腱鞘炎に湿布は有効?それともテーピング?適切な処置とは!

手首に痛みを感じる「腱鞘炎」になったことのある人は多くいるのではないでしょうか。手首に負担がかかり続けることで発症する人が多くいます。

腱鞘炎になると、痛みが気になって生活の質を下げる原因にもなります。出来ることなら早く治したいものですよね。

しかし腱鞘炎を発症している人は、原因を中々排除できないことが関係して、治療が進まず長期的に症状を発症してしまい、慢性症状に繋がってしまう事も少なくありません。しっかり原因を明らかにして、対策していく必要があります。

今回は、腱鞘炎についての記事を書いています。早く治したい人や、痛くて悩んでいる人はぜひ読んでみてください!

腱鞘炎について

まずは、腱鞘炎がどういったものなのかを知っておきましょう。自分に発生している症状が本当に腱鞘炎なのかどうかについても明らかにしていく必要があります。

腱鞘炎の症状について紹介します。

◆症状

では、腱鞘炎の症状について紹介します。

  • 炎症が発生している部分を触れると痛みが発生する
  • 腫れることがある
  • 炎症が発生している部分を動かしにくくなる

といったことが挙げられます。

腱鞘炎は関節など指や手首などを動かしている腱とそれを収めている腱鞘が摩擦によって傷ついて炎症を引き起こし、痛みや腫れ運動の引っかかりなどの問題を引き起こす症状です。

何かしらの原因で摩擦の影響が大きくなってしまうことが原因になります。

摩擦の影響が大きくなる原因は沢山ありますので、しっかり自分に発生している症状の原因を特定することが重要になります。

◆初期症状について

腱鞘炎の初期症状の状態を知って、早めに対策して治りにくい問題に発展する前に対策できるようにしておきましょう。

初期症状として感じられる兆候は以下のとおりになります。

  • 動きがいつもどおりスムーズではなく引っかかりがある
  • 関節の動きに違和感や不快感がある
  • 関節が熱を持っている
  • 関節の部分が腫れている
  • 継続的な痛みは無いが、瞬間的に痛みが発生している

これらの症状を感じた場合は、しっかり腕を休めて症状が進行しないように対策していく必要があります。

ほぼ腱鞘炎の症状の1歩手前の段階にまで来ているので、注意して対応するようにしましょう。一時的な違和感や痛みから、継続的に続く痛みや炎症に繋がる可能性があります。

一旦腱鞘炎になってしまうと完治までには2〜3週間の時間がかかってしまいます。慢性化すればさらに苦痛と不自由さが増しますので、軽く見ずに対策することをおすすめします。

◆発生しやすい場所

では、腱鞘炎が起きやすい場所はどういった部分なのでしょうか?

  • 手首
  • 指の内側
  • 肘の腱

などといった部分で、腱鞘炎は発生しやすくなります。特に、手首で発症する人が多くいるのが特徴です。

手首は骨や筋肉が弱い割には重いものなどを持ったり、瞬間的に負荷がかかる運動を行う事の多い部分になります。さらに、腱や腱鞘も細くなっているので摩擦による炎症に繋がりやすい傾向があります。

しっかりそのことを理解して、片方の腕や手首に負担がかからないようにしておきましょう。

腱鞘炎になる原因

では、どういった原因で腱鞘炎になるのかを紹介します。

①負担がかかる

手首や指に継続的に負担がかかることで、腱鞘炎になる場合がほとんどです。

負担が蓄積することで、手首や指の筋肉が疲労してきます。そうなると血行障害が起きてしまうことで痛みや腫れなどの症状が現れて腱鞘炎が発症してしまいます。

腱鞘炎を引き起こす負担のかかることが多い事例を紹介します。

・パソンコン業務

近年は、デスクワークでパソコンを使って仕事する人が多くなりました。このパソコン業務は長時間同じ姿勢のまま手首を動かすので、負担が継続的にかかることがあります。さらに、仕事で行っているために毎日の様に負担がかかるので腱鞘炎になりやすいのです。

こういったパソコンが原因の腱鞘炎を「マウス腱鞘炎」と呼ぶことがあります。

・ギターやピアノなどの演奏

ピアノやギターなどの楽器を演奏する場合は、指や手首を激しく動かすために腱鞘炎になりやすいといえます。短い時間の演奏でも、短時間で激しく動かすことで血行障害が起きることもあります。

・赤ちゃんの抱っこ

女性の方で多いのが赤ちゃんを長時間抱っこしたことが原因で起こる腱鞘炎です。手首にかかる負担も多いのですが、肘部分の腱にも負担がかかります。肘の部分で腱鞘炎が起きる場合は、赤ちゃんを長時間抱っこしたことによるものが多いといえます。

以上の様なことが、腱鞘炎になりやすいといえます。手首や指の筋肉が疲労してきたと感じた時は休ませてあげることが大切です。

また、腱鞘炎が発症するかどうかは、筋肉の強弱も関係してきます。筋肉が弱い人は少しの負担でも腱鞘炎が起きてしまうことがあるので注意してください。

②怪我などの外傷によるもの

手首の酷使以外にも、傷や怪我などの外傷が原因となって腱鞘炎が起きる場合があります。そういった原因で起きる腱鞘炎を「外傷性腱鞘炎」といいます。

スポーツや転倒をした際に、腱の部分が負傷してしまうことで起きる場合が多くあります。そのため、原因が明確となっているケースがほとんどです。

外傷性腱鞘炎が起きた場合は、怪我を治すことが優先となります。無理に動かしたりせずに安静にすることで症状が悪化するのを防ぎましょう。痛みが長引いたり、強い痛みを感じる場合は病院へ行くようにしましょう。

③ホルモンバランスの乱れ

女性の方で多いのが、ホルモンバランスが乱れたことにより腱鞘炎になる場合です。

特に注意して欲しいのが、出産を終えた直後の妊婦さんです。出産を終えると、体を元の状態に戻そうと働くので、「プロゲステロン」という成分を多く分泌します。プロゲステロンが分泌され「エストロゲン」の分泌量が減少すると、腱鞘の部分が狭くなってしまい、少しの負担でも腱鞘炎が発症しやすい状態になります。

そんな状態で赤ちゃんの抱っこや家事を行うことで負担がかかってしまい、腱鞘炎が起きてしまうのです。出産直後は、腱鞘に負担がかからないように注意しましょう。

特に更年期障害などの時期を迎えた女性に頻発しやすい症状でもありますので、注意が必要です。

もし、妊娠期の場合には飲み薬の使用は細心の注意が必要ですので、湿布などでの対応が有効でしょう。

④細菌の感染

指や手の怪我から細菌が侵入することで腱鞘炎が起きてしまうことがあります。そういった腱鞘炎を「化膿性腱鞘炎」といいます。

傷口から侵入した菌が、腱の部分まで炎症を広げてしまうことで発生します。怪我が起きた場所によっては、どこの腱鞘でも発生することがありますが、手の指や手首の傷から化膿性腱鞘炎になることが多いようです。

化膿性腱鞘炎になると、赤く腫れてしまう症状が多く見られます。さらに、早期に治療を行わないと症状が悪化する恐れがあります。原因となっている細菌を除去しないと、症状は治まらないので薬物療法を施すことになります。症状が進行してしまっている場合は、手術を受ける場合もあります。

発症しないようにするのが一番なので、傷を負った場合は消毒を行って清潔な状態を保つようにしましょう。

腱鞘炎から発展して発生する症状

腱鞘炎の症状が進行すると現れる事のある症状について紹介します。

それぞれの症状について知っておき、これらの症状が発生したときは以下の問題に発展していることを自覚しましょう。

ばね指

ばね指は腱鞘炎の一種で指に症状が重く発生する症状になります。

利き手の親指や中指、薬指に症状が発生しやすい傾向があります。特徴的な症状は指の引っ掛かりです。手のひらの指の付け根辺りが痛み、指の運動を行う際に引っかかって思うように動かせない事があります。

末期の症状になると、補助なしでは指の曲げ伸ばしが困難になったり、常に痛みが継続し運動の際には激しい痛みを伴います。

治療方法としては病院での治療が必要で、固定治療やステロイド注射をして炎症を沈めて痛みを軽減する治療、温熱療法、運動療法などを行います。場合によっては手術を行う場合もあります。

ばね指で行う手術は数十分で済むものですので、日帰りで行うことが出来ます。

ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)

ドゲルバン病は手の親指から手の甲にかけて痛みが発生する症状になります。

近年のゲーム機やスマートフォンなどの到来で、この症状を発症させる人が増加している傾向があります。

日常では痛むことは無いけど、ある行為をすると痛むなどの隠れドルゲバン病の患者も増えています。ドルゲバン病は簡単にチェックできる方法があります。

グーをする時に、親指を握り込むように握ります。親指を上の状態にして手首を立てて腕を伸ばします。そして軽く手首から先だけ下に伸ばします。

この時に伸ばされた親指の付け根が痛んだらドゲルバン病と診断できます。

親指の酷使が大きな原因になりますので、パソコンやスマホなどを長時間使用している人に発生しやすい症状になります。

腱鞘炎が起きた時の処置とは?

腱鞘炎が発症してしまい、手首に痛みを感じる場合はどのような処置が良いのか紹介します。

 ①湿布を使う場合

腱鞘炎になった時に湿布を使用する人は多くいると思いますが、間違った使用方法を試すと症状が悪化したり、治りが遅くなる事があるので注意しましょう。

まず、腱鞘炎になってすぐの場合は患部が熱を持っている場合があります。そういった場合は、「冷湿布」を用いて患部の炎症を緩和しましょう。痛みが発生して腫れている場合は熱を持っていることがあります。もし患部に熱がない場合は、「温湿布」を使用しましょう。温めることで血行を促進することができるので治りが早くなります。

つまり、腱鞘炎が起きたすぐは冷やして熱を下げて、その後温めて血行を良くするというのが一番良いということです。こういった仕組みを理解していないと、治りが遅くなるので注意してください。

また、痛みに効果のある「インドメタシン」の成分が含まれている湿布を使用すると高い効果が期待できます。しかし、インドメタシンは胃腸が弱い人が使用すると、あまり効果が期待できないばかりか逆効果になる恐れがあるので気をつけてください。

腱鞘炎になる前に、予防したいのであれば温湿布を使うことで予防することが出来ます。

②テーピングで固定する

腱鞘炎になった際に、テーピングを用いて固定することで治りを早く出来る場合があります。

炎症が起きている部分を固定することが出来るので、患部を安静な状態に保つ事ができます。特に、仕事で手首や指の腱鞘炎になってしまった人は、休むことが出来ずに酷使し続けることで、治りが遅くなったり症状が悪化してしまうことがあります。

そういった人は、テーピングやサポーターを用いて、なるべく患部に負担がかからないようにすることで治りが早くなるようにしましょう。 なかなか自分で巻くのは難しいので、病院へ行って巻いてもらうか、パートナーや友人に巻いてもらうようにお願いしましょう。

この様に腱鞘炎を治すには、無理をせずに休ませることが一番必要なので、仕事が休みの日などはなるべく安静にして負担をかけないようにしましょう。

③ストレッチやマッサージをする

患部が熱を持っていない場合は、マッサージを行って血行を良くすることで治りを早くすることが出来ます。患部が腫れていたり、何もしなくても痛みがある場合はマッサージは行わないようにしてください。

では、どのようなマッサージやストレッチが効果的か紹介します。出来ればお風呂に入った後や、お風呂に入っている最中に行ってください。

  1. 炎症が起きている腕を伸ばして、手の甲をもう1つの手で覆う
  2. 炎症の起きている腕の手首を曲げて手前に引き寄せる
  3. 肘のくぼみが上に向くように外側にひねる

以上のストレッチを行うと手首の血行が促進されます。痛みが感じない程度に試してみましょう。

また、指が腱鞘炎になった場合に効果的なマッサージを紹介します。

  1. 炎症の起きている指の付け根から指先の方向へマッサージをする
  2. 親指と人差し指の間をほぐす
  3. 手の甲を上にして、手首から人差し指と中指の間を、反対の手の親指でマッサージをする

以上を行うことで、手の血行を良くすることが出来ます。痛みを感じる場合は強くマッサージをするのは避けてください。

④薬を使用する

どうしても痛みがひどい場合は、薬を使用しましょう。

炎症や痛みを抑える薬を使用することで症状を緩和して、少しづつ腱鞘炎を治すことが出来ます。ただし、一時的に痛みが治まったからといって無理をしては、効果が切れた時に激しい痛みが発生する場合があります。安静が一番であることを忘れないようにしてください。

病院へ行けば、テーピングをしてくれたり薬を処方するなどして対処してくれます。無理をせずに、早く治したい場合は病院へ行きましょう!

⑤病院は何科を受診すればいいの?

腱鞘炎が発生している場合は、整形外科で治療診断を行うことが出来ます。

接骨院なども専門科ではありますが、接骨院いわゆるほねつぎは医療行為を行うことが出来ません。検査なども触診や問診のみになり、レントゲンなどを使用することが出来ないので、詳しい症状を見極めることが困難です。

より専門的な治療を受けることが出来るのは整形外科ですので、しっかり専門家のいる病院での治療を受けるようにしましょう。

まとめ

腱鞘炎の症状

  • 痛み
  • 腫れる
  • 動かしにくくなる

腱鞘炎になりやすい場所

  • 手首

腱鞘炎になる原因

  • 負担が継続的にかかる
  • 怪我などの外傷
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 細菌の感染

腱鞘炎から発展する症状

  • ばね指
  • ドゲルバン病(狭窄性腱鞘炎)

腱鞘炎の処置

  • 湿布を使う
  • テーピングをする
  • ストレッチやマッサージをする
  • 薬を使用する
  • 整形外科で検査治療を行う

以上が今回の記事のまとめになります。

腱鞘炎になる人は仕事などから発症する人が多く、休ませるのが難しい状況の人が多くいます。そのため、なかなか完治せずに痛みを感じながら生活している人が多くいます。

湿布やテーピングを行って早めに治すように対応してください!初期症状のうちからしっかり対応して症状を鎮めていくことが重要です。

痛みが軽くでも発生し始めた場合は、重症化しない内にしっかり手首を休めて治療を行っていきましょう。また、原因が酷使が原因なのか、ホルモンや菌が原因になっているのかをしっかり判断して対処していくようにしましょう。

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