世の中の人間関係には、たくさんのご縁があります。仕事の縁、結婚のご縁、幼なじみの縁、恋愛関係の縁など、いい縁も悪い縁もいろいろな種類の縁が、人によって無数にあります。
そんなご縁の中で、「腐れ縁」という言葉を聞いたことがあると思います。今回は腐れ縁についてです。
この記事の目次
腐れ縁とは
腐れ縁とは、離れたいと思っても、縁を切ろうと思っても断ち切れない様な縁のこと、またはいつまでも続く縁のことです。どちらかというと好ましくない関係によく使われますが、いい縁にも使うことがあります。
好ましくない関係で、切っても切れない関係に良く使われる腐れ縁ですが、腐れ縁になってしまう原因と対処法、腐れ縁の中にある貴重な縁を解説していきたいと思います。
腐れ縁の語源
腐れ縁の元々の意味は、「鎖縁」と書いて、「くさりえん」と読んでいました。元々の鎖縁では、鎖のように強い結びつきで切ろうと思っても切れないような関係、どこまでも続いていく関係の良縁のことを意味しました。
つまり、昔の鎖縁のころは、むしろいい意味で使っていた言葉なのです。
腐れ縁の友達とは
腐れ縁はもともといい意味で使われていたということです。それでは、そういういい意味の腐れ縁の友達とはどういった友達のことを言うのでしょうか。人によって、腐れ縁の関係性は千差万別でいろいろです。
学校の同級生、近所の幼なじみ、職場の同僚、客と店員、仕事での出会いなどなど、きっかけはたくさんあり、それぞれの縁があるでしょう。近頃では、インターネットでのつきあいという縁もあります。
男女の間でも、恋愛対象外ではあっても、腐れ縁の友達というのはありえます。
いい意味の腐れ縁の友達
いい意味での腐れ縁の友達で言える共通点は、卒業や転職、引っ越しなど、人生の転換点においても、切れることのなかった縁だということです。
そして、そういったいい意味での腐れ縁の友達とは、自然体でいれて、無理せずつきあっていける仲であり、ケンカをしてもいつの間にか仲直りしていたり、苦しいときに顔が思い浮かんだりする関係だと言うことです。
いい意味での腐れ縁の友達は貴重
いい意味での腐れ縁の友達は、長い間培ってきた二人の間の信頼関係や共に過ごしてきた長い年月があってこそできあがる物です。
そして、長い間かかって築き上げてきた腐れ縁の関係というのは、とても貴重でなかなかできない関係だと言えます。
いい意味の腐れ縁を続けるためには
いい意味での腐れ縁の友達、友情はとても貴重だと言うことを再認識しました。
それでは、その貴重な関係の友達との腐れ縁をこれからも長く続けるためには、どうしたらいいのでしょうか。腐れ縁を長く続けていくコツをまとめてみました。
相手の変化に戸惑わない
腐れ縁の関係は、とても長くなる物です。いや、長くなるからこそ腐れ縁と言えるのでしょう。
そして、つきあいが長くなればなるほど、相手も自分も、環境の変化や人生の転機となるタイミングが訪れたりして、性格が変わってきたり、考え方や価値観が変わってきたり、金銭感覚が変わってきたりすることがあります。
誰だって変わるのは当たり前
しかし、それは誰にでもありえる当然のことです。そして、変わることは悪いことではありません。「昔は、もっとつきあいが良かったのに」とか、「前は、こんなに冷たくなかった」とか言っても始まりませんし、全く変わらない人なんていないのです。
人は変化して成長していくのです。だから、相手の変化に戸惑ったり、相手を責めたりしないことが大切です。
全部含めて腐れ縁
変わったことで悪い面もあれば、いい面もあるはずですから、そういった変化を全て受け止めて、お互いで切磋琢磨したり、お互いに相手の思いを理解したり、そしてお互いに相手の立場を思いやったりすることが大切です。
そうやって、人間として成長することにより、腐れ縁自体の関係や絆も成長していくのです。
相手について何でも知ろうとしない
腐れ縁は、長いつきあいですから、相手のことは結構なんでも知っている時期もあるでしょう。しかし、長い期間にわたる腐れ縁の中では、少し距離が開くこともありますし、お互い忙しくて、会えない日が続くこともあります。そうすると、もしかしたら短期的には、あなたよりも相手のことをよくわかっている人が現れていることがあり得ます。
しかし、そういったときでも、相手のことを何でも知っていたいとか、自分が相手のことを一番よく知っているはずだとか思わない方がいいでしょう。腐れ縁で仲がよいからこそ、話したくないこともあるでしょうし、大切な人には知られたくないこともあるのです。
相手の好きなことや気持ちに共感する
人間関係において親しくなればなるほど、お互い共感することが増えたり、共通点が増える事が多いです。また、逆に共通点や共感することが多いからこそ、親しくなるとも考えられます。
そういった共感や共通点は、その時々の距離感や親密さ次第で、多くなったり少なくなったりします。しかし、大事なのは、相手のすきなことや相手の考えに共感しようという気持ちです。
何でも相手の意見に迎合するのはだめ
相手の意見や考えに共感することは大切ですが、何も相手の意見や考えに無条件に全面的に賛成しろなんてことではありません。共感するというのは、相手の言っていることに賛成するという意味ではなく、相手の気持ちを考えて、相手の考えによりそって考えてみると言うことです。
たとえ、違う意見や考え方でも、頭から否定するのではなく、そういう考え方や見方もあるのかと考えて、自分はこう考えたんだという形に持って行けばいいのです。そして、どうしても納得できないことならば、自分はこう考えているがどう思うか、など聞いてみるのがいいでしょう。
感謝、謝罪を忘れずに
腐れ縁で長い関係になればなるほど、お互い相手に甘えてしまい、当然するべきことをおろそかにしがちです。
たとえば、お礼を言うべき時に感謝の言葉を忘れたり、謝るべき時に謝罪の言葉を言わなかったり、相手に譲ってもらったときは、次回や他のことではこちらが譲るなどです。こういった当たり前のことをおろそかにすると、腐れ縁であっても関係性は悪くなっていく可能性があります。
自然体で接して、無理をしない
いい意味での腐れ縁を長く続けるためには、相手と自然体で接することが大切です。背伸びをしたり、かっこつけたりして、無理をしていると長続きしませんし、自分がしんどくなってしまいます。しんどくなるような関係であれば、そもそも長続きなんかしない方がマシです。
自然体で、無理せず本来の自分で付き合っていけるようにするのが、腐れ縁を長く続けるこつです。
適度な距離感をとる
いい関係というのは、適度な距離感を必要とします。あまりに共通点等が多すぎて、いつもどこでも一緒にいたり、同じことをしていて仲がいいのはいいことですが、それは大概長続きしません。完璧な人間などいませんので、長くいればいるほど、相手の嫌な点や悪い面も見えてきます。
自分にとって嫌いなことやへんな考え方でも、他の人にとっては何てことない点だということはよくあります。だから、誰に対しても嫌な面や嫌いな面があって当然です。
細く長くを意識して付き合うことが大切
どんなに好きな人でも、たまには一人になりたいことがあるでしょうし、大切な相手だからこそ、相手のことをいつでも思いやってしまいます。自分を犠牲にして、相手のために動くこともあるでしょうから、それを続けていれば、疲れが出てくることもあります。
ある程度の距離を保ち、距離を保ってはいるけれども、やはり大切な相手というのが一番いい腐れ縁ではないでしょうか。
恋愛での腐れ縁は悪い意味が多い?
恋人における腐れ縁とは、あまりいい関係とはいえないことが多いです。「相手にひどい目に合わされているのに、なかなか相手のことを嫌いになれない」とか、「だらだらと惰性で付き合っているが、付き合いが長くなりすぎて本当に好きなのかどうかすら分からなくなっている」などのようなカップルです。
男女関係になると、心理面、金銭面、セックスなどいろいろな要素が増えてくるので、より複雑な関係になることが多いです。
腐れ縁は腐った関係?
腐れ縁が好ましくない関係の場合、お互いのためによくない関係だといえます。悪い意味での腐れ縁カップルの特長には、いろいろなものがあり、人により様々です。
好ましくない理由も人それぞれでしょう。悪い意味での腐れ縁のカップルの特徴についてみていきましょう。
恋愛における腐れ縁といわれるカップルの特徴
恋愛においての腐れ縁では、精神的によくない腐れ縁から、社会的によくない腐れ縁など様々な種類があります。具体的な例を見ていきましょう。
腐れ縁だからといつも言い訳をしている
色々と嫌なことがあったり、ひどい目に合わされて、怒るべきところなのに、腐れ縁だからと自分に言い訳をして言いくるめるような関わりです。
腐れ縁だから少しくらい悪いことがあっても、また関係を解消するべきときであっても、いざ別れるときになると情がわいたり、彼氏の顔を見たとたん心変わりしたりします。別れる行動、決断をすることから逃げているのです。
将来のことや価値観を共感できない
パートナーの将来、自分の将来、そして二人の将来の展望が描けていない、もしくは、お互いばらばらに描いていて、それがまったく相容れない場合があります。また、お互いの価値感を共感できないような場合もあります。これらは、悪い意味での腐れ縁カップルといえるでしょう。
二人の価値観が違うということは、悪いことではありません。たとえ、二人の価値観がまったく違っても、お互いの価値観の違いを理解し、尊重していけるような関係のカップルは悪い意味での腐れ縁ではありません。
友達に別れを勧められるのに踏ん切りがつかない
友達や家族など、回りの人たちに別れたほうがいいと強く勧められているのに、分かれられない関係ってありますよね。
二人の関係性に、お互いメリットがなく、愛情がなく、人間関係として破綻しているときなどです。こういった場合は、腐れ縁を続けることは、二人にとってよくありません。
周りから別れを勧められるとより別れたくなくなる
そうやって周りから別れることを勧められれば、勧められるほど、なぜか二人の関係に執着してしまい、別れる踏ん切りがつかないのです。二人の関係が長ければ長いほど、強い傾向にあります。
また、片方が相手に対して依存心が強くても、この傾向にあります。
悪い意味で熟年夫婦のような関係
腐れ縁のカップルの中には、結婚して長い間たったベテラン夫婦のような関係があります。長いこと一緒にいるので、ほとんど会話も無かったり、相手にときめきを感じず、相手のことをうっとうしいとさえ感じるときがあったりします。
一緒にいる必要はないのですが、別れる必要性も感じないようなほとんど無の関係は、発展性もありません。こういった関係も腐れ縁といえます。
相手に対して依存している関係
腐れ縁カップルによくあるのが、片方が相手の存在にすごく依存心を抱いていることがあります。何をするにも、相手に相談して相手の意見を受け入れることを長いこと続けた結果、自分では何も決められなくなってしまった場合などです。
これは、腐れ縁の非常に悪いパターンだといえます。ひどい場合は、相手がいなければ生きていけないとまで思ってしまう場合もあります。
何でも極端な関係
結びつきの強いカップにありがちな腐れ縁のパターンです。
喧嘩するときには、周りの人がびっくりするくらいの大喧嘩をしているかと思えば、仲直りしたとたんに周りの人が嫌悪感を感じるほどのラブラブっぷりだったりという関係です。結婚していてもこういう夫婦はいます。こういう極端な関係のカップルは腐れ縁に多い特徴です。
別れたり、元さやに戻ったりを繰り返す関係
「もう相手には愛想が尽きたから別れた」と言っていたのに、すぐに「やっぱり腐れ縁だし」とか言って再びつきあい始めます。
そして、すぐに「今度こそ別れた」とか言って別れるのですが、結局また復縁しているカップルっていますよね。腐れ縁に良くあるパターンです。
いつも別れるといっているのに別れない関係
別れたりくっついたりと同じような感じですが、毎度デートでケンカするたびに今度こそ別れてやるとか、今回こそ愛想が尽きたなんて言ってるのに、いつまでたっても別れていないカップル。
少し時間が経つと、別れるのが惜しくなったり、自分から別れを切り出すのが嫌だったりといろいろな理由はありますが、なかなか別れられないカップルは腐れ縁カップルです。
腐れ縁を解消する方法
悪い腐れ縁は、二人のためにも良くありませんし、時には本人たちだけでなく、周りまで振り回すことにもなりかねません。
悪い腐れ縁は、さっさと断ち切らないと、本当の出会い、運命の出会いはやってきません。そこで、腐れ縁を断ち切る方法です。
引っ越して縁を切る
引っ越しをすれば、物理的に距離がとれます。また、当然のことながら、遠くに引っ越せば、人間関係もリセットできます。引っ越しをして、新たな地でやり直してみるのも一つの選択肢です。
ウソをついて、サヨナラする
ウソでもいいからわざと嫌われたり、ウソでもいいから好きな人が出来たことにしたり、別れを切り出します。
どうせウソつくなら、しっかりウソをついて、腐れ縁を解消しましょう。腐れ縁を解消することは、あなた自身のためであり、また相手のためでもあるのです。
思い出の物を捨ててしまう
想い出の品を捨てることにより、相手への未練も一緒に断ち切ることが出来ます。
なかなか別れを切り出せないとか、別れを切り出しても、相手が別れたくないと言ったのでなんとなくずるずると引きずっているような状態ならば、思い切って二人の想い出の品捨て去ってみましょう。
連絡先などを消去する
相手の連絡先を消去したり、自分の連絡先を変えたり、SNSの友達関係を切ったりメールアドレスを変えたりしてみましょう。
すっぱり連絡先を変えてしまえば、人間関係はリセットできます。仕事がらみなどで、連絡先を消去できない場合は、個人的なつながりの方を消去することで、相手にこちらの意志に気づいてもらいいましょう。
腐れ縁を良縁にするには
たとえ悪い意味に近いような腐れ縁だとしても、長いつきあいで切り捨てるようなことは出来ないという場合、悪い意味での腐れ縁をいい意味での腐れ縁に変えるように、努力してみてください。いい意味での腐れ縁を長く続けるための方法は、上でまとめましたので、それを参考に行動すれば、たとえ今は悪い腐れ縁であったとしても、その腐れ縁を良縁にすることが出来る可能性はあります。
お互い支え合って、思いやりを持って、そして時には一緒に切磋琢磨してください。惰性でつきあっている期間があったとしても、心の中ではお互い愛し合っているのであれば大丈夫です。悪い腐れ縁かもと心配していた時期があっても、それはただの一過性の倦怠期なのかもしれません。長い年月の後には、いい想い出になっていることも考えられます。
まとめ
いい意味の腐れ縁、悪い意味の腐れ縁について、解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
いい腐れ縁は大切に、悪い腐れ縁なら解消するか改善するかしてください。どちらにしろ、その縁にどういう意味を持たせるかは、自分たち二人なのです。二人で協力関係を築いていい腐れ縁にして行ければ言うことはありません。幸運を祈っています。
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