腹膜播種とは?症状や原因、治療方法を理解しよう!

腹膜播種(ふくまくはしゅ)と呼ばれるこの病状、あまり聞き覚えがないと思います。

この記事を調べている方は、ご自身や身近な方がその病状にかかり、調べられている方が多いと思います。この症状の宣告を受けている方は、同時に余命○ヶ月ですなどと余命宣告されていることが多く、なかなか完治することが難しい状態であります。

そのような言葉を受けると絶望的な気持ちになるのは察しますが、諦めるのはまだ早いです。
ここでは詳しい症状や治療方法についてご紹介します。

腹膜播種について

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ここでは、腹膜播種の概要や原因についてご紹介します。

腹膜播種とは?

腹膜播種とは癌細胞が、腹膜という部分に転移した病状です。胃、腸、肝臓、胆嚢(たんのう)、膵臓(すいぞう)といった臓器の部分は腹膜と呼ばれる薄い半透明の膜で覆われています。

この膜の中には細い血管が張り巡らされ、リンパ管もあります。この薄い膜には、臓器同士の摩擦を防いだり、臓器に出入りする血管や神経の通路になったり、細菌感染や炎症を防ぐ役割があると言われています。

また、「播種」という言葉の意味は、「細かい点が無造作に無秩序にばら撒かれた状態」を言います。この病気にその言葉がつけられている通り、癌細胞がこの腹膜という部分に広範囲にわたり転移した状態を腹膜播種と呼びます。

腹膜播種の原因は?

この病状を引き起こすのは、胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がん、卵巣がんなどを患った癌患者の方です。腹膜播種は、発生したがん細胞が血液やリンパ管を通るなどして、この腹膜に広がる状態です。

この病状は、初期の状態では症状がでなかったり、超音波検査やCT検査をしても気付きにくく、癌末期になった際に、症状が出てきます。その為、腹膜の範囲によっては摘出が困難で余命宣告を受けることが多々見られます。

実際に手術でお腹を開けてみたら、検査では気付かなかった腹膜播種が肉眼で確認されることがあるそうです。

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腹膜播種の症状は?

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腹膜播種が起こった際に、初期の状態では特に目立った症状はありません。進行すると下記のような症状が現われます。

腸閉塞(イウレス)が発症する

食べ物は胃、小腸、大腸などの消化器官を通って、体に不要な物だけが外に排出されます。消化器官が何らかの障害を起こし、食べ物が溜まり排出されない状態を腸閉塞と呼びます。腸閉塞を起こすと激しい傷みが腹部に襲い、お腹の張りや吐き気、嘔吐が起こります。

人によっては、合併症を引き起こし、脈が弱くなったり、発熱、脱水症状、尿量の減少やショックなどもみられることがあります。腹膜播種が原因で起こる腸閉塞の場合は、患者さんの体力的にも手術は難しい為、この病状になった場合、絶食をして点滴で栄養素を補います。

腹水が溜まる

腹水とは癌やその他の病状が原因となって、胃や腸などの臓器にある腹腔や腹膜腔と呼ばれる空間に水が溜まる状態です。健康な状態の場合、水が溜まると腹膜が水分を吸い取ります。しかし、腹膜播種の病状の場合は、癌におかされて腹膜の機能が低下している状態の為、水分を吸収することが出来ずに、水が溜まります。

水が大量に溜まるとお腹の張り、痛み、苦痛や呼吸困難を伴います。腹水によって苦痛や呼吸困難の症状がでる場合は、お腹に針を刺して水を抜く処置を行いますが、この処置は根本的な癌の病状の解決ではなく、生活の質の向上や、延命治療の為です。

また、その他の対処方法として近年では、腹水から必要な成分をろ過して、体に戻す方法も広まりつつあります。

黄疸がでる

肝臓やすい臓に障害がでると黄疸がでると言われています。この黄疸とは、血液中に含まれているビリルビンと呼ばれる黄色い色素です。通常このビリルビンと呼ばれるものは、肝臓で処理され胆管を通って体外に排出されます。

しかし、肝臓や近くのすい臓などが障害をおこすと、この色素が増えてしまい、肌や白目の部分に付着し、黄色い肌や白めの部分が黄色みがかった状態になります。この色素には毒素が含まれており発症すると、強い痒みを伴います。

水腎症になる

腎臓の役割は、体の中で不要になった老廃物や毒素などを排出する為に、尿を作り、尿管、膀胱を通り外に出します。しかし、腎臓が何らかの原因で機能が低下すると、腎臓の中で尿が溜まってしまい腎臓が拡張してしまいます。このような状態のことを水腎症と呼びます。

水腎症になると下記のような症状が出ます。
・下腹部やわき腹、腰などにかけて激しい痛みが発生
・尿がたまり、しこりとして感じる
・嘔吐や吐き気
・発熱

水腎症を起こし病状が改善しないと、最終的には腎臓の機能が停止する、腎不全にもなる可能性が出てきます。

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治療方法について

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この治療は肝心なのは、早期発見です。ここでは、腹膜播種の治療として行われる4つの内容をご紹介します。

1、外科的な治療方法

外科的な治療方法では、癌の摘出手術を行います。開腹してみて腹膜播種が広範囲でないと分かった場合、肉眼でみて摘出し、肉眼でみえないようながん細胞に対しては、高濃度の抗がん剤入りの食塩水を直接注入して対応します。

手術前に検査を行い、癌に犯されている臓器を全て切除したとしても、腹膜や腹腔に散らばった癌を全て摘出することができないと判断された場合は、手術を行うことはありません。

2、化学療法

手術だけでは、腹膜に散らばった癌を全て取り除くのは不可能と言われています。手術が出来なかった場合や手術と並行して行われる内科的な治療方法は、抗がん剤の投与です。

大学病院を始め多くの病院が取り組み始めている、腹腔ポートと呼ばれるお腹に直接抗がん剤を投与する埋め込み式の抗がん剤が近年、適用されてきています。
通常の抗がん剤よりは副作用がありますが、これを使うことにより、2年生存率が20%、4年生存率が10%と、通常の抗がん剤よりも効果が期待できると言われています。

3、温熱治療方法(ハイパーサーミア)

温熱治療方法(ハイパーサーミア)と呼ばれる癌に対して行われる治療方法があります。
人の細胞は43度以上温度があがると死んでしまうといわれています。この原理を利用して癌細胞だけをを温めて死滅させようという試みがこの治療方法です。

熱を加えると、癌に侵されている血管は拡張することが出来ずに、熱を発散させることができないといわれ、癌の細胞のみ死滅させることが出来ると考えられています。

この治療のみで、癌をすべて死滅させるとは考えられていませんが、この治療をすることで放射線や抗がん剤の効果を高めたり、免疫力を高める効果も期待できると言われています。

しかし、この治療のほとんどの部分が保険を適用することができない為、自己負担になる部分が大きいです。また全ての医療機関でできるわけではないので、医師と相談してどこの病院でこの治療が可能か確認されることをおススメします。

4、緩和療法

抗がん剤や手術は患者さんに大きな負担をかけるだけでなく、他の病状を招くリスクもあります。その為、癌の治療を行わずに、症状の緩和と生活を維持する緩和治療方法に徹するという方法があります。

治療が難しい病状の為、患者さんの残された日々を、出来るだけ快適に過ごせる状態を作り、人生をまっとうしてもらうことが意図されています。

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セカンドオピニオンについて

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上記で挙がられたような方法の中から、患者さんと医師で治療方法を決定していきます。医師から治療内容を聞いて判断がつかない患者さんやご家族の方もいらっしゃると思います。そんなときは、セカンドオピニオンを行ってみてください。

セカンドオピニオンとは?

セカンドオピニオンとは、今かかっている主治医とは別の医師に意見を求めることです。
セカンドオピニオンはあくまで意見を聞くだけですので、医師を取り替えるということではありません。セカンドオピニオンを聞いた後に、転院や転医をする可能性はありますが、あくまで意見を聞くだけです。

主治医と関係が悪くなるのではないかと懸念して言い出せない方もいるかと思いますが、心配する必要はありません。あくまでも、主治医と一緒に治療方法を選択することが前提としてあるので、主治医も理解してくれるはずです。

もしかしたら、中にはセカンドオピニオンの意図を正しく理解できていない医師の方やプライドが高い医師の方がいらっしゃるかもしれませんが、そういった医師の方と遭遇した場合には、この医師とこの病状を一緒に治していけるのかと疑問をもたれた方がいいと思います。

セカンドオピニオンのメリットとは?

日々医療が進歩していく中で、1人の医師が全ての治療方法を把握しているわけではありません。治療方法は本人の意思を尊重して行われ、医師とともに決定していきます。私たち自身、医療の話しは初心者なこともあり、一度聞いても決めかねる部分があると思います。

セカンドオピニオンを聞くことで、自分の選ぶ治療方法の選択肢にどのようなメリットとデメリットがあるのか、多角的に知ることが出来るので、より患者さんが納得のいく治療を受けられると思います。また、別の専門医や医師に話を聞くことで、もしかしたら別の道がきり開けるかもしれません。

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まとめ

この病状は既に癌と診断されていた患者さんや癌を患っている上で、癌が進行して起こってしまう病状です。この病状が発症してしまうと、残念ながら完治は難しいといわれています。

この病状は、余命宣告を受けることも多いので、何もなす術がなくなることに絶望的になる方もいらっしゃると思います。しかし、余命宣告を受けることは、普段あまり意識していなかった、人生についてより深く考えられるきっかけであり、自分の人生をどんな風にまっとうするか決断できる時間が出来たということでもあります。

人生は人それぞれなので、治療の選択も人それぞれです。重要なことは、どの治療方法が適しているのか自分で選択することです。

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