トイレに行くたびに痛みを感じると、何かの病気なんじゃないかと不安になりますよね。しかも尿道の痛みとなると非常にデリケートな部分でもありますし、痛みが進行してしまうことを考えると大きな不安になりますよね。
特に、排尿時の痛みは強く感じることが多く、出来ることならば早く治したいとかんがえる人は少なくありません。ではいったいどういう原因で排尿時に痛みを感じるのでしょうか。
尿道に痛みが発生する症状のある病気やその病気が引き起こる原因などについて紹介します。
今回は、尿トラブルの排尿時の痛みについての記事を書いています。小便をする度に痛みを感じたてなんとかしたいと考えている人は是非読んでみてください。
尿道が痛い症状のある病気
では、どういった原因で尿道に痛みが発生するのかを紹介します。早期に対処した方が症状が悪化するのを防ぐことが出来ます。
尿道が痛む症状のある病気にはこれらの物があります。それぞれの病気にいくつかの症状や原因に特徴がありますので、自分がどの様な経緯で病気になり、症状を発しているのか確認してみましょう。
◆尿道炎
こちらは文字通り尿道で炎症が起きることにより発症する炎症です。尿道炎が原因で排尿時に痛みが発生している場合があります。
原因
尿道炎は淋菌性尿道炎と非淋菌性尿道炎の2つに別けることができます。淋菌が原因で発症するのが、淋菌性尿道炎です。トイレに行くたびに痛みを感じる上に、回数も増えてしまいます。さらに、排尿時に黄色の膿が出ることが多くあります。
非淋菌性尿道炎は、淋菌ではなくクラミジアが原因となって発症します。こちらは、排尿時にあまり激しい痛みを感じることはなく、症状があまり出ない場合もあります。
性行為が原因となって発症するのですが、淋菌性尿道炎は性行為を行ってから3日前後で症状が出てきます。それに対して非淋菌性尿道炎は、10日前後に症状が現れるので判別がつけやすいといえます。男性に比べて女性は尿道が短いために、膀胱炎と同時に発症します。男性は尿道炎だけ発症する場合もあります。
症状
非淋菌性尿道炎の症状は感染が起きてから症状が発症するまでの潜伏期間が1週間〜3週間ほどの間隔で潜伏期間があります。症状の発症は比較的穏やかで、この潜伏期間での性行為などでも感染が広がります。主な症状は膿が発生したり、陰部の痒み、尿道痛があります。
淋菌性尿道炎の症状は非淋菌性のものに比べて潜伏期間が短く、感染から1週間以内に症状を発症します。尿道付近の腫れ、尿道痛、膿の排出などの症状が出ます。淋菌性尿道炎は症状が進行すると尿や膿が逆流を起こし前立腺炎や精巣上体炎などの炎症に進行することもあります。
治療法
病院へ行って抗菌剤を使用しての治療になります。尿道炎を放置してしまうと、前立腺炎や子宮頚管炎などの病気を引き起こす可能性があるので、早めに治療へ行く必要があることを覚えておきましょう。
病院での治療は基本的には抗生物質の飲み薬の投与での保存治療になります。1週間程の期間の服用を行い、症状の改善が見られない場合は別の薬などに変更し、治療を行っていきます。薬を変えても改善が見込めない場合は筋肉への注射や点滴での対応になります。
尿道炎の治療は菌が薬に対する抗体を持っている場合がり、治療が長引くことがあります。さらにこの間にしっかり治療を行わないと途中で薬の服用を止めてしまうと、症状が治まっていても他の人への感染が広がる可能性が高くなります。しっかり治していきましょう。
尿道炎の治療は泌尿器科、性病科、婦人科などの病院で受けることが出来ます。
◆前立腺炎
前立腺で炎症が起きることを前立腺炎といい、尿道の痛みの原因になっている可能性があります。
原因
30代に多く発症することがあり、細菌が原因である「細菌性前立腺炎」と、細菌が原因ではない「非細菌性前立腺炎」の2つに分けられます。多く発症するのは非細菌性前立腺炎です。
原因の一つとして、前立腺肥大症が関連しているものがあります。その他は便の中に含まれるグラム陰性桿菌からの感染により症状が発症します。これらの問題がはっきりしているものと中には原因がはっきりしないこともあります。
非細菌性前立腺炎の原因としては
- 座ったまま長時間いる
- 自転車などに乗ることが多い
- 疲労の蓄積
- ストレス
- 過度の飲酒
などがあり、前立腺部分への刺激が加わることが主な原因となります。
症状
基本的な症状は
- 排尿時に痛みを感じる
- 頻尿になる
- 尿の出が悪い
- 性器に痛みを感じる
- 夜間頻尿が起きる
- 性器の不快感
- 痒み
- 勃起障害
などが挙げられます。足の付根に違和感を感じることもあります。しかし、非細菌性慢性前立腺炎の場合は症状が比較的軽くなることが多く、自分で気づかない場合も多くあります。
その他にも腹部症状などで下腹部や足の付根辺りに鈍痛や違和感や痒みなどの症状も現れます。
治療法
こちらも薬を使用しての治療になるので、症状が悪化する前に早めに病院へ行くようにしましょう。
病院での検査では、肛門から指を入れて前立腺の付近を触診し痛みが発生すれば前立腺炎と診断されます。正常な場合はこの検査では痛みは発生しません。さらに尿検査や性行為があったかどうかなどの問診を行い病気の原因を詳しく検査していきます。
基本的には抗生物質や漢方などの投与を2週間〜4週間ほど継続することで症状は和らいでいきます。症状が完全に消失するまで数ヶ月間に渡って続けます。排尿困難などの問題が発生している場合は別に治療をおこなうこともあります。
◆尿道結石
尿道に結石ができてしまいう病気です。シュウ酸や尿酸などが固まって結石となります。
原因
この石が排尿時に、尿に流されて尿道に刺激を加えてしまうことで、尿が出終わる際に痛みが発生します。肉類に含まれるタンパク質が取り込まれると体内中にシュウ酸や尿酸などの成分が増えます。これがカルシウムと結びつくことで腎臓、尿道、膀胱などの器官の中で結石が発生します。
その他尿のアルカリ化、水分不足による尿の濃度の濃密化などがあります。結果尿管出できた場合は尿管を詰まらせる事に繋がり問題が発生します。
症状
その他の症状として、吐き気や残尿感・血尿、尿の出が悪くなったり頻尿になるといったものがあります。特に、尿道結石の痛みは我慢出来ないほどの激しい痛みが発生します。尿道に結石が出来るために、尿道が短い女性は発症しにくく、男性に多く発症するのが特徴です。
さらに初期症状として1週間ほど前から腰、背中、脇腹、下腹部などにも痛みが発生することもあります。この後に痛みは激しい痛みへと変化していきます。
治療方法
まず激しい痛みが伴う場合は痛み止めや鎮痛剤などの薬での対処になります。その後精密な検査を行い症状の確認を行い、その後詳しい治療に入っていきます。尿検査、レントゲン、超音波検査などを行います。
結石の大きさが5mm以内の場合は1日の摂取水分量を増やし、自然に尿から排出するのを待つ自然排石法が取られます。自然排石が難しいと判断される場合は外科的な治療での対応になります。昔は腹部を大きく開いての開腹手術を行っていましたが、今では内視鏡を使って手術を行ったり、衝撃波を当てて石を砕く方法などがあります。
尿路滑石の予防方法としては、普段から食物繊維の豊富な野菜を積極的に摂取することで、シュウ酸などが増加するのを抑制することが出来ます。さらに、ウォーキングやジョギングなどの軽めの運動を生活に取り入れることで、結石が砕けやすくなり予防することが出来ます。普段の生活に取り入れてみましょう。
◆膀胱炎
尿の炎症と聞いて一番に思い浮かべるのが、膀胱炎ではないでしょうか。
原因
基本的には膀胱内に大腸菌などの菌が潜入することで発症する急性単純性膀胱炎と呼ばれるものや糖尿病や尿道の病気が関係して膀胱炎に繋がる慢性複雑性膀胱炎があります。
特に女性は膀胱炎になりやすく、疲労やストレスにより免疫力が落ちている時に発症しやすいので注意する必要があります。元々、膀胱内には少量の菌が存在しているのですが、免疫力が低下した時に菌が増殖してしまい発症してしまうことがあります。尿を我慢してしまうと、膀胱内の尿量が増えるために菌も多くなるので、なるべく我慢しないようにしましょう。
不衛生な性交渉やトイレを長時間我慢する、前立腺の疾患、ウォシュレットの使用などが関係して発症することもあります。
症状
膀胱炎の症状としては、
- 排尿時の痛み
- 頻尿になる
- 残尿感を感じる
- 血尿する場合がある
- 尿が白っぽく濁っている
- 尿の臭いがきつくなる
- 尿漏れ
といったものが挙げられます。痛みが発生する前に、トイレに行く回数が多くなる症状がみられ、トイレをしてもスッキリせずに残尿感を感じることがあります。その後痛みが発生します。またその他にも膀胱が熱を持つ発熱を伴う腎盂腎炎という症状が現れる場合もあります。38度以上の高熱や寒気の症状が現れ、すぐに対処すれば予後は経過がいい傾向がありますが、慢性的な症状にもなりやすく最悪のケースだと腎臓へのダメージが蓄積し、腎不全になる可能性もあります。
治療法
基本的には膀胱炎は薬での治療が行われます。膀胱炎の原因となる病原菌はグラム陰性桿菌もしくは大腸菌が基本的な問題になる菌になります。これらの菌に対して有効な薬はいくつかありますが、その内の薬に対する抗体を菌が保持している場合がります。
なので、原因となる菌が抗体を持っていない可能性の高い薬を選んで治療は行われます。薬の投与は3日〜7日間の間で行われます。女性の場合は菌が膣内や園周辺に残っている場合があり1年以内に再発するケースも少なくありません。
急性や慢性膀胱炎の予防方法としては、下半身の体温の保存、アルコール飲料や刺激物の飲食は避ける、水分の補給を行う、不衛生な性行為を避けるなどの方法があります。
急性膀胱炎は症状が酷くない場合は、排尿を繰り返すことで自然に治す事も出来ます。詳しくは、膀胱炎の治し方を紹介!自力で治すことは可能なの?の記事を読んでみてくださみ!?
◆尿道狭窄症
尿道が狭くなってしまい、尿が排出しにくくなるという病気です。
原因
怪我や炎症が起きて手術などの治療を受けた際に、尿道の粘膜を傷つけてしまうことで発症してしまうことが多くあります。尿道の粘膜を修復する時に、尿道が狭くなってしまうのです。また、それ以外にも外部からの大きな刺激や骨盤が骨折することで発症することもあります。
また先天的に生まれつきのもので尿道が狭くなっている場合もあります。その他では、淋病や結核などの病気の炎症が関係して尿道が狭くなる場合もあります。
症状
症状も進行具合によって変化しますが、ひどい場合だと激しい痛みを感じたり、尿が細くなるケースもあります。最悪の場合は、頻尿や排尿障害で尿がでなくなる症状が現れる場合もあります。
さらに尿道内の圧力が高まり、尿が逆流を起こしやすくなりそれにより尿がや菌が尿道内を逆流し膀胱炎などの病気に発展する可能性もあります。その他尿路感染症や前立腺炎や精巣上体炎を併発する場合もあります。
治療法
滅多に発症することはありませんが、病院での治療になりますので、症状がみられる場合は早めに病院へ行きましょう。病院での治療法は尿管の細さによって変わりますが一般的な方法としては、尿管にブジーという拡張器をつけて内視鏡で内部を確認しながら狭くなっている狭窄部を切開し尿道を拡張する治療法が一般的です。
もし複雑に狭窄が起こっていたり、長い箇所での狭窄が発生している場合には尿道を作り直す尿道形成術を行います。
非常に稀な病気でもありますおで、年間10回以上の執刀を行う医師はほとんど居ません。
◆性病
性病にかかってしまうと、尿道に痛みが発生する場合がほとんどです。
原因
性病を持っている人と性交を行わなくても、菌が多い環境で性行為を行うと性病になることはあります。
性病の基本的な感染原因は避妊具を使用しないセックスや、アナルセックスなどによる不衛生な性行為などがあります。症状が無くても潜伏期間に知らないうちに感染してしまう場合があります。
症状
性感染症の中で、尿道の痛みが発生するものは、
- クラミジア
- ヘルペス
- 淋病
- トリコモナス
が挙げられます。早期に治療しないとパートナーにうつしたり、痛みが激しくなってしまう可能性もあります。
尿道の痛みが発生すると不安になると思うので放置する人は少ないと思われますが、なるべく早く対処することを覚えておきましょう。
どの原因菌による性病にかかるかで症状は若干異なりますが、基本的には陰部のかゆみや痛み排尿痛、膿の排出、湿疹などがあります。
治療法
薬での治療や、塗り薬を用いての治療などがあります。もし性病かどうか気になる症状があるけど病院に行くのは気が引けるなどの場合は自宅で郵送で行える性病検査キットがネットで販売されています。
これらは匿名で検査が行えエイズやヘルペスやカンジダなどの気になる病気の検査も受けることが出来ます。コースによって検査できる物が違い検査方法もものにより若干異なります。値段も5000〜20000ほどの開きがあります。
相談も受けられるので必要に応じてこれらのサービスも利用してみてはいかがでしょうか?
尿道の痛みの予防方法
尿道に痛みが発生しないように、日常から出来る予防方法を紹介します。
◆免疫力の低下を防ぐ
免疫力が低下することで、細菌感染の可能性が増える場合があります。
免疫力の低下しないようにするために、
- バランスの良い食事を心がける
- ストレスを溜めないリラックスした生活
- 睡眠時間を確保する
- 入浴する
などが挙げられます。
疲れていると感じた場合は、無理をせずに体を休めるようにして免疫力が低下しないように生活をしましょう。
性行為時は避妊具を使用する
性行為を行う際には、必ず避妊具を使うことを心がけてください。
避妊具を使用することで、他人に感染させるのも防ぐことが出来ます。パートナーと話し合って使用していきましょう。
まとめ
尿道が痛い原因
- 尿道炎
- 前立腺炎
- 尿管結石
- 膀胱炎
- 尿道狭窄症
- 性病
尿道の痛みの予防法
- 免疫力の低下を防ぐ
- 性行為時は避妊具を使用する
以上が今回の記事のまとめになります。
尿道が痛い場合は、何かしらの病気が起きている可能性が高いです。症状が軽い内に早めに対処して進行するのを防ぎましょう。
また普段から細菌に感染しないように、免疫力を高めて予防することも大切です。
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