膵炎の症状とは?原因や種類、治療法も知ろう!似ている病気は?

膵炎は自己診断が難しい病気です。自然治癒する場合もありますが、炎症が酷い場合は放置しておくと腎臓、肺、心臓にも広がって死に至ることもある病です。

アルコールをよく飲む人、脂肪分をとり過ぎて胆石が生じやすい人は膵炎を発症しやすく、膵炎の原因の半分はアルコールと胆石といわれています。

急性の場合は冷や汗をかき、血圧と呼吸が早くなるのが特徴ですが、アルコールによる膵炎の場合、「なんとなくお腹が痛い」という自覚症状しかでない場合もあります。

膵臓は消化液を分泌する他、インスリンなどのホルモンも分泌します。膵臓が壊死してしまうと糖尿病を発症する可能性があります。

早期に治療すれば治る病です。症状や治療法を確認して膵炎を予防、早期治療しましょう。

膵炎とは?

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膵臓に起こる炎症です。急性膵炎と慢性膵炎があります。

膵炎を放置すると膵臓の壊死、出血により死亡、後遺症を残す恐れもある危険な病です。しかし、場合によってはただお腹が痛いように感じるだけで胃炎か何かだと思われて見過ごされてしまうこともあります。20%の人に至っては痛みを感じないケースもあります。

膵臓は脂肪を分解する消化液「膵液」を分泌する他、インスリンなどのホルモンも生成します。膵臓が壊死するとインスリンが生成されなくなって糖尿病になることがあります。

また膵臓だけではなく、付近の内臓や筋肉に炎症が広がって細菌に侵されて死亡、体内での血管が破れ出血多量により血圧が下がってショック死する危険もあります。

最近は医療の発達により死亡率は低下していますが、膵炎が原因で死亡するケースは9%もあります。放置すると危険です。上腹部から左腹部にかけて痛んだら医師に相談しましょう。

死亡するリスクあり!急性膵炎について

急性膵炎は細菌やタバコ、アルコールによる炎症、ストレス寝不足による免疫低下、あるいはアレルギーによって炎症が起こる、あるいは胆石ができて、膵液がでる入り口をふさぐことで急性膵炎を引き起こします。

原因はアルコールと胆石による膵炎の割合が八割だといわれていますが、原因が不明なものもあります。暴飲暴食をするような人でない場合は膵臓ガンという可能性もあります。

急性膵炎の症状について

痛みの度合いは個人差がありますが、八割がたの人はまず腹痛を感じます。継続的に上腹部全体が激痛、鈍痛に襲われ、胸焼け、腹部膨満感、吐き気や嘔吐、酷い場合は吐血、下痢、発熱が起こることもあれば、何も感じない人もいます。

こういった症状が2、3日続くこともあれば、自然治癒することもあり、ときに死亡します。

胆石の場合、運動によって胆石少し動くことで膵液が流れ、痛みが緩和したりすることもありますが胆石が大きい場合はまた詰まる危険があります。胸を膝につけて座りながら腹這いになる体勢をとると楽になることもありますが、根本的な解決にはなっていません。

軽度の胃炎などと誤認してしまい放置してしまうケースもなくはありません。悪化すると汗が出て血圧が低下し、酸素の供給が減って息が苦しくなり顔面蒼白になって、最悪は失神するようになり、この場合救命処置が必要になります。

胆石ができて膵液の入り口、胆管が詰まっている場合は七転八倒するほど背中や腹が痛み、普通はその時点で救急車を呼ぶぐらい痛むようです。

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急性膵炎の治療について

しばらく絶食して膵臓を休めます。水も飲んではいけません。水分補給は点滴のみです。

膵炎で水分が失われているので、水を飲まずに水分を補給するために点滴をしなければなりません。医者にかからず断食をすればいいというわけではないので注意しましょう。

胆石の場合、手術で胆石を取り除きます。胆嚢は取り除いても問題ないといわれている臓器で、再発を防ぐためにも丸ごと取り除くことが多いです。

胆嚢の手術は内視鏡による手術が発達しています。数か所の目立たない穴をあけるだけで腹部全面を切開するケースのほうが少ないです。

また炎症が広がって様々な合併症を引き起こしている場合その治療も必要になってきます。

急性膵炎の予防について

暴飲暴食、アルコール、タバコを控えるとリスクが減ります。

食べ過ぎと飲酒は膵臓に負担をかけ、また胆嚢に胆石ができてしまうのは脂肪過多の食生活が原因です。脂ものの取り過ぎには注意し、腹痛を感じたときには特にコーヒーや唐辛子などの刺激物を避けたほうが良いです。炎症が悪化します。

糖尿病やガンのリスクあり!慢性膵炎について

急性膵炎が慢性化した状態を慢性膵炎と呼びます。慢性的に膵炎を起こすことで膵炎の一部、または全体が壊死していきます。

症状が軽い場合は直接死に至る病ではありませんが、膵臓が壊死することで糖尿病にかかるほか、発ガンのリスクが上がります。

症状が重く容態が急性である場合は急性膵炎と同じ治療をされます。

誤診が多い病気です。血清アミラーゼのちょっとした上昇で膵炎と誤診されるケースもあります。膵炎が疑われる場合、消化器に詳しいお医者さんに診てもらったほうが良いです。

膵臓癌の症状と似ていますのでこの症状がでるとガン検査をすることが多いです。

かつては男性に多い病気とされていましたが、女性が社会に参加するようになって飲酒の機会も増えたからか女性も膵炎を患う割合が増えてきています。

必ずしも男性特有の病というわけではないので、女性も油断せず飲み過ぎに注意して健康的な食生活を送りましょう。

慢性膵炎の症状について

炎症が起こっているため腹痛を感じ不愉快な症状が現れます。悪化すると痛みはなくなりますが消化能力が落ち脂肪が消化されずに排出されてくるようになります。

結果体重が減り、気分が落ち込んでうつの症状が現れます。メランコリーという言葉がありますが、これはもともと「黒胆汁」という意味でした。古い解剖学では胆汁が黒いと抑うつ的な性格になると信じられていました。確かに膵臓が悪くなって胆汁に異常がでればお腹もむかむかしますし気分が憂鬱になるのもわかる気もします。

また膵臓が壊死してしまった場合、糖尿病を患ってしまいます。

重症化した慢性膵炎の合併症、糖尿病について

糖尿病とは血中に糖の濃度が高くなる病気です。糖が分解されないために糖尿病性ケトアシドーシスという命に関わる意識障害を及ぼす危険な状態になり、エネルギーが得られなくなったり、血管の壁が弱ったり詰まったりすることで心筋梗塞、脳卒中などの更なる重い合併症を引き起こしてしまいます。

これらは血中の糖分を分解するインスリンの異常や、肥満によって引き起こされる病気です。

膵臓はインスリン等のホルモンをつくりだす細胞なので膵臓が壊死してしまうとインスリンが完全に出なくなったり分泌量が減少してしまい、糖尿病になってしまうのです。

できれば膵臓が壊死する前に消化器官専門のお医者さんに診察してもらいましょう。早期発見できれば対処が可能です。

慢性膵炎の治療について

脂肪分、アルコールの摂取を控える必要があります。医師に相談して食生活をどのようにすべきか指示を仰ぎましょう。

膵臓から出る膵液は、脂肪とたんぱく質を分解します。脂肪分は1日40g以下に控える必要があり、たんぱく質も0.8g以下に摂取制限されます。

合併症:糖尿病の治療に関して

完全に壊死した膵臓が回復することはありません。しかし、食事のたびに外からの投薬注射によってインスリンを投与すれば糖尿病性ケトアシドーシスと合併症を防ぐことができます。

しかしインスリンが生成されない障害自体は治らないので、長期にわたってのインスリンの継続投与が必要です。

きちんと食事制限をして付き合えば、日常生活を送ることが可能です。

慢性膵炎の予防について

急性膵炎と同様にアルコール、脂肪、刺激物を控え、ストレスをため込まないように気を付けましょう。

慢性膵炎は誤診が多い病気です。胃炎と間違われたり、反対に他の病気なのに膵炎と診断されることもあります。投薬を続けても胃の痛みが治らないようであれば消化器専門のお医者さんに相談するのもよいでしょう。

膵炎と間違いやすい、間違われやすい病気

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膵炎は胃炎などと誤診されやすい病気です。また腹痛というと消化管だけではなく、生殖器や膀胱などの病気の可能性もあります。

例えば、膵炎ガン、胃潰瘍、逆流性胃炎、十二指腸潰瘍、急性膵炎、肝硬変、虫垂炎、卵巣嚢腫茎捻転、精巣捻転、慢性胃炎、急性胃腸炎、急性アレルギー性胃炎、過敏性腸症候群
、尿路結石、などは同じような症状の腹痛の原因となります。

それぞれの病気の特徴を知って、お医者さんに適切に病状を伝えましょう。

痛む部分はどこか、どのくらい痛むのか、どんなふうに痛むのか、いつから続いているか、腹痛以外に、嘔吐や吐血、血便、悪寒、発熱、胸焼け、めまい、全身倦怠感などはあるか、細菌の食生活はどのようであったかなどを適切にお医者さんに伝えることが誤診を防ぎます。

まとめ

膵炎は膵臓の炎症でアルコール、脂ものの取り過ぎ、過食、暴飲暴食、アレルギー、コーヒーやトウガラシなどの刺激物の飲食、またそれによる胆石が原因で起こります。

急性膵炎の場合、失神し、命を失う危険、後遺症を残す危険もある治療に緊急を要する病気です。普通は激痛を感じ嘔吐し、血圧が下がって呼吸が苦しくなり顔色が蒼白になることが多いようですが、痛みのでかた、症状のでかたは人それぞれです。腹痛を感じたら診察を受けて検査しましょう。

慢性膵炎の場合は急性膵炎に移行する危険がある病気です。急性膵炎にならなくても膵臓が壊死してしまうことがあります。また膵臓はインスリンを分泌する細胞なので膵臓が壊死すると糖尿病を患う危険があります。糖尿病になると重い合併症を引き起こします。

慢性膵炎はガンのリスクも上がるので、膵炎と診断されたら禁酒・節酒に努め、脂肪分とたんぱく質の食事制限をしながら医師の指示を仰いで治療しましょう。

また膵炎は誤診の多い病です。消化器専門の医師に診てもらい、症状を適切にお医者さんに伝えましょう。

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