足の裏が痺れる原因とは?病気の可能性や治療法を紹介!

地面と体の接する部分である足の裏。たくさんのツボが密集し、体の健康のバロメータにもなっています。そんな足の裏は体の体重を一手に受けているため、トラブルも多い場所です。

現代では靴による締め付けも、足の裏を痛める原因を作っているのだとか。ある日突然足の裏が痛みだした、気づけば痺れている事がある、など、自覚症状がある場合は、放っておくと歩行困難におちいることも。足の裏の痛みの原因と、痛みを緩和する応急処置を紹介します。

足の裏の役割

足‐1

普段余り意識しない足の裏ですが、実は次のような重要な役割があるのをご存知でしたか?

体を支える役割

静止した物が自立するためには、最低でも3点の重心が必要です。この3点が同じ平面上に存在することで物のバランスが取れます。

足の裏には、親指、小指、かかとにこの重心が存在しているため、片足だけでも体のバランスが取れるようになっています。

衝撃を吸収する役割

足の裏には適度に脂肪が付いており、表面積が広くなっています。足の裏が面として地面に接していることで、衝撃が分散され、歩いたり、ジャンプしたりした時の衝撃が緩和されています。

足の裏が広いのは木の上で生活する生き物のと、二足歩行する人間の特徴でもあります。人間の祖先の猿は木から飛び降りたり、移動したりする際の衝撃を和らげるために足の裏は広く発達し、それが二足歩行にも役立ったと考えられています。

血液を送り出す働き

足は第二の心臓と言われています。足の裏には、心臓から流れてきた血液をつま先などの末端に送り、それらをまた心臓に送り返すと言う働きがあります。

足の裏は隅々まで血液を循環させるためのためにハブ空港のような役割をはたしています。

体の調子を整える役割

足の裏にはたくさんのツボがあります。そのツボは体の各器官に繋がっています。足のうらのツボをおして痛いときは、対応する器官が悪くなっている可能性があります。また、ツボをマッサージすることで、その器官の不調をとりのぞき、はたらきを高める事ができます。

病気が原因の足の裏のしびれ

足‐2

上記のように、重要な役割を持つ足の裏ですが、以下のような病気で痺れたり、痺れた後に痛みに発展することがあります。

足底筋膜炎

足底筋膜炎は主に土ふまずからかかとが痛む病気です。かかとにある筋肉の膜に炎症がおこったり亀裂が入ったりすることで発症します。酷い場合は歩行が困難になるほどの痛みを発します。スポーツや立ち仕事など、足を酷使する方に良く起こるようです。

原因は足の裏の筋膜が固くなってしまうことです。その状態で急に動かしたりすると、衝撃で筋膜が破れ、痛みが発生します。

足底筋膜炎は痛みでは無く神経痛のような痺れを発することがあります。痛みやしびれが交互にきたり、ずっと痺れていたりと、症状は人それぞれです。

治療は自然治癒が一般的です。起床時や仕事、スポーツの前は足の裏をマッサージすることで痛みやしびれが緩和されます。また、クッション入りのインソールを履く事も緩和に繋がります。どうしても耐えられない時は医療機関で痛み止めを処方してもらいましょう。

痛風

体内から排出されなかった尿酸が間接内に溜まり、それを異物と認識した白血球が攻撃することで痛みを発する病気です。病名の由来は「風が吹くだけでも痛い」という症状からきており、激痛を伴う病気です。足の裏だと、親指の付け根に特に痛みを感じます。

痛風は、初期症状としてつま先や足の裏が痺れることがあります。なんとなくむずむずする感じがあったり、じわーっと痺れてくるようなことがあれば痛風の初期症状かもしれません。

尿酸の元はプリン体という物質です。プリン体が分解されて尿酸になると、本来は尿から排出されていきます。しかし尿酸が排出される以上に造り出されて仕舞うと体内に蓄積されてしまいます。

プリン体を多く含むものに、ビールが挙げられます。また、レバー、魚卵、エビ、マグロなどの海産物にも多く含まれています。このようなものを食べる機会の多い、40代以上の男性に良く見られる病気です。

痛風の合併症として尿管結石や、腎障害、脳血管障害などを引き起こす恐れがあります。これらは死に至る可能性のある病気ですので、親指の付け根が痛いと感じたら、痛風外来や内科を受診しましょう。

モートン病

モートン病はヒールなどの窮屈な靴を履く女性に多く見られる病気です。中指の中心部分などがじわっと痺れるように感じます。痺れ以外の症状は特ありません。しかし、放置しておくと足のバランスが崩れ、肩こりや腰痛の原因となります。

モートン病を見分けるには、つま先立ちをしてみるとよいでしょう。痛みやしびれを感じる場合はモートン病の疑いがあります。また、モートン病にかかる人は、外反母趾や偏平足などを併発している確率が高いことも分かっています。

予防や治療は、靴を見直すことが一番です。つま先の窮屈な靴や、小さすぎる靴は避け、足に合いストレスの少ない靴を選ぶように心がけましょう。

糖尿病による痛み

糖尿病とは、インスリンの不足により、高血圧状態が続く病気です。通常、食事を行うと血圧が上昇します。それに反応してインスリンが分泌され、通常の血圧にまで戻す作用が働きます。ところが、糖尿病になると食事をしてもインスリンが十分に分泌されず、常に血圧が高いままとなってしまうのです。

糖尿病の恐ろしいところは、合併症です。合併症の一つとして、足の裏の痺れがあります。神経障害の一つで、足先が左右対称にぴりぴりと痺れるように感じます。

また、高血糖の状態が続いてしまうと、手足の血行が悪くなり手足が腐ってしまいます。腐った部分を切除するため、手足を切断することもあります。目の血管がつまることにより視力が低下してしまい、失明に至ることもあります。

腎臓では、血液のろ過ができなくなるため、血液中の不要物が濾し取られず、人工透析をしなければなりません。他にも心筋梗塞や脳卒中、ED、膀胱炎などの病気を引き起こす可能性があります。

糖尿病の初期症状は足に出ます。足にぴりぴりとした痛みが出たり、痺れ、冷え、けがの直りづらさなどです。症状は足全体に出ます。この際、足にけがをしてしまったり、水虫、痛風、外反母趾などを患うと、疾患が治らず足が腐ってしまうこともありますので、異変を感じたら早期に病院に行くことが大切です。 

外的要因による足の裏の痺れ

足‐3

足の裏の痺れには、以下のように、病気以外に、足の裏や指に外的な力が加わることで起こる痺れがあります。

外反母趾

外反母趾とは、足の親指が、小指側に反り返り、親指の付け根の骨が飛び出してしまう症状の事です。親指が窮屈に曲げられるため、血行が悪くなり、足先に痺れを感じます。

外反母趾の原因には、まず、歩き方にあります。外反母趾の人は足を地面と平行になるようにぺたぺたと歩いていることが特徴です。そのような歩き方をすることで、足のバランスが崩れ、開帳足と呼ばれる状態になってしまいます。外反母趾を直すには、この歩き方を直し、正しい歩き方にする必要があります。

次に、運動不足があります。歩く、走るなどの動作が少なくなると、足の裏の筋肉が後退し、こちらも足のバランスが崩れてしまいます。

さいごに、靴が合っていないことがあげられます。足の形に合っていない靴は、指先を締め付けたり、おかしな方向に力が掛かったりして、足のバランスを崩します。足の先が痛んだり、かかとに違和感がある靴は、早めに変えた方が良いでしょう。

偏平足

偏平足とは、足の裏に土踏まずがない状態の事を言います。偏平足の痺れは、本来土踏まずがある部分に骨が下りてくることで、神経を圧迫し、痺れを生じます。

生まれたばかりの赤ちゃんには土踏まずはありませんが、成長し、歩くうちに自然と形成されます。しかし、幼い頃に外で遊んだり歩く機会が少ないと、うまく土踏まずが形成されず、偏平足となります。

ちなみに、激しい運動などで鍛えている人は、土踏まずに筋肉が付き、偏平足のようになることがありますが、その場合は足でバランスがとれているため、問題ありません。

偏平足を直すには、足の運動が一番です。日常生活の中で歩く機会を増やしたり、足の裏をマッサージすることが治療につながります。

疲労骨折

足は体の全体重を支えているため、負荷がかかりやすい場所です。スポーツなどで酷使しすぎると、足の骨が不可に耐えられなくなり、疲労骨折を起こして痺れや痛みを感じるようになります。

足の疲労骨折は、ランニングなどの走るスポーツや、バスケットボールなどジャンプの多いスポーツをする人に良く見られます。練習のしすぎや、偏平足などで、足の一部の骨に断続的に負荷がかかることで骨にひびが入ります。

運動をよくする人で足が痛む人は、疲労骨折を疑ってみましょう。詳しくは、疲労骨折の症状とは?治療方法や予防方法も紹介!を参考にしてください。

足の痺れを予防する

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足の健康を維持するために、適度に足を動かすことを心がけましょう。ストレッチは、足の運動不足を解消するだけでなく、足の痺れに隠れた痛みに気づいたり、痺れの場所を特定したりするのにも役立ちます。

足の指でじゃんけん

皆さんは足でぐー、ちょき、ぱーを作れますか?足全体を使ってやってみましょう。

ぐーは足の指をすべて丸めます。

ちょきは親指を上にあげ、それ以外の指はぐーのように丸めます。

ぱーは難しいですが、すべての指の股を目いっぱいに広げます。母指球に力を入れると広げやすくなります。

ぱーは無理に行うと足の指を吊ってしまうので、できない場合は手を使って指を広げましょう

足のツボを押す

足のツボはたくさんありますが、特に足の裏のマッサージに効果的なツボを3点紹介します。

まずは、足の指をすべて丸めるとへこむ部分です。足の上部をほぐすのに効果的です。また、疲労回復の硬貨もあります。

次に、足の中心部、土踏まずの境目です。足全体をほぐします。また、腎臓に対して効果を発揮し、働きを良くします。ここが痛い場合は腎臓の病気を疑う目安になります。

最後に、かかとです。かかとは負荷がかかるため、皮や筋肉が分厚くなっています。力強く押してほぐしましょう。

靴を見直す

あなたの履いている靴が窮屈ならば、足に合う靴を探してみましょう。靴探しのポイントを紹介します。

まず、窮屈過ぎない事です。靴のサイズは最も重要です。自分の足の裏の長さをしっかりと確認し、丁度良いサイズを見つけましょう。特に、S、M、Lなどのサイズ標記がされている靴は、しっかり試着をして、少し歩いてみましょう。

女性などで、ヒールを履かなければならないときは、休憩時間などに靴を脱いで足をストレッチしてみたり、休日はヒールの靴を履かない、お風呂でマッサージする、など、足の裏を広げる事を意識してみましょう。

靴のサイズは、実は専門家がいるほど調整が難しいものです。自分にぴったりの一足を探しましょう。

まとめ

病気から外的要因まで、足のトラブルには様々な要因があります。放置しておくと取り返しのつかないことになるかもしれません。痺れていたり、痛みやかゆみを感じたら、早めに受診するように心がけましょう。

皆さんが年をとっても健康に歩き続けるために、足の裏のケアを日常の一部に取り入れてみてはいかがでしょうか。

  
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