自分の家または部屋、あるいは職場のデスクなど、整理整頓をしなくてはならないと思いつつも、ついつい後回しになっていませんか?その結果として、家や部屋の中も職場のデスクの上も、物(モノ)が溢れて散らかってしまうのですね。
そして、日本人の多くが、物が溢れて散らかることについて、大なり小なり問題意識を持っています。これは、整理整頓・収納法・整理法に関する書籍、いわゆる「片付け本」が定期的に人気化してベストセラーとなることからも明らかです。
整理整頓について極論をすれば、物を買うことを止めるか、持っている物を捨てるしかありません。とはいえ、テクノロジーの進化で便利な商品が登場すれば、それを購入したくなるのが人情です。とすれば、整理整頓のポイントは、既存の持ち物をいかに捨てるかという「捨てる技術」だと言えるでしょう。
そこで今回は、物を捨てることについて、そして物を捨てる具体的なコツについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
物を捨てることについて
そもそも、どうして物を捨てなければならない状況が生じるのでしょうか?物を捨てる具体的なコツを心から納得するには、物を捨てる必要性や物を捨てることの難しさといった物を捨てなければならない状況の背景も知っておく必要があるでしょう。
そこで、まずは物を捨てることについて総論的な話をしておきたいと思います。
物を捨てなければならない状況が生じる理由
物を捨てなければならない状況が生じる理由は、とても単純です。買い物をしたり、人から物をもらったりするからです。また、物理的な問題として、物を置いて置ける場所やスペースには限界があるからとも言えます。
買い物をするから
物を捨てなければならない状況が生じる理由は、端的に言えば買い物をするからですよね。暮らしに役立ちそうな新商品あるいは流行している洋服やファッションアイテムなどは、多くの人の購買意欲を刺激します。
また、近年はインターネットのオークションサイトやフリマサイトなどで、中古品が安く手軽に購入できるのも物が増える一因と言えるかもしれませんね。
収納スペースが少ないから
日本の家屋は総じて収納場所や収納スペースが狭く、生活スペースにまで物を積み上げる一因となっていることも、物を捨てなければならない状況が生じる理由の一つとして挙げられるでしょう。
つまり、多くの人にとって物を置いておける場所・スペースは物理的限界があり、限界に近づけば一部の物を捨てなければならないのです。
物を捨てることの難しさ
このように物が増えることによって、物を捨てなければならない状況が生じる一方で、物を捨てることには難しさがあります。
具体的には、以下に示すようなことから、物を捨てることに困難さが生じるのです。
思い出や愛着があるから
物を捨てるのが難しい状況が生じる理由として比較的多いのが、物に思い出や愛着が詰まっているケースです。例えば、中学校や高校の制服には青春の思い出が詰まっていて、捨てられないという人は少なくないでしょう。
このような考え方をする人たちは、得てして写真・手紙・雑誌や書籍・ぬいぐるみといった様々な物についても、思い出や愛着があるから捨てられません。
多くの人に共通する人間心理
物を捨てることが難しくなることには、人間心理も関係しています。一般的に人間は利益よりも損失を過大評価する傾向があり、そのため物やお金を失うことを恐れる心理があるとされます。これは、損失回避性あるいは損失回避の法則と呼ばれます。
また、一般的に人間は自分の所有物について、他人の評価よりも過大評価する傾向があります。これは、授かり効果と呼ばれます。
このような人間心理から、物を捨てることについて「もったいない」・「いつか使うかも」・「高く売れるかも」といった物への執着が生まれるのです。結果として、物を捨てることが難しくなり、物が溜まる一方となってしまうわけです。
物を捨てる手順や方法が煩雑
現代日本においては、物を捨てるといっても、ただ単にゴミ捨て場にゴミとして置けば良いわけではありません。環境保全やリサイクル意識の高まりによって、ゴミの分別は細分化されており、分別されていなければ回収してもらえません。また、家電ゴミや粗大ゴミなどについては、回収にあたり有料かつ電話予約やネット予約が必要な自治体が少なくありません。
このように物を捨てるには手順や方法が煩雑であり、それが心理的な障壁となっている可能性も否定できないでしょう。
物を捨てる必要性
このように物を捨てるには、心理的にも手続き的にも抵抗や障壁があるのは事実です。しかしながら、物が増えれば、物を捨てる必要性も生じます。
前述のように日本の家屋は一般的に狭いので、物が増えれば生活スペースが減少します。それゆえに生活スペースの確保をする必要性が生じるでしょう。
また、物が増えて乱雑に放置されていれば、ホコリが溜まりカビが発生しやすくなります。すると、健康にも悪影響がありますので、物を捨てて掃除をする必要性が生じるでしょう。
物を捨てる具体的なコツ
それでは、このような物を捨てる必要性や物を捨てることの難しさといったことを踏まえた上で、どうしたら物を捨てることができるのでしょうか?
そこで、物を捨てる具体的なコツや捨てる技術について、ご紹介したいと思います。
1年以上使っていない物は捨てる
物を捨てる具体的なコツあるいは捨てる技術として、1年以上使っていない物については再び使う可能性が低いので捨ててしまうことが挙げられます。
そもそも冷静に我が身を振り返ってみれば、「いつか使うかもしれない」機会は滅多にやってこないことは、多くの人が腑に落ちると思います。例えば、1年以上着ていない洋服は、「いつか着るかもしれない」とクローゼットに保管していても、ほとんど着ることはありませんよね。
そして、この方法論は、かつての断捨離ブームから近年話題となっているミニマリストに至るまで、共通して実践される王道的な捨てる技術と言えます。実際に1年以上使っていない物は再び使われる可能性が極めて低く、非常に説得力があって効果的な方法論だと言えるでしょう。
ですから、物を捨てる具体的なコツとして、まずは1年以上使っていない物をピックアップした上で、明確に使う予定がなければ捨ててしまうと良いのではないでしょうか。
物理的に損傷している物は捨てる
物を捨てる具体的なコツあるいは捨てる技術の1つとして、物理的に損傷している物は躊躇なく捨てる、ということも挙げられるでしょう。
基本的に物が損傷した状態にあれば、その物の効用を100%享受することはできません。とすれば、そのような物は処分してしまったほうが、保管スペースを有効活用できるでしょう。
例えば、一部が欠けた食器類・壊れたオモチャ類・シミができた洋服などは、使う機会や着る機会も減るでしょう。これらの物は損傷したことによって、損傷する以前より少なくとも活躍の機会が減っているはずです。それらを処分してしまえば、その保管スペースに別の物を収納することができますよね。
ですから、物を捨てる技術として、物の物理的な損傷具合に着目して判断することも、非常に簡単な内容ですが重要なポイントだと言えるのではないでしょうか。
物の処分や片付けは淡々と行うことを心掛ける
物を捨てる具体的なコツあるいは捨てる技術として欠かせないのは、片付けや物を捨てるにあたって淡々と実行しようとする心掛けです。
物を捨てようとして作業していると、どうしても思い出などが蘇ったり感傷的な気持ちが生じたりしがちです。そうすると前述のように物への執着が生まれてしまいます。
ですから、物を捨てるにあたっては淡々と実行することを心掛け、捨てる判断に時間をかけないようにすることがポイントになるのです。
1日で一気に片づけようとしない
物を捨てる具体的なコツあるいは捨てる技術として、大量の物を1日で一気に処分や片付けをしてしまおうと考えないことも重要なポイントとなります。
前述したように、損失回避性や授かり効果といった物を捨てることを難しくする人間心理が存在します。このような人間として自然な心理に反して、物を捨てる判断をするには大きなエネルギーを必要とします。それゆえ、物を捨てる判断を一気に大量に実行しようとすると、自分の脳や感情が判断疲れを生じてしまい、逆に物を捨てることや片付けることに拒否反応を示すようになります。
ですから、物を捨てるにあたっては一気に実行しようとせずに、場所を区切って1回15分~30分で集中して行い、それを1日3回~5回程度繰り返すと良いかもしれません。1日で全てを片付けようとせずに、延べ1週間程度を予定しておくと良いかもしれませんね。
書類は基本的に全部捨てる
物を捨てる具体的なコツあるいは捨てる技術として、書類は基本的に全て捨てるように意識しましょう。
会社などの仕事上の書類は、法律上保管が義務付けられている書類以外は、仕事が終了して一定期間経過後に捨ててしまいます。不安であれば、スキャンをして電子データ化した後に捨てましょう。
家庭で問題となる家電などの説明書なども捨てて問題ありません。大手メーカーの製品であれば、たいていHPに説明書のデータが公開されています。ただし、保証書については、保証期間中は保管しておくと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか?物を捨てることについて、そして物を捨てる具体的なコツについて説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?
物が増えて散らかっていることに問題意識を持っている人は多いと思います。しかし、増えた物を捨てて整理整頓にチャレンジしても、なかなか効果が現れない人も少なくないでしょう。実は物が捨てられないのは人間の自然な心理でもあり、またゴミの分別が細分化していることも物を捨てることを億劫にさせています。
ですから、このような背景を理解した上で、本記事や市販の片づけ本などを参考にして、物を捨てる具体的なコツあるいは捨てる技術を身につけてみてはいかがでしょうか。
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