しもやけの症状とは?原因や治療法、予防方法を紹介!

冬によく起こるしもやけは、暖房設備が整った現在でも、悩まされる人が少なくありません。大したことがないと思いがちですが、別名「凍瘡」とも呼ばれる皮膚病のひとつ。

しもやけが出来ると、かゆみが出たり、水を使うたびに痛む、靴に当たって痛むなど、日常生活が円滑に送れなくなる人もいるほどです。

ただし、出来てしまっても、自分でできるケアや日常生活ですぐに実践できる予防法があります。正しい知識で、しもやけの症状をやわらげ、再発を予防しましょう。

しもやけの症状

しもやけ3

しもやけは冬によく発症します。

しもやけには大きく分けて2種類のタイプがあり、手足が赤く腫れた状態になる楢柿型、手足の指や足の裏、耳たぶや鼻、頬に赤い湿疹が出る多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)型と呼ばれるものです。

楢柿型は子どもがなることが多く、多形滲出性紅斑型は大人がなりやすいと言われます。

多形滲出性紅斑型が手足に出た場合は、しもやけを疑うことが出来ますが、頬や耳たぶ、鼻などに出来た場合、何の病気かわからずに、慌ててしまう人もいるもしれません。

どちらも寒くなると痛みが出て、温めると痒くなります。また、痒くてかいたあとに痛みが出たり、靴などに当たると痛みが出ることもあります。しもやけが出来た部分が固くなり、手足の指が赤黒くなる場合もあります。

かきむしると水ぶくれなどになり、さらに症状がひどくなることがあります。特に子どもがしもやけになると、我慢できずにかきむしり、悪化することが多いので注意が必要です。

しもやけと間違いやすい病気

凍傷

しもやけと同様、寒さにより末端の血流が滞ることが原因ですが、気温がマイナス以下で寒さの厳しい環境で起こります。

体の組織が凍結し、細胞が破壊されることが原因です。さらに破壊された細胞の周辺への血流も阻害されてダメージを受けます。

最初は針で刺されたような痛みが起こり、症状が進むと患部がしびれ始め、その後感覚を失います。さらに症状が進むと、最悪の場合患部の切断を行わなければならないこともあります。

膠原病

膠原病の一種であるエリテマトーデスの初期症状は、手足の指や赤くかゆくなり、紅斑や水疱が出来るなど、しもやけとよく似た症状が現れます。

しばらく経つと軽減し、また悪化するという症状を繰り返します。寒い時期以外に、こうした症状が起こったら、早めに病院を受診しましょう。

詳しくは、膠原病と遺伝子の関係は?原因や治療方法も紹介!を参考にして下さい!

ひび、あかぎれ

しもやけと同じように冬の時期によく起こります。しもやけは寒さにより血流が滞ることが原因で起こりますが、ひびやあかぎれは冬の空気の乾燥により、皮膚が潤いを失うことによって起こります。

角質層の水分がなくなり、皮膚の表面に亀裂が起こるのが「ひび」、さらに皮膚内部まで亀裂が進んで出血を伴うような場合を「あかぎれ」と呼びます。どちらもピリピリとした痛みがあり、水を使うたびに患部にしみる辛い症状です。

詳しくは、あかぎれの原因とは?ひび割れとの違いも紹介!を参考にして下さい!

手湿疹

主婦など水仕事の多い人がなりやすい症状です。水による乾燥や洗剤の化学的刺激などによって皮膚を保護する脂質などが減少し、炎症を起こすことによって起こります。

指先が乾燥してガサガサになったり、指先に紅斑や水疱ができたり、かぶれや皮膚がむけたりすることがあります。悪化すると我満できないほどの痒みが起きる場合があります。

しもやけの原因

しもやけ1

しもやけは、寒さや冷えなどにより、体の末端部分にある末梢血管の血流が滞ることによって起こります。

人間の体は、常に36℃前後に保たれています。気温が下がり寒さを感じると、体内の熱を逃がさないように、血管が収縮します。特に皮膚の表面や手足などの末端は、熱を放出する場所なので、こうした場所の血管が収縮し、体温を維持しようとします。

しかし、このような状態になると末端の細胞に酸素や栄養が届かず、炎症を起こしてしまい、しもやけになります。

外気温の寒さだけでなく、お風呂上りなどに手足の指をよくふかずに濡れたままにしておくと、水蒸気の蒸発時に体温が奪われ、しもやけを起こすこともあります。

しもやけになりやすい人

しもやけは誰にでも起こる可能性がありますが、特になりやすいと考えられているのは以下のような場合です。

冷え性の人

生活習慣や自律神経の乱れで、もともと血行のよくない冷え性の人は、しもやけになりやすいといえます。

血縁者にしもやけを患ったことがある人がいる

しもやけは体質などにより、かかりやすい場合があります。しもやけを患ったことがある身内がいる人は、遺伝しているかもしれません。

女性

もともと女性には冷え性の人が多いことと、細いパンプスや締め付けがきつい下着、薄着などによりしもやけになりやすいといえます。

水仕事の多い人

手足が濡れることが多い人は、よく拭かずにいるとしもやけになってしまう場合があります。

汗かきの人

汗をかいた後、よくふかずに濡れたままにしておくことで、しもやけになりやすくなります。

子どもは特にしもやけに注意

自己調整機能や免疫力が低い上に、汗かきで、夢中になると寒さも忘れて遊んでしまう子どもは、大人よりもしもやけになりやすいといえます。

また、かゆみが我慢できずに掻きこわして症状が悪化してしまうことがあります。

子どもがしもやけになったら早めに手当することが何よりも大切です。ステロイド剤などを子どもに使うのが心配な場合は、薬局でよく相談するか早めに皮膚科を受診しましょう。

しもやけの治療法

しもやけ5

原因である末梢の血行をよくすることが大切です。以下に、自分で出来るしもやけの改善法をご紹介します。

ただし、効果がない場合や、症状が悪化して水疱やただれが出来た場合などは、早めに皮膚科を受診しましょう。

塗り薬を塗る

しもやけが出来ていることに気が付いたら、血行を促進するビタミンEなどの成分が入っている保湿クリームなどを塗りましょう。薬局で相談するか、しもやけ用と書いてあるものを探します。

かゆみが強い場合には、炎症を抑える効果のあるステロイド入りのクリームを使う方法もあります。

足浴、手浴をする

また、血行を改善するために行われている民間療法として、患部をお湯と水に交互につけるという方法があります。

洗面器などにぬるめのお湯と水を用意して(足の場合は足首までつかる程度の量)、2~3分ずつ、5回程度繰り返します。

患部より上の大きな関節を動かす

しもやけが手指に出来た場合は肩、足指に出来た場合は股関節など、末端の血管の血流が滞っている場合は、その上の血管の血流も悪くなっていることがあります。

肘や肩をグルグル回したり、屈伸などをして、末端までの血流を改善しましょう。

日常生活でできるしもやけ予防法

しもやけ2

しもやけになりやすい人は、一度治っても何度も繰り返す場合があります。普段の生活の中でしもやけを予防する習慣を身につけましょう。

防寒対策をする

外出する際は、手足を冷やさないように手袋やマフラー、帽子、耳あてなどをして寒さ対策をしましょう。

きつい靴や下着は避ける

足先をしめつけるような細い靴、ゴムがくい込むような靴下、サイズに合わなかったり補正用のきつい下着などは血流を阻害します。

濡れたままにしない

水仕事のあとや汗をかいたあとは、すぐに拭くか下着を変えるなどして濡れたままにしないようにしましょう。

また、冷えを予防するために厚手の靴下などを重ね履きしている場合、逆に汗をかいた状態で放置してしまうことがあります。重ね履きはゆるめのものを2枚程度、汗をかいたらすぐに取り換えるのを忘れないようにしましょう。

特にこたつを使っている人は、足に汗をかきやすく、こたつで寝てしまうと汗をかいたままの状態がそのままになりがちになるので、注意しましょう。

お風呂にゆっくりつかる

シャワーなどで済ますよりも、ゆっくりとお風呂に入る習慣をつけましょう。全身つかるよりも半身浴のほうが心臓に負担をかけずに長く入れるので、血流の改善に効果があります。

お風呂上りには、拭き残しのないように、全身をしっかりと拭きましょう。特に足指の間などは拭き残してしまいがちです。足指の間までタオルでやさしく水滴を除きましょう。

適度な運動

デスクワークなどで座りっぱなしの人も、血流が滞ってしまいがちです。また、運動不足により筋肉量が低下することも血流が阻害される原因となります。

デスクワークが続く場合は、気がついたときに肩を回したり、屈伸運動をしましょう。また、エスカレーターを使わずに階段を使う、時間のあるときに一駅分歩いたり、散歩をするなど、無理のない範囲で運動するように心がけましょう。

ただし、歩いたりして汗をかいた後は、下着を変えたり汗を拭くのを忘れずに。

食生活の改善

毎日の食事でも、出来るだけ血行を改善する効果のあるものを食べるように心がけましょう。抗酸化作用で知られるビタミンEには、血行の改善を促進する働きがあります。

ビタミンEは植物油やナッツなどのほか、かぼちゃやほうれん草などの野菜、卵やレモン、キウイフルーツ、いわしやうなぎ、たらこなどに多く含まれます。いつもの食卓に、こうした食材を使ったものを増やすことで、しもやけの予防につながります。

また、ビタミンEは単体で摂るよりも、ビタミンCと同時に摂ったほうが、体の中で効果的に働くことが出来ます。ビタミンCはパプリカや芽キャベツなどの野菜、ゆずやレモンなどの果物に多く含まれます。

ちなみに、アルコールや香辛料はかゆみを悪化させる原因になるので、しもやけが出来ているときは避けましょう。

まとめ

たかが、しもやけと侮ることなかれ。しもやけは日常生活に支障をきたす、ツライ症状です。体質や遺伝によって、同じ状況でもなりやすい人となりにくい人がいるので、家族などのしもやけで悩んでいる人がいる場合は特に要注意です。

初期のうちは、自分でケアすることで症状の悪化を防ぐことができるので、しもやけが出来てしまった場合は、早めの対処が必要です。また、つらい症状を繰り返さないためにすぐに出来る予防法もあります。症状が悪化した場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。

  
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