アテロームってどんな病気?種類や症状、原因を知ろう!治療するには手術が必要?

突然に身体に現れるできもの、気になりますよね。このできものの多くは、アテロームと言って、まれにポチッと身体にできます。粉瘤(ふんりゅう)ともいいますが、一応良性の腫瘍ということです。

ただ、いくら良性の腫瘍といっても、目立つところに出来てしまうと少し厄介です。今回はこのアテロームについてお伝えします。

アテロームとは?

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アテロームについて紹介します。

表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)

アテロームの正式名称は、表皮嚢腫といって腫瘍の一種です。皮膚の下に、もともとある汗腺や毛穴と呼ばれるところに老廃物がたまり、それが大きくなっていくものです。そのほとんどが良性のものであり、がんなどになることはなく心配hないと思います。

ただ、放っておくと成長して大きく目立つ傾向にあるものです。それこそたんこぶのように大きくなることもあります。また、その大きくなっていくその中には、皮脂や老廃物がたまっていくので、匂いを発します。それも臭いとのことなので、小さい時に早めに除去した方がいいと思います。

このアテロームには芯と呼ばれる表面の中央に黒い点が見られます。ここを中心に指で挟んで圧力をかけると中から白いドロッとした液体が飛び出してきます。

外毛根鞘性嚢腫(がいもうこんしょうせいのうしゅ)

同じくふくらんでできるものに外毛根鞘性嚢腫というのがあります。これは頭皮にできるものなので、外毛と名前がついています。頭皮にやはりポチっとふくれて腫れ物ができてしまうことです。

中に溜まっているものはやはり老廃物のようなもので、アテロームと変わらないのですが、できる場所が違うということで別の名称が付いています。

多発性毛包嚢腫(たはつせいもうほうのうしゅ)

これもアテロームと同様のもので、多発性とあるようにたくさんのアテロームがいろいろな場所にできることです。主に腕、首、脇などで一見蕁麻疹のように見えますが、一個一個は結構な大きさのものが多数発症しています。

耳前瘻孔(じぜんろうこう)

アテロームとは違うものなのですが、耳の穴の周りにできるものです。ふくれるものではないのですが、大体が炎症を起こして痛みを発症します。

この耳の穴回りにできるものが、アテロームとは違うということを覚えていた方がいいかと思います。これは、手術により取り除くことになります。

アテローム性動脈硬化

同じアテロームといっても、このアテローム動脈硬化は、血管内にできるものです。脂肪性の物質が血管内の壁に付着し、それが血液の流れを悪くしたり、あるいはその影響で病気を引き起こしてしまいます。

これは先に述べているアテロームとはまったくの別物です。逆にこちらの方は、正直恐い症状であり、別の意味で注意が必要となります。

アテロームの原因

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アテロームの原因について紹介します。

外傷

アテロームは基本的にできる理由がわかっていません。医者に行くと、「体質ですよ」といわれるケースも多いとのことです。

ただ、できる理由の一つに、外傷跡ということがあります。軽い傷の跡に、老廃物などが流れ出る場所がなくなってしまい、毛穴に流れ込んで溜まってくるケースです。あるいは刺激により、毛穴や汗腺が正常に働かず、そこへ老廃物が溜まるということも考えられています。

毛穴の汚れや目詰まり

毛穴が汚れていたり、目詰まりを起こしていると老廃物が排出されずに腫れることもあります。これもできる場所によって区別されていますが、そのほとんどがアテロームです。

最大の原因はほとんどがこの毛穴の汚れといわれています。また、この毛穴に溜まった老廃物ですが、中央部の黒い点の部分を押し出すと中から白い液体が飛び出します。この液体を取り出しても、再びこのアテロームが同じ場所にできます。

これはその毛穴に問題があるので、再びアテロームができないようにするには、毛穴の袋自体を取り出すしかないということです。麻酔をかけ手術で溜まると思われる袋を取り出します。その傷が大きければ、取り出した後に縫う必要も出てきます。

体質

医者に行くとたいていは、「体質です」と言われてしまうのですが、それにはいろいろな要素があると思います。普段から皮膚をきれいにしていることで老廃物や皮脂がたまらないようにすることで、体質とならないと思われます。医者が「体質です」というのはそのようなことを含めて言っていると思われます。

皮脂腺

毛穴の近くには皮脂腺という皮膚を守るために、脂が出るところがあります。これは身体のいたるところにあるのですが、特に耳の後ろや背中などは他の場所より多く存在します。このような理由から、アテロームは耳の後ろや背中ができやすいのです。

脂肪性物質の沈着

この脂肪性物質は、身体の表面にできるアテロームとは違う質のもので、先に述べた、アテローム性動脈硬化の症状が起きる原因となるものです。

血管内に脂肪が付着して、血液の流れを阻害します。その影響で病気を引き起こしてしまうものです。最悪の場合、その沈着した物質が脳へ飛んで脳梗塞を引き起こしたり血管が剥がれる動脈解離なども引き起こします。

これらの症状は間違いなく食生活の影響が大きいので、普段からの食べ物など、食生活の改善が余儀なくされると思います。

刺激

毛穴は、皮膚の表面側にある毛の生えている穴で、ここから若干ですが二酸化炭素を出し呼吸もしています。この部分は、毛の根っこの丸くなっている部分を包むように漏斗(ろうと)のような形をしていていることから、毛漏斗部(もうろうとぶ)といいます。

ここが多少の刺激により、皮膚が袋状のようにめくりかえってしまい、老廃物が次第に溜まることでアテロームができるとも言われています。

刺激といっても本当に軽いもので、衣服が擦れたり、洗顔の際に手の平との接触などのことをいいます。かなり肌が敏感な人は、擦れたりするとその部分が強くなり固くなるために、毛穴も閉じてしまうということのようです。これはなんとも防ぎようがないといえます。

ウィルス感染

ウィルスが原因と考えている報告もあります。このウィルスは、イボウィルスといって、皮膚に付着しその後毛穴や傷の跡に入り込みます。それが内部で膨らんでいったりそのウィルスの老廃物と共に溜まるのです。あまり例はないようですが、原因の一つとして考えられています。

ニキビの跡

ニキビができ、その内部の白い液体が出た後に、自然に老廃物や皮脂が溜まりこんでしまうことでアテロームができます。もともと袋状になっているので、このニキビ後にはアテロームは非常にできやすいとのことです。

ピアス

ピアスを開けることで皮膚にも刺激を与えてしまいます。皮膚の特性として、刺激を受ける場所は固くなったりしてその刺激に耐えるようにできていますから、ピアスの穴周辺は当然固くなります。

こうして固くなった近辺にある毛穴や皮脂腺が塞がれ、皮脂や老廃物が溜まりやすくなってしまいます。せっかくおしゃれにピアスで飾ろうと思ってもアテロームができてしまっては、意味をなしません。

ピアスをし続ける以上、ずっと刺激が続くので、アテロームもずっと出来やすい環境にあることは間違いないと思います。

アテロームの症状

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アテロームの症状について紹介します。

皮膚の隆起

アテロームの特徴は、毛穴に溜まる老廃物や皮脂により、穴が塞がり皮膚が隆起してしまうのです。痛みや痒みはありませんが、ばい菌が入り炎症を起こす場合があります。その際は痛みを発症し、赤く腫れ上がることもあります。

また、これは放っておいても悪くもなりませんし、痛くもなりませんが成長してしまいます。大きくなると、ただのふくらみではなくなり、色も赤黒くなったり、紫色と変色するケースがほとんどです。

場合によっては10センチぐらいの大きさになることもあるので、早めに医師の診断を受け、治療を行うことが望ましいと思います。

匂い

隆起した部分の中央に、黒い点である芯を見つけることができますが、ここに小さな穴が開いていて、中に溜まった老廃物の匂いが出てきます。これは非常に臭いということです。

放っておくとその匂いで回りの人にも迷惑がかかりますが、匂いは芯の部分から進入した菌から発しています。これはプロプリオバクテリウムという菌が繁殖することにより、腐敗臭のような匂いを発しています。

同じ場所にできるアテローム

このアテロームができてしまった際に、つまんで中の老廃物を出しても、皮膚の中にその老廃物が溜まる袋が残っている以上は、再び同じ場所でアテロームができます。もともとその老廃物が溜まりやすい状態であるため、袋の中が空になるとまた溜まり始めます。

これを避けるには、袋ごと取り出す以外に方法はありません。もちろん、袋ごと取り出しても皮膚には影響はありません。

アテロームができた際には早めに袋を取り出すようにしないと、袋もふくらんで成長しているので、手術が大掛かりになります。まだ成長しない早い内に、取り出すようにすることが望ましいと思います。

痛みや痒み

通常のアテロームには痛みも痒みもありません。ですが、このアテロームにはへそがあり、その部分からバイ菌が入ります。すると赤く腫れ上がり痛みを伴う炎症性アテロームになります。

アテローム性動脈硬化

このアテローム性動脈硬化はこれまで説明してきたアテロームとは違い、血管内のできるものです。このアテロームも何らかの理由により、血管内の壁に異物が入り込み腫れてきます。

その影響により、血液の流れが悪くなったり、あるいはそのアテロームが突然分裂したり、かたまりとなって他の細い血管を塞いでしまうことがあります。これが脳梗塞を引き起こしたり、つまることで酸素が送れなくなり、心臓発作を起こしたりする危険性も高まります。

アテロームの治療法

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続いて治療方法について紹介します。

摘出手術

アテロームに気づいた際は、早々に摘出手術をすることが望ましいと思います。方法としては、アテロームの部分を切開し、袋の部分を組織から引き剥がして、縫い合わせることです。

まだ小さいうちなら、傷口も小さいので縫わずに済むか、あるいは少しの縫合で済みます。これが大きく成長したあとに摘出手術をすると、皮膚の中の袋も広がっているので、切開する部分も大きくなり、縫合する場所も大きくなります。

小さいうちは傷口も塞がった際には、目立たないと思いますが、大きい傷口は目立つ傾向にあります。

くり抜き法

麻酔をした上で、皮膚に小さい穴を開けて中の異物を摘出し、その後に袋を組織から切り離して摘出する方法です。アテローム自体が大きくでも、大きく膨れ上がった異物を先に取り出すことにより、傷口が小さくて済みます。

術後の患部は若干陥没していますが、時間が経つにつれて、組織が元に戻りますので、傷痕も目立たなくなると思います。

そのままにする

アテロームとわかっても、それが成長していないと判断できたら、あえて取り除くことをしなくてもいいと思います。そのように放置している人は結構います。

費用

この切除する費用としては、アテロームの大きさで決まるということです。おおよそですが、2センチ以下のもので5000円ほど、それより大きくなると、10000円を超える費用がかかります。

また、このアテロームは基本的には良性腫瘍がほとんどですが、悪性かどうかの検査をする場合には病理検査をします。その費用は別途3000円ほどかかるということです。

アテロームの予防法

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原因が解っていない以上、その予防法も確立していません。ですから、これといった予防法は特にないのですが、普段から気をつけることで、アテロームが出来にくくすることはできます。

清潔な肌を保つ

アテロームができるのは、主に毛穴の部分です。肌を清潔に保っていれば、毛穴に溜まる老廃物も流れてしまうので、問題なく予防できると思います。

にきびの完治

にきびは余分な脂肪が毛根などに溜まることでできるのですが、これもつぶしたりすることで、元来その毛穴に老廃物が溜まりやすくなっています。再度その場所ににきびができるか、アテロームができるかという状態になっています。

にきびを完治しておくことで、そこのは老廃物が溜まらず、アテロームも出来にくくなります。

食生活

老廃物がたまらないような食事も重要です。人の体は余計なものが入ってくると、排除する働きをします。

例えばアトピーなどはその一例です。アレルギーの元となるものが体に侵入すると、外へ出そうとします。アトピーの場合は、これが肌から出そうとします。ですから肌ががさがさになったり、蕁麻疹のようなできものとして現れます。他には下痢もそうです。体に悪い菌が入り込んだため、外へ出そうと消化吸収せずに下痢をするわけです。

それと同様に、余計な脂肪などは、体を巡ってから外へ出そうとします。本来は摂取しても問題ないものですが、吸収しているので便から排除できません。すると過剰になったものが、細胞から排出しようと血管やリンパ管、息から出そうとするわけです。

皮膚から出そうとするほどのものがなければ、老廃物は溜まりませんので、アテロームもできないのです。

タバコ

血液を汚す最大のもので、他の部分にも相当な影響を及ぼします。辞めることも予防法の一つです。ただ、ほとんどの人が痛い目にあわない限り、辞めようとしません。

現在は喫煙率も相当減っているので、健康の増進も含め社会的な取り組みをすることで、喫煙率を下げることができるはずです。是非、そのような取り組みを国家レベルで行ってほしいものです。

アルコール

適度のアルコールは長寿となるとの研究結果がでています。ただアルコールの摂取も度を越えると、寿命にも影響を及ぼしますが、アテロームの発症にも加担してしまいます。

アルコールには利尿作用があり、身体の水分をどんどん排出してしまい、皮脂腺や毛穴に溜まっている老廃物が、流れにくくなるのです。

肌には潤いがあるほうが、老廃物も排除されるので、アルコールを控えることはアテロームができることを防ぎます。

適度の運動

適度の運動を行うことで、新陳代謝が活発になり、古い角質や皮脂も流れていきます。肌が若々しい状態であれば、毛穴がふさがることもないので、老廃物も排除されます。

また、普段から汗をかくことで、老廃物が排除しやすくなります。これは何も運動を常に行って通りをよくするだけではありません。例えば温泉に入り、よく汗を普段から出したり、サウナに入ることでも汗を出しやすくするので、通りがよくなり老廃物は排除しやすくなります

まとめ

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いかがでしたか。病気ではありませんが、体に出来物が発生してしまうのは、あまり気分もいいものではありません。目立つ場所でないならば、まだいいほうですが、気になる場所にできてしまうと、やはり早く取り除いた方がいいと思います。

また、原因がわかっていないということも、気になる部分ではあります。ですが、この時代、今までにないような不要なものを摂取してしまうことで、体には不純物が溜まりこんでしまいます。

ですから、今回のアテロームは出来ちゃった、運が悪いよねという短絡的な考えではなく、普段からの生活習慣や食生活を見直すことが必要と思います。

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