食中毒の潜伏期間を紹介!菌やウイルスによって変わる?

急なお腹の痛みや吐き気、熱や下痢などの症状が現れると不安になりますよね。もしかして何か悪いものでも食べて食中毒でも起こしたかな?

そんな風に思ったときにはここを参考にしてみてください。

食中毒には原因となる菌やウイルスによって症状や潜伏期間が異なります。まずは自分の普段の食生活や生活習慣を見直し、原因と対処法を考えて見ましょう。

食中毒の症状と潜伏期間とは

カエルとトイレ2

食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが体内に侵入することで消化器官の中で細菌やウイルスが増殖し、胃や腸の機能が低下して嘔吐、下痢、腹痛、発熱の症状がでます。

この症状は、原因となる細菌やウイルスの種類により発症するまでの期間や発症している期間も違います。この発症までの期間を潜伏期間といいます。

食中毒は多くの種類の菌やウィルスが原因により、その症状や潜伏期間もさまざまです。自分の症状がどのようなものなのか?

またはどんなものを食べたことが原因か、参考にしてみてください。

食中毒の原因と症状と潜伏期間

つらい女子

食中毒の原因は実に様々です。菌によるものからウィルスによるものまで、心当たりのあるものはないか、見てみましょう。

サルモネラ

原因は、鶏卵や食肉によるものがほとんどです。

症状は、吐き気と嘔吐から始まります。数時間後に腹痛や下痢がおこり、38℃以上の高熱が出ることもありますが、これらの症状には個人差があります。

潜伏期間は1日から3日ほどですが、下痢の症状については潜伏期間は6時間から48時間と幅があり、注意が必要です。

腸炎ビブリオ

原因は、生食の魚介類などです。

症状は主に激しい腹痛や発熱、下痢など。また吐き気や嘔吐もあります。特に腹部上部に痛みを感じるのですが、発病してから5~6時間で回復に向かいます。

潜伏期間は一般的に10~18時間前後といわれておりますが、個人によって差がでます。潜伏期間が短くすぐに発症するほうが重症になるといわれます。どの症状も1日から2日で快方に向かい、1週間で完治することが多いです。

ブドウ球菌

原因は、おにぎりなどのご飯ものや調理パン、菓子類などのほか、畜産製品、魚肉練製品などがあります。

人の傷口や化膿した部分に黄色ブドウ球菌が多く、そこからの感染が多いので手袋を使用しての予防が有効です。菌自体は熱に強くないのですが、菌が出す毒素は熱に強いので一度毒素が発生してしまうと加熱しても食中毒を防ぐことが出来ません。

一方10度以下では、毒素を作り出せないことが分かっていて、予防には冷蔵保存が有効です。症状は吐き気や嘔吐 、下痢や腹痛も起こります。潜伏期間は短いです。食品を摂取してから1~6時間前後で症状が現れます。

O157(腸管出血性大腸菌)

原因は、ハ ンバーガーをはじめとする挽肉や、食肉製品、乳製品、サラダなどです。また未殺菌である汚い井戸水から感染したり、人から他の人への感染もあります。

症状は強烈な腹痛から、水溶性下痢が始まって血性下痢が発生します。 ひどくなると、血小板減少、溶血貧血、腎不全を主な症状とする溶血性尿毒症症候群を起こします。赤ちゃんや小さい子供などは、死亡率が高くなりますので注意が必要です。

潜伏期間は他の食中毒菌に比べると、2〜7日と長めになります。

カンピロバクター

原因は、鶏肉が多いとされています。

症状は発熱や下痢、腹痛、頭痛、倦怠感、嘔吐といったものが挙げられ、人により症状に個人差が現れます。

感染初期では風邪のような症状が出ることも多いです。人によっては、腹痛や水の様な便が出ます。血便や粘液便を伴う下痢や発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、だるさなども現れます。ただし発病しても、一週間程度で回復します。また発生ピークは5月~7月ごろに多いです。

潜伏期間は、2日から7日と長いので注意が必要です。またカンピロバクターに感染した後に「ギランバレー症候群」という、手足の麻痺や顔面神経痛や呼吸困難などを起こす疾患にかかることもあり、完治後も観察が必要な食中毒です。

ボツリヌス

原因は、魚肉や食肉などに加えて、野菜類が材料となった発酵食品や缶詰、びん詰、レトルト食品などです。

症状は、頭痛やめまい、言葉が上手く話せなくなる、視力低下や呼吸困難といったものが挙げられます。乳児の場合は突然便秘になったり、元気がなくなる、眼球運動の麻痺が現れるといった症状が発生します。

よく言われる1歳以下の乳児は、ハチミツに注意!と言うのは、乳児の場合には、乳児ボツリヌス症というのがあり、重篤化する危険があるからです。

潜伏期間は8~36時間です。

ウェルシェ

原因は、食肉、魚介類など加熱調理してから、数時間〜1夜経過したものによって現れる特徴があります。例えば、カレーやシチューなど大量調理した煮込み料理で食前の加熱が不完全だった場合に良く起こる食中毒です。

症状は下痢と腹痛です。潜伏期間は6時間から8時間と言われ、症状は一般的には軽くすむ場合が多いです。

セレウス

セレウス菌は汚水に感染していることがあるので、穀類や豆類などが原因となることが多くあります。

症状は吐き気や嘔吐、下痢です。症状は一般的に軽く済むことが多く、1日から2日で回復に向かいます。潜伏期間は嘔吐の場合は2~4時間ですが、下痢の場合は8時間から16時間と長く、注意が必要です。

エルニシア属菌

原因は、主に豚肉などの生肉や生乳、魚介類からもかなりの割合で検出されています。

症状は、主に発熱が特徴で、腹痛や下痢があり嘔吐は少ないようです。急激な腹痛は盲腸炎と間違われることがあります。

潜伏期間は、あまりよくわかっていませんが、たいがい2~3日でまれに10日以上の場合もあります。

赤痢

原因は、飲料水や食物に多いです。

症状は、悪寒を伴う高熱からはじまり、全身の倦怠感、水の様な便がでます。1〜2日間ほど発熱があり、腹痛やしぶり腹、膿粘血便が特徴です。

潜伏期間は1〜3日です。注意しなければいけないのは、人から人に感染していくことです。家庭内二次感染の危険性が高いので、とくに赤ちゃんや小さい子供また老人に対しての注意が必要です。

コレラ

原因は、海産物や水などコレラ菌の感染による重度の腸の感染症です。しかし現在では、衛生が良い環境であれば、コレラが起きることは滅多にありません。

激しい下痢が発生する症状が現れることがありますが、多くの感染者は症状が全く現れないのが特徴です。

症状が出るときは、痛みの無い水っぽい下痢と嘔吐が突如発生します。発熱が症状として現れることは無いのですが、便の色は灰色で、粘液による斑点があります。脱水がひどくなると激口が乾いたり、筋肉の痙攣や脱力の症状などが現れます。

コレラの治療を行わないと、水分と塩分を失いすぎることで腎不全や、ショック状態に陥ってしまう場合があり、最悪死に至る場合があります。症状はたいてい3~6日で回復に向かいます。そして2週間程度で細菌は完全になくなります。

潜伏期間は、おおよそ1~3日後といわれます。

ノロウィルス

ノロウイルスは聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。二枚貝など魚介類からの感染や井戸水からの感染、菌を持っている人によって菌が繁殖した食品などが原因とされています。

また人から人への二次汚染が確認されています。人から人への感染防止は手洗いとうがいが効果的です。

症状は、吐き気や嘔吐、下痢と腹痛で多くが軽症で済みますが、抵抗力の弱い人や免疫力の低い小さい子供やお年寄りは重篤化することがあります。

多くは2日から3日で回復に向かいます。潜伏期間は1~3日といわれています。

病院に行く目安は?

キット

食中毒に感染したと思ったら、まずは自分がどのような症状なのか、観察しましょう。また医療機関に行った時に説明できるように、自分の食生活について書き出しておくのも良いでしょう。

軽いものなら、水分補給に気をつける、安静にするなど自宅で静かにしていれば良くなるものもあるのですが、もし辛くなったら病院に行くべきか、迷いますよね。ここでは病院に行く目安を調べてみました。参考にしてみてください。

O157の感染が疑われるとき

o-157など病原性大腸菌が腎機能を低下させ、腎不全で無くなるケースがあります。

特に子供やお年寄りが感染すると重症化することが多いので、血便の症状があらわれた場合は、すぐに医療機関に受診しましょう。

下痢や嘔吐による脱水症状

下痢や嘔吐は、体内に増えたウィルスや細菌を体外へ排出するために必要な行為です。しかし一日に10回以上の吐き気や下痢が続く場合は体内の水分だけでなく、ミネラルも大量に失われている可能性があり、脱水症状を起こしかねません。

そのようなときは取れるときに少量づつでもよいので、水分だけでなくミネラルも入ったドリンクで水分補給をしてください。もし、それでも症状が改善されない場合は速やかに医療機関に受診してください。

その他

そのほかにも、乳幼児やお年寄り、病中や病後で体力や免疫力の低い人。または、自然の毒キノコやフグの毒などを飲食してしまった場合などは、速やかに医療機関に受診してください。

早めの受診で辛い症状が、少しは和らぐ可能性があります。

市販薬は使用しない

これは食中毒に感染したときに重要なことです。

食中毒は嘔吐や下痢によって、体外に増殖したウィルスや細菌を排出することで快方に向かいます。なので、市販の吐き気止めや下痢止めを使用して症状を止めてしまうと、かえって悪化させてしまう可能性があります。辛い思いを長引かせないためにも市販薬は使用せず、医療機関に受診してください。

まとめ

いかがでしたか?

ちょっとした食あたりだと思って軽く見ていると、重篤化するような危険な食中毒があるのがわかりましたね。是非普段の食生活や食材についてよく注意してみましょう。

特にお年寄りや赤ちゃんなど抵抗力の弱い人たちと同居している場合は感染しないように家族で気をつけて生活することも大切です。

  
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