「センス」という言葉から、どのようなことを思い浮かべるでしょうか?ファッションのセンスを思い浮かべる人もいれば、仕事のセンスをイメージする人もいるかもしれません。
そもそも「センス」とは何でしょう?簡潔に言うと「センス」とは、物事の味わいや感じを細部や微妙な部分まで悟り、それを表現できる感覚です。ファッションで言えば、他の人よりも素敵なコーディネートができ、さりげなく洗練された着こなしができることと言えるでしょう。また、仕事で言えば、他の人よりも優れた思考力や判断力によって、どんな仕事もそつなくこなすことができることと言えるでしょう。
このような「センス」の定義を踏まえると、誰しも1度や2度はセンスのある人を羨ましいと思ったり、自分はセンスがないのかもしれないと落ち込んだことがあるのではないでしょうか?そこで今回は、「センス」の意味について再確認した上で、センスがある人とセンスがない人の違い、センスを身につける方法について、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。
「センス」とは?
そもそも「センス」とは、何なのでしょうか?ファッションセンス、仕事センス、運動センスなど、様々な「センス」が世の中には存在します。
そこで、まずは「センス」という言葉の意味を再確認し、「センス」という概念について明らかにしてみたいと思います。
「センス」の辞書的意味
「センス」という言葉の意味について、いくつかの国語辞典を調べてみると、基本的に次のような二つの意味があることが分かります。
- 物事の微妙な感じや機微を感じとる能力、感覚。
- 判断力。思慮。良識。
「センス」とは?
このような「センス」の辞書的意味を踏まえると、とても抽象的ではありますが「センス」という概念を次のように言い表すことができるでしょう。
「センス」とは、物事の味わいや感じを細部や微妙な部分まで悟り、それを表現できる感覚と言えます。あるいは、「センス」とは、物事の数値化できない側面の細部や微妙な部分について、その良し悪しを判断できる能力と言っても良いかもしれません。
いずれにしろ、「センス」という概念は非常に抽象的です。そこで、具体的にファッションセンスと仕事センスを例にして、より具体的な「センス」について説明してみたいと思います。
ファッションセンス
ファッションセンスとは、手持ちのファッションアイテムを組み合わせて素敵なコーディネートができ、さりげなく洗練された着こなしができること、と言えるでしょう。
このように言葉で表現すると、とても簡単そうに思えます。洋服の組み合わせを考えて全体的な統一感を演出することがファッションセンスだ、と字面から受け取れるからです。
しかしながら、実際のファッションセンスとは、もっと細部にまで細やかな配慮や気遣いが必要になり、ただ単に洋服の組み合わせを考えれば良いのではないのですね。歴史的に確立されてきたフォーマルやカジュアルといった全体の統一感や雰囲気、洋服のデザイン、それぞれの洋服やアイテムの組み合わせや配色、ファッション雑誌など業界の最新トレンドや人気ブランド、着る人の容姿・体型・キャラクターなど考慮すべきポイントは数多くあります。これらのポイントを考慮した上で、その人に合ったコーディネートをできることがファッションセンスなのです。
極端な例を挙げると、普通の人が着ているとダサく見えるジャージでも、その他のアイテムの組み合わせによって着る人の体型やキャラクターに合って素敵で洗練されたスタイルに見えれば、ファッションセンス有りとなるわけです。
仕事センス
仕事センスとは、幅広い知識や経験などから生まれる優れた思考力・判断力・応用力によって、どんな仕事もそつなく要領よくこなすことができること、と言えるでしょう。
多くの人が、頭が良くて学歴もある人たちに対して、なんとなく仕事ができそうな印象を抱くでしょう。しかしながら、実際には学歴の高い人でも仕事ができない人がいるように、決して学歴と仕事の能力は比例するものではありません。その学力と仕事能力の差こそが、仕事センスと言えるかもしれませんね。
一口に仕事センスと言っても、それを構成する要素は複雑で多岐にわたります。その仕事分野の知識も必要ですし、その仕事の経験から得られるスキル・感覚も必要です。そして、その知識や経験を元に先を予測する思考力や未知の状況に対応する応用力、状況から最善の選択肢を選ぶ判断力と行動力、周囲を説得する論理力や人柄、周囲の人たちへの気遣い、情報分析力などといった要素も必要になります。
このような様々な要素からなる仕事センスを、敢えて簡潔な表現にまとめると「経験から学び、経験を活かすことができる能力」と言えるでしょう。
センスがある人とセンスがない人との違い
このように「センス」という概念は、物事の細かなところまで気を配ることができ、その良し悪しを判断できる能力と言えます。それでは、センスがある人とセンスがない人の違いは、どこにあるのでしょうか?そこで、センスがある人とセンスがない人の違いについて、触れてみたいと思います。
センスがある人とは?
繰り返しますが「センス」という概念は、物事の細かなところまで気を配ることができ、その良し悪しを判断できる能力です。そして、このような細かな部分の良し悪しを判断できるのは、その背景に幅広い知識と経験があり、その知識や経験を様々な形で応用する力があるからです。
ですから、センスがある人とは、その分野において物事を習熟するための努力をしてきた人だと言えるでしょう。
例えばスタイリストのファッションセンスが良いのは、背景に膨大なファッション知識があり、様々なタイプの人に合うスタイルを常に考える努力をしてきたからです。また、仕事センスがあるのは、仕事で成果を出すための効率の良い方法を常に考えてきたからです。
センスがない人とは?
これに対して、センスがない人とは、その分野において物事を習熟するための努力を欠いた人だと言えるでしょう。
例えば、ファッションセンスがないのは、そもそもファッションに興味がなく知識が不足していたり、洋服やアイテムの組み合わせを考える努力をしていなかったからだと言えるでしょう。また、仕事センスがないのは、仕事で成果を出す意識に欠け、自分自身の失敗などに目を向けてこなかったからだと言えるかもしれません。
センスを身につける方法
それでは、自分はセンスがないと思っている人が、これからセンスを身につけたり、センスを磨こうとするには、どうすればいいのでしょうか?そこで、センスを身につける方法あるいはセンスを磨く方法について、ご紹介したいと思います。
センスを身につけることは可能か?
何度も繰り返しになりますが、センスとは物事の細かなところまで気を配ることができ、その良し悪しを判断できる能力です。そして、このような細かな部分の良し悪しを判断できるのは、その背景に幅広い知識と経験があり、その知識や経験を様々な形で応用する力があるからです。
とするならば、知識を学んで経験を積み、その知識と経験を元に応用する意識さえあれば、その分野のセンスを身につけることは可能だと言えるでしょう。
興味や関心を持つ
ある特定の分野のセンスを磨く具体的な方法としては、その分野に興味や関心を持つことです。というのも、興味や関心を持てなければ、知識を学ぶ意欲も湧きませんし、経験を積むために努力を継続することもできないからです。
逆に言えば、興味や関心を持ち好きなことであれば、誰でも一生懸命に努力し自ら工夫をして自然と上達するものです。まさに「好きこそ物の上手なれ」という諺の通りで、センスを身につけるには、好きになることが第一歩だと言えるでしょう。
例えば、アパレル販売のカリスマ店員も最初からファッションセンスが高かったわけではありません。ファッションが好きだからこそ知識を学び、洋服の組み合わせを試行錯誤し、その結果としてセンスを身につけたのです。そして、ショップで接客販売する中で、次第に周囲からセンスを認められカリスマになったわけです。
ちなみに、男性より女性にファッションセンスが高い人が多いのは才能の有無よりも興味・関心の有無で説明がつきますし、女性より男性に機械的センスが高い人が多いのも同じ理由です。また、高齢層と若年層でスマホ仕様方法などのデジタルセンスに差があるのも、時代背景とともに興味・関心で説明できるでしょう。高齢であっても、興味を持ってブログ・サイト・スマホといった様々なデジタルサービスや商品を使いこなしている人もいるわけですから。
センスの良い人の真似をしてみる
ある特定の分野のセンスを磨く具体的な方法としては、その分野のセンスの良い人を真似してみることも大きなポイントです。というのも、物事の習熟には経験者や熟練者を真似することが近道となるからです。
例えば、会社の仕事にしても、仕事が面白いと思った上で、仕事のできる先輩の見よう見まねをして場数を踏むうちに、いつの間にか仕事ができるようになります。つまり、物事への興味や関心と熟練者の真似をするだけで、誰でも一定のセンスを身につけることが可能なのです。
そして、自分の仕事ぶりにある程度の自信が持てるようになると、自分なりの価値観や工夫を付け加えて、より効率的で要領よく仕事がこなせるセンスが磨かれるわけです。その仕事センスが、その人にとっては社会人としての強みになるのですね。
まとめ
いかがでしたか?「センス」の意味について再確認した上で、センスがある人とセンスがない人の違い、センスを身につける方法について説明してみましたが、ご理解いただけたでしょうか?
たしかに、誰しも1度や2度はセンスのある人を羨ましいと思ったり、自分はセンスがないのかもしれないと落ち込んだことがあるかもしれません。しかし、興味や関心をもって、物事を習熟する努力さえすれば、誰しもある程度のセンスを獲得することができるのです。センスがないと嘆いている人は、ただ単に興味・関心の不足あるいは努力不足・練習不足なのかもしれません。本記事が、センスを身につけ、より良い人生を獲得するきっかけになれば幸いです。