水腎症とは?症状・原因・治療法・予防法を紹介!

水腎症(すいじんしょう)という病気は、あまり聞いたことがないかもしれません。

大人も子供もかかる病気ですが、子供の場合は先天的な病気が原因でかかることが多く、大人の場合はさまざまな原因が考えられます。悪い病気に進展することもまれにあるので、思い当たることがある場合、病院へ行きましょう。

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水腎症(すいじんしょう)とは

腎臓

さまざまな理由で尿路閉塞症となり、腎臓から尿が流れず、腎臓が尿で満杯になってしまい、拡張してしまった状態を言います。

尿路が閉塞され、腎臓に圧力が加わることで発症する病気です。自然と治ることも多いのですが、いくつか気をつけなければならない病気が原因となる場合もあります。まずは、腎臓の重要性からみてゆきましょう。

腎臓の働き

血中にたまった老廃物を身体の外に排出してくれる腎臓ですが、この腎臓に障害が起きると、身体に悪影響がでてきます。

腎臓は血液をろ過し、老廃物と塩分を、尿として身体の外へ捨てます。身体に必要なものは、再吸収してくれます。ほかにも、血液をつくる、血圧を調整する、身体の水分量とイオンバランスの調整をしてくれる、強い骨をつくってくれるなどの働きをしてくれます。どの役割も、わたしたちが生きてゆく上でとても重要なものばかりです。

しかし、この腎臓の働きが悪くなると、尿が出なくなり、体外へ捨てるはずの老廃物や毒素が体内に残ってしまうことになり、尿毒症となってしまいます。

腎臓の機能が著しく低下すると、身体が浮腫む、血尿が出るなどの症状が現れますが、ほとんどの場合それらの自覚症状は、病状がかなりすすんでからでないと現れません。そのことから、腎臓も、肝臓と同じように「沈黙の臓器」と呼ばれています。

命もおびやかす腎臓のその他の病気

腎炎(糸球体腎炎)

比較的若いころにかかりやすい病気です。扁桃腺炎のあとに起こることがあります。発症する年齢が高年齢になると、腎炎が慢性化しやすいため、注意が必要です。

腎盂腎炎(じんう じんえん)

腎盂は腎臓と尿管をつなぐ重要な接続部分なのですが、尿道や膀胱で起きた炎症が、この腎盂から、さらには腎臓の細胞組織へと広がってしまった病気です。敗血症などの合併症を引き起こすこともあり、迅速な抗生物質による治療が必要です。

腎不全

腎機能が正常値の50%以下しか働かなくなった状態をさして言います。急性腎不全と慢性腎不全とがあります。

急性腎不全

怪我などで大量の出血などした場合に、腎臓へ送られるはずの血流量が足りなくなってしまった場合や、前立腺肥大などにより尿の流れが阻害されることで起きる場合、そして、外的要因で腎臓の中が損傷してしまい起きるものとあります。適切な治療により、治る確率が高い腎不全です。

慢性腎不全

慢性腎炎や、糖尿病性腎症、腎硬化症などをはじめとする、腎臓に関係する病気すべてが原因となりえます。こちらの慢性腎不全は、現代の医療でも完治させることが出来ないのが現状です。しかし、人工透析を受けることで、社会生活を送ることができる人もいます。

この慢性腎不全により、腎臓の働きが通常の10%以下となってしまった場合には、死ぬまで透析を続けなければならなくなります。腎臓は物を言わぬ臓器といわれるほど、病気にかかっても自覚症状として出てくるときには時すでにおそし、ということがあります。しかし、自分で気づけるポイントはありますので、本題の水腎症の予防とともに見てゆきましょう。

腎結石

20歳から30歳の若い男性に多くみられる病気です。腎臓の中で石が作られてしまうのです。この石が腎臓を出て、尿管へ移動すると激しい痛みに襲われます。通常は薬で治療しますが、石が1cmを超える場合は、手術するなど他の治療法となります。

慢性腎臓病

新たな国民病とも言われる慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働きが徐々に、慢性的に低下してゆく病気です。成人の8人に1人の割合で発症していると言われます。初期は自覚症状はほとんどありません。浮腫む、疲れやすい、貧血になった、夜中にトイレに起きることが多くなったなど小さな日常生活のサインを見逃して放っておくと、腎臓の機能が低下し、腎不全に進展する可能性があります。

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水腎症の原因は尿路閉塞症

流れない水

腎臓は、何らかの症状が出たときには末期症状になっていることが多いほど、自覚症状が出にくい臓器です。

水腎症の状態になるには、腎臓結石などで尿路が詰まり閉塞した場合に、腎臓に対して圧力が加わって発症します。尿細管から接続部である腎盂、尿管、膀胱、尿道までの尿が送り出される流れのどこかが閉塞された状態を「尿路閉塞症」といいます。

その中でも、腎盂よりも下の方の尿路が閉塞され、腎盂と腎杯が拡張してしまい、腎実質の委縮を伴っている場合を、水腎症といいます。ですから、原因によっては、自覚症状が出る場合もあります。主な原因である尿路閉塞症の種類や症状から見てゆきましょう。

尿路閉塞症の種類

尿路閉塞症には、先天性のものと後天性のものにわかれます。また、閉塞する場所によって、上部尿路閉塞症と下部尿路閉塞症とに分けられます。

尿路閉塞症の主な原因

先天性疾患によるもの

  • 腎盂尿管移行部狭窄(きょうさく)
  • 尿管膀胱移行部狭窄
  • 尿道狭窄
  • 尿道弁
  • 尿官弁
  • 先天性尿管瘢痕(はんこん)
  • 線維上皮性ポリープ
  • 尿管膀胱逆流
  • 尿管瘤
  • 膀胱憩室
  • 後部尿道弁
  • 先天性神経障害

後天性疾患によるもの

  • 腎尿路結石
  • 腫瘍
  • 炎症
  • 尿路結石
  • 前立腺肥大
  • 神経因性膀胱
  • 多発性嚢胞(のうほう)腎
  • 動脈瘤などによる圧迫
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水腎症の主な症状

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原因が尿路閉塞症ですが、尿路閉塞症となる原因が上記にあげたように多数あるため、症状もさまざまです。腎臓は痛みを感じたりしませんが、結石などの場合は腰や腹部に疝痛を覚えることがあります。また、尿路感染症の倍は炎症を起こしていますので、発熱したり、だるくなったりすることがあります。

子供の水腎症は先天性がほとんどで、胎児のうちに、胎児超音波検査で発見されることもあります。尿管などの狭窄症(狭くなっている)などがあげられます。成人の場合は後天性のものが原因となることが多く、いずれも、自覚症状としてはあまりないので、医師の診断や検査、会社の健康診断がきっかけとなり病気が発見されることも多いようです。

  • 尿路感染症による発熱を繰り返す
  • 膨らんだ腎杯や腎盂をかたまりとしてお腹から触れることができる
  • 尿にたんぱくがまじる
  • 高血圧である
  • 夜頻繁にトイレに起きる
  • 全身がだるい

などの症状が出た場合には、泌尿器科に相談へ行きましょう。尿検査は、内科でもしてくれるところがありますので、泌尿器科にいきづらい場合は、近くのお医者さんでもいいでしょう。

水腎症の検査

まずは、尿検査です。血尿が出たり、尿にたんぱくが混じるなどをはじめ、炎症をおこしていると膿のようなものがまじる膿尿が出たり、白血球がまじる白血球尿などで、尿路に異常があるかないかがわかります。

尿に異常が出た場合、詳しく検査をしてゆくことになります。

腹部の超音波検査、腹部CTスキャンで腎臓、尿管、膀胱を撮影し形を確認するなど、また腹部MRIなども造影剤をつかった検査になることが多いようです。

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治療するには

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自然に治る場合

軽い水腎症であれば、自然と治ってゆきます。

乳幼児に見られる、膀胱尿管逆流は程度が軽い場合は自然に治ることが多く、逆流が治ると、閉塞もなくなり、水腎症も治まってゆくというわけです。

しかし、自然になおらずに水腎症が進行してしまうと、腎杯や腎盂が大きくなってしまうことで腎臓そのものを圧迫するようになります。そうすると、腎臓の組織がなくなってしまい、うまく腎臓が働かなくなり、腎不全へ進行する可能性も出てきてしまいます。

尿路感染症がなく、水腎症の進行もない場合は、定期的に腹部超音波検査で経過をみてゆくことになります。

手術が必要となる場合

尿路狭窄によって水腎症が進行している場合は、狭窄している部分を切除してから、再建するという外科手術になります。術後もまた狭窄する可能性などもありますので、泌尿器科の医師とよく相談した方がいいでしょう。

膀胱尿管逆流がひどく感染症を繰り返してしまう場合は、尿が逆流しないようにする外科手術が必要となります。尿が逆流すると腎臓にダメージを与えてしまいますので、腎臓の機能の状態をみながら、手術の時期を検討します。

水腎症そのものは、原因となる病気が治れば自然に治ることが多いので、腎臓に負担がかからないよう、定期的な血液検査、画像撮影での経過をみてゆくことが一番大切となります。

悪化するとどうなるのか

尿路閉塞が重症になると、水腎症になるばかりでなく、尿が尿管に溜まりやすくなることから、尿路感染になりやすく、そうなると発熱と腰や腹部の痛みを覚えるようになります。この場合は抗生物質などで感染症の治療をする必要がでてきますが、たまに痛いだけだから、と経過観察もせず放っておくと、膿腎症になったりすることもあります。

また、原因となる腫瘍や前立腺肥大症は、これらの病気の治療が必要になりますから、泌尿器科と連携をとれる総合病院へゆくか、医師に説明をし、連携をとってもらうようにしましょう。

腎不全や慢性腎炎などになると、軽度な場合でも腎臓に負荷をかけないよう、食べ物を制限させてしまうことがあります。そうならないよう、定期健診をしっかりうけましょう。

予防するには

水腎症を予防するには、水腎症の原因となる病気にかからないようにすることが大切です。しかし、はっきりした原因が現れるものは多くはありません。

自分で気をつけられることは、自覚症状を見逃さず、怪しいと思ったらすぐに泌尿器科に相談にゆくことです。

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まとめ

診察

腎臓は直接訴えてはくれません。ぎりぎりまで我慢し、そして倒れます。腎臓が働けなくなれば、一生人工透析をすることになります。

重症の場合は、ベッドに寝たきりで死を迎えなくてはならなくなるかも知れません。水腎症そのものは怖い病気ではありません。ほとんどの場合自然と治ります。むしろ、発症したら、その原因を検査でつきとめ、その病気の完治を目指すことができます。

定期健診で尿検査でたんぱく尿と出ていても、自覚症状がないからいいだろう、などと片付けてしまう人もいるようです。けれども、身体が出しているサインを見すごすと、取り返しのつかないことにもなりかねません。

健康診断などの結果をきちんととらえ、人生を楽しむためにも、小さなサインを見逃さず、面倒がらずに病院に相談にゆくようにしましょう。

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