自分の口臭って自覚しにくいですよね。ひたすら気にはなるけど、なかなか人様に聞けるものでもありませんし・・・でも、ここに一つの方法があります。
何らかの都合で吐いた時!ある意味チャンスです。すぐに始末しないで観察してみましょう。あなたの日ごろ知りえない情報がそこにあるからです。
胃液の色、ここから知りうる多くの情報の中に、あなたの口臭について知る手がかりも含まれています。そして、どう消臭するのか。胃から丸ごと消臭する方法をお伝えします。
胃液そのものは無色透明
胃液はむしろ絵具をのせるパレットのような存在です。
胃液に色が付く理由とは
胃液の成分は強い塩酸と消化酵素で、どちらも色素は含まれていません。分泌されている場所は胃の粘膜全体ですが、正確に言うと胃の入り口付近から中心部分です。
胃液に混ざる色は大きく分けて2系統あります。
緑黄色と赤茶色です。理由によって色が違います。口臭につながるのはどちらも視野に入れる必要があります。どちらにせよ、嘔吐してこそ目にするものです。嘔吐そのものが既に体調の異常現象ですから胃の中が健康ではありません。
胃の消化が未熟であれ過剰であれ、適切な消化がなされていないと胃の中の食物が発酵します。それが口臭の源になる場合、いくら歯を磨いても舌苔を除去しても消臭にはつながりません。
これが胃液の色と口臭との関係です。
胃酸過多が口臭を引き起こす原因
胃の中で適切に消化できない環境、これによって食べ物の残渣物が発酵し異臭を放つのも口臭ですが、逆に胃酸が多すぎて酸化しても腐敗臭がします。
色の付いた胃液が慢性的に見られ、放置すると酸でできた傷が悪化して潰瘍になります。
やがて潰瘍部も消化力が落ちて未消化食物が増えて発酵にいたります。食物発酵と臓器の酸化臭が相まって口臭となります。
この場合の胃液の色は緑黄色から茶褐色になっています。
胃液の色別リスクは3つ
胃液に色が着いた場合のリスクを紹介します。
黄色〜緑色→胆汁
胆汁は薄い黄色ですが時間が経って酸化すると緑色になります。この色が混じってよく、黄色い胃液が出たとか緑色の胃液が!という話にはなります。あくまでも胆汁が混じっていて消化液が異常で着色されるわけではありません。
吐いてすぐ、というより吐き続けていくと嘔吐物はなくなってから黄色、やがて緑色の液体を吐くと思います。
胃の中が空っぽになって十二指腸の中の胆汁が胃液と混ざって出てくるわけです。十二指腸の奥まで行くと靱帯があって、腸閉そくなど特殊な理由がない限り胃には戻りません。しかし胃と十二指腸の境目には括約筋で締めているだけですので、激しい嘔吐では腹圧がかかって十二指腸の内容物が逆流します。
透明無色の胃液の次にこの色が出現します。
味は苦みがします。吐き気が終わるまでゲップで何となく味と臭気が上がってきます。これが口臭となって嘔吐の次に問題としてやってきます。
幸いに多くは二日酔い、車酔い等一時的な嘔吐が原因で長引くことはありません。ただ二日酔いはアルコールから、車酔いは過労として肝臓に負担をかけます。それによって胆汁のバランスが変わることもあるので程度問題ではあります。毎日が二日酔いなら別として年に数回なら嫌な思い出として残る現象でしょう。
問題は例え少量でも日常的に胆汁混じりの胃液を吐くケースです。
茶色〜茶褐色→胃腸炎
上記のような状態が慢性化すると胃壁が炎症を起こし、出血し始めます。
赤い血が酸化して茶色になります。胃の中に在る時間が長ければ長いほど酸化時間が増えて褐色に近くなります。チョコレート色と言えば分かりやすいかもしれません。じわじわ常時出血している時は吐けば酸化した血が胃液と共に出されます。酷い場合、黒っぽかったりします。
その色は出血時間の長さを意味するのです。
発生部位が胃の入り口も含むので食道を伝わり、口臭としてダイレクトに現れます。慢性胃炎、胃潰瘍なれば地続きの口腔も影響します。口内炎、歯肉炎と広がって別の理由からも異臭が加わります。
もう一つ具体的に臭いの原因を挙げると、ピロリ菌があります。
胃炎・胃潰瘍を発生しやすいものとして、有名なピロリ菌は最近まで発見されませんでした。高濃度塩酸の中に生物はいないとされてきたからです。胃カメラで組織検査するとはっきりします。それはまるで火山火口付近数千度で生物を発見したような驚きだったでしょう。放置すると胃癌の元になるというのですから一度は検査する価値のあるものです。
ピロリ菌は高濃度の胃酸の中で快適に生きるために、ウレアーゼという酵素を分泌してアンモニアを作り出します。そして酸を中和して生きるわけですが、その時に発生するアンモニアが硫黄の臭いがすると言われます。硫黄つまり「卵の腐ったような」あの臭いです。それも口臭として加わります。
西洋医学的には胃炎と口臭の関連は薄いとされているようです。口臭は医学的に病気とみなされていないのでテーマ的に関心が薄いのかも知れません。病的なことももちろんですが社会生活を送るにあたり口臭は大きな問題です。
東洋医学的には口臭の原因の一つを「胃熱」とし、これによって口腔内の唾液分泌も低下して更に臭気が強くなるとしています。炎症は「熱」と分類されますので、この胃熱は胃炎と解釈します。
ちなみに東洋医学では口臭も舌の状態も全身症状を診断する重要な要素と位置付けられています。決して日常生活で困るから、という受け止め方ではありません。近代的な検査方法のない長い時代、先達医師達は「五感を駆使して診断せよ」と教育されてきました。口臭、体臭も必須検査事項です。
口臭と胃液の色変化とのつながりはここまでとして、緊急を要する色をお伝えしたいと思います。
大量の鮮血→即、受診をお勧めします
本来、血は胃酸で酸化して茶色化するものです。なのに鮮血が出たというなら理由は「胃に留まる時間がないこと」を意味します。吐き出す、というより噴き出す、に近いかもしれません。嘔吐というより吐血です。
紛らわしいものに喀血があります。これも鮮血ですが胃からではありません。呼吸器からの出血で咳き込んで出血します。
もう一つ紛らわしいのが食道から上の出血ですが、この場合は出血量が少なく吐血とは言えません。咳もなく大量に吐血した場合は一刻を争います。胃液の色として一番危険なのは鮮血といえます。
胃をまるごと消臭する方法
お口の臭いでなく、お口の香りにするために様々な方法があります。
刺激物の飲食を控えましょう
改善するための方法を加える前に引き算から始めましょう。
嗜好品を見直してみてください。コーヒー、紅茶、アルコールは多飲されていませんか?炭酸飲料も同じです。弱った胃には休息が必要です。
牛乳も冷たいままでは胃に厳しいのですが、温めると胃の粘膜を保護してくれます。スナック菓子、インスタント食品、冷凍食品、外食弁当、これらは古い油と塩分、添加物が胃を傷めます。
刺激的な香辛料、スパイスも無くすのが無理なら減らしてみてください。少しづつでもいいので薄味に慣れていけば胃も休まります。
同様に天然素材を使用したサプリメントも考え物です。自然食品なら腐敗するはず。それがそのままカプセルに入って消費期限3ケ月など奇妙な話です。
これは実話ですが、車中でイクラ弁当を食べました。1か月後、車内を掃除したら赤い粒が落ちていて何だろうとつまみ上げたそうです。しっかりしていて、それが1か月前のイクラであると思い出すのに時間かかったとの事でした。
それでも食べた時にはイクラの味がしたというのです。そんな添加物が胃にダメージを与えないはずがありません。
ですから足し算の前に引き算をしましょう。ワックスを塗る前に汚物を除去するという手順をお勧めします。
禁煙してみませんか?
これは、あえて提案しました。個体でも液体でもない、気体です。
ニコチンは胃の粘膜に対しても容赦なく攻撃します。深く吸ってないから大丈夫。と言っても確実に胃に届きます。しかも口臭の大きな原因になるではありませんか。胃壁を荒らされた上に歯も変色して臭気を放つわけです。吸ってる姿は俳優や女優でない限り美しいものではありません。
最近は禁煙場所が普通でタバコも高い価格のものになりました。喫煙人口は確実に減ってきていると思われます。胃腸内環境の改善には良い傾向です。今では禁煙外来もあります。いつかするなら今です!
胃液を透明なまま、お口さわやかな暮らしのすすめ
★朝ごはん
胃液は一日約1500~2500mlも分泌されます。一回の食事で500〜700ml分泌されることになります。
これで朝食を抜くとかなりバランスが狂います。朝、温かくて消化に良いものとビタミン(果物)を摂るようにしたいものです。量は少なくても良いのでお試しください。
★椅子に座って
床に座って食べると胃まっすぐにはなりません。重力で上から下へ流れやすくしてあげたいものです。それでこそ蠕動運動がなめらかに働くことでしょう。そのためには椅子に座って腰を真っすぐにして背中をのばしてみてください。
食べる姿勢もさることながら、食べて最低30分は寝ころばないでください。消化液が発動するまで胃に協力しましょう。どうしても横にならなくてはならない時、右を下にして横向きに寝ましょう。それなら胃の出口が下に向くのでベターです。
まとめ
胃液そのものは無色透明
- 胃液に色が付く理由とは
- 胃酸過多が口臭原因の一つです
胃液の色別リスクを3つに分けると・・・
- 黄色~緑色→胆汁
- 茶~茶褐色→胃腸炎
- 大量の鮮血→即、受診をお勧めします
胃まるごと消臭する方法
- 刺激物の飲食を控えましょう
- 禁煙してみませんか?
- 胃液を透明なまま、お口さわやかな暮らしのすすめ
胃液の色を見る機会があれば、口臭を無くす好機と受け止めてみられてはいかがでしょう。ご健闘お祈りします。
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