最近、腸もみダイエットという言葉を耳にすることがありますが、どの部分をどのように揉むダイエット方法なのでしょうか?
また、それがダイエットになる理由は何なのでしょうか?この記事では現代人の生活習慣を含め、腸もみが重要視される理由、腸もみのやり方、注意点などを中心に御紹介いたします。
腸もみに必要性を感じる背景には…
腸もみが腸の辺りのマッサージである事は言葉より想像出来るかと思います。実は現代人は腸に不快感を感じている方が多く、原因も人によってさまざまなのです。
冬になり気温が下がると、冷え性などで体が冷えてしまう方が多いかと思います。この際、手足などの末端だけでなく腸も冷えて固まる傾向にあり、腸の働きが悪くなってしまいます。便秘がちになり、体の中にある老廃物が外に排出されづらくなってしまうのです。
腸には幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが多く分布しており、ストレスや不安を感じると分泌し、心の安定を保とうとします。その際に腸の働きが悪いと、分泌が活性化せず、うつ病などの精神疾患にかかりやすくなります。
腸を活性化させるには食生活を見直す必要もあります。農薬などの使用により、野菜そのものの本来の栄養価が下がってきていることも原因の一つです。コンビニなどでカロリーが高いのに栄養価の低い菓子パンなどを購入する機会が増え、体に必要な栄養素を補うことが出来ないため、体が疲れやすくなる事も多く見受けられます。
上記の現代の生活背景、食生活により、腸が必要な栄養素を摂取できず、不快感を感じる方が増えています。少しでもこれらの不調の手助けをする方法として、腸の血行を良くして温めてあげる「腸もみ」というマッサージがあります。次はそのマッサージの方法について何通りか御紹介したいと思います。
腸もみの方法
では腸もみの方法について紹介します。
基本の腸もみマッサージ
深呼吸をしてリラックス出来る状況で行なうことが大切です。お風呂の中や、就寝前の時間を用いるのも良いですし、なかなか時間がとれない方は仕事の休憩時間などに座ったままでも大丈夫です。1日3分程度行なうのが効果的だと言われています。
1、まずは腸を刺激するマッサージをします。手のひらを大きく開いて、両脇のウエストの辺りを両手で上下にやや強めに動かします。この作業を10回程度繰り返します。
2、小腸の老廃物を大腸の方に移動させるマッサージをします。今度は両手の指を揃えて、おへその左横約3cmの場所から、右横約3cmの部分までアルファベットのUを書くようにマッサージします。これを3回繰り返します。
3、大腸の老廃物を更に下の方に移動させるマッサージをします。2と同様に両手の指を揃えて、おへその右下から左下までアルファベットのUを上下逆さに書くようにマッサージします。へその右下とは2のマッサージの最後の部分と大体同じ場所だと考えてください。特にへその左下の部分に関しては念入りに力を入れて揉みます。これを3回繰り返します。
4、便意を促すマッサージをします。2や3と同様に両手の指を揃えて、お腹全体を時計回りにマッサージします。ゆっくりと力を込めて5回程度丁寧に揉みましょう。
著者もお腹に便が溜まっていそうな時に、実際に実践してみましたが、30分ほどでお通じがきました。これは腸壁の汚れも落としてくれるそうなので、お腹がすっきりしたと感じました。ぜひ皆さんもリラックスして実践してみてください!
小腸の6点もみをしてむくみ解消
次は小腸のコリやむくみを解消するマッサージを御紹介いたします。マッサージするのはおへその周りの6部位です。真上、左上、左下、真下、右下、右上の6点を重点的に揉みます。
両手の人差し指から薬指までの計6本の指を使います。親指は人差し指に、小指は薬指に添えておくようにするとやりやすいです。この6本の指を揃えて重ねます。指の腹で上記の6点のポイントを押さえ、小さな円を描くようにお腹を押し回します。
この時には鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり息を吐くようにし、リラックスして深呼吸しましょう。1周して指が入りにくいところや、コリや痛みを感じるところはもう一度重点的に押し揉みをすると良いでしょう。
大腸もみマッサージ
便秘を解消し、宿便もすっきりと排出することが出来るマッサージです。便秘は体の老廃物を体外に排出できない訳ですから、健康を阻害すると言われています。
右側の腰骨の下辺りと、左側の肋骨の下辺りを掴むように揉みます。痛みがなく、気持ちの良いくらいがベストです。3分間程度、丁寧に優しく揉むことが大切です。腸を温めると、動きが良くなるため、お風呂や布団の中など体を温めてマッサージすると、より効果が期待できます。
小腸は身体の中で固定されていないので、場所が分かりにくいですが、大腸は肋骨と腰骨の間に固定されており場所が特定しやすいのです。特に動きが悪くなるのが、上記の右側の腰骨下の小腸から大腸に移る入り口と、左側の肋骨の下辺りの横行結腸の部分なため、ここを集中的にマッサージすることで効果が得られます。
この大腸もみ出しの方法は、実際に便秘外来でも指導されている方法なので、安心して実践していただきたいと思います。
+αとして実践すべき、胃・肝臓のマッサージ
胃や肝臓も同じ消化器系ですから、腸もみの次のステップとして、胃や肝臓もマッサージしてあげましょう。胃は消化を促す働きがあり、肝臓には解毒作用があるためです。胃は左の肋骨の中側、肝臓はその横から右の肋骨の間にあります。
まずは胃のマッサージについてです。小腸もみの時と同様に人差し指から薬指の6本の指を第二関節まで揃えます。仰向けに寝て、リラックスしてマッサージするのがおすすめです。両手を揃えて、左の肋骨の下の一番中側に指先を入れます。ゆっくりと息を吸い、同様にゆっくり息を吐き、肋骨のきわに指を押し込むように揉みます。中側から外側まで、2cmくらい間隔をあけて、計4か所程度を押し揉みます。深呼吸してリラックスしてください。
続いて、肝臓のマッサージについてです。胃の時と同じようにやりますが、場所が左右逆なので気を付けてください。肝臓は右の肋骨の後ろにあるため、右の肋骨の中側から外側に向けて、ゆっくり呼吸をしながらマッサージします。
今まで紹介してきたマッサージ共通ですが、力を入れすぎないように、体を労わってあげましょう。ゆっくり深呼吸をし、リラックスして行なうことが大切です。
腸もみをすることによる効果
腸を活性化させることはとても大切です。冬の寒い時期や夏の冷房などにより、体を冷やしてしまうと、血液の流れが悪く、腸が固くなり便秘がちになってしまうことは前述しました。この際に腸もみでマッサージすることにより、固くなった腸を温め、排便をスムーズにします。
腸が固くなることにより下半身の冷えにも繋がり、代謝が悪くなり太りやすくなります。便秘を繰り返す事により体内に毒素が周り、代謝が悪くなる点も同様です。これらを防ぐために、腸の上から直接押して、代謝をあげることにより、ダイエット効果が期待できると言われています。
小腸の裏側には体内の老廃物や毒素を運び出すリンパが密集しているため、そこに刺激を加えることでリンパの流れが良くなります。腸もみをして、腸を温めることで冷え性の改善、肩こりや頭痛の軽減に繋がる事も多いそうです。血流が良くなるため、高血糖や高血圧の改善にも繋がります。
また、老廃物を体外に出すことにより、腸が栄養を吸収しやすくなり、美容効果も期待できます。胃腸の調子が悪い時に、口内炎やニキビなどができやすくなるのはこのためなのです。
腸を健康にすることは、ダイエットや美容の効果が期待できる他、精神安定、冷え性、肩こりの改善までさまざまな良い事があります。腸を健康にすることで免疫力が上昇し、風邪をひきにくい体にもなります。ぜひ、あなたの生活にも取り入れてみませんか?
腸もみをする時の注意点
腸もみの良い点を御紹介してきましたが、注意しなければならない事もいくつかあります。お腹はデリケートな部分ですから、強く刺激を与えるのはNGです。ゆっくりと優しく丁寧に揉みほぐしてあげましょう。刺激が強すぎると、逆に筋肉痛になったり腹痛を引き起こす事もあります。
そして、空腹や食後30分以内には行わないようにします。どこでも気軽に行なえると言われてはいますが、一番効果的なのは、起床時や入浴後、夜寝る前などに横になってリラックスして行なう事です。
他、下痢などで腸の調子が著しく悪い時、生理中で過敏になっている時は避けた方が良いとされています。妊婦さんや、腹部の手術直後や炎症で出血がある時、インシュリン注射の投与直後も禁忌とされています。
1日だけ行なっても十分な成果は出ません。毎日習慣的にマッサージし、体調に気を配りながらコツコツ継続することで、自らの健康にも繋がるのです。
まとめ
腸もみのやり方、それによってさまざまな効果がある事が分かりましたでしょうか?脳と腸は繋がっている…というほど、精神的な面も大きく影響し、腸を温めることで、結果的には免疫力UPにも繋がるのです。
最初はどの部分をどのように揉むのか、試行錯誤かと思いますが、正しい方法でやってこそ成果が出るマッサージです。なかなか習慣化するのは大変かと思いますが、無理のない程度に継続することで、毎日の生活も気分よく送れるかと思います。ぜひ、腸もみを日々の習慣として取り入れてみませんか?
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