男性乳がんの症状とは?しこりや痛みが発生しだすと要注意?

乳がんと聞くと、一般に女性の病気と思いがちですが、男性も乳がんになる可能性があるのをご存知でしょうか。

乳がん発症者の約1%ではありますが、実は男性も発症しているのです。また、男性は乳がんにならないという先入観から早期発見が遅れ、気づいたときには手遅れという患者さんが女性よりも多いのだとか。

今回は、男性の乳がんの原因や初期症状、実際に乳がんになってしまったときの治療法などをご紹介します。

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そもそも、乳がんってどんな病気?

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乳がんとは?

乳がんとは、乳房に生じる悪性の腫瘍のことをいいます。その中で、さらに乳管がんと小葉がん、パジェット病と呼ばれるがんに大別されます。

●乳管がんとは?

その名のとおり、乳管にできるがんで、乳がんの約9割を占めるといわれています。

●小葉がんとは?

小葉にできるがんです。割合としては1割以下といわれ、男性の場合、さらにその中の2%とされています。非常に稀ですが、発症する可能性は0ではありません。

小葉とは、聞き馴染みのない器官かもしれませんが、簡単に言うと母乳を作ってくれる器官のことです。

●パジェット病とは?

乳がん全体の1~2%の割合という、非常にまれながんです。乳頭や乳輪周辺に、痒みやただれを伴いできます。

単なる皮膚の炎症などと区別がしにくく、発見が遅れやすいがんとされていますが、転移しにくいので、完治の期待が高いがんでもあります。どのがんもそうですが、早急で適切な治療をすることが大切です。

さらに、進行の度合いによって、浸潤性(しんじゅんせい)と、非浸潤性(ひしんじゅんせい)とに分類されます。

●非浸潤性乳がんとは

がん細胞が発生した場所に留まっている状態のことを指します。まだあちこち他のところへ転移していない、早期の状態です。

●浸潤性乳がんとは

がん細胞が血管内に入り込み、血液にのって、全身の臓器に遠隔転移してしまった状態です。また、リンパ管に入り込み、わき下のリンパ節に転移することもあります。

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男性が乳がんになる原因は?

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では、乳がんになる原因について紹介します!

乳がんになる原因とは

乳がんに限らず、がんの発生というのは細胞の遺伝子異常により起こります。その中で、乳がんはエストロゲン(女性ホルモンの1つ。月経を促す、女性らしい体にするなどの働きをする)が発生やがんの進行に関係していることがわかっています。がん細胞の中にあるエストロゲン受容体にエストロゲンが結びつき、増殖を促進してしまうのです。

このようなことになってしまう理由は、様々考えられますが、たとえば以下のようなものがあります。

  • 高頻度の飲酒、喫煙
  • 食事が欧米化している=欧米の乳がん罹患率は日本よりも高いと言われています
  • 出産経験がない、初潮が早い、閉経が遅い=エストロゲンの影響を受けやすい
  • 子宮がんなど、女性特有のがんになったことがある

などなど。

男性の場合

では、男性が乳がんになりやすい原因を見てみましょう。上に記したように、飲酒、喫煙、食生活は男女共通ですね。

●放射線による影響

=普通の日常生活の上での被曝量は問題ないですが、職業柄、放射線を扱う方は念頭におくといいでしょう。とはいえ、数値の管理をしっかりしているならば、過度に心配する必要はありません。

●近親者で、女性の乳がん罹患者が数人いる場合

=乳がん発生の要因は、遺伝的要素が5~10%を占めています。乳がんの多い家系であれば、女性に限らず、同様に男性にもがんが発生する可能性が高くなります。

●体内のエストロゲンが肝機能障害により分解されず、増大してしまった場合

=エストロゲンを分解する肝臓が正常に機能していないと起こります。これについては、後ほど詳しくご説明します。

また、発症しやすい年代としては60代から70代の割合が高いとされています。女性が40代から50代とされてるのを見ると、やや高い年代の発症となってますね。

では、ここで、ホルモンの分解がされないために起こる病気についてもお話ししましょう。その名も『女性化乳房症』といいます。

男なのに胸が膨らむ?女性化乳房症とは

女性ホルモンの1つ、エストロゲンは、男性にも分泌されています。月経をうながしたり、女性らしい体つきにするなどの女性的働きのほかにも、男性に嬉しい?頭髪の脱毛を防ぐ働きなどもしてくれます。

女性の場合は卵巣から分泌されますが、男性の場合は卵巣がありませんので、男性ホルモンの1つであるテストステロンからエストロゲンが生成されます。

役目を終えたエストロゲンは、男女ともに肝臓で分解され、最終的に尿などで排出されます。しかし、その肝臓が何らかの障害(肝硬変など)で機能しなくなった場合、分解されないエストロゲンが増え続けることになります。

その結果、女性のような乳房になってしまう、女性化乳房症という病気になってしまうことがあります。

その他の原因に、薬の副作用で胸が膨らむということもあります。診断時には、投薬の有無を確認され、ある場合には、どのような薬を飲んでいるかなどを聴取し、原因を探ります。女性化乳房症と乳がんの見分け方は、素人目には難しいとされています。病院で様々な検査をして、明確にするのが一番です。

また、女性化乳房症は思春期の男子にも見られることがあり、実に男子の6割は経験しているそうです。これは、テストステロンよりもエストロゲンの分泌が過剰になって起こりますが、通常、1~2年ほどで自然とおさまってくるので、手術などは必要ないとされています。

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男性乳がんの初期症状と検査方法

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シコリができるのは、どんなところ?

多くは乳輪の下にシコリができ、また、乳頭に痛みを伴うことがあるそうです。これは多くの女性乳がんとの違いで、女性の場合は痛みを感じないことが多いといわれています。

男性は女性よりも胸の脂肪分が少ないので、シコリがわかりやすく、人によっては外からでもシコリがあるのがわかる場合があるそうです。

がんのシコリは、指で押したときの動きが悪く、鈍いといわれていますが、自分で判別するのは難しいかもしれません。また、すでに転移してしまっている場合は、脇の下にも同じようにシコリができてしまうことがあります。

その他にも、シートベルトなどが擦れて痛みを感じ、診察したら乳がんだったというケースもあるそうです。些細なことでも不安に感じたら、すぐに診断をうけるのが、がんから身を守る第一歩なのです。

もしかして、乳がんかも?検査の方法は?

さて、もしかして……と、不安を抱えていても、がんは進行していく一方です。異変に気付いたらすぐに病院で検査してもらいましょう。

検査方法は、女性と同じく、マンモグラフィーや超音波検査などを行い、生体検査でがんかどうかを確定します。

マンモグラフィー検査というと、胸を板で押さえつけて検査するイメージがあり、男性は無理な気がしますが、男性でもマンモグラフィー検査は可能です。超音波検査だけ、マンモグラフィー検査だけと片方だけの検査だと精度が落ちてしまいますので、できれば両方の検査を受けることをオススメします。

乳がんとわかった!治療法は?

検査の結果、乳がんと診断された場合、そのままにしておくわけにはいきません。がん細胞を取り除かなければ進行してしまう可能性がありますので、切除手術となります。

男性の場合、女性と違って乳房に重要性がなく、また外見への抵抗も低いことなどから、乳房全てとともに、胸筋、リンパ節を切除するというのが主流となっています。

外科手術のほかに、放射線療法、薬物療法、ホルモン療法などがあります。これらの治療法は男女の区別なく、同様の治療を行っています。

各治療法について、詳しく説明しましょう。

●放射線療法

放射線には、がん細胞を死滅させる効果があります。外科手術で切除した乳房や、周辺のがんの再発予防に、放射線療法をする場合があります。

●薬物療法

薬による全身治療を目的に行います。微小転移している可能性のあるがん細胞からの再発を防止します。
手術に先行して薬で治療をすることを術前薬物療法、対して、手術後に行う場合は術後薬物療法といいます。

●ホルモン療法

手術で摘出したがん細胞に、エストロゲン受容体があるかどうか検査で調べます。エストロゲンに影響をうける乳がんを『ホルモン依存性乳がん』といい、この場合、ホルモン療法は有効だとされています。
この療法を行うと、エストロゲンと受容体の結合を阻止することができます。

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まとめ

基本的に治療法や発症時期による生存率などは、女性の乳がんと同様です。

ということは、それが男性の乳がんであろうとも、『乳がん』としての治療法は確立されているわけです。

男性の乳がんというのは、まだまだ認知されてないのが現状です。本人が診察に抵抗を感じて病院へ行かず、いざ診察してもらったらかなり進行していた…というパターンが多いそうです。

男なのに乳がんなんて…という気持ちはわかりますが、何より健康が一番です。プライドを投げ捨てて、いち早く診察を受けることが大切なことです。

乳がんは、今や日本人女性の約30人に一人は罹患するがんといわれています。そのぶん、治療法はしっかり確立され、治療しやすいがんになっていて、乳がんの五年生存率は、全種類のがんの平均を上回っているとされています。

がんの進行度合いをあらわした、ステージⅠ、Ⅱ(転移がないか、あってもシコリが小さい状態である)の五年生存率は90%を超えています。早期に発見できれば、それだけ手を打てるということです。

この記事を読んでくれたあなたの身近な男性に、乳がんの可能性を感じたら、迷わず病院で検査してもらうよう、お勧めしてくださいね。

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