赤ちゃんが欲しいと思ったときに真っ先に確認しなくてはならないのが基礎体温です。と言っても、基礎体温って日常生活であまり出てこない言葉なのでよくわからないかと思います。なぜそもそも赤ちゃんが欲しい時に必要となるのでしょうか。
そもそも、なぜ基礎体温のデータが必要なのでしょうか?その基礎体温がガタガタとはいったいどういうことでしょうか?今回は基礎体温のガタガタの原因とその対策についてまとめます。
そもそも基礎体温とは?基礎体温とその仕組みについて
基礎体温とは、そもそも一体何なのでしょうか?それは人間が平常時の体温のことで、運動などをしておらず安静にしていて、必要最低限のエネルギーしか使っていない状態の時の体温のことです。睡眠時の体温がちょうどこれに当たります。
実際の測定となると、睡眠中に測るのは一人では難しく大変なので、朝起きてすぐの活動する前の体温を測りその代わりとします。測るときには毎日同じ時間帯が望ましいです。この基礎体温を毎日測りグラフにしていくと、整理周期と排卵日がわかるようになります。身体のリズムと基礎体温は非常に関係が深いのですが、それはいったいなぜでしょうか?
女性の体はホルモンのバランスによって動いている
女性の体はホルモンのバランスによって、月経期と卵胞期と排卵期と黄体期の4つの期間に分かれた生理周期が決まります。このうち排卵期中に排卵と言って卵巣から卵子が出てきて赤ちゃんになる準備をします。
ちょうどその時期に、卵巣から『黄体ホルモン(プロゲステロン)』という物質が出てきます。すると、頭の中にある視床下部という脳の一部が反応して体温を高くしようとします。とはいうものの、高くなるといっても1℃高くなるかどうかなので、もし測るのであれば細かく測れる専用の体温計である『婦人体温計』で測る必要があります。
プロゲステロンが出てくるとだんだんと体温が上がってきます。この体温の上昇で排卵日がわかるのです。妊娠されたい女性にとっては、この排卵日がわかることは重要です。卵子はたった1日しか生きることができません。この日を逃すと次の排卵日まで待たねばなりません。
排卵が終わり黄体期に入ると女性の体温は高温期に入ります。高温期はだいたい2週間ほど続き、次の生理周期の初めである月経期へと移行します。月経期に1週間ほど出血があります。このようにして周期的に体温が変わるので、体温がだいたいどれぐらいの推移をしているかがわかれば、排卵日を割り出すことができるのです。
基礎体温の正しい測定方法とは?
ただ、女性の正確な生理周期は1度の生理周期の測定だけで判断するのは非常に難しいと言えます。できれば3周期分は測ったほうが排卵日の正確な予測がしやすくなるでしょう。また、これにより病気にかかったかどうかもわかりやすくなると言えます。
できるだけわかりやすくなるようにグラフ化して見やすくしましょう。これは、一目見てわかりやすくするために必要なことなのです。最近では、基礎体温が測れる婦人体温計の中には携帯電話と通信できるものもあり、アプリでデータ管理できるものもあります。このようなアプリでは自動的にグラフ化も基礎体温からのホルモンバランスの予測、排卵日予測できるものもあり便利です。
自分に合った方法でデータを収集、管理しましょう。
基礎体温がガタガタ?妊娠のしやすさと関係あるの?
女性が基礎体温の値を記録し始めると、通常は低温期と高温期とで一目でわかるくらいくっきりとした2つの温度のグラフになります。排卵日は高温期にになる1日2日前になるので、この日から前後5日間が妊娠しやすい日と言われております。
しかしながら、この基礎体温のグラフがガタガタとしている方もいます。このグラフがガタガタしていると、いつ高温期に移ったかがわからず排卵日がわかりにくいため、妊娠がしにくくなるのです。また、この基礎体温のグラフがガタガタしている原因がホルモンバランスが良くないということであれば、そもそも妊娠がしにくくなってしまいます。
ただ、ガタガタだからと言って絶対妊娠できないというわけではありませんので、神経質にはならないでください。
基礎体温がガタガタの時の対処法とは?
まず、基礎体温の測り方はどうですか?舌下型の婦人体温計をわきに入れていたり、測るときが、起きてすぐではなく時間的にバラバラだったりしませんか?舌下型のものはわきで測ると不安定な値が出てきます。また、起きてすぐ測らなければ本当の基礎体温は測れません。
基礎体温の測り方に問題がないとすると、考えられる原因はストレスがまず一番に来ます。仕事が忙しかったり心配事が多かったり、あるいは昼夜逆転の生活や睡眠時間の短い生活をすると、自分で抱え込める以上のストレスが身体にかかってしまい、自律神経に影響が出てきます。
自律神経は循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整するための神経です。24時間休みなく働いており、昼間の活動時期に活発になる交感神経と、夜の安静時間活発になる副交感神経の2種類によってできています。この2種類の神経をバランスよく動かすことによって人間の生活が成り立っているのですが、ストレスがかかると体の器官に様々な不調が出てきます。
この自律神経のバランスの乱れで起こる症状の一つに不妊があります。また、基礎体温の乱れにもつながってきます。そのほか不妊以外にも、神経性胃炎や過敏性大腸炎、メニエール病や過呼吸症候群を引き起こします。
ストレスをなくすためには?
ストレスをなくすためにはどうしたらよいのでしょうか?昼夜逆転が原因ならばしっかりと夜に寝るために、昼間を頑張って起きて夜に寝るように仕向けることや朝日を浴びるなどをして、生活リズムをしっかりとしましょう。
睡眠不足も一緒です。なるべくしっかりと睡眠時間をとるようにしなければ、妊娠中や出産後は出産前などとは比べ物にならないぐらい疲れますし、体力がなければ乗り越えられません。今のうちにしっかりとした体力をつけるためにもしっかりと睡眠時間をとりましょう。
心身のストレスが原因であれば、その原因からなるべく早く遠ざかってください。どうしても遠ざかることができないのであれば、一日の終わりにリフレッシュの時間、リラックスの時間を作りましょう。また、意識して休み時間を入れるようにしましょう。シャワーをやめてお風呂につかるのもよいでしょう。
そして、運動をしましょう。ジムに通うなど激しくなくて結構です。ウォーキングや通勤を自転車に変えてみることなどが手軽でよいかもしれません。運動をすることでリラックスでき、精神的な疲れが取れます。また、運動には体の芯から温める効果もありますので、基礎体温が低く風邪をひきやすい方もひきにくくなる効果が期待できます。
気を付けたい基礎体温の異常
ただ、基礎体温が割と平坦で1年以上妊娠がしにくい場合には、女性ホルモンの一つである『プロラクチン』という妊娠後に通常は高くなるホルモンが関係していることがあります。
このホルモンは、出産後ママが子供を育てやすくなるために母乳を出すなどの働きのあるホルモンで、子育て中に妊娠しないために排卵をしないようにする働きもあります。このホルモンが妊娠前にまれに高くなることがあります。すると、排卵がしにくい、あるいはされないために妊娠ができません。
この場合では、産婦人科でこのホルモンの働きを弱める薬が処方できます。おかしいな、と思ったときには産婦人科で医師とご相談してください。
妊娠の前には葉酸を
蛇足ながら、妊娠する前に葉酸不足を補っておきましょう。葉酸とは、ビタミンB9ともいわれるビタミンの一種で、DNAの合成や血球の合成に深くかかわっております。
もし足りなくなると、悪性貧血が起こるという症状が起こります。また、不足している時に妊娠すると二分脊椎という背骨の障害が起こりやすくなります。もし起こると下半身のまひや変形、膀胱や直腸障害が起きて排泄困難になるなど大変重い障害になることもあります。
まとめ
基礎体温を測るということは妊娠を準備する際に非常に有効な情報になるだけではなく、女性の体調管理に一役買うことがわかります。また、基礎体温が高温期と低温期に分かれないいわゆるガタガタな基礎体温は、ストレスが原因であることが多いのですがこれはストレスのもとになるものを遠ざけることや積極的に休憩をとること、運動をすることが挙げられます。もし、それでも改善しないときには病院に行きましょう。
また、葉酸は妊娠の予定があるときにはしっかりと摂っておき、赤ちゃんの二分脊椎という障害を回避するようにしましょう。
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