大動脈解離の原因とは?症状や予防法、治療方法を紹介!

大動脈は最も太い血管です。心臓からじかに「生えている」のが大動脈です。直径は500円玉ぐらいあります。「大動脈解離」は、血管が「詰まる」病気ではありません。血管が「裂ける」病気です。

大動脈解離は、命を落とす可能性が高い病気です。それは最も多くの血が、最も速く流れている血管だからです。

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大動脈解離の原因

動脈

大動脈解離の原因は高血圧です。高血圧の原因は塩分の摂り過ぎです。大動脈解離を起こさないためには、食生活に気を付けなければなりません。

このように、大動脈解離のメカニズムはとても単純です。それでも人は塩分を摂り過ぎてしまいます。それは塩が最高のうまみ調味料だからです。現代人は塩の虜(とりこ)といえます。しかし大動脈解離の話を聞いていただければ、「塩分を控えよう」と思ってもらえるはずです。この原稿は3分半で読めますので、ぜひ完読してください。

高血圧

血液はサラサラしているので、とても血液を傷つけるようには見えません。しかし血液は、人が人になってから死ぬまで血管を通過し続けます。ですので、血液や血管にほんの少しでも不具合が生じると、じわりじわりと血管を傷つけていくのです。

高血圧は、血管というホースに、血液という水がパンパンに詰まっている状態です。それでもなお大量の水を高い圧力でホースに送り続けると、やがてホースは破裂します。血管も同じです。

高血圧は、血液の量が多くなって生じます。塩であるナトリウムは、水を溜めこむ性質があります。体内に水が溜まれば、血管内にも水が浸み込みます。これが、塩が血液量を増やす仕組みです。

高血圧の状態が長く続くと、血管の壁がカチコチに硬くなります。これを動脈硬化といいます。高血圧→動脈硬化→血管がボロボロに→大動脈解離、という順番をたどります。

3層構造

血管の壁は3層になっています。太いホースの内側に中くらいの太さのホースが入っていて、さらにその中に細いホースが入っていると想像してください。血管の壁の名称は、血管の内側から内層、中層、外層といいます。

血管の傷は、血管の壁と血液の摩擦で起きます。つまり内層がまず傷つきます。しかしこの時点ではまだ、中層は無傷です。内層が切れているのに中層が無傷ということは、内層と中層の間に血液が流れ込むということです。このような状態になっても、しばらくは中層は傷つきません。それで血液がどんどん流れ込むと内層の傷は広がりやがて裂け目になります。

それでも症状がないと治療に取り掛かる機会を失うので、血管はさらに傷つきます。次に中層が裂けます。その裂け目に血液が流れ込むと、今度は中層が外層からはがれてしまいます。これが大動脈解離の進行の様子です。

加齢

大動脈解離の原因を一言で表すと「血管の壁の劣化」となります。つまり歳を取って血管の使用期間が長ければ長いほど、大動脈解離のリスクが高まるのです。発症者の約半分は60歳以上の人です。

高血圧は血管を酷使した結果の劣化であり、加齢は細胞の衰えによる劣化です。つまり、高血圧の高齢者は、ダブルで危険な状態にあるといえるのです。

男性は3倍

男性の大動脈解離の発症率は女性の3倍にものぼります。また人種別の傾向がくっきり出ていて、アフリカ系アメリカ人に多くアジア人に少ないそうです。

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大動脈解離の症状

脳卒中

つぎに、大動脈解離の症状について紹介します。

激痛

大動脈解離の代表的な症状は、突然の激痛です。「肉を引き裂かれたような」と表現されるほどの痛みです。痛みは胸に起きます。また背中の肩甲骨の間に痛みを感じることもあります。大動脈解離は「裂け目」が広がりますので、痛みもそれにともなって移動するのです。

死亡

大動脈解離の「終着駅」は死亡です。ですので痛みが起きたら、すぐに救急車を呼んでいください。緊急手術が必要な状態の患者では、1分1秒を争う治療になります。

脳卒中、心臓発作

大動脈解離が進むと、内層や中層が血管の壁からはがれます。はがれるといっても、完全に離脱するわけではありません。古い映画のポスターのように、壁に付着しつつヒラヒラしている状態です。

大動脈は、木の幹のような存在です。すべての動脈は、大動脈が枝分かれしてできたものです。大動脈から枝分かれした血管の中には、脳に向かう血管や心臓に栄養を運ぶ冠動脈、両手に向かう血管、腹部に向かう血管、両足に向かう血管があります。

大動脈の外層からはがれてヒラヒラした内層や中層が脳の血管をふさげば、脳に血液が流れなくなり脳卒中を起こします。裂けた内層や中層が冠動脈をふさげば、心臓に血液が届かなくなり心臓発作を起こします。

心タンポナーデ

大動脈解離による被害が外層にまで進めば、血液が血管の外に漏れ出すことになります。心臓の外側は薄い膜でおおわれています。漏れ出てきた血液が、心臓とその膜の間に流れ込むと、心臓は押しつぶされます。

心臓は広がったり縮んだりして血液を送り出しているので、心臓が押しつぶされると血液を送り出せなくなります。この状態を心タンポナーデといいます。全身に血液が送られないので、治療しないと死亡します。

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大動脈解離の治療

カテーテル

大動脈解離を治療しなかった場合、75%の人が2週間以内に亡くなります。治療をしたとしても、心臓に近い大動脈解離で30%、心臓に遠い大動脈解離で10%の人が亡くなります。

開腹手術

手術それ自体によって命に危険が及ぶ場合以外は、手術で治療します。手術は開腹手術とカテーテル手術の2種類があります。

開腹手術は文字通りメスで腹を切って、大動脈の解離している部分を取り除き、人工血管に置き換えます。10時間近くに及ぶ大手術にあることが珍しくありません。

カテーテル手術

カテーテル手術は開腹手術に比べ、患者の体への負担が圧倒的に少ないのが利点です。また、かつては開腹手術の方が治療成績が良かったのですが、いまは技術革新が進み、病状によってはカテーテル手術の方が好成績なことがあります。

カテーテルとはワイヤーのことです。足の付け根の動脈からカテーテルというワイヤーを挿入し、そのワイヤーを解離している場所まで進めます。ワイヤーの中心部は空洞になっていて、その空洞に「折りたたんだ筒」を通します。筒が解離した場所に到着したら、ワイヤーの外に出します。折りたたまれた筒は、大動脈の中に置かれると、開いて血管の内側の壁を支えるのです。

この筒のことを、ステントグラフトといいます。仕組みは人工血管とほぼ同じです。人工血管は解離している大動脈を切除して置き換えます。ステントグラフトは解離している状態はそのままで、血管の内側から補強するのです。開腹手術に耐えられない高齢者などにとっては、カテーテル手術は第一選択肢となります。

薬物療法

「裂け目」が短く、裂けている場所が心臓から離れていて、痛みが少ないなど症状が軽いときは、薬物療法で様子を見ることになります。というのも、開腹手術はもちろん、カテーテル手術でも、患者の健康は少なからず損なわれます。損なってでも手術が必要な場合以外は、医師は手術を回避するのです。

薬物療法の治療目的は血圧を下げることと、動脈硬化の進行を抑えることです。降圧剤が処方されるでしょう。

ただ、いつ解離が拡大するか分かりません。それで薬物療法を選択した患者は、半年に1度程度、腹部超音波検査とCT検査を受けることになります。これらの検査によって大動脈のダメージが進行していることが分かれば、手術の検討に入ります。

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まとめ

大動脈解離は恐い病気ですが、原因はとてもシンプルです。高血圧も、高血圧が悪化して生じる動脈硬化も、予防は簡単です。食生活の改善と、肥満の解消と、そして適度な運動だけです。こんなに簡単な命の守り方はほかにありません。ぜひ取り組んでみてください。

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