乳幼児期に見られる肺炎は、お母さんたちには怖いものです。単なる風邪だと思っていたのに、肺炎だったと診断されることも珍しくありません。かつては大病だった肺炎も、今は有効な薬があり、けっして必要以上に怖がる病気ではありません。
とはいえ、早期発見をし、早めに治療をすることに越したことはありません。では、肺炎を疑うときはどんな症状のときか、またその肺炎の種類も含めてご紹介します。
子供がなる肺炎には大きく分けて三種類ある
それぞれの肺炎の特徴を説明します。
ウイルス性肺炎
RSウイルスやアデノウイルス、麻しんウイルスなどが原因の肺炎です。RSウイルスは、流行り風邪のようにしばしばニュースにもなるので、耳したことのあるお母さんも多いのではないでしょうか?初めは普通の風邪だと思っていたのが、こじらせて肺炎になっていたという経緯の多いものです。
ウイルス性と聞くと、肺炎がうつるイメージがあるかもしれませんが、肺炎そのものがうつることはありません。ただし、肺炎を引き起こしたRSウイルスのような風邪のウイルスは、飛沫感染等でうつることはあります。
細菌性肺炎
細菌によって引き起こされる肺炎です。体内に常在している細菌が、抵抗力の低下などにより活性化して罹患します。肺炎球菌やインフルエンザ球菌、黄色ブドウ球菌などがあります。この場合のインフルエンザ球菌は、通常冬に流行るインフルエンザとは違います。
細菌性は、肺炎のなかでも症状が重くなりやすいといわれています。突然の40度近い熱や、ひどい咳が続くことなどが特徴です。重症化すると呼吸困難に陥ることもあるため、早めの受診が必要です。細菌の種類によって、投与される抗生物質が違ってきます。
インフルエンザ球菌と聞くと、冬に流行るインフルエンザはウイルスを思い浮かべがちですが、インフルエンザ球菌は細菌になるので元が違います。また、今は肺炎球菌もインフルエンザ球菌も、予防接種が定期接種になっています。 乳幼児や小さな子供は重症化しやすいこともあり、予防接種は有効な予防手段です。
マイコプラズマ肺炎
幼児期には多い肺炎で、とても身近な菌です。通常は普通の風邪のように思えるのが、いつの間にか肺炎になっていたりもします。 マイコプラズマという名前は、はやり風邪のときに耳にしたことがあるお母さんも多いのではないでしょうか?けっこう身近な菌です。
以前は、四年周期で流行が発生していましたが、近年では毎年増加傾向にあります。マイコプラズマ肺炎も細菌性のものになります。この菌での肺炎は、比較的軽度であることが多いですが、抵抗力の弱い乳幼児や小さな子供は重症化することもあるので、油断は禁物です。
子供が肺炎になるのはどういうとき?
では、なぜ肺炎になるのかの説明です。
風邪をこじらせる
きっかけは普通の風邪だったのに、肺炎に進行するというパターンが多いです。たとえば、RSウイルスやマイコプラズマ感染など、通常の風邪をひいていたものが、なかなか治りきらず喉など気管支の奥まで進むことがあります。
この場合は、それが肺周辺を罹患させていき肺炎となることがあります。風邪をこじらせて肺炎になるのは、こういった場合です。熱が長引く、咳が治まらないといったときは、迷わず再度受診をしてみることも大切です。
常在菌を活性化させる
風邪のウイルスが気管支に入り込むことで、常在菌を活性化させて肺炎を起こすこともあります。また、肺炎球菌やインフルエンザ球菌のように、細菌そのものが肺炎を引き起こすこともあるのです。
乳幼児や小さな子供は抵抗力が弱かったり、高熱などで体力を消耗している場合が多いです。そのようなときに肺炎にかかりやすくなります。普段は元気な子供でも、高熱が続いて体力が低下しているときなど、抵抗力が落ちている場合などにも起こりやすくなります。
肺炎になっているかのサインは?
肺炎を疑う目安のご紹介です。
高熱が続く
一般的な風邪による発熱の期間は、だいたい三日程度と捉えられることがほとんどです。医師も、それを見越した薬の処方をするでしょう。だから、三日も経てば熱が下がるのが通常ですが、肺炎の場合は違います。
肺炎に移行している場合は、四日、五日経っても熱が下がりません。高熱がずっと続いている感じです。通常の風邪の場合は、朝起きたら熱が下がっているのに、夕方にかけてまた上がってきたりします。
ですが、肺炎の場合は、高熱が一日中続いている感じです。また、一時下がったように見えても、平熱までは下がらないのがほとんどです。咳も続いていることが多いので、その際は肺炎を疑って再度受診をしてみましょう。
咳もひどくなる
高熱に加えて、咳もだんだんひどくなっていきます。むせるような咳を繰り返すことが多くなります。脈拍も速くなり、苦しさも感じてくるでしょう。小さな子供は、咳だけでも相当な負担が体にかかります。
夜もなかなか眠れなくなり、疲労でますます体力を消耗していきます。このようにひどい咳が治らず悪化している場合は、肺炎を疑った方が良いでしょう。肺炎かどうかはレントゲンですぐに分かるので、病院で受診をすればすぐに結果が分かります。
子供の肺炎を予防するには?
予防法があるのかのご紹介です。
なかなか難しい
風邪の症状が出たからといって、すぐに肺炎になるわけではありません。ウイルスか細菌性かなどでも、体への攻撃の仕方は違います。初診で肺炎と診断されるよりは、なかなか風邪が治らずに、病院にかかっていたら肺炎と診断されたというパターンが多いようです。
RSウイルスなどは、通常の風邪のまま回復する場合もあるので、経過を見ていくしかない場合もあります。ですが、肺炎を引き起こしている場合は、症状が良くならずむしろ悪化します。様子がおかしいと思えば、すぐに再受診をすることが早い回復の近道になるでしょう。
ただの風邪だと思って油断しない
風邪は万病の元といいます。ただの風邪だと思って油断しないで、しっかり治すことも大事です。無理をさせないで早めに休ませたり、栄養のあるものをできるだけ食べさせたりして、抵抗力をつけたり、体力を消耗させないように努めましょう。
それでも、肺炎になることもあり、どうしようもないこともあります。そのときは、症状の異変を敏感に察して、なるべく早く肺炎の治療を受けさせてあげましょう。肺炎の種類によって、抗生物質も違っていきます。的確な薬の投与で、予後もそれほど心配なく治癒することがほとんどなのです。
完璧な予防というのは、なかなか難しいものですが、早期発見はしやすい病気ともいえます。それにより早期完治もできるのです。
まとめ
いかがでしょうか?なかなか肺炎とすぐに診断するのが難しいのが現実です。肺炎になったからといって、お母さんが自分を責める必要はありません。ほとんどが風邪がこじらせて肺炎になる場合が多いのです。
だから、高熱が続いたり咳がおさならないときは、なるべく早めに再度受診をするようにしましょう。 肺炎の種類によっても投与する薬の種類は違いますが、抗生物質が効果的でそれぞれに適する薬があります。
早期に発見できれば、予後もそれほど影響がありません。 風邪の症状に注意しながら、高熱が続いたり咳が治らないなどの症状に注意をしていけば、それほど怖い病気ではありません。大切なのは、早く治療を受けさせてあげることです。
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