心原性ショックの症状って?治療方法や誘発する病気を知ろう!

今まで普通に話をしていた人が、急に固まって倒れたら、すぐに救急車を呼ぶことでしょう。でも、たまたま隣に居合わせた人が汗をかいてぐったりしていたとしても救急車まで呼ぶことはないかもしれません。

そんな時は勇気を出して「大丈夫ですか?」と声をかけて顔色を見てください。顔色が悪くて、唇の色もくすんで返事があいまいだったら迷わず救急車を呼んであげてください。その人は心原性ショックを起こしているかもしれません。

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心原性ショックとは何か

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あまり聞き慣れない言葉だと思います。それほど頻繁に日常で目にする病気ではありません。しかし、これほど緊急対応が必要な病気はありません。心原性ショックとは、その名の通り「心臓」が原因で起こるショック症状です。

安静にしていれば回復するような一過性の症状ではありません。できたら、すぐに設備の整った病院に連れていきたい、そのために救急車を呼ぶのです。間違っても自分の車で最寄りの病院に連れていかないようにしてください。間に合わなくなります。

高い死亡率

心原性ショックと心臓ポンプが急に停止して起こる、虚血症状です。早い段階で血液と酸素を供給し、ショックを引き起こした病気を診断して必要な治療を開始しなくてはなりません。

1秒でも早い処置が必要です。心筋が酸欠と栄養不足で壊死を起こしたら、取り返しがつきません。すぐに適切な処置を開始しなかった場合、死亡率は85%といわれています。

残りの15%が回復したという数字ではありません。酸欠状態から重い脳障害を引き起こしてしまう可能性も高いのです。

症状の現れ方こそ発作的で、処置も迅速さを求められますが、様々な病気が原因で起こるショックです。その病気そのものは、ウイルスで感染して急になったものというより、慢性の病気に分類されます。ほとんどの原因が生活習慣からくるといわれていて、長い沈黙の後でいきなり暴発した、そういう感じの病気です。

外出先だろうと就寝中だろうと、それこそ運転中だろうと発作はやってきます。その時に、患者の持病をよく知る人間が側にいて、すぎに救急車を呼んで医療関係者に持病の名や薬剤情報を伝えることができたら、死亡率はぐっと下がります。

電車で隣の席の人が、終着駅で立たないから車掌が声をかけても反応しない、ゆすったら倒れ込んで亡くなっていた、という事は実際にあります。苦しそうにするヒマもなく、満員電車の中で誰にも気づかれず、ショックは起きて死に至るのです。

発作時の症状と対応

何の前触れもなく、突然くる発作的な症状、まずこれがポイントです。いきなり発汗し、顔色がみるみる白っぽくなります。唇は暗褐色や紫っぽくなり、いわゆるチアノーゼになります。全身がぐったりして、へたりこみます。だんだん返事がなくなって、目の焦点が合わなくなり、やがて意識が消失します。

とりあえず安静にさせようとか、貧血だろう等の自己判断は危険です。一刻も早く救急車を要請し、救急隊員の指示に従いましょう。救急訓練を受けた人がいて、電話で救急隊員から人工呼吸の指示があれば、救急車が来るまで心臓マッサージ指示を試みてください。電気除細動機に指示があれば、協力者を呼び掛けてAEDを持ってきてもらいましょう。

患者を動かすことはできません。夜間であれば、誰かに車を避けてもらいながら心臓マッサージを行う必要があります。体温は急激に失われるので、寒い冬ならコート類をできる限りたくさんかけてあげてください。

患者の安全確保も重要ですが、まず1番にしなくてはならないこと、それは救急車の要請、救急隊員からの電話指示にできるだけ応えること、救急車が来たら患者について知る限りを伝える事。これが重要です。

診断基準と処置

ここから先は、医療関係者の仕事です。様々な病気が引き起こす心原性ショックですが、この症状そのものには共通項があります。

原因が何であれ「心原性ショック」そのものの定義は共通していて、初期対応は同じものになります。診断基準はガイドラインで定められているので、ご説明します。

☆収縮期血圧(血圧の測定で高い値)が90mmHg未満であること。いつもが低血圧の方は。普段の数字から30mmHg以上、低下していること。

☆血流減少による以下の臓器循環障害の全てを示すこと。

  • 尿量が20ml/時 未満
  • 意識障害
  • 末梢血管の収縮(肌が冷たく湿潤している)

そして、対応も一様に同じものです。基本的には心肺の蘇生が目的です。

血圧を上昇させるために、輸液を行い、昇圧薬を投与し、酸素を供給します。人工呼吸を開始し、必要があれば気管内挿入もします。

その後で既往歴や日常の薬愛情報があれば、それを根拠に必要な検査をして治療します。まずは、心配の蘇生、生命維持機能の回復が最優先なのです。

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心原性ショックを引き起こす病気

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心原性ショックは、心臓機能が原因で起こるショック症状なだけあって、それを引き起こす原因になるものも圧倒的に心疾患です。心臓というポンプ機能が停止するのですから、当然といえます。

ただ、問題なのは、その病気に至るバックボーンがあって、そこに本当の原因があります。それは生活習慣病です。長い時間をかけてできた習慣で身体を病んだとしても、急激な自覚症状はありません。だからこそ、改善せずに習慣になってしまうのです。

急性心筋梗塞

この病気が、心原性ショックの実に40%を占める原因になります。冠動脈(心臓に栄養を送る血管)が突然、つまる病気で、3人に一人は胸痛などの前触れなしに起こります。

逆にいうと、3人に2人は前触れがあるのです。急に15分くらいの胸部の激痛、胃や肩の痛みがあれば発作の前兆と考えても差し支えありません。

もし発作が起きなくて、後で受診しても心電図には反応しません。それで安心すると、かえって危ないのです。できたら内科でなく、循環器内科か心臓に詳しい病院への受診をお勧めします。

発作の兆候が消えてしまっても、心臓の経験豊かな専門医なら問診で見抜きます。そして患者の既往歴や現在の身体状況から診断名をカルテに書いてくれます。これがなくては薬の処方もありません。

現在の患者の年齢、体格、肥満であるのかどうか。既往歴や服薬中の薬剤情報から高血圧、糖尿病、高コレストロール血症、はないか。問診票から遺伝で心臓疾患がないか、嗜好品でタバコがないか。これらから診断の条件、危険因子を考えて必要な治療に取り組んでもらえます。

40代で上記の病気を持ちながら放置したり、生活習慣を見直さないと50代で急性心筋梗塞を発症し、ある日突然、場所を選ばずに心原性ショックになったりします。

急性心筋梗塞で心原性ショックを起こすのにもいくつかタイプがあります。

  • 心筋の梗塞部位が広い場合、心室中隔に穿孔ができてしまうケース
  • 心筋の壊死で急性の僧帽弁閉鎖不全をきたすケース
  • 心臓破裂のケース

いづれも緊急処置が必要なことには変わりありません。再灌流療法で治療します。

手首や足の付け根の動脈から細いカテーテルを心臓まで入れて、詰まった血管を風船や金属の管で押し広げて血流を回復させます。血管は流れを取り戻したとたん、イキイキと回復します。

それ以外の原因となる病気

急性心筋梗塞以外に多くみられる、心原性ショックのきっかけとなる病気を挙げましょう。

  • 急性弁膜症・・・弁置換手術が有効です。
  • 重症不整脈・・・電気除細動、ペースメーカー挿入をします。

心タンポナーゼ、急性心筋炎、拡張型心筋症、大動脈解離の病変が大動脈弁に及んだ時。

以上の病気を経験した、あるいは現在も治療中や経過観察中の方は心原性ショックになる可能性があると自覚しておきましょう。それだけでも、とっさの行動に違いが出ます。それで命拾いすることもあるからです。

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心原性ショックの対策と予防

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心原性ショックは、まるで避けられない災難のようですが工夫次第で避けられる事態です。やみくもに恐れるより、対策を立てて実行する方が良い結果につながります。

この取り組みは将来的に心原性ショックのリスクを下げるだけでなく、全身の健康状態を改善させることになるでしょう。

生活習慣の改善

この言葉を今まで、どれだけ目にしたことでしょう。それはそうだろう、と人ごとのように見逃して、すぐに痛みや苦痛をあまり感じない成人病にかかる方は多いものです。

もちろん、本人の責任だけでなく遺伝性のものもあります。しかし、生活習慣病という観点でみるならば、身内にそういう病歴の人がいるのなら尚の事、予防に努めることができたはずです。

食べ方、食べる時間帯、回数、塩分や糖分の摂り方、40歳を過ぎたらチェックする項目は増えます。血液検査も、何となく見るのではなくて適性値と自分の数値との差に関心を持ちましょう。

衰える体力、増える責任、ストレスという危険因子は増える一方です。でも、どこかで考え方を見直す機会を作りましょう。思考や感情は心臓に大きな影響を与えます。思考回路こそ、重要な生活習慣です。

発作に備える

心原性ショックを引き起こす病気を治療し、生活習慣を改める一方、発作に備えるという工夫もしてみましょう。

例えば、狭心症の患者はニトログリセリンを持っています。ポケットに「誰か私の舌の下に、この薬を入れてください」というカードに薬を貼り付ける工夫をする方もいます。発作が起きたら服薬もできないかもしれないからです。

心原性ショックであるなら、ダイレクトに「救急車呼んでください、心臓発作です。」と書いたカードの裏に氏名、連絡先、かかりつけ医の名称と連絡先も書きましょう。病名と服用している薬も書き入れると生存率がぐっと上がります。

なるかもしれないリスクに対して、逆にいつなってもいいように備える、これも立派な医療対策です。

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まとめ

高齢化によって、心原性ショックになるリスクと共に生きる時間も伸びました。心原性ショックにならなくて済む改善と、なった時にどうするのかという工夫と、この双方が必要です。突然死の可能性がきわめて高い病気だけに、今の身体と向き合っていただきたいものです。

50歳を過ぎると、年齢以外の数字が重要になります。血圧数値であったり、体重であったり、血糖値であったり、脈拍数であったりします。人間は若くはなれませんが、工夫すれば健康にはなれます。ご参考いただければ幸いです。

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