突然おなかがゆるくなってつらい思いをしたことのある人は多いのではないでしょうか。通勤中の電車内、大事な会議の途中、同僚の結婚式の最中など、トイレが無い場所や席を離れづらい状況でお腹がゆるくなると大変ですよね。
しかし、お腹がゆるいという症状の裏側には大きな病気も隠れている・・・?たかがおなかがゆるいだけだろうとその場を凌いで症状をほったらかしにしていると思わぬ事になることもあるのです。
そこで今回はお腹がゆるくなる原因、また、その対処方に関する記事を書いております。お腹の調子が気になる方は是非読んでみて下さい。
お腹がゆるくなる原因は?
お腹がゆるくなるにはどのような原因があるのでしょうか。まずはその原因を見てみましょう。
腸内環境の乱れ
腸の中にはなんと100兆個!、100種類を超える腸内細菌という細菌が住み着いており、それらの菌は主に、
・腸内を弱酸性にし、悪玉菌の繁殖を抑えたり、炭水化物をビタミンBや酢酸など、多くの有益物質に変え、身体に与えてくれる働きをする、ヒトの身体にとって有用な善玉菌
・肉や脂肪を腐敗させ、コレステロールやアンモニア、さらには発がん性物質を作る、ヒトの身体にとってマイナスな作用をもたらす悪玉菌
・善玉菌でも悪玉菌でもない日和見菌。この日和見菌というのは腸内細菌のおよそ7割を占め、善玉菌が優勢であれば善玉菌のサポートを、逆に悪玉菌が優勢であれば悪玉菌のサポートをするという細菌です。全体数を占める数が大きいため、日和見菌が悪玉菌側につくと腸内環境は一気に悪くなってしまいます。
以上のの3種類に分けられます。
この中の善玉菌は悪玉菌と常に戦っており、善玉菌が減ると悪玉菌が腸内で台頭し、ヒトの身体にとって有害な作用をもたらします。そのため、腸内環境が悪くなると、悪玉菌を排出するために下痢を起こしやすくなるのです。
乱れた食生活
アルコール類や、コーヒーに含まれるカフェイン、胡椒や唐辛子に代表される刺激の強い香辛料など、腸に刺激をもたらす食物を摂ると、腸はそれらをいち早く便として外に出そうとするため、本来便と合わさるはずだった水分が十分に合わさらずに、便と一緒に排出される、いわゆる下痢の症状の原因となります。
また、悪玉菌は肉や揚げ物などの脂肪をエサとして、人体に有害な物質を生み出すので、肉食が多い方もお腹がゆるくなりがちとされています。
不規則な生活リズム、ストレス
睡眠不足や睡眠時間のばらつきなどの不規則な生活リズム、仕事や人間関係などのストレスが重なると、腸の機能は低下してしまい、水分を十分に得る事ができないため、やはり下痢の症状を起こす原因となってしまいます。
お腹がゆるくなるのを防ぐ対処方法は?
さて、ここからは対処方法を書いていこうと思います。
善玉菌を増やす
善玉菌を増やして、腸内環境を整える事はとても大事な事です。善玉菌は腸内を弱酸性に保つ習性があり、悪玉菌の繁殖を抑制するほか、腸内の蠕動運動を活発にし、有害物質を排斥するという、人体にとってプラスの作用をする大事な菌で、その善玉菌が増えればそれだけ悪玉菌の活動の場を減らすことにり、結果悪玉菌排出のための下痢も起こらなくなります。
また、善玉菌が腸内で活躍すれば、それに追従して日和見菌も善玉菌のサポートをして、腸内環境は良くなるので、是非とも善玉菌を増やしていきましょう。
・効率的な善玉菌の増やし方
誰もが耳にしたことのある「乳酸菌」は代表的な善玉菌の一種なので、乳酸菌を多く含む食品を摂る事で腸内の善玉菌を増やすことが出来ます。
乳酸菌を多く含む食品を挙げますと、ヨーグルト、チーズ、それに味噌、キムチ、ぬか漬けなどの発酵食品、それに近頃ですと、調味料として販売もされている「麹(塩麹)」にも多くの乳酸菌が含まれています。
乳酸菌というとヨーグルトが代表的な食品として挙げられますが、実はキムチにも同じくらいの乳酸菌が含まれています。ただし、キムチには唐辛子という刺激性の強い香辛料が使われているので、辛すぎるキムチを摂取し続けるのは控えた方がいいかもしれません。
また、「ヤクルト」などに代表される乳酸菌飲料にもその名の通り乳酸菌が含まれているのでサポートとして飲んでみてはいかがでしょうか。「生きたままお腹に届く」などのキャッチフレーズを聞いたこともある方は多いのではないでしょう。何だか心強いですよね。
さらに、今では多くの有用なサプリメントで手軽に欲しい栄養素を摂ることが出来ます。有効活用してみるのもいい方法だと思います。
・善玉菌である乳酸菌の活動をサポートしよう
乳酸菌のエサはオリゴ糖で、オリゴ糖を摂ることで乳酸菌の活動を活発化させることが出来ます。乳酸菌はオリゴ糖を人体にとって有益なビタミンB、乳酸、酪酸などに変えて身体に与えてくれるほか、腸内を弱酸性にして、悪玉菌の繁殖を抑えてくれたり、蠕動運動を活発化させて、有害な物質などを体外に排出する働きを強めてくれます。オリゴ糖を多く含む食品には、リンゴ・ハチミツ・ポン酢などがあります。
・悪玉菌をやっつける!?納豆菌の活躍
そして、納豆に含まれる納豆菌は、何と悪玉菌を退治してくれる優れものです。納豆を食べる習慣を身につけるとよいでしょう。
腸内環境に悪い食生活の改善
お酒に含まれるアルコールやコーヒーなどに含まれるカフェインは腸に刺激を与え、腸本来の機能を損なわせます。さらにお酒の量を減らすのは、腸内環境だけでなく、身体全体にとって大切なことです。少しずつでも良いので減らしてみることを心掛けてみましょう。
コーヒーからカフェインを摂っている方は、コーヒーよりカフェイン含有量の低い飲料、またはノンカフェイン飲料に変えてみてはいかがでしょうか。
コーヒーのカフェイン含有量はおよそ150ミリリットル中100ミリグラムで、ココアや抹茶などはおよそ半分の50ミリグラムです。その他、紅茶、ウーロン茶、緑茶、ほうじ茶などは30ミリグラム、そして麦茶、杜仲茶、黒豆茶、ハーブティー、ルイボスティーに至っては0ミリグラム、つまりノンカフェイン飲料です。
ただし玉露茶はお茶の中で例外的におよそ200ミリグラムと倍ほどのカフェイン含有量で、コーラも130およそミリグラムとコーヒーより高いカフェインを含んでいるので注意しましょう。腸に刺激を与えるという点では、過度の香辛料の使用も控えた方がいいですね。ラーメンやうどんに胡椒や唐辛子をたっぷりとかけるのは控えましょう。
過度な肉食は避けましょう。肉食が過ぎると余分なコレステロールなどと共に、本来小腸で吸収されるアミノ酸が大腸まで流れ込み、それをエサとして悪玉菌は様々な有害物質を生成、放出するからです。
食物繊維は摂りすぎてもお腹がゆるくなる一因になるのですが、便と水分を繋いで、理想的な便を形成するという役割があるため、全く摂取しないというのは好ましくありません。根菜を中心に適度な摂取を心掛けましょう。生野菜は胃腸への負担が大きいため、野菜を摂取する時は温野菜の方が好ましいです。
ある程度の食物繊維は必要ですが、それも過剰摂取すると便が進みやすくなるため、摂取は程々にしましょう。
また、取り入れるべき食品の中にはアレルギーなどによって、症状の悪化を招くものもありますので、自分の体質に合わない物の摂取は控えましょう。詳しくは、下痢にいい食べ物、悪い食べ物を紹介!ヨーグルトはダメ?の記事を参考にしてください。
生活リズムの改善
・まず第一に「睡眠をしっかり取る」
睡眠不足は腸だけでなく、身体中のどの箇所においてもマイナスです。次の日に疲れを残さないくらいの睡眠はしっかり取りましょう。
・その次は「ストレスを取り除く」
人間、日々様々な形でストレスを感じるものです。仕事がきつかったり、あるいは仕事場、プライベートにおける人間関係が上手くいってなかったり、多額の謝金を抱え、途方に暮れている等々、ストレスの形は多様で、また突然解消するのは難しいものばかり。
そこで、一度に解決、解消しようとせずに、計画を立て、時間をかけてでも確実にストレスの元を絶つ様な生活を心掛けてみてはいかがでしょうか。
それでも改善が難しいようならば、それを補うように、食事によって良質な乳酸菌を摂り、腸内環境の改善に努めましょう。
もしかしたら大きな病気のサインかも?
腸内の保菌率は人によってまちまちなので、上記の方法にも個人差が生じると思いますが、それでも一向に改善が見られない、むしろお腹がゆるくなる頻度が上がる、などの症状をお持ちの方はもしかしたら大腸ポリープ、あるいは大腸がんの疑いがあります。
大腸の中にポリープやがんが発生すると、発生した腫瘍の分だけ便の通りは悪くなりますが、腸は便の排出を続けるためそこで水分の吸収をやめてしまうため、便と水分が混じり合わず、お腹がゆるくなります。また腫瘍によって狭くなった腸内で詰まった便を排出させるため、蠕動(ぜんどう)運動が強くなり、頻繁に腹痛を伴いがちになります。
このため、長期の継続的にわたるお腹のゆるみはポリープやがんの前兆かもしれません。「たかがお腹がゆるいだけ」とタカをくくっていると思わぬ大病へと発展する恐れがありますので、毎年のがん検診はもちろん、「おかしいな」と思ったらすぐに病院に足を運びましょう。
まとめ
お腹がゆるいという状態は語感からするとユーモラスに感じるかも知れませんが、当事者にしてみれば、一刻も早くその状態から解放されたい、ある意味もっとも日常的に降りかかってくる症状かも知れません。
また、後述の通り、大きな病気を知らせるサインでもある場合があります。おなかがゆるいだけだと楽観視せずに、思い当たる原因があれば、それに対応する対処方を行い、クリアな腸内環境を整えて、お腹のゆるみとさよならしましょう!
お腹がゆるくなる原因は?
・腸内環境の乱れ
・乱れた食生活
・不規則な生活リズム、ストレス
それら原因の対処方法は?
・善玉菌を増やす
・腸内環境に悪い食生活の改善
・生活リズムの改善
もしかしたら大きな病気のサインかも?
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