大腸ポリープの原因について!種類と症状、予防法も紹介!

最近ではご自身や身近な人が健康診断などで大腸にポリープがあると診断されたという話も珍しくありません。内視鏡検査が広まり発見率が高くなってきているのも理由です。

大腸ポリープの中には大腸がんへと発展してしまうものもあり、発症者も増加の一途をたどっています。身近に潜む、決して軽視できない大腸ポリープについてご紹介します。

大腸ポリープとは

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ポリープは突起物やイボの事であり病気そのものを表す言葉ではありません。その中で大腸ポリープは大腸の粘膜の一部が主にイボ状になったものを指します。

この大腸ポリープは大きく「腫瘍性」と「非腫瘍性」に分類されおよそ8割が「腫瘍性」であると考えられています。

大腸ポリープの種類

非腫瘍性のポリープと腫瘍性のポリープについてご紹介します。

非腫瘍性ポリープ

非腫瘍性ポリープは良性のポリープです。この中には若年性ポリープ、過形成性ポリープ(加齢などによるもの)、炎症性ポリープなどがあり、がんとはほぼ無関係です。

腫瘍性ポリープ

大部分のポリープは腫瘍性は良性とされ、この良性のポリープを腺腫と呼びます。腺腫は腺細胞が異常に増殖したもので、大きくなるに従いその一部ががんを伴う事があります。

がんを含む腺腫はほんの一部だとされています。また腺腫の大きさが1cmを超えるとその可能性が急激に上昇する事が分かっていますが、ポリープが小さい内に、大きくなるかどうかの判断は困難です。問題視されるのはこの腫瘍性のポリープなのです。

がんと腺腫を見分けるには組織や細胞の形状に異常があるかどうかを段階的に判断します。これを病理診断と言い「正常」から「がん」まで5つのグループに分けられます。

大腸ポリープの原因

大腸ポリープが発生する原因はいくつかありますのでご紹介します。

生活習慣

特に食生活による影響が大きいと考えられています。

・動物性脂肪・・・腸内の発がん性物質が増加します。特に「肉類を食べる量と大腸がんの発生率」の相関では食べる量に比例して発生率が高くなっています。例として世界で最大の畜産国で肉の消費量も多いニュージーランドでは、大腸がんの発生率も世界で最も多い国の一つとなっています。

・低繊維・・・繊維質が低い食事ばかりだと糞便と同様に、発がん性物質も腸内に留まりやすくなり腺腫が発生するリスクを高めてしまいます。これは便が停滞している間、腸が刺激され腸内細菌のバランスが崩れる(悪玉菌が増殖する)事によるものです。そのため便が留まりやすいS字結腸や直腸はポリープの発生率も高くなっています。

また喫煙やアルコールの過度な摂取も原因の一つとされています。

家系・遺伝

大腸ポリープや大腸がんは家系や遺伝による影響が大きい病気で、遺伝子の異常が受け継がれた際に発症しやすくなります(先天的な遺伝子異常)。

これを家族性大腸腺腫症と言い、腺腫の数が多く10代など若い年齢で発症する事もあるのが特徴です。ポリープが100個以上発生したものを「ポリポーシス」と言う呼び名になり扱いも区別されます。ポリポーシスは大腸がん発症の確率が高くなっています。

また、同居の家族が発症した場合、生活環境や習慣が発症しやすい状態にある事も考えられます。

加齢

加齢によってポリープの発生率が増える傾向にあり、60歳代になると2人に1人がポリープを持っているとも言われています。

主に40代からその傾向が顕著に現れ、特に50代以上ではポリープから大腸がんへと変わる可能性も少なくありません。これは時間の経過によってポリープががん化するケースある為と考えられています。

後天的な遺伝子の異常

発がん物質や放射線の影響により遺伝子の遺伝が生じ、大腸ポリープの原因となる場合があります。この発がん物質の中で代表的なものがタバコやお酒(特にビール)です。飲酒、喫煙がポリープの原因と言われるのはこの為です。

ポリープが多発する人は先天性、後天性問わず遺伝子の異常である可能性が高いとされています。

メタボリックシンドロームとの関連

近年、大腸腺腫とメタボリックシンドロームが関係していると言われています。具体的に内蔵脂肪型肥満や高血圧、糖尿病などに繋がる生活習慣が大腸腺腫のリスクを高める原因にもなりうると指摘されています。

大腸ポリープの予防

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大腸ポリープの原因は遺伝や体質、生活習慣が大きく影響しています。大腸がんにも繋がる恐れのある病変ですが、自覚症状が無く発見が遅れる事があります。

早期の発見・治療を行う為にも検査や人間ドッグに行く事が重要となっています。特に家族や親族に大腸がんや大腸ポリープなった事がある人には、定期的な検査に行き病変の早期発見に努めましょう。

食習慣の改善

大腸ポリープは食習慣が大きく係わっています。病変を予防する為の食生活の基本は、一日三食バランスの良い食事をとり過食を避ける事です。

世界的にも肉類は大腸ポリープの原因になるとされていますので、肉中心の食生活になっている人は注意が必要です。必要な動物性タンパク質は牛や豚、鶏肉よりも魚を中心とした食事から摂取する事が望ましいとされています。また一部では加工肉(ハムやソーセージ)は特にリスクが高いとされる説もありますので、必要以上に食べ過ぎないよう心掛けましょう。

便の排出を促進させ、腸に便を留まらせない為にも食物繊維が多い食品を摂る事が重要です。また食物繊維は腸内の善玉菌を増やし腸内環境を改善させる効果を持つものもあり、様々な食材から食物繊維を取り入れる事がポイントです。代表的な例として野菜、イモ類、海草類、豆類などが挙げられます。

魚、野菜、豆類、海草類が中心となった料理が和食です。低脂肪であり味噌や醤油などの発酵食品は腸内環境の改善にも繋がるオススメのメニューです。食生活が肉中心の欧米化した内容になっている人は積極的に和食を取り入れてみましょう。

腸内環境の改善に良いとされる食材として、ヨーグルトなどの乳酸菌も効果があるとされています。中でも善玉菌のエサとなるオリゴ糖が含まれるものがオススメです。

カルシウムやビタミンDも大腸ポリープに効果があるとされています。腸内の消化液である胆汁が二次胆汁酸へと変化し発がんを促進させます。この二次胆汁酸とカルシウムが結合する事で無毒化されるという説があり、更にビタミンDと共に腸粘膜細胞を正常化させる効果がある事が実験により示されています。ビタミンDは魚類やキノコ類に多く含まれる他、日光にあたる事により体内で生成されます。運動による腸の活性化の為にも、外に出て適度な運動をする事を心掛けましょう。

定期的な検査

自覚症状がなく、再発率が高いのが大腸ポリープの特徴でもあります。定期的な検査により早期発見に努めましょう。大腸がんの検査として「便潜血反応」を行います。

排泄した便の中に血液が混ざっているかを調べ、結果が陽性の場合精密検査が必要となります。その精密検査として「大腸内視鏡検査」が行われポリープの発見へと繋がります。

大腸内視鏡検査

肛門から内視鏡を挿入し大腸全体を観察する方法です。

平坦型など出血が少なく発見が難しいタイプのものでも見つけやすく、発見した際に生検鉗子による組織検査が可能な事から一般的に用いられている方法です。内視鏡の挿入が困難な場合はレントゲンやCTスキャンによる検査が行われることがあります。また身体への負担が少ないとされる、カプセル内視鏡による検査も広まりつつあります。

費用は病院によって異なりますが、5000円~15000円程度(3割負担の場合)が一般的で、検査時間そのものはおよそ30分で終了します。ですが事前に腸内洗浄などを行う必要があり、基本的には一日がかりの作業となります。

大腸ポリープの治療

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ポリープが、がんになる前に切除してしまう方法が一般的です。ポリープの段階では内視鏡を使用し比較的簡単に切除できます。ポリープの形状により色々な切除器具を使い分け、大きなものから平坦なものまで様々なタイプに対応します。

手術費用はおよそ20000円~40000円でポリープの数や大きさによって変わってきます。また、度合いによっては日帰りの手術で対応できる病院もあるようです。

がんになってからでは開腹手術など大掛かりなものになり再発の危険も高まります。とにかく早期の発見がキモなのです。

まとめ

大腸ポリープについてポイントを簡潔にまとめました。

【大腸ポリープとは】

・大腸の粘膜が主にイボ状になる病変であり、大きく「腫瘍性」と「非腫瘍性」に分けられ、腫瘍性のものが大腸がんへと変わる可能性があります。

【原因】

・遺伝による影響が大きいのが特徴です。家族 に大腸ポリープが見つかった事がある人は注意が必要で、発症や再発の可能性が高くなっています。

・生活習慣、特に食生活に大きく係わっています。その中で危険視されるのは高脂肪な食品(主に肉類)や低繊維質な食事(便が留まりやすく腸内環境を悪化させる)です。飲酒・喫煙にも発がん性があり大腸ポリープのリスクを高めるとされています。

【検査・治療】

・遺伝性が強く、自覚症状もないため定期的な検査が強く勧められています。

・主に内視鏡による検査が行われます。切除による手術が一般的でポリープの段階では比較的容易に治療が完了します。

【最後に】

文中で何度もご紹介しましたが、とにかく早期の発見・治療が重要です。自覚症状がなく自分で発見するのは難しいですが家族に発症した人がいたり、便の中に血が混ざってていたり(ポリープから出血している場合に便に付着する事があります)とサインがでているかもしれません。他の病気の発見にも繋がる可能性があるため定期的な検査を受けることを強くオススメします。決して軽視せず病気を疑う心を持ちましょう。

  
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