不完全右脚ブロックとは?症状や原因、治療方法を紹介!

不完全右脚ブロックと健康診断で診断されることがあるようですが、いまいち何が悪いのかまでは周知されていないようです。

不完全右脚ブロック、ぱっと聞いた感じでは脚が悪いように見えますが、脚は関係なく心臓の異常です。血液や血管の不調である場合など、様々な可能性が考えられます。

不完全右脚ブロックとは

心電図

耳慣れない「右脚ブロック」とはそもそもなんなのでしょうか。

心臓が動く仕組み

心臓は電気信号によって指令を受けて動いており、電気信号の流れは洞結節と呼ばれる組織によって行われています。洞結節は心臓の右心房開口近くにあり、一定のリズムで自動的に刺激を生み出す自然のペースメーカーの働きをしています。

ここで電気的興奮が起こると、まず左右の心房に電気的興奮が伝わり、その後心臓の中心にあるヒス束と呼ばれる経路を通って枝分かれし、左右の心室に伝わるようになっています。枝分かれした所が右脚・左脚と呼ばれているのです。

大体1分間に60~80回くらいの電気刺激がつくられ、これが心臓の筋肉の中を通って心臓の収縮を促します。心房と心室が定期的に収縮することで血液を送り出すポンプの運動が行われるようになっているのです。

心臓の電流と心電図の関係

心臓の動きは心電図で読むことができます。まず洞結節が興奮状態になって起こる波がP波と呼ばれるものです。そこから電流が房室結節(右心房にある神経伝導系)に届き、心室内に電流が流れることで心臓が収縮してQRS波が生じ、電流が一時的に途絶えて心臓が収縮します。

P波に異常があれば洞結節そのものに問題があることが疑われ、P波が起こってからQRS波が起こるまでが長ければ伝達に問題があるといえます。

右脚ブロックが起こる仕組み

何らかの原因により右脚の刺激伝導系が阻害された状態になると、電気信号が右脚側には伝わらなくなります。だからといって心臓に右側に電気が流れなくなる訳ではなく、左側に伝わったものがちゃんと右側にも流れて来るようになっています。しかしそうなると心臓の右室と左室で動きのズレが生じることになります。

完全か不完全かは心電図のズレの大きさによって異なり、QRS波(心室の収縮時間を示す値)が0.12秒以上のものが完全ブロック、0.1秒以上0.12秒未満のものを不完全ブロックと呼んでいます。完全という名前が付いているからといってまったく心臓が動かなくなるといったようなことはありません。

1000人に3人程度はいるという、比較的ありふれたものなのであまり悲観的になる必要はありません。

左右での差

右脚は左脚と比べて電気回路の繊維が細いため、より障害を受けやすいといわれています。左脚ブロックは非常にまれで、全体の1%程度くらいしかいません。

比較的発生しやすく問題ない場合も多い右脚ブロックと異なり、左脚ブロックは心疾患を合併することが多く予後も不良です。また、右も左も異常があるという両脚ブロックの場合も予後は良くなく、注意が必要です。

不完全右脚ブロックの原因として考えられるもの

心臓の病気

右脚ブロックには一過性で問題がないものも多くありますが、心臓の病気の症状として現れることもあります。一般的に心臓に基礎疾患がなければそれほど心配ありませんが、家系的に…など心配な所がある場合は以下のような可能性を考えるべきでしょう。

生まれつき

中には生まれつきこの不完全右脚ブロック・完全右脚ブロックが起こっている方もいらっしゃいます。昔からずっと同じ症状があるという場合は特に心配することはありません。

冠動脈疾患

心臓を取り巻く動脈の内側にコレステロールなどが蓄積し、血管が狭まったことにより血液量が不足する病気のことを指します。

結節には周りから血液が供給されていますが、冠動脈が狭まることにより血液供給が障害を受ける場合があります。また、右室が肥大する場合があり、これが右脚ブロックの原因として考えられます。

心筋症

心筋症は原因不明の心筋の病気を指します。心筋の力が衰えて収縮力が落ちてしまい、心臓がふくらんで容積が大きくなってしまう症状があり、特に左室の拡大が多く見られます。

むくみや息切れなどの症状が起こるのが特徴的です。心筋症の症状として不完全右脚ブロックが現れることがあります。

弁膜症

心臓の弁に障害が起こる病気です。血液の流れが妨げられる場合や、血液が逆流してしまう場合があります。先天性のものと後天性のものがあり、後天的なものでは動脈硬化やリウマチを原因とするリウマチ性弁膜症などが多く見られます。

疲れやすさや呼吸困難が症状としてみられ、自然に治ることは無い病気ですが、進行がゆっくりしているためにだんだん馴れてしまい、自覚症状を感じないまま悪化することがあるので注意が必要です

ブルガタ症候群

特発性心室細動の病気です。特発性というのは「特別な原因はなく発病するもの」を指しており、原因ははっきりしません。

心室細動は不整脈の一種で、心室が無秩序に震え血液を全身に送り出せなくなるもので、直接生命に関わる状態に陥ってしまう病気です。日本で「ぽっくり病」といわれていたものと関連があり、夜間に突然発作を起こして死んでしまう可能性があります。

右脚ブロックがある場合の心電図はブルガダ症候群と区別しづらいため、念入りな診断が必要となります。

心房中隔欠損

先天性の病気で、右心房と左心房を隔てる仕切りに穴があいている病気です。胎児の時には開いているもので生後閉鎖するはずの穴がそのまま塞がらずに残ってしまうものを指します。

右脚ブロックがある方の全てがこの症状であるという訳ではなく、心房中隔欠損の方のほとんどに右脚ブロックの症状が見られるという病気です。

不完全右脚ブロックの治療の方針

疑問

不完全右脚ブロックは、その多くが一過性のものなので心臓には問題がない場合がほとんどです。もともと病気である場合でなければ、基本的に放置して良いものとされています。

ただし、器質的右脚ブロックと呼ばれる脚自体に問題があるものの場合は少しだけ異なります。こちらについてもそれほど重いものではないと考えられていますが、何か基礎的な病気があって起こっている場合があり、伝達障害の進展も考えられるため注意が必要です。基礎的な心疾患がある場合は特に注意すべきとされています。

右脚ブロックの場合は運動制限なども特に設けられていませんが、左脚ブロックの場合は運動制限が必要な場合があります。

心疾患の予防

オリーブオイル

不完全右脚ブロックだけでは大きな問題となりませんが、心疾患を予防するためには生活習慣の改善が大切です。

食事の習慣

生活習慣病の原因は、慢性的な食べ過ぎや飲み過ぎ、脂っこいものを食べ過ぎているなどの食生活の乱れが大きな原因となります。

肉類、揚げ物を控えることや、コレステロールを取りすぎないようにしましょう。

また、動脈硬化、コレステロール蓄積の予防として以下のようなものは積極的に取りたい栄養素です。

  • ナットウキナーゼ:血栓そのものを溶かす効果を持っています。ただし、血栓予防の薬を飲んでいる人は避けた方がよいでしょう。
  • DHA:魚にふくまれる栄養素です。血管の弾力性を高め、血液の流れをスムーズにする働きを持ちます。青魚に多く含まれていることはよく知られていますが、青魚が食べられない場合はマグロで摂ることが出来ます。
  • アルギン酸:コレステロールを吸収する働きがあります。こんぶ、わかめ、もずくなどに含まれます。
  • ポリフェノール:血管を保護する働きがあり、心臓疾患の予防策として注目されています。赤ワイン、ココアなどに多く含まれているものです。ただし赤ワインはアルコールなので、のみ過ぎが良くないのは他のアルコール飲料と大差ありません。ほどほどに嗜むようにして下さい。
  • 食物繊維:水溶性の食物繊維には、コレステロールを吸収して排泄する役割があります。きのこや大豆、緑黄色野菜などに含まれます。
  • オレイン酸:血中のコレステロール値を下げる作用を持ち、様々な生活習慣病の対策として注目されている栄養素です。老化による様々な病気の抑制作用があります。

コレステロール値を下げる働きのある不飽和脂肪酸の内、安定して酸化しにくい特徴を持っているのがオレイン酸なのです。

オリーブオイルやアボカド、アーモンド、ごま油などに含まれており、美容にも効果のあるおすすめの成分です。

生活習慣

血管を収縮させて活性酸素を生み出す喫煙の習慣は狭心症や心筋梗塞のリスクとなります。さらに、ストレスが溜まっていると血圧が高くなってしまうので血管への負担となるだけではなく、ストレスから来る暴飲暴食がやはり肥満や糖尿病など身体の不調へとつながります。

適度にリラックスするように心がけながら、規則正しい生活にシフトするようにしましょう。

基礎疾患の把握

不完全右脚ブロックの診断を受けた場合、自分が心臓の疾患を持っているかどうかや、ご家族にそのような傾向がある方がいるか等、リスクの度合いが全く分からないのではその後の対策が変わって来るかと思います。

また、健康診断で肥満や高血糖、脂質代謝異常などが見られる場合、心臓への負担や心臓疾患へのリスクも高まっている恐れがあり、通常状態よりも注意が必要となります。自分の健康状態に気を配っておくことが重要です。

まとめ

不完全右脚ブロックは、比較的よくあるもので、これを指摘されたからといって心臓に病気があるという訳ではありません。しかし、心臓疾患の症状の一つとして現れることがあるので、もし心臓の病気であった時に早期発見をするためにも定期的にチェックしておくべきといえるでしょう。

特に、今まで症状がなかったのにある年の健康診断で不完全右脚ブロックを指摘されたという場合など、変化があった際には要注意です。

心臓の病気には生活習慣が大きく関わっています。普段から生活習慣に気を配り、規則正しい生活を送ることで予防が可能です。

  
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