自閉症の割合はおよそ1000分の1〜2と言われておりますが、特に男性に多く見られる症状で、乳幼児の場合、多くは3歳前後で自閉症と診断されるケースが多く、近年では1歳半ほどで自閉症の診断を受けることもあります。
自閉症と診断された場合に一番気になることとして、病気は治るものなのかどうかということだと思います。ではこの自閉症について詳しくご説明してゆきたいと思います。
ご自分の赤ちゃんが自閉症と診断されてしまったら?
本来自閉症という症状は、その病気の根本を完治させるということは現時点の医療では不可能であると言われております。
「それじゃあ、自閉症と診断されたら諦めるしかないの?」という声が聞こえてきそうですが、確かに完治させることは今の医療では難しいのですが、その症状を緩和させたり、うまく付き合って行くことで症状を出さないように生活してゆくことが可能となります。
では具体的な症状や対策方法を一緒に考えてゆきましょう。
自閉症について
近年では自閉症を基としたテレビドラマやドキュメンタリーなどで認知されてきてはいるものの、いまだ偏見や勘違いを招いてしまい、実はその症状をよく知らない方も意外と多いのではないでしょうか。
自閉症の特徴
自閉症は、その特徴をきちんと理解することで症状を緩和することができます。
- 「人との関わりを避けようとする」
- 「相手と目を合わせることを避ける」
- 「同じ行動や限られた行動を続けてとってしまうことが多い」
- 「意味もなく走り続ける行動をする時がある」
- 「自分の意思をうまく伝えられない」
- 「パニックを起こしてしまうことがある」
- 「うまくコミュニケーションをとることができない」
- 「自分なりのこだわりやルールが強い」
- 「抱っこされることを嫌がり、身体をのけぞらせたりする」
- 「感覚器異常が見られる」
乳幼児の自閉症は、その多くは3歳半くらいで診断されることが多く、話しをしたり相手に気持ちを伝えたりすることが苦手な為、問いかけに対してオウム返しのように相手の言葉を同じく繰り返してみたり、何かを欲する気持ちを伝えられないので手を引っ張ってその場所に連れて行ったり目的を達成しようとする意思を無言で伝えようとすることが多く見られます。
自閉症患者様に見られる関連症状
自閉症を患っている患者様に、自閉症と関連して起こる症状としていくつかありますが、先ほども触れているように、自閉症は先天性の脳機能障害であり、それに伴って関連した症状が見受けられる時があります。これは自律神経系の症状も深く関わっていることが多く、
- 「睡眠障害が起こることが比較的高い確率で見られる」
- 「約3〜4分の1程度の確率でてんかん発作が起こることがある」
- 「脳機能の障害、自律神経の不調和から精神的な症状が出やすい」
- 「自律神経のバランスが崩れることから内臓の不調が出やすい」
- 「自分の身体を傷つけてしまう自傷行為をしてしまうケースがある」
このように、直接的に命に大きく関わるような症状ではないものの、状況や環境下によっては命を落としてしまう場合も考えられる重要な症状が出てしまう場合もあります。
自閉症に対する大きな”壁”
自閉症は先ほども話しました通り、完治は難しいものの、きちんとした対策を講じてゆくことでその症状を緩和させてうまく付き合ってゆくことが可能ではありますが、それにはまず、乗り越えなければならない大きな壁が存在します。
- 「自閉症は周囲の理解と協力が必要不可欠で、周囲との相互関係を築くことが必要」
- 「健常者にとっては予測不能な行動をとることもあり、目を離せない」
と、少ないかもしれませんが、一つ一つが大きな壁であると言えるのではないでしょうか。何よりも自閉症にとって一番重要となるのは周囲の方々の理解と協力が必要となってしまい、自閉症に対して偏見を持っている方がいるとすれば、その方々との良好な相互関係を築いてゆくことが何よりとても大きな壁として立ちはだかってしまうことが多く見られます。
自閉症を理解する必要性がある
自閉症の原因を知る上でですが、この項目は自閉症のお子様をお持ちの親御さんではなく、お知り合いに自閉症のお子様がいらっしゃるという方に特に熟読して頂きたい項目ですので、よく目を通されて、ぜひとも自閉症のお子様を持つお知り合いのご家族をサポートして頂くきっかけとなれば幸いです。
- 「自閉症は親の愛情不足や虐待によってなる病気ではないことを理解して下さい」
- 「お子様自信のやる気のなさや怠け癖が招いている症状ではないことを理解して下さい」
- 「テレビ(最近ではインターネットなど)を見せ過ぎたからなっているのではありません」
- 「自閉症を患っていても健常者となんら変わりのないお子様であると認識して下さい」
- 「自閉症は先天性の要因に起因することが大きく、先天性の脳の機能障害である」
以上のことを周囲がきちんと理解し協力してゆける環境が必要となります。また、自閉症の患者様に見られる身体の関連障害としても次の項目で触れてゆこうと思います。
自閉症の赤ちゃんとの接し方
では自閉症の赤ちゃんとの接し方について紹介します。
「落ち着いて」「リラックスして」はなるべく言わない
自閉症に限らず、他の脳障害(うつなど)の患者様に「落ち着いて、気持ちを楽にして」とか、「リラックスしないとダメ」という言葉をかけてしまいがちです。
確かにその通りではあるのですが、本人にしてみれば「はじめからそんな風にできるなら苦労しないよ」というのが本音だと思います。また、リラックスしようしようと思ってはいるがなかなかできない自分が逆にストレスへと変わってしまいます。
- 「安易に気持ちを和らげようとする言葉をかけない」
- 「本人の言葉で話しをさせるように導き、話すよりも聞き手になる」
- 「答えや結果を急がせようとしない」
- 「本人が集中して取り組めることを見つけてやらせてみる」
- 「関連症状などが出ている場合は医療機関へ速やかに相談すること」
- 「子供の目線に立って話しを聞いてあげる」
自閉症を良く知ることで日常生活に支障は出ません
自閉症にとってもっとも大切なのは、自閉症という症状をきちんと理解して、良く知るということが一番だと思います。
親であれば我が子が自閉症と診断され、脳障害や発育・発達障害と言われてしまえば心配になるのは当たり前のことですが、身体やその他の成長過程においては普通の状態となんら変わりはありませんし、お子様にも親御様にも何も罪はありませんので、諦めることなく、ゆっくりと我が子の成長を見守って行けるように心がけて下さい。
- 「まずはお子様と同じ観点で物事を見たり判断する」
- 「自閉症は特別な症状だという認識をなくす」
- 「焦って成長に対する結果を求めようとしない」
- 「他のお子様と比較するような問いかけはしない」
- 「人間は100人100通りであることを親がきちんと認識する」
自閉症に関するまとめとして
自閉症という症状自体の効果的な治療法は、今現在の医療では完治へ導くということは残念ながら不可能に近いことで、もちろん薬剤投与や物理療法などで緩和できるものではありません。
また、自閉症を持っているお子様は特に、人間の感情を読み取る感覚が優れており、親が不安な感情やネガティブな感情を持っているとすぐに察知してしまい、さらに自分を追い込んでしまうこともあるので、前向きな親の背中を見せてあげること、お子様と一緒に生きがいを持って何かに打ち込んでみることがとても大切なことではないでしょうか。
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