硝子体出血の手術の方法について!原因となる病気や症状は?検査方法も紹介!

私たちの身体のあらゆる部分を丁寧に見ていくと、それらが実に上手く造られていることがわかります。例えば、口の中には舌や粘膜があり、言葉を発したり、食べ物を食べ、味を感じることができます。これは、それぞれが機能を果たしているからこそ叶うものなのです。

そして、目も、よく見ると、非常に神秘的な構造になっています。表面からだけではわかりませんが、まぶたの奥には眼球があり、「硝子体」というゼリー状の組織が膜に包まれるようにして存在しています。

しかし、何らかの原因で生じた出血が、硝子体に入り込んでしまうことがあります。それが、今回のテーマでもある「硝子体出血」と呼ばれる症状です。

ここでは、硝子体出血が生じた際に現れる症状や、その原因についてなどを、詳しくご紹介いたします。

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硝子体出血について

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硝子体以外にも、目には様々な組織があり、それらが全て正常に機能していなければ、視覚に何らかの異常が出てきます。

症状についての詳細をご紹介する前に、まずは、硝子体がどのようなものなのか、あるいはどのような働きをしているのかについて確認しながら、硝子体出血の状態について、ご紹介いたします。

眼球の構造

私たちの黒目部分にあたるところには、「水晶体」と呼ばれる組織が存在しています。ものを見るときにレンズの役目をする非常に大切な組織です。

水晶体は、硝子体というベッドに包まれるように存在し、レンズに入る光を調整するための「虹彩」や、ピントを調整するための「毛様体」、「脈絡膜」から成るブドウ膜と呼ばれる膜で覆われています。

その内側には「網膜」、外側には「強膜」が眼球を包み込むようにして囲んでおり、脳に信号を送ったり、眼球を守るといった役割を担っているのです。

そして、まぶたが眼球全体を包み、外傷や乾燥、寒さから守っているというわけです。

硝子体の構造と働き

水晶体を支えるように存在する硝子体の成分は、99%以上が水分だと言われています。無色透明でゼリーのような形状をしたその組織は、眼球の大部分を構成しており、

  • 眼球の形を維持する
  • 弾力性を維持する
  • 水晶体から入り込んできた光を網膜に届ける

などの重要な役割があり、視界に大きく影響しています。

硝子体出血とは?

硝子体出血とは、前述のとおり眼球内で起きた出血が硝子体に入り込んでしまう症状です。ほとんどの場合、出血そのものは比較的短期で治まるのですが、ゼリーのようにドロッとした硝子体の中に血液が混じってしまうと、吸収するのに約2~3ヶ月はかかるようです。

無色透明で、網膜に光を送り届けるための組織がこのような状態になると、光を上手く届けることができず、様々な症状が出てきます。また、放置しておくと、失明の恐れもあるのです。

どのような症状が出てくるのか?

硝子体出血を起こした場合、視覚が正常に機能していれば、程度の差こそあるものの、明確な自覚症状が現れます。

  • 飛蚊症
  • 視界がぼやけて見える(霧視)
  • 視野が狭くなる(視野欠損)
  • 視力低下

以上のような症状が現れた場合、硝子体出血を起こしている可能性が高いと言えるでしょう。出血量が少量の場合によく見られる症状が、最初にあげた「飛蚊症」と呼ばれる症状で、目の前に細かな塵や蚊が飛んでいるように見える症状を示します。

また、出血量が多ければ、視野欠損などの症状が見られ、その様子を、「突然視界に墨が流れ込んできたように影が見えた」と訴える人もいるようです。

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硝子体出血の原因は?

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硝子体出血は、いずれかの組織で生じた出血が起因しています。すなわち、硝子体出血の原因を探るには、どこから出血しているのかを知る必要があるということです。

ここでは、出血する血管部位で項目に分け、硝子体出血を引き起こす可能性のある疾患について、ご紹介いたします。

新生血管から出血するケース

これは、通常のような健康な血管ではなく、非常に脆い「新生血管」と呼ばれる血管から出血が起きるケースです。具体的な疾患としては、以下のようなものがあげられます。

<糖尿病網膜症>

これは、糖尿病によって、血糖値が高い状態が継続し、徐々に網膜の血管が傷ついたり、新生血管が出現する病気です。進行性の疾患で、

  • 単純網膜症(網膜血管の傷害が見られるものの、まだ自覚症状が見られない)
  • 増殖前網膜症(症状が進行し、軟性白斑や静脈異常などの症状が出る)
  • 増殖網膜症(さらに症状が進行し、酸素不足で新生血管が現れ、硝子体出血が見られる)

というように、放置しておくと、どんどん悪化してしまいます。しかし、症状は、網膜症がかなり進行した状態になるまで出てこないため、気付いたときには、すでに重症化しているというケースが多いと言われています。

詳しくは、糖尿病網膜症の症状とは?種類によって変わる治療方法!を参考にしてください!

<網膜静脈閉塞症>

私たちの身体には、全身の末端部分や細かな場所にも血管が通っており、酸素や栄養素を届けています。網膜にもまた、血管は通っており、心臓へとつながっているのです。

網膜静脈閉塞症は、網膜から心臓へ向かう「静脈」が詰まってしまう病気で、極度の虚血状態を招くため、新生血管が出現しやすい環境になってしまうのです。網膜血管炎や、網膜に腫瘍ができてしまうと、静脈閉塞を招きやすいと言われています。

新生血管が出現し、それらが破れると出血するため、硝子体出血を招きやすくなってしまいます。

<加齢黄斑変性>

網膜の中心部分には、「黄斑」と呼ばれる視細胞が集中する大変重要な場所があります。加齢黄斑変性とは、加齢によって黄斑に色素異常や沈着物などが発生し、視界の歪みや、視界の中央が見えにくくなる「中心暗点」などの症状が見られる病気です。

それらの症状の一つとして、新生血管の出現があり、そこから血液が漏れ出すと硝子体出血が見られるようになります。

正常な血管から出血するケース

これは、血管自体にはとくに問題ないものの、何らかの原因で血管が傷つくため、出血するケースです。このような状態を引き起こす具体的な疾患としては、以下のようなものがあげられます。

<網膜裂孔>

「裂孔」とは、亀裂や穴のことを示し、網膜が何らかの原因によって傷ついてしまった状態を「網膜裂孔」と呼びます。このような状態になると、網膜が色素上皮から剥がれてしまう「網膜剥離」を誘発しやすくなり、視力低下などの症状を招きます。

とくに、極度の近視の場合は網膜も薄くなるため、激しい衝撃などを受けると、すぐに萎縮し、裂孔が生じやすいのです。このように、網膜に裂孔ができた際に生じた出血によって、硝子体出血を招くことがあるようです。

<後部硝子体剥離>

硝子体は加齢とともに液化します。本来、網膜と硝子体は常に密着した状態にあるものですが、硝子体の液化が進むと、網膜から剥がれてしまうことがあります。

このとき、硝子体があまりにも強く網膜を一緒に引っ張ってしまうと、硝子体出血を招くケースがあると言われています。

その他のケース

新生血管や、正常な血管の傷害以外にも、硝子体に血液が混じるケースがあります。なかでも、くも膜下出血による硝子体出血は、代表的な症例と言えるでしょう。

くも膜下出血とは、脳のくも膜と呼ばれる膜の下に出血し、脳脊髄液にその血液が混じってしまう病気です。この際に生じた出血が硝子体に及ぶと、硝子体出血が起こるケースもあるようです。

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硝子体出血の検査

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適切に治療を行うためには、まずは硝子体出血が起こっている原因を正確に把握しなくてはなりません。硝子体出血の場合、眼科検診だけではなく、ほかの科での検査が必要になることもあるようです。

それでは、硝子体出血の検査方法について見ていきましょう。

視力検査

片目を隠しながら、文字や記号がはっきり見えるかなどの、一般的に認知されている視力検査のほかにも、視力検査にはいろいろなものがあります。

動体能力を調べるための静止・動体視力検査や、近見・遠見視力検査、そして、中心・中心外視力検査も重要な検査になります。

視力や視野に異常がないかといった検査と並行して、後の項目にあげる検査も並行して行います。

眼底検査

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、眼底検査とは、その名のとおり、専用のカメラなどを使用して、網膜血管の状態を診るための検査方法です。

「散瞳薬」と呼ばれる瞳孔を開くための薬を点眼して行うのですが、この検査を行ったあとは、瞳孔を自分では調整できない状態が3~6時間継続します。そのため、景色が眩しく感じたり、身体をどこかにぶつけやすくなるなどの現象が見られますので、車の運転などは避ける必要があるでしょう。

また、時間が経てば、これらは自然に治まりますので、心配する必要はありません。詳しくは、眼底検査でわかることは?検査方法や注意点を知っておこう!を参考にしてください!

OCT検査

出血が少量の場合は眼底検査のみでも原因を特定することができますが、出血が多量に及ぶ場合には、血液が邪魔をして、眼底検査だけでは目の中の様子を確認することができないことがあります。

その場合、光の干渉性を利用して、組織の断層を調べることができる「OCT検査」という検査が行われます。網膜の断層を観察することで、出血の範囲や深さなども詳しく知ることができる検査です。

散瞳薬を使用する必要もなく、片目ずつ、専用の機械内の光を見つめる簡単な検査で、所要時間も約10分程度と短時間で終了します。

その他の検査

硝子体出血は、眼科的要因だけではなく、前述のように糖尿病性のものなど、そのほかの疾患が原因となって生じる場合もあります。

そのため、眼科検査以外にも、場合によっては高血圧や糖尿病、血液疾患などの全身の検査が必要になることもあります。これらの結果を全て総合的に見て、硝子体出血が、何に起因して起こっているものなのかを見極めることが大切です。

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硝子体出血の治療法について

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硝子体出血で、とくに網膜剥離や糖尿病網膜症などの場合、そのまま放置しておくと、失明する可能性もありますので、早急に治療する必要があります。

治療は、検査結果で判明した原因や状態によって異なります。それでは、硝子体出血の治療法について、早速見ていきましょう。

自然治癒

これは、出血の程度が軽度の場合に限ります。先にもお伝えしましたが、そもそも、出血自体は、短期間で止まることが多いのですが、硝子体にまで入り込んできた血液が、視野や視力に異常をもたらしています。

これらの血液は、2~3ヶ月という期間を要するものの、体内に自然に吸収されていきますので、出血が軽度の場合は自然吸収を待つ方法が用いられることもあるようです。

しかし、2ヶ月ほど経過しても、出血や視力に改善が見られない場合には、再検査を行う必要があります。

網膜光凝固術

網膜剥離を起こしておらず、網膜裂孔のみの症状が原因で硝子体出血を発症している際には、網膜光凝固術が行われます。すなわち、レーザー治療です。

裂孔部位が広がると、網膜剥離を起こす可能性があるため、まずは裂孔部位の周囲をレーザーで焼き固めていきます。

また、糖尿病網膜症の網膜光凝固術においては、あまり使われていない部分の網膜にレーザーをあてて焼くことで、酸素や栄養の必要量および、老廃物の発生を低減させ、新生血管の発生を予防することを目的とします。

この場合、健康な網膜も一部犠牲になりますが、症状の悪化を防ぐためにはやむを得ません。

具体的なレーザー照射方法としては、麻酔薬を点眼し、安全性と精度を高めるため、専用のコンタクトレンズをつけて行われるのが一般的だと言われています。

網膜裂孔の場合は、裂孔周囲に瘢痕を作ることで、剥離が起きるのを防ぎます。その後、網膜が自然に回復するのを待って、治療は完了となるようです。

人によっては痛みを感じることもあると言われていますが、患者の身体への負担が最小限に抑えられる効果的な治療法です。

硝子体手術

これは、網膜剥離が起きてしまった場合や、経過観察をしても出血が吸収されない場合などに行われる治療法です。硝子体手術では、出血している硝子体を取り除き、網膜剥離を起こしている場合には、それらを元に戻すための手術が併用されることもあるようです。

局所麻酔で行うのがほとんどと言われていますが、最初の麻酔で術中に痛みを感じる場合には、さらに麻酔を追加することでそれらを解消できるようです。

硝子体手術は、以下のような手順で行われます。

<1:眼球に穴を開ける>

麻酔後、手術で使用する医療機器を眼球に挿入するための入口となる穴を、3箇所開けます。眼球に開けた穴には、

  • 眼内を洗浄するための灌流液
  • 眼球内を手術するための照明
  • カッターやレーザーなどの医療機器

以上3点をそれぞれ挿入します。

<2:硝子体切除>

出血部位を切除します。切除した部位には、灌流液が入った状態になっており、増殖膜の切除やレーザー照射などそれぞれの症状に合わせた処置を行っていきます。

<3:眼内を置き換える>

症状に合わせた処置を行った後、必要に応じて、水、空気、シリコンオイル、ガスのいずれかを眼内に置き換えます。ガスの場合は、術後数日感はうつむき姿勢で過ごすことを要されますが、約2週間程度で、自然と眼内の水と置き換わるようです。

また、重症度の高い場合には、シリコンオイルが用いられますが、これは経過を見ながら、再手術で除去する必要があります。

手術をした場合には入院しなければなりません。ガスやシリコンを使用しない場合は最低3日、使用した場合は最低10日の入院期間が必要だと言われています。

さらに、術後、以下のような症状が現れることがあります。

  • 視界に黒い輪のようなものが映る
  • 視界が揺れ動くような感じがする
  • 細かい点が見える
  • 充血
  • 目がゴロゴロする

これらは、いずれの場合においても時間の経過とともに自然と改善します。約半年から1年程度でこれらの症状が改善し、安定してものが見えるようになると言われていますが、場合によっては、治療が完全に終了しても、ものが小さく見えたり視界が暗く感じるといった症状が残る場合もあるようです。

硝子体手術の場合は、術後の姿勢(うつ伏せ、うつ向き、横向き)なども治癒のために重要なポイントになりますので、担当医の指示に従ってください。

そのほかの疾患の治療

糖尿病や高血圧などが原因で硝子体出血が起きている場合、これらの治療は対処療法になってしまいます。何よりもまずは、血管を強くすることが重要ですので、そのためには、大元となる疾患の治療も並行して行う必要があります。

再発を防ぐためにも、原因となった疾患の治療にしっかりと取り組むことが大切です。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。硝子体出血がなぜ起こるのかなどを見ていくと、本当に私たちの身体は、全身くまなく、あらゆるところで繋がり、一部に起きている異常が思わぬところに出てくるのだということがわかります。

ずっと、美しい景色を映し出せるよう、目の健康を保つためにも、普段の食生活や生活習慣には十分に気をつけたいものです。

また、硝子体手術を行った場合、術後1週間は入浴や洗顔は厳禁です。安静に過ごし、目の周りを強くこすらないようにしましょう。

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