中途失明の原因となる7つの病気とは?治療法や予防法も紹介!

眼が見えなくなるということは、晴眼者からは想像だにできないことかと思いますが、それこそ数は少ないのですが年に何人かは、視力を失う方がいらっしゃいます。情報の8割方は眼から得る視覚情報となるので、その情報を得る眼の機能が失われると、生活のレベルが相当下がることになります。

この失明の主な原因は事故とか病気であり、それ以外には先天的に視力が弱い先天盲の方や、遺伝によることが原因ということもあります。実際には、中途視覚障害者といい、その多くは弱視ということで全盲ではなく、明るさは感じたりぼやけては見えるということものがほとんどです。

病気で視力を失う人も、普段から生活習慣に気をつけていれば防げたものもあり、ある意味普段からの心がけも重要となります。

また加齢により視力を失うということもあります。一概に原因がすべてとは決めつけられず、不可避的な要素もかなりあります。今回は、もともと眼が見えていたにも関わらず、中途で失明することについてお伝えいたします。

中途失明の原因となる病気

眼

失明に至る過程においては、さまざまな理由があります。ここでは主に失明に至る病気についてお伝えいたします。

緑内障

現在のところ、失明など視覚障害の原因の第一位がこの緑内障です。年齢が高くなるとかかりやすい病気ですが、放っておくと失明に至ります。

症状としては、視野狭窄といって視界が段々と狭まってきます。通常は、それに気づくと思われるのですが、両目でモノを見ている限り、かなりの頻度で視界が狭くなっていることに気がつかないのです。それがこの病気の発覚が遅れる最大の原因です。

この病気の場合は早期発見と早期治療がなによりで、検査などをきちんと行い、眼圧を必ず毎年調べたり、視界の状況を観察していれば、問題なく発見できます。ですが、いまのところはまだはっきりとした原因とその治療法は確立していないため、かなりの慎重を要することになります。

治療法と予防法

だいたい40代からその症状が現れるようです。まずは第一に、40代を過ぎたら定期的な診察をを受けることが最大の予防法です。緑内障はかかると、その症状の進行を抑えることはできないのですが、進行を遅くさせることはできます。これを放置してしまうと、失明する可能性が高くなります。

これといった治療法は今のところありませんが、薬でその進行を遅らせることがメインの治療ということになります。

また、予防法もこれといった決定的なものはありませんが、ブルーベリーなどに多く含まれるルテインなどが眼にいいと言われています。年齢がある程度にいったら、意識的にルテインを多く含むサプリメントを服用することで、進行を抑えることができます。

糖尿病網膜症

文字通り、糖尿病が原因で併発する失明です。失明する確率からいくと、緑内障に続くものです。糖尿病はこの糖尿病網膜症を引き起こすのですが、その他にも緑内障や網膜剥離も併発する可能性が高く、さらに万病の元といわれる他の病気も引き起こす恐い病気です。まずは糖尿病を完治させることが重要となります。

症状としては、糖尿病にかかることにより、網膜を含め眼の部分にある血管が詰まり、酸素が行かなくなることで、視力を失うことです。また、血管が詰まることにより、血管が変形、出血も引き起こしやすくなります。

この糖尿病網膜症には、3段階の進行状況があります。

単純網膜症

比較的初期の症状で、眼球の中に小さな出血が見られることです。

前増殖網膜症

上記の単純網膜症が進行して、その出血が大きくなっていくことで、その他に眼底に白い斑点ができます。痛みなどの自覚症状はありませんが、稀に飛蚊症状という視野に黒い点が見える症状があります。

増殖網膜症

血管が変形したり硬くなったりすることで、その血管の代わりに新しい血管ができてくる症状です。つまり、血管がつまることにより酸素不足になることで、血管が増殖するのです。

この血管は実は脆いために眼球内で破れて出血します。ただ、これでも自覚症状があまりなく、発見も遅れて手遅れになることが考えられます。その後次第に視力が落ちてきます。

年に一度の病院での検診をしていれば、まず発見されないことはありません。ただこの場合はこの眼の症状を改善しようしても、進行を遅らせることだけです。元々の原因は糖尿病なのであって、糖尿病を治さない限り、眼の方もよくなることはありません。そして、進行してしまうだけです。

治療法と予防法

まずは糖尿病を治すことが大事です。ですが、この糖尿病は生活習慣病というものと同類ですので、普段からの習慣が影響します。炭水化物をたくさん摂取するとか甘いものを日常的に摂取する習慣がある人は、その習慣を改めないといけません。

日々自身の身体を悪い方へ悪い方へと向かわせている訳で、これは性根を据えて、取り組む必要があります。何かあれば医者に頼ろうという精神では手遅れになることがほとんどです。

この糖尿病を改善することで、まずは糖尿病性の網膜症は改善し、予防にもつながります。

網膜色素変性症

この病気は遺伝性のものであり、段々と視野が狭くなり、やがて、視力を失うという病気です。眼の中の視細胞がその遺伝により機能しなくなり、失明するということです。

初期症状としては、薄暗いところや夜に見えにくいということが起きます。さらに視力や色覚を判断する錐体という部分にも異常を起こし、見えづらくなります。ただ当人は割とそのようなものと思っているので、その病気が発症しているとは思っていません。

また、その進行にはかなりの開きがあり、発症がわかってからも数年してから視野が狭くなってくることもあります。また、年を取ってからの発症がわかることもあり、その際でも高齢で70や80歳になっても視力を失わないこともあります。

治療法と予防法

主に遺伝が原因なのですが、遺伝といってもその発症率は5000から8000分の1ということです。遺伝ということもあるゆえに、その予防法も治療法もありません。その症状を受け入れる以外に今のところはないようです。

ただ、視力を多少でも維持することのできる薬を服用することはあり、それとプラスして眼に必要な栄養素を積極的に取ることで、多少の効果はあります。

この病気の場合、突然に視力を失うものではないので、残酷なことではありますがそれまでになんらかの準備をすることができますし、必要となります。

それは仕事など今後の人生設計のことで、過去の例としては、按摩や針灸などのハリ師の資格の取得などが上げられます。

網膜剥離

人の眼にある硝子体と呼ばれる部分には、薄く覆う膜があります。この膜は見えるものを映し出し、情報に変換する仕組みとなっており、回りにはその映像や光などの感じ取る神経が編み巡らされています。

この膜の部分を網膜というのですが、加齢などの影響により剥がれてきてしまいます。これが網膜剥離で、特に痛みなどはないものの、写し出すことなどが困難になりやがて失明をしてしまうということです。その他の原因として、眼を強打したり、極度の近視の人にも起こりやすいといえます。

治療法と予防法

一般的に加齢による発症が多いのですが、怪我による発症の例もあります。治療法としては、それほど進行していない場合は、レーザー治療、かなり進行している場合は、眼球内の手術をすることになります。

レーザー治療は、日帰りで済む場合がほとんどですが、眼球内手術は、約2週間の入院が必要となります。また、このような状態にならないように、日頃からの眼のケアや良いとされる栄養素を取るということが、予防となります。

ルテインやアントシアニンなどが眼に良い栄養素で、眼球の内部であるガラス体の抗酸化を妨ぎ網膜剥離を起こさないという状態にできます。

詳しくは、網膜剥離の原因は?症状や治し方を知っておこう!を読んでおきましょう。

ぶどう膜炎

ぶどう膜とは、光を調整する虹彩とピントの調整をする毛様体、網膜にある脈絡膜の3つの総称です。この部分が炎症を起こすことをぶどう膜炎といい、眼の中にあることから内眼炎とも言われます。

原因はウイルスなどによるものと考えられていますが、実際には特定できない場合がほとんどです。症状としては、眩しい、痛み、充血、かすみなどがあります。ほうっておくと失明の危険度が高いということで、すみやかな対処が必要となります。

詳しくは、ぶどう膜炎は完治する?症状や原因、治療法を紹介!再発を防ぐにはどうすればいい?を参考にしてください。

はしか

かなり昔ははしかにかかることにより、失明になるケースもありました。現在ではほぼ皆無となっています。

ハンセン病

らい病などとも言われ、多くの医師たちや大学での研究でも、不治の病と言われてきました。この病気に罹ると、その患者から病気が移らないように隔離するしかないという時代が長く続きました。

その悲惨さは過去の歴史が物語っています。これは特に眼が見えなくなることだけでなく、顔の変形や指や腕の奇形など、さまざまな症状があります。感染する病気ではありますが、その菌はそれほど強いものではなく、長い潜伏期間を経て病状が進みます。そのため最も感染力の弱い感染病ともいわれています。

それこそ不治であったために業病とか呪いともいわれていた時代もありました。そしてこの病気が元で、失明するケースも多かったのです。

現在は、原因菌であるらい菌の発見により完治する病気となっており、さらに患者数も激減しています。また、日本財団はこのハンセン病の根絶を目指し、医師との研究や海外にも多くの施設を作り、その制圧に力を注いでいます。

従来に多かった失明

目

元々多かった失明の原因について記載しております。

白内障

最近では失明までにはいたりませんが、この白内障という病気は失明の可能性のある病気でした。これは眼の中にある水晶体が加齢によって濁ってくるのが原因となり、視界がぼやけてくることです。80歳代ともなると、ほとんどの人がかかるものです。

現在は水晶体を手術で人工的なものと入れ替えることにより、その濁りが解消されて、普通の生活ができるようになります。

遺伝子の影響

遺伝子による失明は現在でもかなりあります。厄介なことに隔世遺伝といって、孫に遺伝するものもあり、さらに若いうちは通常の視力を持っていますが、年齢を重ねるごとに視力が失われていくものもあります。

また、お互いの夫婦が持っている遺伝子が組み合わさることで、その子に症状が出てしまう遺伝もあり、これは避けようのないものです。

怪我の影響

眼やその周辺の怪我が原因により失明することもあります。怪我が元でその視神経の働きが阻害されてしまうわけですが、この場合は片方のみということがほとんどです。

怪我により視神経が損傷を受けた場合は、治療等を行っても回復することはまずありません。

ハンセン病

長年の研究者や医師、患者の犠牲により、完治する病となりました。

従来は失明といことだけでなく、身体の不具合もある上に、社会的に隔離をされてしまうということもあり、非常につらかったと思います。

社会復帰の方法など

風景

視覚の異常があると、社会生活面では相当のハンデとなります。よって、学校などでの特別の教育を受ける方がほとんどです。

盲学校

一つの方法としてですが、盲学校なるものがあります。盲学校は全国に70校程ありそのほとんどには寄宿舎が併設されています。

そして以前は「盲学校」という名称がついていましたが、現在は盲学校とは言わずに視覚特別支援学校となっています。年齢的には幼稚園に通うぐらいの子から、高校に通う20歳前後が多いのですが、マッサージなどを学ぶ高等部には50代の方も学んでいるように、幅広くなっています。

学ぶ内容は普通の学校と同様に国語、算数、理科、社会などの一般的なものの他、日常生活を一人でも過ごせるような生活訓練や歩行訓練をする特別な授業があります。

また、目の感覚を補うように皮膚の感覚で判断できるような、体性感覚を身につけること学べるようにもなっています。そのほとんどが、通常の学校には通えない人が学んでいます。

職場への復帰

継続型

職場に復帰するには、それなりの訓練が必要になりますが、この継続型はその職場に在職したまま、研修や職業訓練を受けることができるシステムです。非常にありがたい制度でその職場で保証されると共に、給与などをもらいながら、ほとんど影響なく勤務できます。

復職型

職場を退職せずに休職して、ある程度の訓練を受け、その後に職場へ復帰することです。会社側からはその承認を受けることが必要となり、さらにその後の仕事にもかなりの制限がかかります。よって、寛大な会社側の処置とその後の仕事の有無も重要な要素となります。

ある意味、給与体系に影響が出ることもやむを得ないこととなります。

再就職型

会社を退職した後、訓練やリハビリテーションを受け、その後に新しい別の会社で働くことです。なかなか難しい状況ではありますが、最近は大手の企業は従業員数に対してのある程度の割合の人を雇う義務が生じているところから、杖などを使うことで通えるように受け入れの体制は、昔に比べて整ってきています。ただ、従事することに当たってはそれなりの給与体系や勤務体系も含め、厳しくもなります。

まだまだ、健常者と比べての能力的な問題もあるため、かなりの壁の高さはあります。個々人の失明の予防は対処も合わせ、防ぐ努力は必要となります。

点字

幼少期より失明もしくは弱視によりみることが思うようにならない場合、点字訓練でコミュニケーションを図ることができます。しかし、この点字はかなりの年齢を経てから学ぶとなると、かなり苦労します。

やはり皮膚の感覚などが子供の時と比べて鈍になることの他、その機能はほとんど使われていないがために、その神経は発達していないことが理由です。

ただ、ある程度は地道に努力することにより、多少はカバーできるようにはなりますので、その努力は続けることは重要です。

漢点字

点字で漢字を表せるようにしたのが漢点字であり、通常の点字は6つの点ですが漢字の場合は8つの点で表現します。ひらがなでさえも覚えるのは結構大変なのに、それがさらに漢字が加わりますので、もっと大変かと思います。

幼少ですと点字の覚えるのも早いのですが、ある程度の年を取ると、その覚えることはかなり難易度が高いとのことです。こればっかりは、先生の言う通りに訓練をしていても、ある意味感覚的な要素が大きいので、触ってもその点字が何を表しているのかもわかりづらいとのことです。

パソコン

音声ソフトの使用とパソコン訓練をして意思の表現が可能となっています。

もちろん、入力したあとにはその文字が正しいかの確認が必要となり、最終的には一人ではなく、他人の力も必要とします。

鍼灸師、按摩師

視力を失う人の多くがこの鍼灸師や按摩師のように手で行う技術を身につけて、職を行うということです。

これもなかなか技術を習得するには困難を要しますが、やはり後々は生活していくための職が必要となります。

障害年金

視力を失うことは収入源も失うことにもなります。そういう意味では国からの援助として、年金が受け取れます。その障害の度合いにもより受け取る金額が違ってきます。

かなりの重度でないと多くの金額になりませんので、それだけで生活していくには難しい場合もあります。

障害者手帳

障害者扱いということになりますと、この障害者手帳が発行されます。

これはいろいろと便宜を計らってくれることが多いので、必ずもらうようにします。

視力回復に効果のある栄養素

ブルーベリー

一概にすべてが適するかというと、薬に対する相性などもあり。何とも言えないものです。

・ルテイン

主に緑黄色野菜に含まれており、抗酸化作用が非常に強い成分です。目の加齢や有害な光から守ります。

・アントシアニン

眼の病気全般的に改善する栄養素の一つで、予防に効果があるために日常的に摂取することをお勧めします。

・亜鉛

失明率の一番高い糖尿病網膜剝離に効果のある栄養素です。亜鉛は現代人が非常に摂取しづらい栄養素であり、これが不足すると血糖値が上昇する傾向にあります。亜鉛が不足すると必ず糖尿病になる訳ではなく、普段の食生活、生活習慣が重要です。つまり、糖尿病の人は亜鉛の欠乏率が高いということです。

・コンキオリン

この栄養素はタンパク質であり、網膜の内部にあるコラーゲンを多く含む部分を補う役目をします。また、他のルテインなどと同様に抗酸化作用を及ぼすので老化や参加を防ぎます。

まとめ

とおりゃんせ

いかかでしたか。実際に失明になっていないので、正直に失明者の気持ちにはなってみないとわからないと思います。

中途視覚障害者というのは、完全に失明する訳ではなく、弱視というように、見えづらいとか視界が狭い、その対象物がぼやけるなども含みます。逆にその方が多い傾向です。

眼に関する病気などは、その情報のほとんどが眼から入るものなので、失われると非常に不便であり、ある意味情報障害を受けるということです。早い人は40代から、その兆候も現れますので、十分な注意をすることが後々にもよいものと考えられます。

特に今は眼に負担の多いスマホなどの頻度が高いので、過度な負担がかからない程度に注意をすることが望ましいかと思います。

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