日本人の平均睡眠時間は7時間前後といわれています。これは年々短くなってきおり、夜なかなか眠りにつけない人や仕事などで睡眠時間を確保できない人が多いためだといわれています。
そんな中1回の睡眠に10時間前後の時間を必要とする人を「ロングスリーパー」と言います。ロングスリーパーの人は日本人のおおよそ1割だといわれています。
アメリカで行われた研究結果ですが、睡眠時間が6時間〜7時間半の人が最も健康的で長生きをしたというデータが有り、これ以上でも以下でも平均寿命は短くなったという結果が出ています。人にもよりますが、睡眠時間と健康は密接に関わっているようです。
しかし、なぜロングスリーパーの人は長時間の睡眠時間が必要なのでしょうか?
今回はそんなロングスリーパーについての記事を書きたいと思います。
ロングスリーパーの長所と短所
ロングスリーパーの良いところと悪いところをそれぞれ紹介します!
長所
ロングスリーパーの人は睡眠時間が長いのが特徴です。寝ている間に人間はレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返しますよね。1セット繰り返すのにおおよそ90分〜110分かかります。人よりも睡眠時間が長いためにこのサイクルの回数も自然と増えます。
この繰り返しを何度も行っているうちに人は、様々なズレを調整しています。そのためロングスリーパーの人はホルモンバランスを整えやすかったり、嫌なことをリセットしやすい点が長所だといえます。
脳内での情報の整理活動も睡眠時に行われているため、しっかり睡眠を取れていることが記憶力の上昇や、気持ちやメンタルの整理に役立ってきます。
短所
仕事によっては、なかなか睡眠時間を確保できない業種もあります。そんな時にロングスリーパーの人は本来なら10時間は睡眠を取らないといけないので、無理やり体を起こしていることになります。
そうなると仕事をしても頭が働かなかったり、体が思うように動かなかったりと仕事に支障をきたすことがあります。また、24時間のうち10時間睡眠に当てるわけなので、普通の人と比べて使える時間が少なくなってしまうのも欠点といえます。
睡眠時間が確保できないと集中力が持続できなかったり、作業中に睡魔が襲ってきたりするので最悪の場合仕事を変えなくてはいけなくなる可能性があります。睡眠時間が確保できないことで精神障害などを引き起こす可能性も考えられます。
ショートスリーパーとは
ロングスリーパーとは逆のショートスリーパーと言う人も存在します。睡眠時間が6時間以下の人がショートスリーパーと呼ばれる人になります。日本人では全体の5%ほどがショートスリーパーに当てはまるといいます。
先天的にショートスリーパーになっている人は少なく、殆どの場合が後天的にショートスリーパーになります。アメリカの研究では遺伝子に突然変異が起こっている事が確認されています。
人によっては1日の睡眠時間が2時間や1時間以内と言う人も居ます。しかし、脳や体内のダメージなどの修復のためには睡眠が必要不可欠です。短い時間の睡眠でも頭が冴えている場合でも脳にはダメージが蓄積している可能性が考えられます。
最低でも4時間30分の睡眠は確保したほうが健康には良いでしょう。
ロングスリーパーの人の特徴
ロングスリーパーの人の特徴について紹介します。
ストレスをためやすい
ロングスリーパーの人はなぜ長時間の睡眠が必要かというと、ストレスを受けた脳を回復させるためだといわれいます。
つまり普通の人と比べてストレスを感じやすい上に溜め込んでしまうタイプだといえます。睡眠以外にもストレスを発散させる方法を探すと睡眠時間を短縮できるかもしれません。
慎重である
普通の睡眠時間の人と比べて、落ち着いており物事をじっくり考える慎重な人が多い様です。不安なことがあると、そのことについてじっくり考えて解消しようとするタイプで、人付き合いはあまり得意ではない人が多いといえます。
あのアインシュタインもロングスリーパーと言われており、科学者や研究者のようなとことん突き詰める仕事が向いています。
ロングスリーパーでない場合
ロングスリーパーと診断されるのは、10時間以上の睡眠を取っているかどうかで判断されますが、10時間の睡眠を取らないと日中の集中力を保てないことや、なにかしらの支障をきたす場合にロングスリーパーであると診断されます。
6時間の睡眠でも大丈夫だが、10時間以上寝ることが出来る場合にはロングスリーパーであるとは言えません。
ロングスリーパーになる原因
ではいったいロングスリーパーとはどのようなことが原因でなってしまうのかご紹介します。
遺伝
人間は生まれた時に、ある程度の睡眠の必要時間が人によって決まっています。ご存知の通り一番多いのが6〜8時間の睡眠で十分なタイプの人です。
両親のどちらかがロングスリーパーであれば、子もロングスリーパーになる可能性があります。また親の生活習慣に習い子供の頃から早起きしない、昼間で寝ているなどの習慣を続けることでロングスリーパーになる場合もあります。
これは後天的な発症になりますが、親からの遺伝に近い習慣の類似になります。特に子供の頃の生活習慣は大人になっても続きやすく、成長期のルーチンワークが正常な体調に整える流れが出来てしまっている場合も多くあります。
ストレス
ロングスリーパーの特徴としてストレスを溜めやすいといったことがありますが、通常の人が多くストレスを抱えることで睡眠が必要になり、ロングスリーパーになる可能性があります。
ただしこれは、生粋のロングスリーパーではないので改善することも難しくないといえます。適度な運動を行うことでストレスを発散させることや、疲労感を得て睡眠の質を上げることが改善につながります。
加齢
本来であれば少しづつ睡眠時間が短くなっていく人が多いのですが。年齢を重ねると少しづつロングスリーパーになる人もいるようです。
これはホルモンバランスや生活リズムの変化が原因といわれていますが、正しいことはわかっていないようです。
逆に加齢によって睡眠時間が少なくなってしまう場合もあります。
脳内物質の不足
セロトニンやドーパミンなどの脳内神経伝達物質が少ない為にストレスが溜まりやすくなり、睡眠時間が長くなってしまう可能性があります。特にセロトニンを増やすことができれば睡眠の質を上げることが出来、睡眠時間を短く出来るかもしれません。
またこれらの脳内物質が低下することは精神疾患にかかりやすくなることとも関係しています。うつ病や統合失調症などの精神疾患になることも考えられるので、注意しましょう。
ロングスリーパーの改善方法
で次に、ロングスリーパーの改善方法を紹介します。
睡眠の質をあげる
ロングスリーパーの人は睡眠の質がよくないために、長時間寝る必要がある場合があります。つまり睡眠の質を上げれば少なからず睡眠時間を短縮できるといえます。
①入浴をする
仕事で忙しいからとシャワーだけで済ませはいませんか?しっかりと入浴することで睡眠の質を上げることができあます。入浴することで神経を落ち着かせることができ、リラックスしやすい状態になります。
また体温が上がるので入浴後すぐに寝ることで、入眠時間が短くなり質の良い睡眠になりやすくなります。
②カフェインの摂取を減らす
眠気を覚ますために摂取することの多いカフェインですが、実はその効果は10時間前後持続するといわれいます。つまり昼食後に飲んだコーヒーのカフェインも睡眠の邪魔をしている可能性があるのです。
なのでロングスリーパーを改善したい方は昼食のコーヒーも控えた方が良いといえます。
③寝る前のスマホいじりをやめる
最近の人は多いこの行動。睡眠にとってはあまりよろしくない行動だといえます。暗い部屋で携帯をいじることで、脳が活性化してしまいレム睡眠の割合が多くなってしまい、睡眠の質が下がってしまいます。
ベッドに入る1時間前には携帯をいじるのをやめるようにしましょう。
④食事により改善する
睡眠の質をあげるために取りたい成分は、セロトニンを体内でつくる「トリプトファン」神経を落ち着かせてリラックス効果のある「ビタミンB1」脳をリラックスさせる「グリシン」といった成分です。
- (トリプトファン) プロセスチーズ・納豆・そば・ひまわりの種etc
- (ビタミンB1) 豚肉・レバー・きな粉・大根etc
- (グリシン) 車海老・ごま・やりいか・枝豆etc
以上が代表的な食品です。これらをバランスよく食べましょう。また睡眠に入る2時間前には食べ終えるようにしてください。
胃に残っていると睡眠の邪魔をする場合があります。またこれらを効果的に摂取するためにサプリメントを使用するのも良いでしょう。サプリメントであれば夜遅くても胃に食べ物が残りません。
⑤睡眠時間を調節する
睡眠を取る時間によっても、睡眠の効果は大きく変わってきます。ゴールデンタイムと言われる22時から深夜2時までの時間に睡眠が取れていることが重要になります。
この時間に睡眠をとることでホルモンバランスが正常に保たれるので睡眠の質を向上できるのです。出来る限り24時までには就寝しておくことが睡眠の質を上げるためには重要になります。
睡眠の1時間前には食事を終わらせ、さらにしっかり入浴も行い、テレビなどの照明から目を休めて睡眠を行うとなかなかハードルが高いですが無駄に起きている状況にあるのであればこの時間に睡眠をしっかり取り、睡眠の質を上げましょう。
ストレスを溜めない
原因にもあるように、ストレスから回復するために長時間の睡眠をする必要があります。ストレスを感じることが多くても、あまり溜めないようにしましょう。
いきなり変えるのは難しいと思いますが少しづつストレスとの付き合い方を変えることが改善への一歩といえます。
運動を行う
日中にしっかり運動を行い疲労感を得ることで、睡眠に掛かる時間も少なくなり、程よい疲労感で睡眠の質を上げることが出来ます。外に出て日光を浴びることも効果があります。ビタミンDを生むことが出来るのと、日光を浴びることでセロトニンが分泌されることで活動力がアップします。
朝に日光を浴びることで体内時計が一定になり、朝の寝起きが良くなります。さらにセロトニンは幸福物質とも呼ばれており、ストレスの軽減を図ることも出来ます。抗うつの作用もあるので健康的な精神に整えることも出来ます。
激しい運動でなくとも、ウォーキングやジョギング等の運動でも十分効果は得ることが出来ます。生活習慣病の予防や運動不足の改善も出来るので一石三鳥の効果が期待できます。
生活に運動を摂り入れて睡眠の質を向上させましょう。
脳内神経伝達物質を増やす
先程ども挙げたセロトニンなどの脳内神経伝達物質の分泌を正常に行わせることで、睡眠の効果を上げることが出来ます。セロトニンなどの物質を増やすために効果的なのは運動をする、日光を浴びる、スキンシップをする、美味しい食事を摂る、腸内環境を整えるなどの方法があります。
セロトニンの分泌を促すトリプトファンという成分の含まれた食事を摂ることも効果的です。サプリメントでもとっても良いですが、食事による摂取が効果的です。バナナ、豆乳、ヨーグルト、牛乳、そば、赤身魚に多く含まれています。
またタンパク質と一緒に摂ることで効果を上げることが出来ます。
ロングスリーパーではなく病気の可能性
睡眠がたくさん必要になったなぁと思っていたら、実は病気だった!なんてパターンはあります。長時間眠る症状のある病気を紹介します。
過眠症
ロングスリーパーと違い、昼間も猛烈な睡魔に襲われます。またいつも不安な状態になったり、そわそわするといった症状が見られます。肥満体質の人がなりやすいとされ突如発生したりすることもあります。
治療方法は薬での治療となりますが、早期に治療しないと運転中に眠たくなるなどの危険もあります。以前より明らかに眠気が強い場合は診察してもらいましょう。
うつ病
うつ病といえば眠れないという症状もありますが、逆に寝すぎてしまうという症状がみられる場合もあります。仕事が手につかない、何もやる気が起きないといったことが自己嫌悪になり、横になって寝てしまうといった具合に睡眠時間が自然と長くなる場合もあります。
特に自分がうつ病になっているといった自覚がないため、治療も難しくなります。しっかりと病気と向き合うことが大切といえます。
まとめ
ロングスリーパーの長所と短所
・睡眠時間が長いため自律神経などのリセットがしっかり行えるのが長所
・1日のうち睡眠している時間がながいため、自由に使える時間が少なくなるのが短所
ロングスリーパーの特徴
・ストレスを感じやすく溜め込んでしまう
・物事に対して慎重でじっくり考え込んでしまうタイプである
ロングスリーパーの原因
・遺伝によるもの
・過度のストレス
・加齢によるホルモンバランスの変化
ロングスリーパーの改善方法
・睡眠の質をあげる
①入浴してリラックスをする
②カフェインの摂取を減らす
③寝る前に携帯をいじるのをやめる
④ぐっすり眠れるような成分を食事から摂取する
・ストレスをためないようにする
長時間睡眠の症状のある病気
・過眠症
・うつ病
以上が今回の記事のまとめになります!ロングスリーパーは特に悪いということはありませんが、改善したいという人も少なくはありません。すぐに改善するのは難しいですが、少しづつなら睡眠時間を短くできるようなので、根気強く改善していきましょう!
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