に分ける事ができます。

肉眼的か顕微鏡的か、症候性か無症候性かは病気によってはっきり違うものではなく、同じ尿路結石症を原因としていても、症状がある人がいたり無い人がいたりという事があり得ます。ただ、無症候性で顕微鏡的な血尿の場合、他と比べて泌尿器科的な異常がない割合が高い傾向があります。

症候性血尿

尿の色が赤っぽかったり、黒っぽかったりする状態の尿が確認できます。同時に排尿の時に排尿痛、熱く感じるような痛みやおしっこの回数が近くなることや背中や脇腹などに痛みが現れることがあるのが症候性血尿の症状です。

場合によっては高熱が出たり立ちくらみのような症状が同時に現れることもあります。特に排尿時に痛みが発生する場合は尿管に炎症などの症状が発生している可能性が考えられます。

精神的ストレスや過労や性病などが原因の可能性も考えられます。見た目での血尿の症状が確認された際は、泌尿器科での診断を受診し病気の有無の検査を行いましょう。

無症候性血尿

尿に含まれる血の量が少ないこともあり、見た目では血尿とは判断できず痛みなどの自覚症状のない状態の血尿のことを無症候性血尿といいます。

健康診断や人間ドッグでの検査では約10%という多くの人に血尿の値に引っかかる人が居ます。生理の影響もあり血尿の症状は男性よりも女性に多い傾向があります。

症状が無いからと言って油断はできません。血尿の原因が尿路上皮がんや悪性腫瘍や慢性腎炎など重大な病気が関係している可能性もあります。

健康診断などで血尿の診断結果が見られた場合は必ず専門機関での精密検査を行うようにしましょう。

血尿が現れる病気

ホモシスチン尿症のその後

血尿が現れるのは、尿の排泄経路のどこかで出血が起こっている事を示しています。つまり、腎臓・尿管・膀胱・尿道のいずれかです。一般的には、排尿痛を伴う血尿は感染症によるものなので緊急性はないと考えられています。

出血から排尿までの時間が短ければ鮮血が見られ、逆に出血後排尿まで時間が掛かると色調が茶色に変化するので、これらの状態から出血部位の診断を行います。排尿時の尿の色をしっかり確認しておき、検査の際には医師に問診での症状についての説明を行いましょう。

癌があると、物理的にがん細胞が血管に食い込んで出血する場合があります。また、癌は栄養分を取り込むため、元々の血管から枝分かれした血管を作ります。この血管は通常の血管よりも脆いため、ここから血管が壊れ出血が引き起こる場合があります。

血尿が出る癌は腎臓がん、腎がん、腎盂がん、尿道がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がんである場合です。

癌で起こる血尿には痛みが出る場合が少なく、突然血尿が出て数日から1~2週間で止まる例が多く見られます。ただし、血の塊や腫瘍の影響で尿管が詰まると腰に痛みを感じる事があります。

特に癌の場合は肉眼的血尿と顕微鏡的血尿の症状を合わせれば患者の80%に血尿の症状が確認されます。痛みの伴わない肉眼的血尿の症状を訴えた患者の2割程度が膀胱癌であったデータが報告されています。

50代以上の高齢者に多く見られる病気なので注意しておきましょう。一度症状が現れただけで、時間経過とともに自然に治ったと言う場合も安心はできません。痛みが現れない場合は特に原因が内部で起こっている証拠なので、内部のどこに原因があるのかしっかり検査する必要があります。血尿が収まっても癌はなくならないので悪化する前に対処していきましょう。

尿路結石

尿路結石は、尿路のどこかに結石ができる事を指します。元々の原因は尿路にそもそも何か以上がある場合、水分摂取の不足、偏食など様々ですが、尿の中のカルシウムやリンが増加する事で結石が出来、尿路が塞がれて腎臓の圧力が上がる事による痛みや排尿通が起こります。

尿路結石による血尿は、結石の移動による出血を原因としています。また、結石の移動による尿の詰まりが起こり、腰痛を併発する場合もあります。その他にも脇腹から背中にかけての痛みを伴う場合もあります。結石と聞くと非常に痛いイメージがありますが、血尿だけが出る場合もあります。特に腎臓内に結石ができている場合は痛みの症状が現れないことが多いです。

尿路結石の症状は90%以上が上部尿路結石という腎臓や尿管に結石が発生するケースが多いです。確立の少ない膀胱や尿道に結石が出来るのを下部尿路結石といい、この症状では頻尿の症状や残尿感などの膀胱が刺激されることで発生する症状が多く見られます。

尿道炎や膀胱が傷つくことで痛みや出血などの症状が現れます。

尿路結石については、尿路結石の原因はストレス?治療や予防方法を紹介!を参考にしてください。

尿路感染症・膀胱炎

尿路感染症の炎症であるこの病気は、尿の経路に細菌が感染する事で起こります。血液から腎臓に細菌が入る血行性と、尿道から細菌が入っていく上行性があります。血尿や尿の濁りが見られ、微熱や排尿痛を伴う事があるのが特徴です。

膀胱炎では代表的なもので残尿感や頻尿などの症状も同時に現れます。トイレを我慢することや不衛生な状態でのセックスなどが原因で症状を発症する場合があります。その他にも慢性的に症状を繰り返す場合はトイレのウォシュレットが原因になっている場合も考えられます。

本来免疫力を保っている膣内の細菌などを洗浄しすぎることや、洗浄ノズルの汚染などが原因になって菌の感染が発生する事が考えられます。

また、膀胱炎の症状から症状が進行して腎盂腎炎を発症する可能性もあります。膀胱炎を発症した細菌が腎盂にまで到達すると腎盂腎炎を引き起こし、38度以上の高熱などが現れます。薬物療法によって治療が行える病気ですが、この状態をさらに放置してしまうと症状が慢性化し腎臓にまで症状が広がり最悪の場合は腎不全になってしまう危険性があります。

これらの症状は女性に発症の確立が高いので、特に高齢の女性は注意しましょう。

腎臓の炎症

尿路の問題ではなく、腎臓で原尿ができる時点で出血して起こる血尿もあります。細菌やウイルスの感染が腎臓の中で起こると、蛋白質などを濾過する糸球体で炎症が起こって出血します。赤血球の濾過が上手く出来ずに尿の中に血が混ざり、尿路での出血と比較すると褐色の濃い色を示す傾向があります。

腎臓の働きが悪くなると、トイレが近くなったり身体のむくみを感じる場合があるので、これも目安となります。

腎臓は血液をふるいにかけ、不必要な老廃物や栄養素の残りカスや有害な毒素などを尿に変える働きのある器官です。この器官に炎症が発生するのが腎盂腎炎です。

上記のような症状が比較的軽いものから高熱などの症状が出るものまであります。しかし、症状が軽いからと言って軽度なわけではなくて十分慢性の症状に進行し腎不全という病気に進行し死に至る可能性もあります。

腎盂腎炎の感染経路は3つあり上行性感染と血行性感染とリンパ性感染があります。この中でも腎盂腎炎に繋がるケースとして最も多い上行性感染は膀胱炎でも紹介した通り尿道→膀胱→尿管→腎盂という経路で細菌が感染を広げていく経路です。妊娠、痛風、膀胱炎、尿路結石の症状が初期の症状として現れます。

死亡率が高くなるのが血行性感染です。他の臓器から細菌が血液を通って感染し機能が低下し、症状が発症します。リンパ性感染はその名の通りリンパ管を通って感染していくもので、尿道、尿管、膀胱周辺のリンパ管から感染が広がります。

症状が現れた際には、病院での治療をしっかり行い、症状が治まっても薬の服用をしっかり行い細菌を死滅させましょう。

運動性血尿

激しい運動によって血尿が出る事を運動性血尿と言います。

運動中に筋肉が損傷すると、ミオグロビンという色素たんぱく質が血中に流出してこれが尿に出て来るミオグロビン尿や、足や踵にかかる衝撃が血中の赤血球を破壊し、ヘモグロビンが出るヘモグロビン尿などがあります。

運動により腎臓に負担が掛かっている状態ですが、一過性のものなのでほとんどが問題になりません。

また血尿では無いですが、尿の色が濃い黄色などの色に変化する場合があります。これは、摂取したものや水分の不足により起こる現象で、白濁などの色に濁りがなければ問題ないとされています。濁りがある場合は蛋白尿など他の尿の以上の可能性があります。直近に栄養ドリンクを飲んでないかビタミンB2の多く含んだビタミン剤などを摂取してないか確認してみましょう。

運動性の血尿には運動量によって血尿が起こる場合以外にも外傷性の血尿の場合もあります。マラソンで長時間腎臓に衝撃が与え続けられることや、バスケやアイスホッケーやサッカーなどのコンタクトスポーツでも外傷により腎臓が傷ついて一時的に血尿が出る場合があります。

この様な運動によって引き起こされる血尿は病院に行っても経過観察のみで、自然治癒してしまう場合が多いですが、万が一のことを考えて一応専門機関でしっかり検査を受けておいたほうが良いでしょう。

特発性腎出血

腎臓からの出血があるが、何が原因なのかよくわからないものに付けられる病名です。

特に原因がなく真っ赤な尿が出ますが、尿路結石や腫瘍の可能性など、ほかの病気の可能性を除外していった結果どれでもなかった、という診断なので、特に心配する事はなく、多くの場合は自然に治癒します。特発性というのが原因不明のという意味合いを持った病名になります。

症状が数日間連続して続くこともあります。また、症状が繰り返し起こる場合もあります。泌尿器科での検査を行い経過を観察してもらいましょう。この様な症状が現れている場合は激しい運動や過度の飲酒は控えたほうが良いでしょう。さらに食事も肉食に偏る偏食は避けて、野菜などをバランスよく取るように心がけるなどの指導があるでしょう。

症状が継続的に確認される場合には病院での再検査等治療が行われます。

外傷

腎臓は外傷を受けやすい臓器と言われており、事故などで衝撃を受けると出血します。外傷の起こった原因がはっきり分かっている、脇腹に痣が出来ているなどが判断の基準になります。

顕微鏡でのみ見られる血尿であれば自然治癒を待ちますが、重度の外傷がある場合は合併症の恐れがあるため精密な検査が必要です。

血尿が出やすい人

尿閉

男女ともに年齢に比例して血尿が出やすくなると言われています。また、比較的女性に多く見られる症状です。女性は尿管が短く急性膀胱炎に成りやすいためこのような違いが出ると考えられます。

注意しておきたいのは、男性は血尿が出づらい分、出た時には重い症状である場合が多いという点です。癌や尿路結石、尿管結石、膀胱結石、腎炎による血尿が出る場合があるため、特に早めの診察が大切となります。

また、遊走腎という腎臓を支える力が弱い体質の場合、腎臓が揺さぶられて出血が起こる事があります

また、食事が肉食に偏食している人や、アルコールを過剰に摂取している人や水分をあまり摂らない人は結石が生成されやすい影響で血尿の症状が現れる場合もあります。

 血尿ではないもの

尿検査

血尿同様に尿の症状ではありますが、血尿ではなく原因が異なるその他の尿の症状について紹介します。

濃縮尿

脱水症状の傾向があると、尿が濃くなります。また、激しい運動の後に同様の症状が出る事があります。脱水が原因であれば水分をたくさん取ることで改善しますが、長く続く場合は病気を疑う必要があります。

その他にもビタミン剤などを飲んだ場合に濃度の濃い、色も濃い尿がでることがあります。

ビリルビン尿

ビリルビンはヘモグロビンが壊れた時にできる胆汁の色素です。これが尿に出て来るものがビリルビン尿です。褐色の尿が出るため血尿と間違えやすいですが、肝臓の疾患を基にしています。

さらにビリルリンの濃度が高くなると皮膚や目の粘膜が黄色くなる症状が現れる黄疸という状態になります。ビリルリンの濃度が濃くなる関連のある病気は胆道閉塞、肝硬変、急性肝炎などがあります。

薬剤性

飲んでいる薬で尿の色が変化する場合があり、代表的なものでは下剤・糖尿病の薬により黄褐色〜赤に変化するというもの、血液をさらさらにする薬を原因とした血尿があります。

尿の色が変わる薬を処方される場合には薬剤師からの説明があるので、それに従いましょう。

血尿の対策、予防

朝食

対策としては、血尿が出ている時に受診を受ける事が一つです。血尿が出ている時の状態が詳しく分かった状態で検査を受ける事によって、原因や出血部位をより正確に判断する事ができます。

血尿が出た場合、どこからの出血かを判断する必要があるので、まずは腎泌尿器科を受診する事が一般的です。血尿自体の治療ではなく、原因となっている病気の治療をする事になるので、診察を受けた後は内科での治療を行う事が一般的です。

腎臓の炎症の場合は内科治療、感染症の場合は抗生剤の投与を行います。また、尿路結石には衝撃波をあてるなどの結石除去を行います。

食生活

塩分のとり過ぎや食生活が肉食に偏食することなどは、腎臓への負担を大きくするだけでなく、結石を生み出してしまいやすい環境を作ってしまいます。

食生活は健康の基本ですが、血尿の予防にも同じことがいえます。バランスの取れた食事を心がけて栄養が偏らないようにしましょう。また、水分をしっかり摂ることも重要です。

血中の水分量が少なくなることで、尿の濃度も濃くなり同様に結石が出来やすくなります。濃度を下げるためにも水分補給はしっかり行いましょう。食生活で免疫力を高めることは非常に重要です。細菌感染のリスクを減らすためにも食の見直しを行いましょう。

アルコール

ビールなどのアルコールを摂取することによって尿酸が強くなり、結石が生成されやすくなります。特にプリン体を多く含むビールには他のアルコール飲料に比べて15倍も結石を生みやすくする成分が含まれています。

また同様にストレスも尿酸値を上昇させる原因の一つですので、適度に飲酒をして予防していきましょう。最低でも週に2日は休肝日を設けるようにすることが望ましいでしょう。

まとめ

血尿は腎臓や尿管など、尿の通り道で異常が起きているサインです。一過性の場合もあり原因は様々ですが、中には腫瘍など大きな病気の場合もあるため、できるだけ早めに医師の診断を受ける事が大切です。また、顕微鏡的血尿は目でみてもわからないので、健康診断の受診が重要です。

脱水症状や細菌の侵入は腎臓に負担を掛ける原因となるので、こまめに水分を採り清潔な環境をこころがけるようにしましょう。

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