「みかんを食べすぎると肌が黄色くなる」という話を聞いた事ありますか?嘘のような話ですが本当の話です。なぜ黄色くなってしまうのか?また、みかんを食べていないのに肌が黄色くなってきた!肌が黄色くなってしまったのをどうにかしたい!という方は是非読んでください。
柑皮症とは
柑皮症(かんぴしょう)とはカロテンを大量に摂取することにより、皮膚に色素が沈着し顔やカラダが黄色くなってしまうものです。肌が蜜柑(みかん)の皮のように黄色くなることから柑皮症と言われています。また、カラダの機能、特に肝機能が十分でない子供にも発症します。
症状
主に手のひらや足の裏、鼻など角質が厚い部分が特に黄色くなります。症状が強くなると全身が黄色っぽくなることもあります。黄色っぽい症状が出るだけで、痛みが出たりなど他の症状はありません。
原因
みかんや緑黄色野菜に多く含まれるカロテンを大量に摂取することにより症状が出ます。カロテンはカラダの中でビタミンAに変わりますが、脂溶性で大量に摂取すると、カラダから排出されずにカラダの中に残ります。
それによって血液中のカロテン値が上がり、皮膚に色素が沈着しやすくなり黄色っぽくなってしまいます。
カロテンとは
カロテンとは緑黄色野菜に多く含まれているカロテノイドと呼ばれるものの一種です。にんじんやみかん、ブロッコリーなどに多く含まれていて、強い抗酸化力を持っている栄養素です。免疫力を高め、皮膚や粘膜を健康に保ったり美肌効果があります。
カロテンがビタミンAに変化することで動脈硬化や夜盲症を防ぐことが判明していますが、摂りすぎてしまうと柑皮症になってしまうので気を付けたいところですね。
カロテンを多く含む食材
柑皮症の原因となるカロテンを含む食材を紹介します。
「野菜」
にんじん、シソの葉、パセリ、ほうれん草、かぼちゃ、トマト、ニラ、モロヘイヤなど
「果物」
みかん、メロン、マンゴー、すもも、スイカなど
「海藻」
ワカメ、海苔、ひじき、もずく、昆布など
これらが主にカロテンを多く含んでいます。ほうれん草、海苔、スイカといった食材はとても意外だと思った人が多いのではないでしょうか。「黄色い食材だから柑皮症になる」といったことではないようです。
柑皮症とダイエットの関係
ダイエットを始めてから肌が黄色くなったということありませんか?ダイエットと柑皮症は関係ないように思えますが、ダイエットで野菜中心の食生活を送っている人は当てはまるかもしれません。
ダイエット中の女性に増えている柑皮症は、みかんだけでなく緑黄色野菜でも発症します。野菜はもちろんカラダにとても良く栄養もありますし、低カロリーでダイエットには最適な食材です。サプリメントや野菜ジュースなども種類がたくさんあり、野菜嫌いな人でも無理なく摂取できますよね。とても飲みやすく何本でも飲めてしまう野菜ジュースですが、野菜ジュースには濃縮されたカロテンが含まれているため、気付かない間に過剰摂取してしまっている可能性があります。
果物にもカロテンが多く含まれているものがたくさんあります。食べやすい食材が多いですがやはり過剰摂取は良くありません。バランスよく適度に食べることが適切ですね。
柑皮症の治療法
柑皮症になってしまったら薬を飲んだり病院に通わないといけないの?と不安になるかと思いますが、病院へ通ったり薬での治療はありません。自然に治すことができます。
方法はとても簡単でカロテンの摂取を控えるだけです。摂取を控えれば肌の色も少しずつ元に戻っていきます。
柑皮症と黄疸の違い
柑皮症の他に黄疸(おうだん)も皮膚が黄色くなる症状として知られていますが、柑皮症と黄疸は別物です。黄疸は皮膚や白目部分が黄色くなることが特徴です。白目が黄色くなっているか、いないかで柑皮症と黄疸の違いを判断することができます。
黄疸とは
黄疸(おうだん)とは血液の中にある「ビリルビン」と言われるものが増えることによって、皮膚や白目部分が黄色くなります。ビリルビンは赤血球の中にあるヘモグロビンが破壊されることでできる黄色い色素です。通常は肝臓で処理された後に胆汁という液体を通して、十二指腸から腸の中に排泄されます。そして腸内細菌によって分解され便として排泄されるのです。
しかし肝臓になにかしらの異常が発生し胆汁の流れが悪くなってしまうと、ビリルビンが血液の中に増加することになり、それが腎臓から尿へと排泄されるのです。尿の中のビリルビンが高いと肝機能に異常が出ているということになるため、検査をする必要があります。
つまり肝機能になにかしらの異常が起きている場合に黄疸がでるということです。黄疸が出ている場合はすぐに病院を受診しましょう。
症状
皮膚や白目部分が黄色くなるといった症状の他に、倦怠感や発熱、尿が濃くなる、便の色が薄くなる、かゆみが出るといった症状がでたりします。
黄疸を引き起こしている病気
黄疸が出るということは何か異常が起こっているカラダからのサインです。見逃さないためにも考えられる病気をいくつかあげてみました。
肝炎
肝炎(かんえん)とは肝臓に炎症が起こっている病気です。症状は主に食欲不振、吐き気、倦怠感です。濃い色の尿が数日間続き、黄疸が出ると共にどんどん濃くなっていきます。また肝臓が腫れて熱を持つため痛みを感じることもあります。
肝炎になる原因はいくつかありますが、約90%がウイルス感染によるものです。アルコールや薬物でも肝炎になることがあります。
肝硬変
肝硬変(かんこうへん)はいくつかの疾患が原因で、肝臓の細胞が壊されたり再生したりを繰り返します。それによって肝臓の中に線維が増え続けゴツゴツと固くなってしまった状態のことをいいます。
初期の段階では、代償能という機能が働くため症状は感じにくいです。代償能とは肝臓の一部に異常があっても残りの部分が補うというものです。肝硬変が進行していくと倦怠感や食欲不振などの症状が徐々に出始めます。
肝硬変はアルコールの飲みすぎでなると言われていますが、実は65%がC型肝炎が原因でアルコールが原因というのは全体の10%ほどしかないのです。発症してしまうと元に戻すことができないので、進行を止めるための治療を早期に始めることが大切です。
肝硬変については、肝硬変の自覚症状を見逃さないように!注意すべき症状は?を参考にしてください。
肝臓がん
肝炎や肝硬変、そして肝臓がんと病状は進行していきます。肝硬変と同じく初期段階では症状を感じにくいため、気付きにくいです。
黄疸が出始めた時には病状は非常に深刻であると考えられます。肝臓がんになる原因の約90%が転移性肝臓がんという他の臓器から転移したものです。病状が進行するとカラダが浮腫んだり、体重の減少、激しい痛みなどの症状が現れます。
詳しくは、肝臓がんの末期症状について!生存率や余命はどのくらい?を読んでおきましょう。
溶血性貧血
溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)とは赤血球が異常を起こし、通常の寿命よりも早く壊れてしまうことで貧血を引き起こします。赤血球が壊れることでヘモグロビンも分解し黄疸の症状を引き起こすビリルビンが増えます。その結果黄疸の症状が現れるのです。他にも発熱や脱力感などの症状が出ます。
体質性黄疸
体質性黄疸とは遺伝が理由で起こります。肝炎など様々な病気が原因で黄疸は現れますが、病気ではないのに黄疸が現れることがあります。きちんと排泄されるはずのビリルビンが、うまくカラダから排泄されない生まれつきの遺伝体質のことを体質性黄疸と呼びます。
体質性黄疸は4つの種類にわけられており、新生児の頃から発症する「クリグラー・ナジャール症候群」、思春期以降に発症する「ジルベール症候群」、「デュビン・ジョンソン症候群」、「ローター症候群」の4種類があります。
膵臓がん
膵臓(すいぞう)は胃の後ろ側にある細長い形をした臓器です。膵臓がんとは主に膵管がんのことを指すようです。膵管ガンは膵管の細胞にできるがんで、膵臓のがんの90%~95%を占めています。
症状は食欲不振、体重減少、背中の辺りが痛い(苦しい)などです。黄疸が出るとかゆみを伴ったりします。膵臓がんは自覚症状があまりなく、早期発見がとても難しいです。診断をされた時にはほとんどが進行してしまっていると言われています。
詳しくは、膵臓がんの原因となる生活習慣とは!治療が難しいのはなぜ?を参考にしてください。
肝臓を強くするには
黄疸に関係するほとんどが肝臓の病気です。日頃から肝臓を労り、肝炎などの病気を防ぎ、そして弱ってしまった肝臓も元気にしてあげましょう。
バランスのとれた食事
1番大切なのはやはり食事です。栄養バランスのとれた食事をしっかり食べる事を心がけましょう。肝臓にいい食材はレバー、しじみ、牡蠣、かぶ、にんじんなどです。食べ過ぎてしまうことも肝臓に負担をかける原因となります。
アルコールの摂取を控える
お酒を飲むことによりアルコールを分解するため肝臓に負荷がかかります。お酒の飲みすぎ、頻度を抑えるだけでも軽減され、弱っている肝臓も回復するのに効果的です。
適度な運動で太りすぎを防ぐ
激しい運動でなくても適度にカラダを動かすことは大切です。太りすぎると肝臓に脂肪がつき、負担がかかってしまいます。ウォーキングやストレッチなど無理のない範囲でカラダを動かしていきましょう。
まとめ
柑皮症とは
・カロテンを大量に摂取することで皮膚に色素が沈着し、顔やカラダが黄色くなること
症状
・手のひらや足の裏、鼻など角質の厚い部分が黄色くなる
原因
・みかんや緑黄色野菜に含まれるカロテンを大量に摂取することにより起こる
カロテンとは
・緑黄色野菜に含まれるカロテノイドと呼ばれるものの一種
・強い抗酸化力を持っており皮膚や粘膜を健康に保ち美肌効果がある
カロテンを多く含む食材
・「野菜」にんじん、シソの葉、パセリ、ほうれん草、かぼちゃ、トマト、ニラ、モロヘイヤ
・「果物」みかん、メロン、マンゴー、すもも、スイカ
・「海藻」ワカメ、海苔、ひじき、もずく、昆布
柑皮症とダイエットの関係
・女性に多く発症しており野菜や果物を中心とした食事をしている
・野菜ジュースには濃縮されたカロチンが含まれており知らない間に過剰摂取をしている
柑皮症の治療法
・カロテンの摂取を控えることで自然に治る
柑皮症と黄疸の違い
・皮膚が黄色くなる症状の他に白目が黄色くなっているか、いないかの違い
黄疸とは
・血液中のビリルビンが増えることで皮膚や白目が黄色くなる
・肝機能に異常が起きている場合に発症する
症状
・皮膚や白目が黄色くなる
・倦怠感や発熱、尿が濃くなる、便の色が薄くなる
黄疸を引き起こしている病気
・肝炎
・肝硬変
・肝臓がん
・溶血性貧血
・体質性黄疸
・膵臓がん
肝臓を強くするには
・バランスのとれた食事
・アルコールの摂取を控える
・適度な運動で太りすぎを防ぐ
柑皮症は自然に治すことができるため、食生活を改善しましょう。黄疸が出た場合にはすぐに病院を受診し検査をしてください。