妊娠の可能性が低い日を「安全日」というのに対して、妊娠しやすい日を「危険日」といいます。妊娠を望んでいる人にとっては、危険日という言葉の響きは、あまり良く感じられないかもしれませんが、ここでは、「妊娠しやすい日」である危険日について詳しくまとめてみました。
危険日とは?
妊娠しやすい時期を表す危険日とは、排卵時期の事をいいます。排卵前後の約1週間~10日間位が、危険日の期間になります。排卵日の1日目~3日目、排卵中の約5日間、排卵後の1日が危険日の期間になります。危険日は排卵時期であり、排卵時期には女性ホルモンの影響を受けて、女性の体には様々な変化が起きます。
おりものの変化
排卵時期は、低温期から高温期へと移行し、一番体温が低い時期が排卵日になります。体の変化に伴っておりものにも様々な変化が出てきます。
下腹部痛がある
排卵通とも呼ばれる腹痛を感じる事があります。卵子が卵胞を破って排卵が起こる時に、腹膜を刺激して、痛みとして感じる事があります。
痛みの感じ方は、人それぞれ違い、全く感じない人、生理痛よりも痛みを辛く感じる人もいます。また、おなかの張りを感じたり、便秘が酷くなる人もいます。
出血がある
卵子が卵胞を破って排卵が起きる時に、少量の出血がある人もいます。おりものに混ざっている位の、極少量の出血であったり、全く出血がない人もいます。
強い眠気がある
排卵日前後は女性ホルモンの一つである黄体ホルモンが活発になります。この黄体ホルモンは、妊娠しやすい環境を作る為に分泌されるホルモンで、強い眠気を感じる事があります。
この強い眠気のせいもあって、体がだるく感じられる事もあります。
危険日を知る方法は?
危険日を知る為に、自分で出来る一般的な方法を紹介します。
基礎体温表
基礎体温表は、月経の周期、排卵日を知るだけでなく、婦人科系の疾患の発見にも役立ちます。
基礎体温の測り方は、朝起きてすぐ、寝たままの状態で体温を測ります。出来るだけ同じ時間帯に測るようにしましょう。基礎体温表に毎日の体温を記入していくと、低温の期間と高温の期間がある事が分かります。
低温期から高温期へと移行する時の、一番体温が低い時が排卵日になります。この排卵日を含めた前後3日間が危険日になります。
オギノ式法
荻野久作という学者が発見した、月経周期を利用して排卵日の測定をする方法です。オギノ式法では、次回の月経推定日の12日~16日前の5日間に排卵が起きると推定されます。
危険日は、精子の生存期間を3日として考え排卵日の前後も計算に入れると、次回の月経推定日の11日~19日前の期間が危険日という事になります。生理不順の場合は、月経周期や排卵が一定していません。また、女性の体はデリケートなので、ストレスや食生活等の環境の変化で女性ホルモンが影響を受け、月経周期が変動する事もあります。
オギノ式は、一定の生理周期で計算する方法なので、目安として捉えるようにしましょう。インターネットを利用したオギノ式の測定があり、直近の月経開始日や月経周期等を入力していくだけで、簡単に排卵日を測定できるものもあります。
頸管粘液法
おりものに混ざっている粘液の状態を観察して、排卵日を測定する方法です。おりものの粘液の状態は、ホルモンのバランスの影響を受けて変化していきます。月経終了後3~4日間はおりものの量も少なく粘液の状態もサラサラとしています。
その後、少しずつおりものの量が増え始め、粘液の状態も粘り気が出てきます。日数の経過と共に、更におりものの量が増え、粘液の状態も粘り気が強くなります。この状態の日か翌日に排卵日が起きるといわれています。
実際に測定する方法としては、清潔な指を膣の中に入れ、粘液を採ります。粘液のついた指ともう一本の指で粘液を引き伸ばします。この作業を繰り返し、引き延ばした時の粘液の長さを測定していきます。排卵日の2~3日前の粘液の状態は、長さが3~4cm位伸びます。
排卵日直前では、弾力がある強い粘液で、7~10cm位伸びます。あくまでも目安なので、ご自身の正確な粘液の変化を知る為には、何ヵ月かデータ観察をされた方がいいでしょう。
福さん式法
福さん式法とは、元助産師の「福さん」という方が考案した、自己内診で出来る排卵日の測定方法です。福さん式法は、子宮口内診とおりものを観察測定します。
清潔にした指を、膣の壁に沿うようにしながら膣の中へ入れていきます。膣に突き当たったと感じた所で指を止め、その辺りで盛り上がっている所を見つけたら、その場所の先が子宮口になります。子宮口の開き具合や柔らかさ等を確認します。確認したら、子宮口付近のおりものを採ります。子宮口は柔らかく、位置が下がっている時が、危険日だといわれています。
正確に排卵日を測定する為には、月経終了後から、内診を始める必要があります。毎日測定していると、子宮口に指が届きやくなって位置が下がってきている事や、柔らかさ等の変化も分かるようになってきます。
危険日に妊娠する確率は?
上記でご紹介したように、ホルモンの影響や生活の変化等の影響も考えると、危険日を予測して性行為を行った場合でも、100%の確率ではありません。妊娠の確率は卵子や子宮の状態によっても異なります。
年齢別の危険日に妊娠する確率
- 25~30歳 25~30%
- 35歳 18%
- 40歳 5%
- 45歳 1%
一般的な目安としてのデータですが、年齢が上がるにつれて、妊娠する確率も下がってきます。確実な危険日を知りたい場合は、産婦人科を受診して、排卵日を確定してもらい、タイミングの指導を受けられる事をおすすめします。
危険日測定グッズ
ご自身の体を知っておく為には、上記のような方法で、毎日の積み重ねて排卵日を知る事は必要な事です。しかし、手間暇が掛かり、正確なデータとして比較出来るまでに期間も必要になります。そこで、すぐに危険日を測定出来る便利グッズを紹介します。
排卵日検査薬
排卵が起きる際に分泌される、黄体ホルモンのLHサージに反応する尿検査薬です。様々なメーカーから出ていますが、妊娠しやすい時期の排卵日2日前や1.5日前から反応が出るタイプがあります。
排卵日チェッカー
排卵日が近づくと分泌される、エストロゲンという女性ホルモンの影響で、子宮頸管の粘液や唾液は変化が起きます。顕微鏡で見ると、シダ状の結晶が見られます。排卵日チェッカーは、唾液を採取して、排卵日に起きるシダ状の結晶を確認する顕微鏡タイプの検査薬です。
タッチパネル式排卵検査機
LHサージに反応するタイプとエストロゲンに反応するタイプの両方の良さを合わせた検査機です。尿中のLHサージもエストロゲンも完治するので妊娠可能期間である5日前から反応が出ます。
妊娠の可能性が3段階で表示され、6回分の月経周期の記録が出来るので、月経サイクルの確認も出来ます。タッチパネルでの操作で、イラスト付きの分かりやすい表示も魅力です。
まとめ
危険日は、妊娠を望んでいる人、妊娠する時期を慎重に考えたい人、どちらの場合においてもきちんと知っておきたい大切な日です。危険日を知る方法を紹介しましたが、ご自身にあったタイプの方法を参考にしてみて下さい。早く妊娠を望んでいる方や、持病や年齢等不安要素がある方は、産婦人科でご自身に合った方法の検査や指導を受けられる事をおすすめします。
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