前よりハッキリと物が見えなくなった、なんだか目が悪くなったと感じる方、原因は普段の生活習慣にあるかもしれません。目が悪いといわれる中にも近視、遠視、乱視などの種類がありますが、この中でも、近くはよく見えるのに、遠くが見えずらいという近視により視力低下が落ちている日本人が多いです。
この近視になる原因は親からの「遺伝説」と生活環境や習慣によって発生する「環境説」があります。原因となる比率は、遺伝による原因が10パーセント、環境による原因が90パーセントといわれ、環境が大きく関っていることが分かります。
その為、あなたの生活環境や習慣を少し変えるだけで、視力低下を防げたり、回復できます。今回、普段の生活が引き起こす視力低下の4つの原因と解決法、また視力低下が関係する病気をご紹介します。
視力が低下する原因は一体何?
あなたの普段の生活から発生する、視力低下の主な原因4つをご紹介します。
姿勢が悪い、寝転がって何かする
姿勢が悪いことが直接視力の低下に原因しているということを、意外に思う方は多くいます。
しかし、視力の低下と姿勢が悪いことは深く関係します。
それは目と物との距離が近づくことが原因となります。姿勢の悪い状態でパソコンを前にしたり、寝転がりながら本を読んだりと物との距離が近くなればなるほど、目のピントを合わせる筋肉(毛様体筋)が緊張状態になり、急激な視力の低下を引き起こします。
また、その他にも、寝転がって本を読んだりすると、物への距離が左右ともに差が生じてしまい、このようなことが習慣ついてしまうと、乱視の原因も引き起こします。
長時間のパソコン、携帯、テレビ、ゲーム、読書
視力低下の大きな原因の1つとなるのが目の使いすぎです。長時間のパソコン作業や、携帯の利用、テレビ視聴、読書にゲームなど、長時間近くの1点だけを見つめていると、目の周りのレンズを調整している外眼筋という筋肉が、伸び縮みすることなく、硬直した状態になります。
そうなると、目のピントが合わせずらくなり、視力の低下に繋がります。また、集中している時は瞬きの数が極端に減り目を疲れやすくします。
小さい頃に先生や親に「長時間TVを見たりゲームをしないで」といわれたことはありませんか。思い返してみれば、それは視力低下を心配しての一言でしたよね。
また、長時間のこれらの作業は、血液をドロドロにする活性化酸素が発生するので、1日○時間だけと時間を決めて行い、1時間に1回は目を休ませるなど、リラックスタイムを取ることが重要です。
ストレス
心因性のものが原因で視力が低下する場合があります。こちらは心因性視力障害と呼ばれるもので、眼球や神経系には全く問題ないのに、脳に負担がかかり、視力が低下します。
実際は見えているのに、見えない状態になるということです。心因性視力障害は、授業中に黒板の字がぼやけて見えたり、テストの時に問題が読みづらくなるなど、時間や場所によって変化することが特徴として挙げられます。
その為、一時的なものとして、見逃しがちですが、ストレスの原因をきちっとつかんで、対応することが必要になります。
偏った食生活
偏った食生活というのは、内臓などの体内の機能に影響するだけでなく、視力低下にも大きく関ってきます。栄養が偏ると、血液をドロドロにする活性化酸素が大量に発生するので、血流が悪くなります。
特に目の周りには、毛細血管という非常に細かい血管が多く集まっており、血管が詰まりやすい場所でもあります。目に血液が行き届かないと、目の機能が正常に働きません。バランスの良い食事を心がけて活性酸素の大量発生を防ぐ必要があります。
視力低下を防ぐ・回復するには?
低下してしまった視力をこれ以上悪化させないように防いだり、視力を回復させる解決法をご紹介します。
姿勢を良くする
姿勢が悪いといって思いつくイメージは猫背がイメージしやすいのではないでしょうか。猫背をつくってしまうことで、物との距離が近くなり、視力低下につながります。
その為、猫背をつくらないように工夫することがポイントとなります。まずは、寝転がったりして何かをするということを止め、細かい作業や文章の読み書きをする場合は、必ず電気をつけて、机の上で作業を行うように意識しましょう。
次に、机と椅子の距離は正しい位置にあるか、確認してください。椅子が少し高いだけでも、前かがみになって猫背の姿勢をつくってしまいます。また、机や物との距離も重要です。
机とあなたの距離は拳一個分あけ、物との距離は40cm以上離すことを目安に作業を開始してください。椅子の上に置くクッションはインターネット通販などで簡単に手に入る、骨盤矯正や姿勢が正せるような固めのクッションを置いておくとより効果的です。
目の周りの筋肉の凝りをほぐす、マッサージする
また、日頃から目を休める習慣を身につけましょう。例えば、1時間に1回は遠くをみたり、目の周りの筋肉の凝りをほぐしたりと、目への負担を減らすことが重要です。
今回は、空いた時間に簡単にできる、目に効果的なストレッチ方法をご紹介します。
■目に効果的なストレッチ方法
- 目を5秒間ギュッとつぶって、5秒間思い切りパッと見開く
- 目を上、下、右、左などに∞(無限)を描くようにグルグル回します。反対周りも同様に行います。
- 目の周りには目のつぼがたくさんあります。目頭から目じりにかけて少しきつめにグッと押し流し、目の周りをマッサージしましょう。
※マッサージの際に、眼球を押したり目はこすったりしないで下さい。 - 頭、肩などをほぐしましょう。疲れ目は単に目が疲れるだけでなく、頭痛や肩こりを引き起こします。その為、体全体の血流をよくすることも重要です。
- 目の上に温タオルを置き5分間目をつぶりながらリラックスしましょう。目の血行をほぐします。
- 目が充血している場合は、冷たいタオルを目の上に置き、目を冷やしましょう。
目が疲れたなと感じていない方も、このストレッチを最低でも1時間に1回、作業時間の合間に取り入れて、目を休ませてください。
目に効果的な食事を取り入れる
疲れ目に効く食べ物、あなたはいくつ知っていますか?ブルーベリーが代表的な例ですが、他にも目に効果的な食事はあります。
目に効く食材には、水晶体や網膜を構成するタンパク質や、眼球の筋肉の働きを高めるビタミン・ミネラルを多く含んでおります。
また、視力低下の原因の1つとなっている活性酸素の大量発生を抑制する抗酸化作用を含んだ食材もあるので、普段の食生活に積極的に取り入れ、疲れ目を予防しましょう。
■眼精疲労やドライアイに効果的な栄養素と代表的な食べ物
1、アントシアニン
アントシアニンは、活性酸素を撃退する抗酸化作用を持つポリフェノールの一種です。ビルベリー、カシス、ブルーベリー、ブドウ、黒豆、黒ゴマ、赤シソなどに多く含まれています。
ビルベリーはブルーベリーの5倍のアントシアニンが入っていると今注目されている食材です。
2、ビタミンA
ビタミンAは目に潤いを与える働きをします。ビタミンAが減ると、涙の分泌量が減ってしまい、ドライアイになりやすくなります。
鶏肉、豚肉、牛肉などのレバー、かぼちゃ、にら、モロヘイヤ、マンゴー、うなぎ、あんこうの肝などに多く含まれています。
3、ビタミンB郡
ビタミンB郡は、目の疲れを取り、充血、炎症、視力低下を防止する効果があります。
ビタミンB郡の中で特に目に関ってくるものは、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12です。
ビタミンB郡は体内にとどめることが出来ずに、時間が経つと排出さるので、毎日の食事に入れて、こまめに摂取することが重要です。
豚肉、玄米、ほうれん草、まぐろ、バナナ、牡蠣、チーズなどに多く含まれています
4、ビタミンE
ビタミンEは活性酸素を撃退する、強力な抗酸化力が含まれています。
アボガド、うなぎ、いか、えび、かずのこ、かぼちゃ、ほうれん草、植物オイルなどに多く含まれています。
5、亜鉛
亜鉛やセレンなどのミネラルは、白血球を助ける働きがあり、活性酸素の害から守ってくれます。
海草、長ねぎ、チーズ、大豆、豚レバー、ほや貝、牛肉、たまごなどに多く含まれています。
亜鉛については、亜鉛の効果について!不足する原因や多く含む食べ物を紹介!を参考にしてください。
■近視抑制に効果的な栄養素と代表的な食べ物
1、アントシアニン
アントシアニンは、抗酸化作用を持つポリフェノールの一種です。
ビルベリー、カシス、ブルーベリー、ブドウ、黒豆、黒ゴマ、赤シソなどに多く含まれています。ビルベリーはブルーベリーの5倍のアントシアニンが入っていると今注目されている食材
2、DHA・EPA
DHA・EPAは細胞膜の構成要素の1つであり、網膜の機能改善の必要不可欠な栄養素です。
これらの栄養素はアジ、イワシ、サバ、サンマなどの青魚に多く含まれていることで有名ですが、他にもうなぎ、サケなどからも摂取できます。
これらの栄養素の含まれたサプリメントや食材を積極的に取り入れて、疲れ目とサヨナラしましょう。
視力低下が関係する病気とは?
視力低下の中でも、ただの視力低下でなく病気が原因で起こるものがあります、視力低下の病気にはその他にも特徴があるので、これらの特徴を感じた方は、眼科医にすぐに相談してください。
緑内障
緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という部分に障害がおこって発生する病気です。目の硬さである圧眼が、耐えられる圧眼よりも上昇することが原因となります。
症状として、視力低下だけでなく、視野が狭くなるといった視野の異常が起こります。ほっておいて、悪化すると失明する危険のある病気の為、少しでも異常を感じたら、医師に相談しましょう。
治療方法は、眼圧を下げる効果のある目薬を点眼もしくは手術による治療方法があります。
詳しくは、緑内障は治るのか?原因や症状、治療方法について!を読んでおきましょう。
白内障
白内障とは、眼の中のレンズの役割をする水晶体が白く濁ってしまう病気です。加齢によるタンパク質の異常変質が原因となり、発症します。初期状態はあまり症状がありませんが、明るいところでまぶしいと感じます。
症状が進むと視力低下やひどいかすみ目の状態になります。治療方法は、まずは適度な運動やバランスの取れた食事などのアンチエイジングや進行抑制などの薬がありますが、一度なってしまった、白内障は残念ながら薬では戻らないです。その為、手術が必要になります。
黄斑変性症
黄斑変性症とは、黄斑(おうはん)と呼ばれる物をみるのに一番重要な部分に異常がきたし、視力を失う病気です。加齢により、眼中の網膜にある毛細血管が目詰まりして、酸素や栄養素を含んだ血流が流せなくなることが原因で起こります。
視力低下以外の症状として、物がゆがんで見える、視野の中心が黒くぼやけるなどが挙げられます。治療方法は、まずは血流をよくすることが重要で、食生活を見直し、栄養素を積極的に摂取することが大事になります。
その他には、症状によって異なりますが、レーザー治療、薬物治療、放射線治療などが挙げられます。
これらの他にも、糖尿病や白血病、脳の異常から視力に影響を及ぼすことがあるので、不調を感じたら、医師に相談してください。
まとめ
■視力低下の原因
・姿勢が悪い、寝転がって何かする
・長時間のパソコン作業やテレビ視聴、ゲーム、読書
・ストレス
・偏った食生活
■視力低下を防ぐ・回復する方法
・姿勢をよくする
・目の周りの凝りをほぐす・マッサージ
・目に効く食事を取り入れる
■視力低下から考えられる病気
・緑内障
・白内障
・黄斑変性症
以上が今回のまとめ記事になります。視力予防・回復のポイントは、目をあまり酷使せずに規則正しい生活を心がけることです。また、視力が低下していることをほっとかず、メガネやコンタクトを利用し、目を疲れにくくすることも大切です。
強すぎても弱すぎても目を疲れさせる原因になるので、必ず眼科医と相談して自分に合った度数を見つけてください。
半年に1回など、定期的に眼科医で度数のチェックを行い、相談されることをおすすめします。視力低下以外にも他の症状を感じた場合は、すぐに掛かりつけの医師に相談してください。