切れ痔の治し方について!自力で治すこともできるの?

ひどい便秘からやっと抜け出せる…とトイレに向かうと、次は排便時の激しい痛みが待っており、さらにトイレットペーパーを見ると血がついている――という経験のある人は、意外にも少なくありません。

切れ痔は、痔の中でも、最も患者数が多く、頻繁に繰り返すと、その部分が潰瘍になるなど、大変厄介な病気です。場所が場所なだけに、なかなか病院へは行きづらいですが、放っておいて悪化してしまうと、もっと面倒なことになります。

そこで、ここでは、自分でもできる切れ痔の治し方と、切れ痔にならないための予防法をご紹介いたします。

切れ痔になる原因は?

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何らかの原因で、肛門の皮膚が切れてしまうことを「切れ痔」と言います。肛門は、排便時に伸び縮みするのですが、その伸縮も耐えられず、切れてしまうのです。

切れてしまった肛門は、場合によってはかゆみを伴うこともあり、排便時だけではなく、日常生活も過ごしにくくなる場合があります。まずは、どのようなとき、肛門の皮膚が切れてしまうのかを見ていきましょう。

便秘

切れ痔になる原因で最も多いのが、便秘です。便秘が続くと、体内にある便の水分が腸に吸収されてしまうため、固い便になってしまいます。固くなった便を無理矢理出そうと力むと、肛門の皮膚を傷つけてしまい、切れ痔になるのです。

切れ痔は、男女関係なく発症する病気ですが、比較的20~30代の女性に多いのは、女性の方が男性に比べ、便秘をしやすいことが大きく関係していると言えます。

下痢

便秘だけでなく、下痢も切れ痔の原因になります。普通の便と比べて、はるかに水分量の多い下痢が続くと、その水分によって、肛門の皮膚がただれてしまい、切れ痔を引き起こします。

また、水瀉便のように、勢いよく便が肛門を通過するとき、その勢いによって皮膚が傷つけられ、切れ痔になる場合もあります。

すなわち、切れ痔になるときは、正常なお通じができていない状態ということになります。

切れ痔になってしまったときの治し方

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切れ痔は、癖になりやすいと言われていますが、それは、根本的な「お通じ問題」が解決していないため、幾度も肛門の皮膚に負担をかけてしまうことになるからです。排便時の痛みがつらく、便意を抑えることで、さらに便通が悪くなり、結果、切れ痔を何度も繰り返してしまうのです。

恥ずかしくて、できれば病院に行かずに自分で治したいと思うのは、仕方がないかもしれません。しかし、症状を悪化させないよう、まずは、便通を良くするよう心がけながら、自分でこっそり治してしまいたいものです。

患部を清潔に保つ

基本的に、切れ痔は、皮膚の裂傷です。切れ痔によって切れるのは、ほとんどの場合、皮膚の浅いところなので、よほど悪化しない限り、手を切ったときと同じように、放っておいても自然治癒が可能です。

しかし、肛門の周りは雑菌が多く不衛生なので、切れた傷が治るまでは清潔にしておく必要があります。

ウォシュレット機能を上手く使って、排便後の肛門周辺をキレイに洗浄するのも良いですし、トイレに流せるタイプの、赤ちゃん用の「お尻ふき」を使うのもおすすめです。トイレットペーパーと違って、柔らかく、水分も含んでいるので、傷のある皮膚にも、優しく汚れを拭き取ることができます。

市販の軟膏や座薬を使う

痔の市販薬には、軟膏タイプや、座薬タイプ・注入タイプがあります。切れ痔の場合、あるいは肛門周辺にかゆみがある場合には、軟膏タイプの薬がおすすめです。

ここでは詳しく触れませんが、外側に見えている「いぼ痔」には軟膏・座薬の両タイプを併用し、外には見えない痔の場合は、座薬タイプや注入タイプの薬が良いでしょう。

しかし、慢性的な切れ痔の人は、市販薬でも聞きにくい可能性があります。市販薬を使用する場合は、恥ずかしい気持ちをグッと我慢して、薬剤師に相談するのがベストです。自分の症状にあった薬を使うのが、一番効果的です。

患部を温める

これは、切れ痔、あるいはいぼ痔の人のみの対処法です。肛門の内側にできるタイプのいぼ痔の人や、痔ろうの人には、逆効果になるので注意しましょう。

切れ痔の場合、患部を温めることは、治療の定番と言える方法です。使い捨てのカイロを衣服の上からあてる方法は、簡単に出来るので、おすすめです。貼るタイプのものであれば、安定感もあるので、使いやすいでしょう。

その他にも、38~40度くらいのぬるめのお風呂に、毎日浸かるようにするのも効果的です。じんわりと汗をかくくらいまで、じっくり長めに入るのがポイントです。好きな本や音楽などを浴室に持ち込んで過ごすと、リラックス効果も高まります。

また、殺菌・消毒、免疫力を高める効果もあり、切れ痔の治療にも良いとされるティートゥリーのアロマオイルを、湯船に数滴垂らすのもアリです。アロマ効果でインフルエンザや風邪の予防にもなるので、一石二鳥です。

切れ痔にならないための予防法

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いつ誰がなってもおかしくない切れ痔。それまで、痔とは無縁だと思っていた人が、便秘が原因で突然切れ痔になってしまうこともよくあります。そうならないためにも、適度なやわらかさのお通じが来るように、普段から腸内環境を整える心がけをしたいものです。

水溶性食物繊維を摂る(便秘対策)

便秘に良いとされる食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。水溶性食物繊維は、保水力が高く、ヌルヌルした粘性があるのが特徴です。不溶性食物繊維はその逆で、水分に溶けにくく、有害物質を体外へ出してくれる働きを持っています。

この2種類の食物繊維を、便秘における効果でわかりやすく言うと、【水溶性食物繊維は便を柔らかく】して、【不溶性食物繊維は便のかさを増す】ことで、排便を促すよう作用します。

理想的な摂取比率は、不溶性:水溶性=2:1とされていますが、便が固くなっている場合は、水溶性食物繊維を摂るようにすると効果的です。実は、身近な存在のカレーライスが含む「カレー粉」は、水溶性食物繊維のトップ10に入るほど豊富に含まれているので、カレーを食べるのも手軽で良いかもしれません。

しかし、摂りすぎると下痢になる可能性があるので、様子を見ながら摂取量を調整しましょう。

また、不溶性食物繊維を摂り過ぎた場合、便秘を悪化させてしまうことがあるので、そちらも合わせてバランスよく摂取するようにしてください。

腸の動きを活発にする(便秘対策)

便の固さは、便が腸を通過する速度によって決まります。腸の動きが悪くなると、便が腸にある時間が長いため、水分が腸に吸収され、固い便になってしまうのです。

このような場合、腸内の善玉菌が少なくなっている可能性がありますので、善玉菌を増やす食事を心がけてみましょう。よく聞く「ビフィズス菌」を多く含むヨーグルトなどの他にも、味噌やぬか漬けなどの発酵食品には、「乳酸菌」が多く含まれているので効果的です。

これらの食品だけ、摂取するのではなく、食物繊維と合わせて摂るというのも大きなポイントです。せっかく善玉菌を増やす食事をしていても、餌となる食物繊維を取らなければ、善玉菌は力を発揮することができません。食物繊維と、善玉菌を増やす食べ物、どちらも摂取することが大切なのです。

さらに、善玉菌を増やすだけではなく、悪玉菌を減らす工夫も必要です。悪玉菌は、腸内環境が悪化することで増えるので、まずは規則正しい生活をし、できるだけストレスの少ない生活習慣をする必要があります。

適度な運動を心がける(便秘対策)

排便時には、腹筋の力が必要です。運動不足などによって、腹筋が弱くなっていると、便を腸から肛門に押し出すのが困難になります。すると、便が腸にある時間が長くなるので、自然と便が硬くなってしまいます。

毎日腹筋をしなくても、普段よりも、歩幅を大幅にして、背筋をのばして早足で歩くだけでも、腹筋を鍛えることはできます。日常生活の中で、無理なく始められるところから、運動不足を解消していきましょう。

ストレスを和らげる(下痢対策)

急性の下痢の場合は、ウイルスや風邪などによるものが多いので、医師の診察を受けるのがベストです。しかし、慢性的な下痢の場合、約7割が「過敏性腸症候群」と呼ばれる、ストレスによる下痢です。胃腸はとても繊細で、ストレスの影響を受けやすい臓器です。

心配性だと自覚のある人は、少しでも安心できる方法を探したり、自分が一番リラックスできる方法を探すことをおすすめします。

何かあるたびに、「大丈夫」と自分に言い聞かせる癖をつけるのも、意外と効果的なので、ぜひ試してみてください。

また、慢性的な下痢は、ポリープなど、腸の病気が原因になっている可能性もあります。何かいつもと違うと感じたら、早めに診察を受けましょう。

消化の良い食事をする(下痢対策)

下痢は、腸が活発になりすぎることで起こります。とくに、慢性的な下痢の場合は、あまり腸を刺激しない食べ物で、栄養価もあるものを摂取するよう気をつけましょう。

柔らかめに炊いたご飯や、うどん、煮物、バナナやりんご、そして、お豆腐なども栄養価が高く、消化の良い食品と言われています。逆に、脂分や糖分を多く含む食品や、繊維質の多い貝類、根菜などは胃腸の負担になるので、避けたほうがベターです。

また、体質によって、下痢を起こしやすい食べ物がある場合は、自分の腸と、相性の良い食べ物を見つけるのも、改善するためには欠かせません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。いざ、なってしまっても相談しにくい切れ痔。しかし、腸内環境が良くないことを知らせてくれる症状とも言えます。症状が軽いうちに、こっそり治して、まずは自分の腸を健康な状態に戻してあげましょう。

そして、健康な腸をキープできるよう、生活習慣を見直せば、もう、切れ痔とは無縁になれるはずです。腸内環境を整えると、肌の調子も良くなります。腸も、肌も、お尻も、ツルツルだと良いことばかりです♪

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