痔ろうの症状とは?原因や種類、検診方法を知っておこう!

痔は、何となく恥ずかしくて人に話せないお尻のトラブルですよね。中でも、発症すると治療が大変と言われる痔ろうは、特に注意が必要です。痛みがあるのに、なかなか病院に行けずに悩んでいるあなた……。

放置すると病状は深刻になり、治療も複雑になります。そこで今回は、痔ろうの詳しい症状から、診察方法、治療の仕方まで紹介します。

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痔ろうとはどんな病気?

痔ろう

痔ろうとは、肛門をめがけて直腸から菌が侵入した際に炎症を起こし、膿が出てしまう病気です。この膿が発生する場所を中心に、直腸と皮膚がつながり、トンネルのようなものができるのです。

初期の段階では、肛門がズキズキと激しく痛み、患部が熱いと感じることが多く、下着に付着するほどの膿が出るのが特徴です。また、38℃以上の高熱を出すこともあります。これだけの症状が出ている場合、自然治癒する可能性はゼロです。痔ろうは、薬でも治らない言われており、進行して肛門ガンになる恐れもあるため、手術するしか方法はありません。

痔ろうを発症するに至るまで、前兆は必ずあります。症状の特徴をしっかり掴んで、未然に防ぎましょう。

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痔ろうの特徴

女性も痔

ガンに進行する可能性もあり、治療も大変だと分かれば、痔ろうを発症する前に絶対に阻止したいものです。

かかりやすいタイプや前兆など、この病気の特徴を見ていきましょう。

男性の青年~中年期に多く発症

痔ろうは、男性9:女性1の割合で、圧倒的に男性に多い病気と言えます。また、年齢も男性は20~40代、女性は30代が発症のピークです。男女ともに、高齢者が少ないのが特徴で、青年期から中年期にかけての男性が多く発症しています。

しかし、これはあくまでも統計です。女性や高齢者がかかる可能性も十分にあるので注意しましょう。

前兆に「肛門周囲膿瘍」の慢性化

肛門には小さなポケットのような形状をした穴が10個前後存在します。そこに、免疫力の低下などが原因で、便中の菌の侵入を防げず化膿し、肛門周囲膿瘍を発症します。

肛門周囲膿瘍は肛門の急性炎症で、膿が出てはそのままにし、症状が落ち着いたと思ったら再び膿が出る……といった状態で放置した結果、炎症が慢性化し、痔ろうへと移り変わります。つまり、肛門周囲膿瘍は痔ろうの前兆段階で、痔ろう発症を未然に防ぐためにはこの段階で治療を行う必要があるのです。

治療の方法は大半が手術

痔ろうの特徴として、治療方法の大半は手術しかないということです。切れ痔やいぼ痔など他の痔では、生活習慣や食生活の見直し、また薬で治療する方法がありますが、痔ろうの場合はそのほとんどが効果が期待できません。

前兆である肛門周囲膿瘍の段階で切開をし、膿を出す処置を行えば症状は治まります。しかし、痔ろうへと進行してしまった場合は膿を出すだけでは完治せず、発症している元の「肛門腺窩(こうもんせんか)」を手術で取り除かない限り、再発を繰り返してしまうのです。

痔ろうの再発を繰り返し、そのまま長年放置するとガン化の恐れがあります。そうならないためにも、病の根源を手術で取り除く必要があります。

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痔ろうの原因

いきみ

肛門周囲膿瘍の延長腺に痔ろうがあることは理解したものの、防ぐ方法はあるのでしょうか?

ここでは、前兆段階である肛門周囲膿瘍を引き起こす原因に迫ります。

いきむ力が強い

痔ろうにかかりやすいと言われている青年から中年期の男性は、筋力があるため大便する時にいきむ力が強く、勢いよく排便します。その際に、肛門腺窩に便が入り込む可能性が高く、菌が侵入して痔ろうが発症してしまうのです。

また、便秘で強くいきんだり下痢が続いたりすると、大便が肛門腺に入り込んでしまうこともあります。このように、便通を常に良い状態にしておくことや、排便の際にいきみ過ぎないよう気を付けることは、痔ろうを防ぐ方法のひとつと言えます。

過度な飲酒

痔ろう患者には、日常的にアルコールを摂取している人が多いと言われています。アルコールを摂取することで、痔ろうの原因になると言われている下痢の症状を引き起こし、炎症を起こした肛門の傷から菌が侵入してしまうことがあります。

痔ろうを予防したい人は、飲酒は週に1~2日にするなど、下痢にならないよう腸内環境を整えましょう。

免疫力の低下

肛門に炎症や傷口が存在したとしても、普段は免疫力の働きにより菌に負けて病気が発症することはありません。しかし、ストレスや睡眠不足などが重なって免疫力が低下することにより、細菌感染を防げずに肛門周囲膿瘍を発症して、やがて痔ろうへと進行するのです。

規則正しい生活を心がけ、免疫力や抵抗力の低下を防ぐ努力をしましょう。

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診察の仕方

診察

初めての痔の診察は、急を要する状態だとしても恥ずかしいものです。また、症状が進行している患者にとっては、行き慣れない診療科というのも相まって恐怖心もあるでしょう。

痔ろうの診察は、症状の程度によって実に様々です。病院によって異なりますが、一例をご紹介いたします。

問診と視診

患者は、肛門周辺の痛みや発熱、膿が出るなどの症状を発症した場合、肛門科を受診することが多いのではないでしょうか。

まず初めての診察では、発症するまでの生活スタイルを聞かれることが多いです。これは、肛門周囲膿瘍を発症するまでの、免疫力低下の原因を知る手がかりとなるための問診です。睡眠時間や疲労感、ストレスの状態など、その時の体調を詳しく話しましょう。

問診の後は、肛門の周囲が腫れていないかを調べる視察を行います。腫れをともなっていると、肛門のシワがなくなっている場合があります。また、膿が出ているかどうかも確認されるでしょう。

指診

痔ろうの前兆である肛門周囲膿瘍がある場合、肛門括約筋が緩くなっているため、医師が人差し指を挿入して、肛門括約筋の固さを調べます。それと同時に、膿が出てこないか、肛門管を圧迫した際に痛みをともなわないかを調べます。

肛門鏡診

裂肛が痔ろうを発生させる要因になっていることが多く、肛門鏡診の場合はその有無を調べることができます。また、腫れている患部を皮膚側から押して圧迫をし、肛門腺窩から膿が逆流するか検査をする場合もあります。膿の逆流が確認できると、原発口の部位を特定することができるのです。

この診察は、痔ろうを特定できる方法ではありますが、腫れて痛みが強い場合や膿が絶えず出ている状態など、症状が重い場合は肛門鏡を挿入できないため難しい診察です。

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痔ろうのタイプは4つに分けられる

発症

痔ろうは、肛門周囲膿瘍を放置した末に発症する痔ですが、肛門が腫れて激しい痛みを伴います。触れるだけで激痛が走る場合もあり、ズキンズキンと脈打つような痛みが持続する場合が多いでしょう。また、発熱を起こすケースも少なくありません。

膿瘍ができた場所によって、見ただけで異常を発見できる場合とそうでない場合があり、分かりにくい場所に膿瘍が出来ると、絶えず膿が出る程度まで進行してしまうケースもあります。しかし、痔ろうには4つのタイプがあると言われており、このような一連の発症経路も人それぞれ違います。タイプ別に、特徴を見ていきましょう。

Ⅰ型痔ろう

皮下痔ろう、粘膜下痔ろうとも言われるタイプで、ごく浅い部分に発症した比較的軽傷の痔ろうです。切れ痔を放置し続け、裂肛に便が詰まって痔ろうを引き起こしている状態です。

4タイプの中でも、発生するケースは多くありません。

Ⅱ型痔ろう

痔ろう患者の7~8割がこのタイプの痔ろうになると言われており、一般的な痔ろうです。

筋間痔ろうとも呼ばれ、内肛門括約筋と外肛門括約筋の筋肉の間をくぐり、皮膚に向かってトンネルができる痔ろうです。腹部に近いのか、背中に近いのか、またその深さはどの程度なのか、痔ろうが出来ている場所や程度によって手術方法は異なります。

Ⅲ型痔ろう

坐骨直腸窩痔ろうとも呼ばれるタイプで、原発口が深い部分にあり、複雑な痔ろうです。痔ろう患者のおよそ2割を占めており、男性に多いと言われています。

Ⅱ型までの痔ろうと比べて手術も複雑になります。また、術後の経過によっては再発の可能性もあるため、大腸肛門科などの専門施設で経験豊富な医師を探してみるといいでしょう。

Ⅳ型痔ろう

骨盤直腸窩痔ろうとも呼ばれ、発症するケースは極めてまれです。

患部が深く、肛門挙筋を貫いて進行するため、最も複雑と言われているタイプです。手術もⅢ型以上に複雑になり、専門医のもとで必ず治療を行う必要があります。

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痔ろうの治療方法

手術

痔ろうは、発症したら必ず手術が必要になります。手術は、直腸と皮膚の間にできたトンネルと括約筋を切除する「開放法」と、トンネルのみを切り落とす「括約筋温存手術」があります。個人の回復力にもよりますが、肛門括約筋を残したまま痔ろうのみを取り除く温存手術の場合は、10日前後で退院できると言われています。

痔ろう治療の場合、括約筋より浅い部分にできる切れ痔やいぼ痔と比べて、括約筋よりもさらに深い部分に発症する痔のため、術後の傷も深く、大きいものになります。また、Ⅲ型Ⅳ型など複雑な痔ろうのタイプが発症した場合は治療も難しいものになり、再発を繰り返す恐れもあります。薬を飲んで治せる病気でも、自然治癒が望める病気でもありません。まずは、お尻のトラブルを感知したら、すぐに専門施設での受診が必要です。

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まとめ

発症しやすい体質かどうかは別として、日常を送る上で痔ろうを予防することは可能で、その方法も生活習慣を整える程度で難しいことではありません。まず、気を付けたいのは排便の際にいきみ過ぎないことと、何よりも大切なのは下痢を防ぐことです。切れ痔は便秘に注意が必要ですが、痔ろうは下痢が大敵です。男性は代謝の良さも相まって女性よりも軟便と言われていますが、普段から下痢が続くようであれば、一度専門の医師に相談してみるのもいいでしょう。

痔ろうは、放置したら進行して複雑化する病気です。そして、複雑化するほど再発率も上がるため、早期治療を要する病気でもあります。お尻に違和感を感じたら、すぐに受診しましょう。

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