ピルを飲み忘れた時の対処方法を知ろう!1錠か2錠かで変わるの?

経口避妊薬のピルについて知らない成人女性は、もはやいらっしゃらないのではないでしょうか。それほど経口避妊薬ピルは、現代社会の女性に避妊方法の一つとして認知され、広く浸透していると言えるでしょう。

ほとんどの成人女性がご存知のように、ピルは定期的に服用することで避妊効果を得ることができる薬剤です。しかしながら、何かと日々忙しい現代女性にとって、ピルの飲み忘れは注意していても、1度や2度は起きてしまうものでしょう。

そこで今回は、経口避妊薬ピルを飲み忘れた際の対応方法について、少し詳しくご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。

経口避妊薬ピルの基礎知識

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そもそも経口避妊薬ピルとは、どのような薬剤なのでしょうか?経口避妊薬ピルを飲み忘れた際の対応方法について知るには、前提として経口避妊薬ピルについての基礎的な知識を知っておく必要があります。

そこで、まずは経口避妊薬ピルの基礎知識について再確認しておきたいと思います。

経口避妊薬とは?

経口避妊薬とは、主に避妊目的のために服用される女性ホルモン剤(女性ホルモン薬)のことで、ピルとも呼ばれます。

もともとピル(pill)は、錠剤タイプの薬剤一般を意味する英単語ですが、経口避妊薬の開発後は固有名詞としてのピル(the pill)は経口避妊薬を意味するようになっています。経口避妊薬ピルの主成分は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の二つの女性ホルモンです。

経口避妊薬ピルの種類

経口避妊薬(ピル)には、高用量ピル・中用量ピル・低用量ピル・超低用量ピルといった複数のタイプが存在します。

これらの違いは、基本的に含まれる女性ホルモン量の違いであり、特にエストロゲン量の違いによって区別されます。そして、エストロゲンが多く含まれる高用量ピルから、エストロゲン含有量が少ない超低用量ピルまで、目的に応じて使い分けられます。経口避妊薬ピルとして避妊目的で使われる場合は、低用量ピル(低用量経口避妊薬)を指すことが一般的です。

ちなみに誤解されがちですが、ピルは経口避妊薬の製品名・商品名ではありません。現在、日本で最も普及しているピルは「トリキュラー」という商品名の低用量ピルです。

ピルの使用目的

ピルの服用は、基本的に妊娠を防ぐ避妊が目的です。しかし、その他にも次のような目的のために婦人科病院・婦人科クリニックで、ピルが処方されることがあります。

  • 生理周期の改善や変更
  • 月経困難症の緩和
  • 過多月経の緩和
  • PMS(月経前症候群)の緩和
  • 子宮内膜症の治療

生理周期の乱れ

女性の体内では、生理周期に伴なって卵胞ホルモンと黄体ホルモンが増減を繰り返しています。基本的に生理後から排卵までの卵胞期には卵胞ホルモンが多くなり、排卵後から生理日直前までの黄体期には黄体ホルモンが多くなります。

このようなホルモンバランスが崩れると、生理周期にも乱れが生じることがあります。

月経困難症

月経困難症とは、月経・生理の始まりとともに生理痛・頭痛・吐き気・嘔吐などの症状が現れて、日常生活に困難や支障をきたすことを言います。一般的に、月経困難症は生理痛とほぼ同義とされています。

過多月経

過多月経とは、生理時の経血量が通常よりも多くなり、日常生活に支障をきたすことを言います。

過多月経の場合、子宮筋腫や子宮内膜症などの子宮の病気が発症している可能性が高いとされています。

PMS(月経前症候群)

PMS(月経前症候群)とは、排卵後で生理日の10日~14日程度前から様々な身体的不調や精神的不調の症状が現れることを言います。このPMSの症状は、生理開始日が到来すると消失します。

ピルの副作用

そもそも経口避妊薬ピルは、アメリカで1960年代に開発されたもので、当初は高用量ピルや中用量ピルが中心でした。しかしながら、高用量ピル・中用量ピルでは、主に次のような様々な副作用の危険性が報告されました。

  • 血栓症(血栓ができやすくなり、血栓によって血管が閉塞する病気)
  • 不正出血
  • 体重の増加
  • 頭痛
  • 吐き気や嘔吐
  • イライラ感

そのため、副作用を抑制する開発が進み、副作用リスクが低くなった低用量ピル・超低用量ピルが生まれ、現在は避妊目的では低用量ピル・超低用量ピルが主流となっています。

ただし、低用量ピル・超低用量ピルでも副作用がゼロになったわけではなく、体質などによっては稀に重篤な副作用が現れる場合もあるとされています。

ピルを服用できないケース

経口避妊薬ピルは女性が主体となって実施できる避妊法・避妊手段の一つですが、ピルを服用できないケースも存在しますので注意が必要です。ピルを服用できないケースは様々ですが、主なケースは次の通りです。

  • 女性特有のがん(乳がん・子宮がん)患者や、その疑いがある場合。
  • 血栓症患者や血栓症の既往歴がある場合。
  • 喫煙者。
  • 高血圧症や糖尿病の場合。

この他にもピルを服用できなケースは沢山ありますので、服用開始にあたっては医師の診察を受ける必要があります。

経口避妊薬ピルの避妊メカニズムと効果

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このような経口避妊薬ピルの基礎知識を踏まえた上で、経口避妊薬ピルはどのような仕組みで避妊効果を得られるのでしょうか?

また、経口避妊薬ピルは、どのくらいの確率で避妊できるのでしょうか?そこで、経口避妊薬ピルの避妊メカニズムと避妊効果の程度について、ご紹介したいと思います。

ピルによる避妊のメカニズム

女性が妊娠するには、排卵後に卵子が受精して、その受精卵が子宮内膜に着床する必要があります。これらの過程を通じて、脳から分泌される卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモン、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)が主に次のような働きをしています。

  • 卵胞刺激ホルモン:卵巣に働きかけて卵子が含まれる卵胞を成長させる。
  • 黄体形成ホルモン:成熟した卵胞に働きかけて排卵を促す。
  • 卵胞ホルモン:子宮内膜を厚く発育するように促し、受精卵が着床しやすくする。
  • 黄体ホルモン:子宮内膜の発育抑制したり、妊娠維持のために基礎体温を高くする。

経口避妊薬ピルを服用すると、女性の体内における女性ホルモン量が増えて、脳が卵巣から卵胞ホルモンと黄体ホルモンを分泌する必要が無いと判断し、その結果として脳からの卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの分泌も減少します。

そのため、①排卵前の卵子が含まれる卵胞の成長が止まり、排卵も生じなくなります。また、②体内の黄体ホルモンの量が増えることで、子宮内膜の発育が抑制され卵子が受精しても、受精卵が着床しにくくなります。

さらには、③黄体ホルモン量が増えた影響で、子宮口の粘液が濃くなり膣から精子が進入しにくくなります。

このように低用量ピルを正しい服用方法で服用していると、三重の意味で妊娠を阻む形になり、避妊効果が得られることになります。

避妊効果の程度

経口避妊薬ピルを正しい服用方法で服用している場合の避妊確率は99.7%とされ、逆に言えば避妊失敗率(妊娠確率)は0.3%ですから、かなりの高水準で避妊効果を得られます。

しかしながら、ピルは定期的に服用しなければならず、どうしても飲み忘れが発生してしまいがちです。それゆえ、飲み忘れなどの事態を考慮した場合には、避妊確率は90%強にまで低下し、言い換えれば避妊失敗率は8%程度に急上昇してしまいます。

性感染症の感染抑止はできない

このように正しい服用方法で服用すれば、高い避妊効果を得られる経口避妊薬ピルですが、性交渉・性行為における性感染症の感染までは抑止できません。

ここ最近は、特に梅毒やHIVの感染者が男女とも増えていると、厚生労働省が統計を公表しています。ですから、経口避妊薬ピルを服用していても、性交渉・性行為においては男性にコンドームを装着してもらうようにすべきでしょう。

経口避妊薬ピルを飲み忘れた際の対応方法

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このように経口避妊薬ピルは、正しく定期的に服用していれば高い避妊効果を得られます。しかしながら、何かと日々忙しい現代女性にとっては、どうしても1度や2度はピルの飲み忘れが起きてしまいがちです。

それでは、経口避妊薬ピルを飲み忘れた場合には、どのように対処すれば良いのでしょうか?そこで、ピルを飲み忘れた際の対応法・対処法について、ご紹介したいと思います。

ピルの正しい服用方法

低用量ピルの服用は、生理の始まった生理開始日・生理初日を1日目として21日間服用を続けた後に、7日間の休薬期間を設けた合計28日間を一つの服用サイクル・服用周期とするのが通常です。その上で、低用量ピルで避妊効果を得るには、毎日決まった服用時刻に1錠を服用する必要があります。

このように避妊目的の低用量ピルは定期服用と定時服用をすることが必要で、基本的に毎日1回1錠を決まった時間に服用することになります。商品化されているピルは、1シート21錠のタイプと1シート28錠のタイプに分かれます。

1シート21錠のタイプ

1シート21錠のタイプでは、生理初日を服用開始日として21日間の服用を続けたら、7日間の休薬期間を作ります。7日間の服用休止をしたら、その翌日から2シート目の21錠で服用を再開し、以後は服用と休薬期間を交互に繰り返します。

ただし、休薬期間明けの飲み忘れが発生しがちですので、注意が必要です。

1シート28錠のタイプ

1シート28錠のタイプでは、生理初日を服用開始日として28日間の服用を続けます。これは28錠のうち最初の21錠が女性ホルモンを含む実薬で、最終7錠が休薬期間に対応する女性ホルモンの含まれない偽薬(プラセボ錠)となっています。

というのも、1シート21錠のタイプで発生しがちな飲み忘れの防止に配慮しているからです。28日間の服用が終了したら、翌日から2シート目の服用を開始します。

ピルを飲み忘れた際の対応法

このように避妊目的の低用量ピルは、基本的に1日1錠を21日間連続で服用する必要があります。この21日の間にピルの飲み忘れがあると、避妊効果は前述のように少しずつ低下してしまうのです。

低用量ピルを飲み忘れた際の対応方法は、その飲み忘れの程度によって異なりますので、以下に場合を分けて説明します。

飲み忘れが1錠のケース

低用量ピルの飲み忘れが1錠の場合、すなわち飲み忘れが1日分の場合は、飲み忘れに気が付いた時点で速やかに飲み忘れ分の1錠を服用します。そして、当初の予定通りに次の1錠を最初に決めた定時に服用することになります。

つまり、飲み忘れた日の翌日は、飲み忘れ分と予定通り分の2錠を服用することになり、残りも予定通りに服用を続けます。

飲み忘れが2錠以上のケース

低用量ピルの飲み忘れが2錠以上の場合、すなわち飲み忘れが連続で2日以上にわたる場合は、日本産婦人科学会・低用量ピルの製薬メーカー・WHO(世界保健機関)・英国(イギリス)産婦人科学会などで見解が少しずつ異なります。

ここでは、日本産婦人科学会が提示するガイドラインによる対処法と製薬メーカーが推奨する対処法にについて説明します。

日本産婦人科学会のガイドラインによる対処法

日本産婦人科学会のガイドラインでは、連続で2日(2錠)以上にわたってピルを飲み忘れた場合は、飲み忘れに気が付いた時点で直近の飲み忘れ分1錠を速やかに服用し、以後は当初の予定通りに定期・定時服用をします。つまり、飲み忘れに気が付いた日は直近の飲み忘れ分と予定分の2錠を服用して、以後は残りを予定通りに服用し続けます。

ただし、飲み忘れによって避妊効果は低下して妊娠確率が上昇しますので、7日(7錠)以上連続して実薬を服用するまでは、性交渉を回避するか性行為時にコンドームを使用するようにします。

製薬メーカーが推奨する対処法

低用量ピルの製薬メーカーは、より厳しい対処法に従うことを推奨しています。

すなわち、連続で2日(2錠)以上にわたってピルを飲み忘れた場合は、その低用量ピルの錠剤のシートに対応する服用サイクルは中止して、次の生理初日を服用開始日として新たなシートで1錠目から服用を開始します。つまり、製薬メーカーの推奨する対処法は、2日(2錠)以上飲み忘れた場合は、次の生理が訪れるまでピルの服用は中止となります。

当然ですが、避妊効果は得られなくなりますので、性交渉をする際にはコンドームの利用など他の避妊措置を講じることになります。

偽薬(プラセボ錠)の飲み忘れのケース

1シート28錠タイプの低用量ピルで偽薬を飲み忘れた場合は、避妊効果に影響はありません。

飲み忘れ分は破棄して問題ありませんが、飲み忘れ癖がつかないように翌日分からは、しっかりと定期・定時服用を心掛けましょう。

アフターピルの利用

アフターピルとは、性交渉時にコンドームが破れるなど避妊措置に失敗した時や、避妊措置をせずに性交渉をしてしまった時などに、妊娠を望まないことから緊急避難的に用いられる緊急避妊薬のことです。アフターピルは、モーニングアフターピルや緊急避妊薬とも呼ばれ、性行為後に望まない妊娠を回避する緊急避妊法の一つです。

前述したように避妊目的の低用量ピルの正しい服用方法は、毎日1回1錠を決まった時間に服用することです。低用量ピルの飲み忘れによって、前回の服用から48時間(丸2日)が経過すると、避妊効果は低下して妊娠確率が上昇します。

それゆえ、低用量ピルを飲み忘れた時期に、コンドームなど低用量ピル以外の避妊措置を講じずに性交渉した際には、アフターピルを利用して緊急避妊法を実践したほうが安心で確実です。

ちなみに、アフターピルは、基本的に婦人科病院などで診察後の処方が必要な処方薬で、薬局で市販されている市販薬ではありません。また、保険適用外ですので、金額はやや割高になりますので注意が必要です。

飲み忘れが1錠のケース

低用量ピルの飲み忘れが1錠の場合、直前のピル服用から48時間未満ですので、前述のように飲み忘れた日の翌日に、飲み忘れ分と予定分の2錠を服用して残りも予定通りに服用を続ければ、基本的にアフターピルは必要とまでは言えません。

ただし、服用開始日のシートの1錠目と実薬最後の21錠目を飲み忘れた場合は注意が必要で、コンドームなど低用量ピル以外の避妊措置を講じずに性交渉した際には、アフターピルを利用して緊急避妊法を実践したほうが避妊としては安心で確実です。

飲み忘れが2錠以上のケース

低用量ピルの飲み忘れが2錠以上の場合、直前のピル服用から48時間以上が経過していますので、コンドームなど低用量ピル以外の避妊措置を講じずに性交渉した際には、アフターピルを利用して緊急避妊法を実践したほうが避妊としては安心で確実です。

まとめ

いかがでしたか?経口避妊薬ピルを飲み忘れた際の対応方法について、ご理解いただけたでしょうか?

避妊と妊娠を上手くコントロールすることは、現代女性の社会進出やキャリア形成にとっては必要不可欠になりつつあると言えるでしょう。それゆえ、経口避妊薬ピルが幅広く認知・浸透しているのです。とはいえ、何かと日々忙しい現代女性にとって、ピルの飲み忘れは注意していても、1度や2度は起きてしまうものです。

ですから、経口避妊薬ピルの服用にあたっては、ピルについての基礎知識やピルの飲み忘れに対する対処法について、事前に勉強して頭に入れておく必要があると言えるでしょう。また、何でも相談できるかかりつけの婦人科医を見つけておくことも大切です。

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