ヨガはダイエットに有効?その効果や注意点を知って実践しよう!

近年、女性らしさや美しさを求める女性の間で、ヨガやピラティスが身体を動かすエクササイズ・運動の一つとして定着して人気を得ています。

女性有名タレントや女性有名モデルが、体型の維持やお腹周りを引き締める方法として、自身がヨガやピラティスを実施している場面をテレビの情報番組などで公開しているシーンなどを良く見かけますよね。特にヨガは、ハリウッドのセレブや世界的なモデルも行っていると話題にもなりました。

たしかに、ヨガは体型維持やお腹周りの引き締めなどダイエット方法の一つとして捉えられています。しかしながら、ヨガの実施で短期的にダイエット効果を得られるかというと、実はそうでもありません。

そこで今回は、ヨガによるダイエットの取り組みで得られる効果や認識しておくべき注意点などについて、ご紹介したいと思いますので参考にしていただければ幸いです。

ヨガについての基礎知識

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ダイエットや体型維持に関心のある女性で、ヨガという言葉を聞いたことの無い人は少なく、ヨガという言葉は日本語として一般化していると言っても良いでしょう。

とはいえ、ヨガが単なる体操ではなく、インドに起源を有する修行法の一つだったことまでご存知の方は案外多くはありません。そこで、まずはヨガの起源や目的など、ヨガについての基礎知識を確認しておきましょう。

ヨガの起源とは?

ヨガ(ヨーガ)は、古代のインドで生まれた心身を鍛錬する宗教的な修行法のことです。インドで生まれた複数の宗教(ヒンドゥー教・仏教・バラモン教・ジャイナ教など)にも取り込まれ、それぞれの宗教における修行法の一つとして実践されました。

もともとは森林などの樹木の下で沈思黙考する修行形態であったものが、各宗教の修行法として様々な流派・様式で発展していきます。このように古典的なヨガは沈思黙考や瞑想など静的なものでしたが、様々な流派・様式で発展する中で、肉体的な鍛錬を重視する流派が生まれます。そして、肉体的な鍛錬重視の動的なヨガの流れから、さらに分派するような形で現代の身体的ポーズに力点を置いたヨガが生まれたのです。

ちなみに、日本の仏教で有名な座禅という修行法は、古典的なヨガが仏教の修行法として取り入れられ、それが中国を通じて伝来したものとされています。

ヨガの目的とは?

古典的なヨガにおける目的は、やってはいけないこと・道徳を知り、正しい座法・姿勢と呼吸法を身につけ瞑想することで精神集中することが目的とされていました。そして、その後の各宗教の修行法の中では、肉体的な鍛錬を目的とする場合もありました。

しかしながら、現代の身体的ポーズに力点を置いたヨガにおいては、呼吸法や姿勢といった伝統的な視点を重視しながらも、より健康法としての側面を強めて、心身のリラックス効果と筋肉や関節をストレッチさせるトレーニングやエクササイズが目的となっています。

ですから、ヨガの目的は、古典的・伝統的なヨガにおいては精神修練が目的とされていたものの、肉体的な鍛錬を目的とする時期を経て、現代においては宗教色が取り除かれて日常生活で乱れた心身のバランスを取り戻すことが目的となっているのです。

現代のヨガ

現代のヨガは、肉体的な鍛錬を重視する動的なヨガの流れに、西欧の体操やフィットネスといった要素を加えて1930年前後にインドで確立されたハタ・ヨーガが源流となっています。その系統をインドで発展させたものがアシュターンガ・ヨガで、呼吸法や姿勢・身体的ポーズを重視しています。

そして、アシュターンガ・ヨガをベースにアメリカで生まれたのがパワー・ヨガで、よりエクササイズ・フィットネス法として洗練されていきます。パワー・ヨガは、身体的ポーズを通じて肉体的な負荷をかけることで、脂肪燃焼効果を得ようとするものです。パワー・ヨガは、ハリウッドのスターを通じて一気に世界的ブームとなったことから、ハリウッド・ヨガとも呼ばれることがあります。

このパワー・ヨガの派生的な形態がホット・ヨガで、インドの気候を模した高温多湿の環境で身体的ポーズを通じて肉体的な負荷をかけます。ホット・ヨガもアメリカが発祥とされています。

日本で主流となっているのもパワー・ヨガやホット・ヨガですので、以下の説明で単に「ヨガ」という言葉を使用する際はパワー・ヨガやホット・ヨガという意味で使用しますので留意ください。

ヨガの実践で得られる効果

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それでは、ヨガ(パワー・ヨガ、ホット・ヨガ)を実践することで、どのような効果が得られるのでしょうか?

そこで、ヨガの実践で得られる効果について、ご紹介したいと思います。

整体効果

ヨガは身体的ポーズをとることによって、関節(膝や肩など)や筋肉(背中や太ももなど)をストレッチさせますので、日常生活の中で硬くなりがちな身体の柔軟性を取り戻すことができます。

また、ヨガが重視する姿勢や身体的ポーズを正しく実践しようと意識することは、日常生活の中で歪んでしまった姿勢を矯正するきっかけにもなります。

このようにヨガを実践することを通じて、歪みが生じた身体を元に戻して、身体のバランスを整える効果が期待できるのです。

リラックス効果

ヨガは正しい姿勢や身体的ポーズをとりながらも、常に呼吸方法を意識することが求められます。ヨガの呼吸法には、いくつかの種類があり、身体的ポーズによって呼吸法を使い分けるとされています。

ヨガにおいて実践することになる深く息を吸う呼吸によって、酸素を取り込んで全身に送り届けることが可能になります。その結果として、自律神経(交感神経と副交感神経)のうちリラックスした際に優位となる副交感神経が働きはじめます。副交感神経が優位になると、ストレスを軽減したり、気持ちに落ち着きが出たり、感情的な高ぶりを鎮静化させることができます。

ですから、ヨガを実践することを通じて、精神的なリラックス効果が期待できるのです。

呼吸法について

ヨガの呼吸法には、いくつかの種類があります。詳細の呼吸方法については、専門の指導者やインストラクターの指導を仰いでいただくとして、ここでは一般人でも理解しやすい呼吸法の具体例を二つ紹介したいと思います。

一つは、腹式呼吸です。腹式呼吸は、お腹を膨らませながら息を吸い、お腹をへこませながら息を吐くという呼吸法のことです。腹式呼吸は、副交感神経を働かせてリラックス効果を得ることができるので、ヨガの実践において最も基本的な呼吸法と言えるでしょう。

もう一つは、胸式呼吸です。胸式呼吸は、いわゆる深呼吸のような呼吸法で、胸を膨らませて息を吸い、胸を元に戻しながら息を吐く呼吸法のことです。胸式呼吸は、交感神経を活性化することで、集中力を高める働きがあります。

腰痛・肩こり・便秘などの解消

腰痛や肩こりの原因の一つに、仕事などで長い時間同じ姿勢でいることが挙げられます。このように同じ姿勢で長時間過ごすことは、筋肉や関節などの硬直化を招き、血流も滞りがちとなります。そのため、ヨガの実践によって前述の整体効果や呼吸法による血流の改善を図ることで、腰痛や肩こりの解消を図ることが期待できるのです。

また、腹式呼吸を行うことにより、必然的に腹部の内臓(胃・小腸・大腸など)が刺激されるとともに、腹部の血流も改善されます。ですから、ヨガの実践によって呼吸法を意識することで、便秘の解消にもつながる可能性があるのです。

その他の効果

その他に、呼吸法による血流改善と便秘解消から、結果として美容・美肌効果につながることが期待できるかもしれませし、正しい姿勢を意識することにより、骨盤の歪みが矯正されてヒップアップ効果も期待できるかもしれません。

また、リラックス効果から、自律神経の安定につながり、結果としてホルモンバランスが整えられることもあるかもしれません。さらには、ホット・ヨガで発汗することによりデトックス効果が得られ、付随効果として体質改善につながる可能性もあります。

ですから、ヨガを実践することには、様々な効果を得られる可能性があると言えるでしょう。

ヨガの実践でダイエット効果は得られるのか?

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このようにヨガの実践には多様な効果が期待できるわけですが、それではヨガの実践を通じてダイエット効果を得ることはできるのでしょうか?

そこで、ヨガの実践でダイエット効果を得られるのかについて、ご説明したいと思います。

ダイエットの基本的な仕組み

ダイエットの基本的な仕組みは、食事によって摂取したエネルギー量(摂取カロリー量)よりも多くのエネルギー量を消費することです。

消費カロリーが摂取カロリーを上回ると、体内で不足するエネルギーを補わなくてはなりません。不足するエネルギーを補う元となるのが体脂肪(内臓脂肪や皮下脂肪)で、体脂肪が酵素によって分解されて血液中に溶けだすことによりエネルギー源となるのです。そして、体脂肪が分解されてできたエネルギー源が、運動などによって消費されることで、脂肪が燃焼し体重が減少するのです。

ちなみに、食事制限による摂取カロリーの抑制は、一時的に体重減少・ダイエットの効果が出たとしても、栄養不足で筋肉量が減少することにより、結果として太りやすい身体になりますので、おすすめしません。

エネルギー消費の内訳とダイエット

人間のエネルギー消費量(カロリー消費量)の内訳は、基礎代謝量が60~70%、活動代謝量が20~30%、食事誘発性熱産生が10%程度となっています。

  • 基礎代謝:生命維持のために内臓・脳・筋肉などで消費するエネルギーのこと。
  • 活動代謝:日常の生活活動(仕事・運動など)で消費するエネルギーのこと。
  • 食事誘発性熱産生:食事後に安静にしていても熱として消費するエネルギーのこと。

ダイエットとしては、いかにエネルギー消費量を大きくするかがポイントで、筋トレなどをして筋肉量を増やし基礎代謝量を増やすか、ウォーキングや水泳などの有酸素運動をして活動代謝量を増やすことになります。

ヨガのダイエット効果について

このようなダイエットの基本的な仕組みを踏まえて、ヨガのダイエット効果について検討してみたいと思います。

まず、ヨガはその場で身体的ポーズをとることがメインですから、運動強度は高くありません。そのため、活動代謝量を大幅に増やすまでには至らず、ヨガの実践によって消費カロリーが大幅に増えるということは期待できないでしょう。

また、ヨガはその場で身体的ポーズをとることがメインですから、エクササイズ寄りのパワー・ヨガであっても他の有酸素運動に比べると運動量は多くありませんし、ホット・ヨガで発汗を促しても運動量が増えるわけでもありません。

そのため、ヨガは他の有酸素運動に比べて脂肪燃焼効果が高いとは言えませんから、ヨガを実践したとしても、体脂肪を短期間で劇的に燃焼させることは難しいと言えるでしょう。

ヨガは痩せやすい体質を形作るもの

たしかに、ヨガは体型維持やお腹周りの引き締めなどダイエット方法の一つとして捉えられることもあります。しかしながら、このようにヨガの実践で短期的にダイエット効果を得られるかというと、それは難しいと言わざるを得ません。

ただし、ヨガの呼吸法によって横隔膜や腹部のインナーマッスルが刺激されますから、ヨガを長期間継続するならば、インナーマッスルが鍛えられ筋肉量が増えて基礎代謝アップにつながる可能性はあります。

また、整体効果や腰痛・肩こり・便秘の解消といったヨガで得られる効果は、ダイエットに必要とされる運動をする上で前提となる健康的な身体をもたらしてくれます。

ですから、ヨガの実践をすることは、短期的にダイエット効果を得られるものではないものの、長期的に見れば瘦せやすい体質を形づくることができると言えるのではないでしょうか。

ヨガの実践における注意点

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このように長期的な視点で瘦せやすい体質を作る一つの手段として、ヨガを実践することは、運動不足の状態にある人などにとっては良い選択肢になり得るのではないでしょうか?

ただし、ヨガの実践においては、いくつか認識しておくべき注意点がありますので、ご紹介したいと思います。

すぐに効果が出るわけではない

前述したように、ヨガは短期的にダイエット効果を得られるものではありません。そのため、ウエスト・お尻・足などの下半身などの引き締めといった目に見える効果を期待し過ぎると、逆にヨガを継続するモチベーションが低下しかねません。

ですから、ヨガは痩せやすい体質を作るものと考えるにとどめ、まずはヨガを楽しんで継続することに主眼を置き、身体を動かす習慣を身につけるようにしましょう。

自己流のヨガは危険

ヨガを実践するにあたり、ヨガ初心者の人はスポーツジムやヨガスタジオなどで開催されているヨガのレッスンを受講したほうが良いでしょう。

というのも、ヨガの重要な要素である呼吸法や身体的ポーズを身につけるには、書籍などによる独学では限界があるからです。また、身体的ポーズによっては、初心者には難易度が高く、身体の柔軟性が低い状態で実施すると関節や筋肉を損傷する危険もあります。

自分一人でヨガに取り組みたい人や自宅でヨガを実施したい人も、最初の基本的な呼吸法やポーズの動きなどは、ジムやスタジオのレッスンや、自治体によっては無料で開催しているヨガ教室などで学ぶほうが、最終的には効果大・プラスだと思われますので検討してみてはいかがでしょうか。

どうしても自宅で始めたいヨガ初心者の人は、なるべく書籍だけでなくDVDやインターネットの動画サイトなどで、具体的で分かりやすい映像を参考にすると良いでしょう。

その他の注意点

その他に、ヨガの実践における注意点として、食後にヨガを実施することは避けましょう。ヨガをするには、ヨガで身体を動かし始める3時間前までに食事を済ましておくと良いでしょう。

また、他の運動よりも負荷が少ないからといって、体調が悪いときに無理をしてヨガを実施してはいけません。体調と相談しながら、無理せずに実施することが肝要です。

そして、自分の身体の柔軟性や筋力に応じた身体的ポーズを行うことも大切です。どうしてもヨガにのめり込んでくると、上級のポーズに挑戦してみたくなるのが人情ですが、無理をすると怪我をしかねません。

まとめ

いかがでしたか?ヨガによるダイエットの取り組みで得られる効果や認識しておくべき注意点などについて、ご理解いただけたでしょうか?

たしかに、ヨガは体型維持やお腹周りの引き締めなどダイエット方法の一つとして捉えらることがあります。スタイルの良いタレントやモデルがヨガを実践していると話題になったことから、なおさらヨガがダイエットにつながるという印象が強くなる傾向にあります。

しかしながら、ヨガの実施で短期的にダイエット効果を得られるかというと、実はそうでもないのです。ただし、ヨガは長期的な視点で瘦せやすい体質を手に入れることにつながる手段にはなり得ます。

ですから、ダイエット方法としてヨガに関心や興味を持った人は、ヨガの実践で得られる効果などを良く吟味して、有酸素運動などを通じたダイエット方法などと比較検討してみると良いのではないでしょうか。

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