よく耳にすることのある蕁麻疹(じんましん)。痒がる子供の身体を見てみたら蕁麻疹が出ている…ということがあります。子供の肌は大人に比べて薄くデリケートで、発疹が現れやすいんです。しかし、侮っていると実は体に起きている異常のサインを見逃してしまっているかもしれません。
そこで何が原因で蕁麻疹が出るのか、蕁麻疹が出てしまった時の対処について書いていきます。
子供の蕁麻疹について
蕁麻疹とは皮膚が赤く発疹のように腫れ、かゆみがあらわれる皮膚病の一種です。子供は皮膚が薄く機能もまだ未発達なため、大人よりも蕁麻疹が出やすいといえます。
なにかによって刺激を受けることで体内でヒスタミンという物質が分泌されます。このヒスタミンによってかゆみなどがあらわれ、蕁麻疹となります。
蕁麻疹の症状
蕁麻疹の症状は皮膚が赤く腫れあがり、かゆみが伴います。場合によっては全身に赤みやかゆみが広がっていくこともあります。基本的には数分~数時間で症状が治まるものが多いですが、中には数日・1週間ほど続く場合もあります。原因となったものによって症状が出ている期間が変わることもあるようです。
蕁麻疹の原因
子供は肌が敏感で反応しやすいため、原因となるものもさまざまです。大人ならなんともないような普段接しているものでも、子供にとっては刺激になって蕁麻疹が出ることもあります。
子供の蕁麻疹の原因として考えられるのは、
- 食物によるアレルギー
- ダニ・カビ・虫刺されなどの外部からの刺激
- 温度の急激な変化
などがあげられます。
このほかにも強い日光による紫外線の刺激、運動によって汗をかく、ストレス、ほかの病気の症状など考えられるものはたくさんあります。
蕁麻疹の中でも危険で、気をつけなければならないのが食物によるアレルギーで出る蕁麻疹です。食べた直後にすぐ症状が現れ、アレルギーの重度性にもよりますが1時間で消えることもあれば1週間ほど続く場合もあります。口の周りを中心に顔全体が腫れ上がったり、全身に症状が広がったりします。
また、風邪をひくことで体内の免疫物質が不安定になり蕁麻疹が出ることもあります。この場合は風邪の症状が落ちつくとともに蕁麻疹も消えていきます。風邪に限らず体力が落ちていると蕁麻疹が出やすくなりますので、注意してみてあげましょう。
子供の蕁麻疹は多種多様なため、蕁麻疹が出る直前に何をしていたかを覚えていると原因を見つけやすくなります。
蕁麻疹の対処方法
蕁麻疹が出てしまった原因がはっきりしているときは、なによりもまずその原因となったものに子供を近づけないようにしましょう。取り除いたり、避けたりしてあげれば蕁麻疹が出ることはありません。
ですが、原因が分からず突然蕁麻疹が出てしまうことも少なくありません。そういった場合にはまず冷たいタオルなどで冷やしてあげましょう。赤く腫れあがった部分はかゆみがあり、熱を持っていることもあります。冷たいタオルで少したたいたり冷やしたりしてあげることで、かゆみが和らぎます。
また、アレルギーによる蕁麻疹が考えられる場合には、できるだけ早く病院を受診しましょう。ただ症状が出る食べ物を避けるだけではなく、はっきりとアレルギーのある食物を明確にしてあげることで蕁麻疹やアレルギー症状の危険性から守ってあげることができます。
アレルギーの中には成長していく過程でアレルギーでなくなるものもありますが、短期間で治るとも必ず完治するとも言えません。なので普段からアレルギー物質を避け、長期的な目で見ていく必要があります。
蕁麻疹の原因を特定するには日ごろから子供をよく観察しておくことが大切です。蕁麻疹が出る直前になにをしていたのか、草むらで遊んでいたのか、布団ではねて遊んでいたのか、何を食べたのかを把握してあげることで危険から遠ざけてあげることができます。
悪化させないために家でできること
赤ちゃんや子供の肌はデリケートでトラブルも多いため、本当に蕁麻疹かどうかを見極めるのは難しいです。蕁麻疹やその他発疹が出てしまわないように予防したり、もし出てしまってもしっかりケアしてあげましょう。
爪を短く切る
大人であれば多少我慢できるかゆみでも、子供にとって「かかないで」というのは無理があります。ましてや赤ちゃんにそれを守ることなんてできませんよね。
かゆいと思って掻いてしまうとそれが刺激になって余計にかゆくなってしまいます。掻きすぎるとそれが傷になってしまうこともあるので、普段から爪を短く切りそろえてあげるようにしましょう。赤ちゃんは無意識にかいてしまうこともあるので、ミトンをつけてあげるのがおすすめです。赤ちゃんの爪切りについては、赤ちゃんの爪切り方法って?上手に切るコツや嫌がる時の対応方法など!の記事を参考にしてください。
写真で残しておく
後日、発疹がおさまってから病院に行っても医師に症状を見せられるように携帯やデジカメで写真を残しておきましょう。子供の蕁麻疹はすぐに治ることが多い反面、再発も多いです。そのためデータで残しておいて、次に同じような症状が出たときの対処方法を聞いておくといいでしょう。
また、発疹のできる箇所によって病名が変わることもありますので、どのあたりにどのような発疹が出たのかも、合わせて説明できるようにしておきましょう。
肌着をこまめに取り替える
汗をたくさんかくと、皮膚はだんだん汚れてきます。また、汗を吸収した肌着をそのままにしていると、吸収した汚れが肌についてしまったり汗で湿った肌着で蒸れたりして、かゆくなってしまいます。
そのため、朝起きたとき・昼寝・運動のあとなどはこまめに肌着を替えて清潔に保ってあげましょう。
冷たいタオルをあててあげる
赤ちゃんはかゆいところに手が届かず、どこがかゆいかも言うことができません。かゆいことを知らせるために泣くこともあります。掻くと悪化してしまうのでまずは冷たいタオルで冷やしたり、冷たいタオルをあてた上から優しくたたいてあげましょう。
夏場は気温の高さで汗をかいて蒸れてかゆがっていることもあります。シャワーを軽く浴びさせて、きれいなタオルで拭いてあげるだけで清潔が保たれてかゆみが治まることもあります。冬場は赤ちゃんが寒くないようにと暖房の温度を上げてしまいがちですが、それも汗や蒸れの原因となってかゆみがますので、熱すぎない程度に調節しましょう。
また、どの季節でも頻繁に着替えさせてあげることで皮膚の清潔を保てます。
無理させない
赤ちゃんや子供は体調が悪いと食欲が落ち、食べる量が減ることがあります。蕁麻疹の時も同様で、口周りの発疹の痛さから食べることを嫌がる子もいます。ですが無理に食べさせるのはかえってよくありません。食べたくないときには無理に食べさせる必要はありませんので、食べないからと言って強要してはいけません。
食べることよりも大切なのはこまめに水分をとることです。お茶やスポーツドリンクなどで水分・ミネラルを補給することを忘れないようにしましょう。
まとめ
子供に突然蕁麻疹が出たら驚いてしまいますよね。ですがあせって病院に行くよりもまずは直前に何をしていたかを思い出して、発疹はどういった状態なのか写真を残しておくことを忘れないようにしましょう。子供の肌は敏感で、小さな刺激に反応しやすいもの。ですから蕁麻疹が出たと思っても、1時間後にはすっかり良くなっているということもあります。また蕁麻疹が出てしまわないように原因となったものを把握しておくようにしましょう。
また子供にとってかくのを我慢しろというのは難しいものです。かかなくても大丈夫なように、爪を切る・冷やしてあげるという対処を大人がしてあげることも忘れないようにしましょう。
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