こんな経験ありませんか?
急に喉が締め付けられるように感じて、呼吸が浅くなり深く呼吸をしようと思ってもなかなか出来ない。またはきちんと息が吐けない、呼吸が速くなって息苦しい感覚になる。酸欠状態のように感じるなど。
自分や大切な人がこのような状態になったらとても心配ですよね。どうしてそのようなことが起こるのでしょう。
原因と疾患、またその対処法についてみてみましょう。
息苦しい原因は?疾患と対処法
一口に息苦しいといっても、その症状は人によって様々です。
自律神経などの乱れからくるもの、精神的なもの、呼吸器の疾患の場合などが考えられます。その症状や疾患によって対処法も様々です。
まずは、自分や大切な人の症状がどのようなものであるかよく観察してみましょう。原因と思われるものに思い当たることがあれば、速やかに対応の医療機関に相談、または受診しましょう。
自律神経失調症
自律神経失調症とは、人間が誰しも無意識に行っている自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスをとることが出来なくなってしまい、不調をきたす状態のことを言います。
正常な状態だと、日中活動しているときには交感神経が優位にたち、精力的に活動できるようになります。そして夜になると副交感神経が優位に立ち、心身ともにリラックスさせるような状態に持っていき、睡眠へと促します。
自律神経失調症になるとこれらのバランスが上手くとれずに、常に交感神経が優位に立つ状態になります。すると身体の内外が硬くなり、血流が悪くなります。そうなることで、栄養や老廃物なども流れにくくなり、結果、息苦しい、動悸がする、めまいやほてりなどの身体的不調やさらに悪化すると精神疾患まで患うことになります。
原因としては、仕事や人間関係、日常生活での緊張やプレッシャーが主に挙げられます。
対処法としては、まずは副交感神経を働かせることを意識しましょう。自律神経は意識してバランスをとることは出来ませんが、身体的・精神的にリラックスできるような状態を意識して行動することはできますよね。
身体や精神的にリラックスできる状態に近づけば必然と副交感神経も優位に働くようになります。まずは身体全体をほぐして血流をよくしたり、リラックスできる環境を整えましょう。
更年期障害
女性特有のものと思われていましたが、最近では男性にも更年期障害は多く現れるようになりました。この症状が息苦しさを引き起こすことがあります。
症状は、動機や息切れ、息苦しさ。また急に暑くなったり寒くなったりなどが主な特徴です。
原因はホルモンバランスの乱れや日常生活、仕事のストレスなどの原因から症状を引き起こすといわれています。
また息苦しさと同時に胸の痛みなどがある場合は「微小血管狭心症」という疾患を患っている場合がありますので、医療機関に受診してください。
年齢からの単なる更年期と思わずに、相談してみましょう。
パニック症候群
近年、特に患者数の増えている疾患のひとつです。
パニック症候群とは、突然自分の身に危機が迫っているように感じて動悸や息切れ、息苦しさやふるえ・めまいなどを感じる症状です。
またその状態がトラウマになり発作の起こった場所に行けなくなったり、発作が起こるのではないか?と不安になり外出できなくなったりすることもあります。
この疾患で息苦しさを感じる場合は、多くがそのストレスから全身の筋肉が硬直して上手く呼吸が出来なくなっています。
対処法は、まずはリラックスできる環境を整えましょう。息苦しさから酸素が無くなるかも知れないという不安に陥る人もいるそうです。その場合も、精神的に落ち着きを取り戻す努力をしましょう。自分に「大丈夫」と言い聞かせるのもひとつの解決法です。
過換気症候群
過換気症候群とは、日常生活や仕事その他のストレスが原因で起こる、心身症のひとつです。
極度の緊張やストレスから精神的に追い込まれ、その結果、過呼吸になり手足の震えや痺れ、または動悸や息切れ、息苦しさも感じるようになります。無自覚で突然起こるので、パニック状態になることもあります。さらに不整脈なども起こすことがあるので注意が必要です。
対処法としては、まず、対応の医療機関に受診して相談しましょう。 さらに体内の二酸化炭素の低下が原因でさらに症状が悪化してしまう場合があります。
突然の場合の応急処置としては、まずは落ち着いて呼吸をするように意識しましょう。また袋のようなものを持ち、呼吸をするのも対策方法です。出した二酸化炭素を吸うことによって、症状が落ち着いてきます。
気管支喘息
小さい頃から気管支喘息だと診断されている方はもちろん、最近では大人もかかるといわれているのが気管支喘息です。
今までは感じなかったのに、季節の変わり目や気温の変化、アレルギーやストレスなどの原因で咳が出るようになった、息苦しく感じるようになった。などの症状が現れたときは気管支喘息を疑ってみても良いでしょう。
気管支喘息は気道が炎症を起こす疾患です。炎症によって気管が細くなり、息苦しさや咳が止まらなくなったりします。
この疾患になった方は常に気道が炎症を起こしている状態なので、日常のちょっとしたこと(季節の変化による気温差やアレルギーなど)で発作が起こります。軽いもので息切れや息苦しさ。重いもので咳が止まらなくなり呼吸が出来なくなります。
対処法としては、対応の医療機関に受診して相談してみてください。すぐに治るというものではないので、根気強く治療に取り組むことが大切です。
肺気胸
あまり聞いたことの無い疾患かもしれませんが、主に男性の発症確率が多く、まれに女性の発症もある、放置しておくと呼吸困難を引き起こす恐ろしい疾患です。
肺気胸とは、肺や肺腔壁に何かしらの原因によって穴が開き、もれた空気が周辺にはいる結果、肺が圧迫され、胸の痛みや息苦しさ、重症になると呼吸が困難になる疾患のことをいいます。
原因としては、外傷によって穴が開くことと、原因不明のものがあります。また男性で胸板が薄い人に起こりやすいともいわれています。細い男性に多いことからイケメン病などといわれることもあります。
対処法としては、対応の医療機関に受診しましょう。通常は、もれ出た空気も穴も自然治癒することが多いのですが、重症の場合は肺を圧迫する空気を抜くなどの処置が必要になります。
またこの肺気胸は、再発率の高い疾患です。再発の原因としてタバコも挙げられています。何度も辛い思いをしないよう生活習慣の見直しも予防につながります。
急性肺血栓塞閉症(エコノミークラス症候群)
急性肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)とは、旅行などの際に飛行機に乗り、長時間同じ姿勢の後、降りたとたんに息苦しさや呼吸困難になり、目まいや重症の場合は死亡するケースもある恐ろしい疾患です。数年前からテレビなどでも取り上げられるようになりましたね。
原因は、長時間の同じ姿勢によって足の血流が悪くなり血の塊ができ、それが血液の流れに乗って肺に到着し動脈をふさいでしまうことです。
対策としては、このような状況での息苦しさを感じたら、すぐに対応の医療機関に受診して相談しましょう。
予防策としては、長時間同じ姿勢をとり続けないことや血流の悪くなるようなことをしない、また日頃から血液がドロドロの人がかかりやすいと言われていますので、日常生活や食習慣などから予防しておくことも大切です。
間質性肺炎
間質性肺炎とは、聞きなれない疾患ですが、通常の肺炎とは違います。
通常の肺炎は、流行風邪やその他の原因で肺胞の中に細菌が進入して炎症を起こす疾患です。しかし、この間質性肺炎は肺胞の壁のところに炎症を起こすのです。
またこの疾患が重症になると、細胞壁が厚くなり呼吸がしにくくなったり、呼吸困難を引き起こしたりします。
この間質性肺炎はアレルギーや風邪のほか、粉塵や薬などが原因といわれていますが、原因不明のものもあり、また通常の肺炎よりも治療が難しいので、この疾患になったら根気強く治療に取り掛かることが必要になります。
日頃から出来る予防法
出来れば息苦しい症状にはなりたくないし、またなってしまったとしても、再発は防ぎたいですよね。そのために日頃からできる予防法を紹介します。
自律神経のバランスを整える
朝は一定の時間に起床して夜も遅くまで夜更かししない、など規則正しい生活を心がけましょう。朝の光を浴びることで、自律神経のバランスを整わせることができます。またストレスをためないように心のメンテナンスにも気を配りましょう。
食生活に気をつける
3食バランスよく食べることを心がけましょう。栄養の偏りは生活習慣病を招く恐れもあります。
嗜好品にも気をつけましょう
コーヒーや紅茶をはじめとするカフェインの取りすぎやアルコールの過剰摂取、たばこなど、過剰な摂取によって呼吸器疾患が引き起こされる場合があります。嗜好品もほどほどにしましょう。
まとめ
いかがでしたか? 息苦しい症状は様々な原因によって引き起こされている可能性があることが分かりましたね。 あなたや大切な人の症状が当てはまるものはありましたか?
息苦しさは単に身体的な不調だけではなく、精神的にもつらいものです。早く楽になるように早めの医療機関への受診をオススメします。
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