生理前の胸の痛みの原因を紹介!いつから痛み出すの?

生理前の胸の痛みは、多くの女性たちが悩みを抱えるPMS(月経前症候群)のひとつです。生理の約1週間ぐらい前から、心や身体に不快な症状が現れます。

女性の身体は1ヶ月のうちに女性ホルモンの値が大きく変化し、その影響を受けてしまいがちです。生理前の胸の痛みの対処法や、PMSに負けない過ごし方などをまとめました。

女性ホルモンとは?

生理前1

女性ホルモンは卵巣で作られるプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の2種類のホルモンのことをいいます。

この2つのホルモンを管理しているのは脳下垂体です。必要な時期を見計らって黄体化ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)を分泌して卵巣に働きかけます。女性の身体は、これを約1ヶ月サイクルで繰り返し行っています。

生理のしくみ

生理前2

女性の身体やホルモンの変化を、月経周期とともに見ていきましょう。

月経期 生理開始1日目~

受精がないと判断すると、妊娠に向けて準備していた子宮内膜がはがれて、月経となって身体の外に排出されます。

増殖期 7日目頃~

脳からの卵胞刺激ホルモン(FSH)によって、卵巣の中で卵胞が育ち始めます。卵胞が育ってくるとともに、エストロゲンが増えてきて子宮内膜を厚くして着床の準備が始まります。

排卵期 13~15日目頃

卵胞が成熟して、エストロゲンの分泌もピークになります。すると黄体化ホルモン(LH)が脳から分泌されて、卵子が卵巣から出てきます。排卵といいます。

分泌期 17日目~28日目

卵子が入っていた卵胞が黄体に変化して、プロゲステロンを分泌します。プロゲステロンは着床の準備を進め、子宮の内膜をフカフカに柔らかくしたり、体温を上げて、骨盤に十分な血液を確保したり、乳腺を発達させます。

妊娠しなかった場合は、「プロスタグランジン」という子宮内膜のホルモンが分泌されます。子宮を収縮させて、子宮内膜を血液と一緒に排出します。こうして月経期が始まり、次の生理周期となります。

月経前症候群(PMS)とは

生理前5

こうしたホルモンや身体の変化が影響して、様々な症状が同時に現れます。

身体に現れる症状

下腹部痛、下腹部の張りや不快感、下痢や便秘、腰痛、頭痛、眠気、めまい、吐き気、むくみ、にきび、乳房痛、胸が張るなどが現れます。

精神的な症状

イライラ、怒りやすい、憂鬱、やる気が出ない、無気力、集中力低下、異性に対してヒステリックになる、妄想、不安などが現れます。

PMSの診断

これらの症状が2~3周期以上続けてあり、月経が始まる1週間ほど前から、生理が始まって4日以内に症状が消えるものをいいます。病院に行ってみようと思ったら、症状の記録を付け始めるといいでしょう。

生理前の胸の痛み

生理前4

プロゲステロンが着床の準備を始めると、乳腺の血管を広げて、乳腺細胞を発達させます。これがPMSの症状として不快に感じてしまうことがあります。少しサイズがアップしたかなという程度のものから、ブラジャーのサイズが変わったり、しこりや張りが出たり、チクチク、ズキズキとした痛みを感じてしまうこともあります。乳首が痛むこともあります。

生理の1週間前あたりから痛み始め、生理3日目あたりには症状は治まります。痛みが消えたり、張りがなくなった頃に生理が来る人もいて、個人差があります。

あまりにひどい痛みや張りなど異常な症状は乳腺炎といって、乳腺が炎症しているかもしれません。また、胸の張りは妊娠初期症状でもあります。いつもと違う、おかしいなと感じたらすぐに病院で診察を受けましょう。

生理前の胸の痛みの対処法

生理前6

PMSの症状がでる時期を上手に乗り切るためにの対処の方法をご紹介します。

食生活

味付けが濃いものや油っぽいものを避けて栄養のバランスが良い食事を心がけましょう。砂糖の摂りすぎは血流を滞らせて、体を冷やすといわれています。清涼飲料水やスイーツ・おかしなどの甘いものはなるべく控えます。極端な食事制限によるダイエットもよくありません。

血行を促すのは青魚に多く含まれるDHAやEPAです。オメガ3の油が豊富なことでも注目が集まっています。冬野菜といわれるごぼうや里芋などの根菜や生姜を積極的に取り入れて、身体の中から温める食生活を身につけるようにしましょう。生理中の食事については、生理中の食事は何がいい?貧血や頭痛が多い人におすすめ!の記事を参考にして下さい。

睡眠

夜更かしや不規則な生活習慣を送っているのなら、早寝早起きを心がけることも大切です。体調を整えるのは日頃の習慣でしかできません。

睡眠時間を確保して身体を休め、疲労を残さないようにしましょう。長時間ストレスにさられていると、自律神経が乱れて低体温や冷え性、生理痛などを引き起こす原因になってしまいます。睡眠については、眠りが浅い人へ!快眠できない原因と快眠する方法についての記事を読んでおきましょう。

リラックス

ストレスを解消するためには、リラックスすることが必要です。癒されたい、ホッとしたいと思っているなら、ストレスが溜まっているのかもしれません。

心地いい疲れを感じられる程度に運動したり、アロマを楽しんだり、マッサージをしてもらうのもいいかもしれません。

温める

女性特有の症状には、冷えが大敵です。腹巻きやカイロや湯たんぽなどを活用しましょう。基礎体温が上がり、自力で冷え性が解消できるとなお良いです。

そのためには最低限の筋力や体力をつけることが望ましいです。ヨガやストレッチなど、お部屋でもできることを始めてみるといいでしょう。体を温める方法は、体を温める方法とは?食べ物や入浴方法を紹介!の記事を参考にして下さい。

病院に行く

PMSの症状があれば、あまり我慢せずに医師と相談してみましょう。

・低用量ピル

低用量ピルは女性ホルモンをコントロールして、生理の周期を管理します。黄体化ホルモン(LH)の分泌を抑えるので、排卵が起こらず、プロゲステロンも分泌されず、PMSの症状を和らげる効果があります。

ただし、気持ちが悪いなどの副作用が出る人もいます。血栓ができやすい人も注意が必要です。排卵が起こらないので妊娠を希望する人にも向きません。飲み始めてからすぐ次の周期の生理から症状の変化を感じることが多いようです。

・漢方

身体の体質を変える目的で漢方を利用することもあります。身体を温めたり、血行を良くするなど、体質や症状に合わせた漢方が処方されます。桂枝茯苓丸や当帰芍薬散などが有名です。

体質改善が目的なので、長期間の服用が必要になります。病院や漢方薬局で処方してもらうことができます。漢方薬局は、一人ひとりに合った漢方をその場で調合してくれます。しかし保険が適用されないので、やや高額になります。

まとめ

生理前の胸の痛みについて、最後にまとめます。

生理前の胸の痛みは、生理の前になるとあらわれるPMSの症状の一つです。
女性ホルモンはプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の2種類です。
プロゲステロンは妊娠の準備をするホルモンで、身体にいろいろな変化を起こします。
PMSは生理が始まると消えることが多いです。
なるべく早く病院に行き、医師と相談することも大切です。
身体を温めて血行を良くしたり、ストレスや寝不足を解消するなど健康的な生活習慣を心がけましょう。

低用量ピルは女性ホルモンをコントロールしてPMSの症状を緩和することが狙いです。排卵を止めるだけなので、服用をやめれば排卵は再開されますし、すぐに効果を感じられることから服用を希望する女性も増えています。ひどいPMSの症状がある場合は、なるべく早く病院で詳しく検査をしてもらいましょう。自分の身体と上手に付き合っていくためにも、まずは身体のことをよく知ることが大切です。

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