赤ちゃんの黄疸の原因を紹介!病気の場合はどんな症状?

長い長い妊娠の時間を経てようやく会えた赤ちゃんは、本当にかわいいですよね。

でも、生まれたばかりの赤ちゃんが普通の大人じゃ考えられないような黄色い肌の色、目の色になったら初めてママになったばかりなら本当にびっくりしてしまいます。あるいは最初の赤ちゃんはこんな色にならなかったのに、と経験が無かったら怖くなってしまいますよね。

『何か妊娠期に悪いことしてしまったんじゃないか』とか『今食べているものがなにかとても悪いものだったんじゃないか』とか、ものすごく不安になってしまいます。赤ちゃんに何が起きてしまったんでしょうか?ママの生活が何か問題でもあったのでしょうか?

赤ちゃんの黄疸の原因とは?

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赤ちゃんの肌や目の色が黄色くなってしまうことを『黄疸』といいます。特に、生後2から3日の赤ちゃんに起きる黄疸のことを『新生児黄疸』といい、ほとんどの赤ちゃんが経験するものです。

原因としては、ビリルビンという黄色い色素を持つ成分が体内に多くなることで起こるものです。もともと赤ちゃんはママのお腹の中にいるときに、酸素を効率よく取り入れるために赤血球を血液内に大量にため込んでいます。

この赤血球は赤ちゃんとして外に生まれ出ると、ちょっと多すぎるので体内で一旦多い分を壊します。この壊した時に黄色い色をしたビリルビンという成分に変わるので、赤ちゃんが黄色くなってしまうのです。

このビリルビンという成分は、赤ちゃんの肝臓でだんだん分解されていくので、黄疸という赤ちゃんが黄色くなってしまう症状もだんだん治まっていきます。ただ、母乳で育てると、ママの母乳の中に含まれている女性ホルモンがこの分解を弱めてしまう事もあります。この時に起きる黄疸のことを『母乳性黄疸』と呼びます。

母乳性黄疸は、完全母乳育児だと起こりやすいといわれ、黄疸の症状が新生児黄疸よりも長引きやすいと考えられております。とはいうものの、それほど心配はいりません。理由は次に書きます。

怖い黄疸とは?

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少々怖いのが『溶血性黄疸』です。原因はいろいろあるのですが、赤血球が急激に破壊されることにより起こる黄疸で、生後24時間以内に起きる早発黄疸や貧血などが起きます。ママと赤ちゃんの血液型が違う事によって起こったり、ママの病気で起きたり、赤ちゃんの赤血球の先天性の異常などによって起きます。

こちらは赤ちゃんの貧血や早い時期の黄疸が現れますので、異常として早めに医師の診察と治療を受けることになります。出産したときから黄色かったり、急に黄色みが強くなったりしてきたら溶血性黄疸が起きていることが考えられます。

また、『新生児肝炎症候群』でも血の中のビリルビンが増えて黄疸が出ます。こちらは原因がわかっておらず、赤ちゃんの肝臓に障害が起きていることをまとめて『新生児肝炎症候群』と呼んでおります。こちらは4800から9000人に1人の赤ちゃんに起こるといわれており、新生児期の肝臓の病気として割と多く発生します。原因は良くわかっていません。

その他には胆汁うっ滞性黄疸、胆道閉鎖症、総胆管拡張症、新生児肝炎、ウイルス感染症により黄疸が起こることがわかっております。

黄疸が出た時の症状は?

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新生児黄疸の場合、生まれてから2から3日で黄色くなりはじめてしまいますが、7から10日を過ぎると落ち着いてきます。単純に黄色くなるだけなので心配はいりません。

母乳性黄疸の場合は2週間ぐらい続くこともあります。しかしながら、母乳育児をやめてしまえばよいと考えるのはちょっと待った方が無難なようです。ミルク育児をすることによって、アレルギーを引き起こす可能性があるからです。

また、ママと赤ちゃんの大事なスキンシップ・コミュニケーションでもありますし、母乳でしか得られない栄養や免疫物質もあります。医師に相談をしてミルク育児に移行すべきかどうかは確認してください。

どちらにしろ、生理的なものであればそれほど心配することはありません。かなりの確率で赤ちゃんに起こりうるものですから、2週間もすればだいたい消えていきます。それほど神経質になる必要はありません。

怖い兆候

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しかし、黄疸と灰白色便が1か月以上長引く場合は、すぐに小児科医に相談をしましょう。胆道閉鎖症かもしれませんし、新生児肝炎かもしれません。どれが原因であっても、黄疸が長引くことは赤ちゃんにとって良くないので、気になる兆候がありましたらすぐにお医者さんにかかることが望ましいことと思われます。

新生児の黄疸が続くと『核黄疸』と言い、ビリルビンが脳神経細胞を損傷して意識障害を起こすことがあります。この各黄疸になると脳性麻痺などの後遺症が現れ、ひどい場合は命にかかわってきます。早めの治療が必要で、3日以上過ぎると発熱やけいれんなどが現れ、1週間以上過ぎるとぐったりしてきます。

黄疸が病的なものか、普通の範囲のものなのかを見分ける方法として、経皮的ビリルビン検査というものがあります。これは、皮膚の上から血液中のビリルビン濃度を測るものです。生理的なもの、危険ではない普通の黄疸ですと一旦13mg/dlぐらいまで高くなった後、正常値である5mg/dl以下まで下がってきます。

赤ちゃんに何らかの異常があった場合には、この血液中のビリルビン濃度が15mg/dl以上と高い値になり続けることが多いです。ただ、生まれたばかりの新生児の赤ちゃんに黄疸が見られる場合にはお医者さんが気づかれますし、神経質になる必要はありません。2週間以上長引く場合にお医者さんに相談されるのが良いかと思います。

黄疸の治療法

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この時に、病的な黄疸の疑いがあり血液中のビリルビン濃度が15mg/dlを超える場合には『光線療法』という治療が行われます。

これは、日光浴や蛍光灯の光に当たると血液中のビリルビン濃度が下がることがわかっており、人工的にビリルビン濃度が下がりやすい青い光や緑色の光を作り出し、その光を当てることによって血液中のビリルビン濃度を下げるというものです。

ちなみに現在では、日光浴を治療に用いることはありません。劇的に血液中のビリルビン濃度が下がるものではないのです。独りよがりの自己流療法で日光浴を黄疸治療の代わりに使うことは辞めましょう。

もし、光線療法が効かずビリルビン濃度が下がらなかった場合には、体内の血液をすべて置き換える『交換輸血』という血療法が行われます。また、胆汁うっ滞性黄疸、胆道閉鎖症、総胆管拡張症、新生児肝炎、ウイルス感染症などの場合はその原因となる症状に対する治療が行われます。

まとめ

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初めて赤ちゃんの黄疸を見た時にはものすごく驚かれることと思います。何か悪いことを赤ちゃんにしたのではないか、自分の何かが悪かったのではないかと不安になる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、心配しないでください。かなりの数の赤ちゃんが新生児黄疸になって、その後普通に生活できています。また、病的な黄疸でも今の医学で後遺症なく回復することも多くなっております。神経質にならず落ち着いて対処しましょう。

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