尿カテーテルとは?必要なのはどんな場合?種類や使用方法を知ろう!

「尿カテーテル」とは「尿道カテーテル」「経尿道的カテーテル」のことです。尿道口から膀胱に通して導尿するカテーテルのことです。

いろいろな理由で尿閉や排尿困難が起きたり、手術したりする時に、尿道カテーテルを用いて導尿する必要があります。カテーテルを長期に留置する場合は、膀胱留置カテーテルを使います。

尿道カテーテルを適正に使用しないと、尿路感染症を引き起こします。尿路感染から重篤な合併症が起きることもあるので、注意が必要です。

尿道カテーテルを必要とする場合やその使用上の注意、尿路感染などのリスクについてお伝えします。

尿道カテーテルの使用

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カテーテルとは、胸腔・腹腔などの体腔や、消化管・尿道などの管腔、血管の中に挿入する細い柔らかい管です。

尿道口から尿道を経て膀胱に挿入するカテーテルを「尿道カテーテル」「経尿道的カテーテル」「尿カテーテル」といいます。

[尿道カテーテルを必要とする場合]

手術の時や手術後にも尿道カテーテルが必要になります。

尿道カテーテルの挿入を必要とするのは、次の患者です。

①前立腺肥大など泌尿器系の疾患による尿閉や排尿困難

「尿が出たいのに思うように出ない」「残尿感が強い」「尿漏れがひどい」など、排尿がスムーズにいかないのは、つらいものです。尿道カテーテルにより導尿すると、スッキリします。

尿閉とは、膀胱に尿が溜まっているのに尿が出ない、あるいは僅かしか出ない状態です。

②脊髄や末梢神経の損傷による排尿困難

脊髄損傷により自分で排尿ではない患者や、膀胱など末梢神経を損傷して、神経因性の膀胱機能不全になり、尿閉や排尿困難が起きている患者を導尿します。

③麻酔や薬剤による排尿困難

麻酔や薬剤により自分で排尿できない患者を導尿します。

④手術

泌尿器系の手術またはその周辺臓器の手術、全身麻酔下の手術、下半身麻酔下の手術を行う場合は、カテーテルにより導尿します。

⑤安静を必要とする患者、または寝たきりの患者

手術後や安静を必要とする重症患者、寝たきりの患者は、尿道カテーテルにより導尿します。

長期間の導尿が必要であれば、「膀胱留置カテーテル」「尿道留置カテーテル」というバルーン付の尿道カテーテルを使用します。

⑥正確な尿量の測定

重症患者の場合は正確な尿量を知る必要があるため、尿道カテーテルを挿入して、検査・測定を行います。

[尿道カテーテルを扱う資格]

尿道カテーテルを操作できるのは、医師・看護師と、医療者に十分指導を受けた患者本人と患者の家族などの介護者です。

医師と看護師は厚生労働省による国家資格です。医師は医師国家試験に合格して医師免許を取得します。看護師は看護師国家試験により看護師免許を取得します。

病院など医療機関では、医師と看護師が尿道カテーテルを操作します。患者本人や介護する家族が操作するのは、在宅医療の場合です。

[尿道カテーテルの種類]

尿道カテーテルの材質は、ラテックスかシリコンです。シリコンは高価ですが、挿入がスムースにいくようです。閉鎖型と開放型がありますが、閉鎖型カテーテルの方が細菌の感染を防ぎます。

留置カテーテル

「膀胱留置カテーテル」「尿道留置カテーテル」「バルーンカテーテル」「バルーン付尿道カテーテル」のことです。呼び方が違うだけで、同じものです。膀胱に入れたままにするカテーテルです。短期間でも長期間でも使用できます。

フォーリーカテーテルとも呼ばれ、2wayと3wayがあります。通常は2wayを使用します。

短期間カテーテル

「間欠カテーテル」ともいいます。手術後、短期間、患者の導尿が必要な場合に使用します。膀胱が空になると、抜去します。

また、在宅医療で、患者本人や家族などの介護者が導尿する場合に使用します。携帯用のカテーテルもあります。

[尿道カテーテルの使用方法]

尿道カテーテルは麻酔なしで挿入します。痛みが激しい場合はキシロカインゼリーを塗布したり注入したりします。

カテーテルを操作する医療者(医師・看護師)は、手・手指の洗浄と器具の消毒に留意します。尿道カテーテルを挿入する前に陰部を清潔にします。挿入前に尿道口をイソジンなどで消毒していましたが、近年は、あまり意味がないとして、消毒しないことがあります。

尿道カテーテルを操作する看護師は、清潔と患者に対する愛護の精神を忘れないようにします。無理に挿入したり、不適正に挿入したりすると、尿道を損傷する可能性が高くなります。痛みは個人差が大きいので、患者の様子をよく観察しながら操作することが大事です。

男性の場合

男性は尿道が長く、前立腺があるので、尿道カテーテルの挿入は容易ではありません。前立腺肥大があると、さらに困難になります。仰臥位で挿入します。

尿道口を開き、ゆっくりとカテーテルを挿入します。あらかじめキシロカインゼリーを塗布すると、痛みを緩和し、挿入を潤滑にします。痛みが強かったり、挿入が困難だったりする時は、無理に挿入しないで、一旦カテーテルを引き抜きます。キシロカインゼリーを塗布し直したり、注射器でキシロカインゼリーを注入したりします。

前立腺を通過する時は、抵抗が大きくなります。膀胱に到達すると抵抗がなくなり、尿が出て来ます。留置しない場合は、尿を排出し終わったら、カテーテルを抜去します。

前立腺肥大の場合は、さらにカテーテル挿入が困難です。通常のカテーテルを細いコシのあるカテーテルに替えます。挿入しやすくなりますが、尿道を損傷しやすくなるので、要注意です。

女性の場合

女性の場合は尿道が短いのですが、尿道口を確認するのが困難です。特に、極端に肥満している女性と高齢の女性は尿道口を確認するのが難しく、膣と間違えて挿入しないように注意する必要があります。仰臥位または砕石位で行います。

尿道カテーテルが膀胱に到達すると、自然に尿が出てきます。

バルーンカテーテルを留置する場合

膀胱留置カテーテル(バルーンカテーテル・尿道留置カテーテル)を挿入・留置する場合は、カテーテルが膀胱に到達して、抵抗感がなくなったところで、バルーンを膨らませます。バルーンに滅菌蒸留水またはバルーン固定液を注入して膨らませます。

(バルーンを膨らませるのは、滅菌蒸留水かバルーン固定液)

バルーンを膨らませる時に、生理食塩水のように固形物が溶質となっている溶液を固定液として使用するのは、厳禁です。溶質が析出して、カテーテルが詰まる(閉塞する)ことがあります。カテーテルが閉塞すると、カテーテルを抜去する時に、バルーンの排水ができなくなる可能性があります。

バルーンを膨らませる時は、滅菌した蒸留水(滅菌水)または、専用のバルーン固定液を使用します。滅菌水が減少しないように注意し、必要に応じて補給します。

(バルーン容量)

バルーン容量は、5cc~30ccです。通常、成人は10cc、小児は5ccにします。

バルーン容量は、滅菌水注入口に表記してあります。

(バルーンが膨らんだら固定する)

尿道カテーテルが適正に挿入されていないと、バルーンが尿道で膨らんでしまいます。尿道でバルーン部が膨らむと抵抗感があるので、排水してやり直します。

バルーンが抵抗なく膨らんだら、抵抗を感じるまで少し引き出して、導尿チューブを、男性は下腹部、女性は大腿部内側に固定します。膨らんだバルーン部が、カテーテルが抜け落ちるのを防ぎます。

(バルーンの排水ができない場合)

尿道カテーテルを抜去する時は、まずバルーンの排水を行ってしぼませます。

バルーンの排水ができないことがあります。バルーン内の蒸留水またはバルーン固定液を抜こうとして、シリンジの内筒を強く引きすぎると、陰圧がかかって閉塞してしまいます。その時は、バルーンに滅菌水を勢いよく注入してから、シリンジの内筒を静かに引きます。

どうしても排水できない時は、バルーンにベンゼンを注入して、バルーンを破裂させます。膀胱粘膜に影響を与えるので、バルーンカテーテル抜去したら。すぐに膀胱洗浄を行います。

尿道カテーテルの管理

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尿道カテーテルは、細菌による感染を引き起こしやすいので、尿道カテーテルの管理は感染管理と言えます。

尿路感染は院内感染患者の40%を占めます。その尿路感染の66~86%が尿道カテーテルなどの器具が原因です。

現在、総合病院や大学病院では、医療安全管理部を設けて院内感染など医療事故の防止に努めています。医療安全管理部は、院長・副院長・部長などの医師、看護師長、事務長らで構成されています。その中には、感染管理責任者も当然います。尿路感染症の予防についても、種々の対策が立てられています。

[尿路感染]

尿道カテーテルの装着患者は尿路感染のリスクがあります。でも、重篤な状態になることはあまりありません。全身の状態が良好な患者は、ほとんど自覚症状がありません。軽症の場合も、カテーテルを抜去すると改善します。発熱などが続く場合は、抗生物質を投与することがあります。

しかし、リスクの高い装着患者は尿路感染が重篤化して、膀胱炎や腎盂炎(じんうえん)、さらに敗血症(菌血症)を引き起こすことがあります。合併症を生じる可能性もあります。

尿路感染の原因菌

腸管内に常在する細菌(大腸菌・腸球菌など)が原因菌になる場合が多いようです。

尿道カテーテルを操作する医師や看護師の手・手指を仲介して感染する場合、カテーテルなどの器具から感染する場合は、病院環境に常在する微生物が原因となることもあります。抗菌剤耐性菌の緑膿菌やセラチア菌に感染することもあります。

尿路感染とカテーテル装着の実施期間

留置カテーテルを装着する期間の長さは、尿路感染発症のリスク要因となります。

尿道カテーテルを留置すると、装着患者に細菌尿が出現する確率は、1日に3~10%増えていきます。30日後には、ほとんどの装着患者に細菌尿が出現します。

膀胱留置カテーテルの装着はできるだけ短期間にするように、医師達は心がけています。

尿路感染の症状

ナースは、尿道カテーテルと蓄尿バッグ(集尿バッグ)の位置などに注意するとともに、次のような症状を観察ポイントにして、尿路感染を早期に発見するようにします。

  • 頭痛・発熱が生じます。
  • 細菌が膀胱壁を刺激して、下腹部痛・尿意・出血などの膀胱刺激症状が出ます。
  • 膀胱が収縮したり、膿でカテーテルが閉塞すると、尿漏れが起こります。
  • 膿尿・血尿が出ます。
  • 尿量が減ったり、尿臭が強くなったりします。

[尿道カテーテル装着による合併症]

尿道カテーテルを留置すると、いろいろな合併症が生じることがあります。

膀胱結石・尿路結石

尿道カテーテルを留置すると、尿の中の物質が結晶化しやすくなります。尿路感染が起きると、アルカリ尿になりますから、さらに結石ができやすくなります。

膀胱刺激症状(下腹部痛・尿意・出血)が生じ、膿尿・血尿が出ます。結石がカテーテル内部に付着して閉塞させると、尿漏れが起こります。

膀胱結石を予防するには、クランベリージュースやビタミンCを摂取し、できるだけ水を飲むようにします。

尿道損傷

尿道カテーテルを無理に挿入したり、適正な角度で挿入されなかったりすると、尿道を圧迫して、血流障害を起こします。血流が障害されると、陰部潰瘍や尿道皮膚婁(ひふろう)が形成されることがあります。

疼痛や出血が生じます。カテーテルを柔らかなものに替えたり、固定する位置を変えたりします。

委縮性膀胱

膀胱には、尿が溜まると伸展して、尿意を感ずる機能があります。長い間、尿道カテーテルを留置していると、自然に排尿されてしまうので、膀胱の伸展機能が低下して委縮します。

カテーテルを抜去した後に、頻尿や尿閉が生じます。カテーテルを抜去する前に、膀胱訓練を行います。

[尿道カテーテルによる感染の予防]

病院における尿道カテーテルによる感染予防は、看護師が主となります。感染対策室など設置して、病院全体として感染予防に取り組んでいますが、やはり、日常の看護を行うナースの役割が大きいといえます。

患者・器具・看護師自身の清潔を保ちながら、ポイントを外さずに患者を観察し、感染兆候を早期に発見して、医師に報告します。

①手洗い・陰部洗浄を徹底する

看護するナースや診療する医師は、石鹸による手・手指の洗浄を徹底するのは、当然ですが、患者の手・手指も洗浄して、清潔にします。

入浴やシャワーが許されている患者は、入浴・シャワーで陰部を清潔にします。入浴・シャワーができない患者は、毎日陰部洗浄を行います。

尿道カテーテル挿入口付近を常に清潔にすることで、感染をある程度防ぐことができます。

②適正なカテーテルを選び、定期的に交換する

感染予防のためには、完全閉鎖式カテーテルを選択します。カテーテルの材質などは、患者の体質(アレルギーなど)を考慮して刺激性の低いものを選びます。生体適合性への配慮も感染予防の役に立ちます。

カテーテルは、病院によって異なりますが、通常2~4週間ごとに交換します。尿漏れ・カテーテルの閉塞が起きた時は、適宜交換します。

③カテーテルの接続部を消毒する

尿道カテーテルと蓄尿バッグ(集尿バッグ)チューブとの接続部から細菌感染する可能性が高いので、接続部の消毒・清潔には、特に留意します。

必要がなければ、カテーテルとチューブの接続部は外さないようにします。カテーテル交換時は、必ず接続部をアルコールなど消毒液で消毒します。

④尿の逆流に注意する

排泄した尿が逆流しないように、蓄尿バッグは膀胱より低い位置に置きます。カテーテルが屈曲しないように用心します。

移動・移送の時は、蓄尿バッグを空にしてから、膀胱より低い位置になるようにして、逆流を防ぎます。

⑤定期的に蓄尿バッグの尿を廃棄する

排尿口が容器に触れると細菌感染しやすくなるので、定期的に蓄尿バッグの尿を廃棄します。

⑥水分を摂取する

尿量が少なくなると、尿が膀胱や尿道に留まって、感染のリスクが高くなります。水を十分に飲んで尿量を増やします。

ただし、水分摂取量を制限される疾患のある患者は、医師の指示に従って水分補給を行います。

⑦安易に留置カテーテルを使用しない

患者には、できるだけ自力で排尿するようにさせます。トイレに行ける患者は、トイレで排尿するようにし、トイレに行けない患者には差し込み便器などを使用します。

介護の利便性のために、尿道留置カテーテルを使用するのは避けます。失禁患者のオムツ替りに尿道留置カテーテルを使用するべきではありません。

在宅医療と尿道カテーテル

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いろいろな事情で在宅医療を受ける場合、尿道カテーテルを使用することがあります。間欠性カテーテルを使用することもあれば、尿道留置カテーテルを使用することもあります。

在宅医療では、訪問医師の責任も大きいものですが、訪問看護師の果たす役割は病院とは違った面もあり、かなり重要になります。在宅医療は、病院医療より、患者と医師・看護師の関係が密接ですから、患者の医師・看護師に対する信頼がなければ成り立ちません。

[在宅医療で尿道カテーテルを必要とする場合]

在宅医療において、尿道カテーテルによる導尿を必要とする患者は少なくありません。患者が自分で、間欠カテーテルを挿入して導尿する場合と、尿道留置カテーテルを使用する場合があります。

間欠的自己導尿

「清潔間欠導尿」ともいいます。

大腸癌・子宮癌手術の後や、脳血管障害や脊髄疾患による膀胱機能不全、糖尿病、前立腺肥大、前立腺癌などで、膀胱に尿が溜まっているのに、自力で尿を排泄できない人は、たくさんいます。その場合は、導尿して排泄します。

患者が自分で尿道カテーテルを挿入して、排尿します。病院で医師が行うような無菌操作はできません。石鹸で念入りに手・手指を洗浄し、陰部を洗浄して清潔にしてから、カテーテルを挿入します。排尿が終われば、抜去します。

高齢者や手に麻痺があったりして自分で挿入できない場合は、家族など介護者が行います。

医師・看護師は、カテーテルの操作方法を患者にしっかり指導するとともに、患者がトイレで自力排尿できるように指導します。

在宅尿道留置カテーテル

患者自身や家族など介護者による間欠性導尿は、なかなか難しいようです。多くの人が膀胱留置(尿道留置)カテーテルの使用を選択しています(2005年メディカル朝日7月号記事)。

(尿道留置カテーテルを必要とする患者)

膀胱委縮・尿路通過障害による尿閉があるが、自己導尿できない患者や、夜間頻尿のために睡眠障害が起きている場合、また、失禁により皮膚炎や褥瘡が悪化する場合に、尿道留置カテーテルを使用します。

使用期間はできるだけ短くして、細菌感染や合併症を防ぐようにします。

(膀胱婁)

尿道損傷により尿道皮膚婁を生じたりして、尿道留置カテーテルの継続使用が困難になった場合は、恥骨上部の下腹部の腹壁と膀胱壁の間に瘻孔(ろうこう)を造り、半永久的に尿を排出する方法が「膀胱瘻」です。

外見上の問題はありますが、カテーテルの交換も簡単で、カテーテルの閉塞や細菌感染を防ぎやすくなります。

通常は、泌尿器科で、局所麻酔下で手術しますが、練達した医師であれば、在宅で手術することも可能です。

(尿道留置カテーテルは無菌操作)

尿道留置カテーテルの操作は、訪問医師・訪問看護師により、無菌操作されます。

しかし、細菌感染は避けられないので、前述の「尿道カテーテルによる感染予防」の方法を参考にして、陰部・カテーテル挿入口を清潔に保つようにします。

尿道カテーテルは通販でも買える

在宅医療で使う尿道カテーテルは、通販で買えます。標準価格より安いようです。スポンサーリンクに、間欠カテーテル・留置カテーテルなどいろいろな製品が紹介されています。消毒液付のセットもあるようです。

[在宅医療のフィジカルアセスメント]

フィジカルアセスメントとは、患者と対話しながら、患者を観察し、聴診器により呼吸音や心音を聞き取り、聴打診や触診をして、神経学的なアセスメントを行うことです。

フィジカルアセスメントは本来の医師の診療というべきですが、最近は、医療機器の発達により、総合病院など大規模な医療機関では、医師は患者の顔も見ないで診察することが多くなっています。聴診器など使わない医師も少なくありません。

最新式の高度な医療機器に頼れない街の診療所や在宅医療では、フィジカルアセスメントが重要になります。

訪問看護師のフィジカルアセスメント

在宅医療・訪問看護では、看護師のフィジカルアセスメントが何より大事です。

看護師は視診・聴診・触診・打診などで、患者の呼吸の状態、脈拍など循環系の状態、感染の有無など、客観的情報を集めるとともに、患者やその家族との会話により、主観的情報を集めます。それらの情報に基づき、在宅看護におけるフィジカルアセスメントの優先順位をつけます。緊急事態か・優先事項か・予防の問題か、考えます。

尿道留置カテーテルを装着している患者は、観察ポイントに従って、患者の状態をよく観察し、感染兆候や感染症の度合い、合併症の発症などに注意します。

看護師の仕事について

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初めに述べたように、カテーテルは尿道カテーテルだけではありません。心臓など循環器系や呼吸器系にもよく使用されます。こうした操作には、看護師の熟練した技術(手技)や高度な知識が必要です。

高度な知識・技術を修得した看護師には専門資格が与えられ、昇進や昇給、転職が有利になります。

[呼吸器・循環器]

呼吸器や循環器に関する技術・知識は熟練した看護師には必須です。

人工呼吸器

自力で呼吸が十分にできないと、人工呼吸器を使用します。気管挿管や気管切開を行い、人工的に換気する方法を「侵襲的陽圧換気」といいます。マスクを利用して補助的に換気し、気管挿管を行わない方法を「非侵襲的陽圧換気」といいます。

在宅医療では、小型の人工呼吸器を使用します。医療者でなくても操作できますが、やはり訪問看護師の観察と指導が必要です。

循環器ナース

カテーテルというと、心臓カテーテルが代表のように思われています。循環器ナースは、「心臓循環器系疾患に関する実践的な知識を所有する看護師に与えられる専門資格」です。

心臓カテーテル検査の介助・ペースメーカー装着患者のケア・右心不全と左心不全を見分けるポイントの把握など、循環器ナーシングの知識と技術を修得していなければなりません。

[看護師と准看護師]

看護師と准看護師は同じ医療従事者ですが、仕事の内容や昇進、給与、就職先などに違いがあります。

以前は、女性は看護婦・准看護婦、男性は看護士と呼びましたが、現在は、看護師・准看護師に統一されました。

看護師

看護師は看護師国家試験に合格して得られる国家資格です。厚生労働省から与えられます。

医師に従って、診療の補助と、患者の療養上のケアを行います。

研修などを受けて専門資格を得ることや、看護師長など役職に就くことができます。

准看護師

准看護師は、都道府県で実施される准看護師試験に合格して得られる都道府県知事による資格です。看護師に比較して、短期間で取得できます。

医師・看護師の指示に従って、業務を行います。

研修など一定条件を満たせば、看護師国家試験を受けることができます。准看護師のままでは、専門資格や役職は望めません。

給与と就職先

看護師の平均給与は約472万円、准看護師の平均給与は399万円ですから、大いに異なります。同年代・同勤務年数による平均給与を比べると、差はさらに広がります。

准看護師の求人は決して少なくありませんが、就職先は、個人病院・クリニック・診療所などです。総合病院・大学病院・専門病院では、高度な技術や知識を必要とするため、看護師を採用することが多くなります。

看護師転職

スキルアップや待遇改善を求めて、転職する看護師が大勢います。そんな看護師さん達に役に立つのが「看護師roo」という、看護師専門の求人サイトです。

「看護技術看護roo」では、看護技術が修得できる無料の動画も配信しています。

まとめ

尿道カテーテルは、排尿困難や尿閉で苦しむ人には、まさに「救いの神」です。「尿が出たいのに出ない」「残尿感が強く、スッキリしない」のは、本当につらいものです。尿失禁や尿漏れに悩む人も、尿道カテーテルのおかげで助かります。

手術中・手術後にも尿道カテーテルは必需品です。絶対安静を必要とする患者、寝たきりになって自力で排尿できない人には、尿道留置(膀胱留置)カテーテルが必要です。

しかし、尿道カテーテルは細菌感染を引き起こしやすいというリスクがあります。特に、尿道留置カテーテルは、長く使用すると、細菌感染は避けられないようです。カテーテルの消毒、カテーテルを扱う人(医師・看護師・患者本人・患者家族などの介護者)の手・手指の洗浄、装着患者の陰部洗浄など、清潔・除菌を心がけても、日が経つにつれて、細菌尿が出現する患者が増え、約30日後には、ほとんどの患者に細菌尿が出現します。

尿路感染が重篤化すれば、膀胱炎・腎盂炎・敗血症などを引き起こし、結石など種々の合併症も生じます。

留置カテーテルの使用期間はできるだけ短くし、自力で排尿できるように治療し、指導する必要があります。また、高齢者など介護を必要とする患者に対して、安易に尿道留置カテーテルを使用するのを避けるようにします。トイレの問題は、人の生活の基本的なことですから、できるだけ自分の力で行うことが望ましいのです。

尿道カテーテルの操作や装着患者の看護は、看護師の役割が極めて大きいと言えます。病院など医療機関においても、在宅医療においても、看護師が患者と向き合うフィジカルアセスメントが何より重要です。看護師さん、よろしくお願いしますね。

  
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