皮下気腫とは?原因や症状を知ろう!治療方法や検査方法も紹介!

皆さん皮下気腫という病名を、聞いたことが有りますか?皮下気腫とは肋骨や胸骨が外傷したり、何らかの理由で肺胞が破裂した場合に、皮下組織に空気が溜まった状態をいいます。

交通事故や、胸に何かがぶつかった場合、自転車事故、高所からの墜落、胸部打撲、スポーツや、シーソー等私達の周りには、危険なものがいっぱいあふれています。

そのような時ちょっとした不注意や打ちどころが悪いと、肺に空気が入り皮下組織に空気が溜まる事があります。それが皮下気腫です。空気は身体の至る所で、溜まることがあります。軽症な物から生命に、係わる皮下気腫がありますので、一緒にみてみたいと思います。

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肺の構造

肺炎 死亡率

◆私達の肺は心臓を挟んで左右に存在します。左右に一個ずつあり、心臓が左にややぶれているので、左肺は右肺より小さくなっています。肺の内側側面中央は肺門です。肺門から気管支、肺動脈、肺静脈、気管支静脈、リンパ管、神経と連なっています。

◆右の肺は上葉、中葉、下葉の3つからなっていて、左の肺は上葉、下葉の2つに分かれています。肺葉は多角形小葉が集まってその中を、葉気管支が枝分かれしていて、一定の肺区域に広がって、さらに分かれて肺胞となっています。

◆胸膜は肺を直接保護して包み込んでいます。肺部門で折れ曲がり、胸腔(きょうくう)内壁に2枚の漿膜(しょうまく)があります。この2枚の膜の間に少量の漿膜を分泌します。これは肺が拡張や収縮するときに、肺との胸壁の摩擦を防いでいるのです。

◆胸腔の正中部は左右の肺に挟まれています。この正中部の縦を縦隔(じゅうかく)とよんで、心臓、胸腺、気管、気管支、食道、大動脈、第静脈、胸管、神経などの気管が存在しています。

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皮下気腫とは

肺

皮下気腫とは何らかの原因で、身体に空気が侵入し、皮下組織内に空気が溜まることです。

空気は皮膚の損傷から侵入したり、肺胞が破裂して漏れ出したりして、身体の中の皮下組織内に溜まります。空気の侵入には外傷や肺胞の破裂だけでなく、手術や歯の治療等からも、空気が侵入することがあります。

空気は皮膚から侵入すると、壁側胸膜(へきそくきょうまく)を通過して胸腔(きょうくう)内に入り込んで、気管、気管支損傷、食道損傷から縦隔(じゅうかく)に侵入してきます。

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皮下気腫の原因

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◆皮下気腫の原因となるものは、大きな事故ばかりでなく、日常のちょっとした不注意やミスや治療の際に起こる事がありますので、注意が必要となります。また疾患から起こる事もあります。

◆まず大きな事故では交通事故、高所からの墜落、自転車事故、狭圧外傷、胸部打撲、シーソーからの転落などで、肋骨や胸骨の骨折などがあったときに、肺胞が破れて空気が漏れ出すことがあります。

◆不注意やミスなどの場合は、自転車のハンドルが強くぶつかったり、スポーツをしている時に胸を強くぶつけるなどすることや、ボールが胸に強くあたったりするなどがあります。

◆また異物誤飲で食道損傷を起こし、気管や気管支を傷をつけるなどした場合や、副鼻腔炎による上気道炎や、また肺炎、気管支喘息などによる疾患では、皮下気腫の症状になりやすくなります。

また治療などで外科的手術や、歯科治療などで皮下組織に空気が入ってしまい、顔などが腫れ内圧による痛みがでる場合があります。

肋骨・胸骨骨折で皮下気腫

交通事故や転落事故などで、肋骨や胸骨骨折など胸郭(きょうかく)を損傷した場合、肺が損傷を受ける事で、皮下気腫を起こすことがあります。皮下組織に肺の肺胞が破裂して空気が漏れて、皮下気腫をおこします。

肺から空気が漏れだすと胸腔内に空気がたまります。空気がたまると肺が収縮して、心臓や他の臓器を圧迫してしまいます。その為に緊張性気胸(きんちょうせいききょう)を引き起こします。

短時間でショックから心肺停止になり、生命に係わる状態になる事がありますので、この様な場合は速やかに救急車を呼んで、医療機関に搬送する事が大切になります。

★緊張性気胸とは気道内圧が上昇した時など、胸膜腔に空気がはいり出ていかない状態の事をいいます。力んだり、咳をしたり、また息を吸い込んだときなどに、気道内圧が上昇します。

外傷が原因の皮下気腫

鈍的外傷には交通事故や自転車事故、自転車のハンドルが胸につよくあたったり、転倒して胸を強くぶつけたり、子供がシーソーなどから転落したり、スポーツなどでボールが強く胸に当たったり、人間同士ぶつかり合ったりしたとき等に起こる事があります。

また鋭的外傷には鋭利な刃物で刺された場合等がありますが、鈍的、鋭的外傷によって治療のしかたが違ってきます。

また狭圧外傷は挟まれたことによる外傷で、何かの下敷きや、何かに挟まれてサンドイッチ状態になった時に起こる外傷です。

この様な外傷が起こった場合は顔面・頸部・首の点状出血や、チアノーゼが起こり、舌や唇の腫脹、眼瞼結膜の点状出血や意識障害がおこります。この時に皮下気腫が起こることがありますので、周りの人は早急に救急車を呼ぶことが求められます。

★チアノーゼとは爪や皮膚、唇、粘膜がヘモグロビンにより青紫色になる事です。

歯科治療による皮下気腫

◆皮下気腫になるのは、事故や打撲などに因るのだけではなく、治療を受けているはずが、皮下気腫になる事もあります。しかしこの場合は余り心配はない様です。

◆抜歯やレーザーやメスを使う事によって、切り開いた部分から皮下組織に、空気が入る事があります。皮下組織に空気が入った場合、顔が大きく腫れて、痛みをともなう場合があります。この痛みは皮下気腫自体の痛みではありません。内側から神経が空気に圧迫されて、ふくらみが大きくなって激痛がともなう事もあります。

◆歯の治療は歯茎の切開や、抜歯後圧縮空気を掛けるので、皮下組織に空気が入りやすいのです。上顎の気腫であれば見た目は大きく膨れるので、とても動揺しますが余り心配はいりません。数日安静にする事で、ふくらみも解消されていきます。

しかし下顎の気腫は呼吸の周りを圧迫する事があるので、治療中に呼吸が苦しくなったりします。下顎が腫れた時は医療機関を受診するようにして下さい。大事に至る事があります。

外科手術で皮下気腫

外科的手術で特に腹腔鏡下手術(ふくくうきょうかしゅじゅつ)の場合には、炭酸ガスが皮下に溶け込んで、皮下気腫の合併症を伴うことがあります。炭酸ガスは血液によく吸収されるので、外科手術後良く歩く事で1~2日で症状は解消します。

穿刺(せんし)により気管孔を作る方法で、気管を直接切開しない方法を、経皮的気管切開術といいます。経皮的気管切開術は、すばやく気管切開を行えるので利点もありますが、皮下気腫や縦隔気腫、気胸等の気腫合併症を起こす場合があります。

この場合確実に症状が落ち着いたり、気管切開チューブ挿入完了まで、経口気管チューブを抜かないで、手術中の気道を確保する事が、気腫合併症を起こさない為に、とても重要となってきます。

★穿刺とは体外から注射針で血管や内臓に注射して、体内にある不要物をだしたり、治療のため薬を注射したり、検査のために体液を抜き取るため、身体に注射針をさすことです。

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皮下気腫の種類

歯科

皮下気腫の種類について紹介します。

縦隔気腫(じゅうかくきしゅ)

◆皮下気腫に縦隔気腫というのがあります。縦隔気腫とは胸部の中央にある、左右の肺の胸郭を分けている縦の部分を縦隔といいます。この縦隔内に空気が溜まっている状態を、縦隔気腫といいます。

◆頸部や気管支損傷によって、損傷部分から縦隔内や胸腔内や、皮下組織まで空気が入り込んで、縦隔気腫、気泡、皮下気腫などの合併症を起こす事があります。

◆頸部を鋭利な刃物で傷をつけられる刺創(しそう)や、この切り傷で出来た傷切創(せっそう)などにより、縦隔気腫が起こります。また頸部や器官に損傷を受た場合、交通事故で胸部の気管や気管支に、鈍的な損傷を受けた場合に、縦隔気腫が起こる事があります。

◆また肺炎や異物吸入、喘息、怒責、陽圧換気等で、肺胞の破裂が起こり空気が皮下組織にたまり、皮下気腫が起こる事があります。

◆また特発性食道破裂や、内視鏡検査等で、気管、主気管支、食道の損傷などが起こり、空気が侵入して皮下気腫が起こります。また気管切開や甲状腺手術、歯科の治療等で頸部開放創が起こり、皮下気腫が起こることがあります。

◆縦隔気腫が起こると左右の間の肺に縦隔内に空気が入り、肺胞の破裂の危険性がともないます。胸痛は呼吸困難の他に、様々な症状が起こり生命に係わる事もあります。外部からの観察ができませんが、胸部外傷により胸痛、呼吸困難、チアノーゼ(皮膚等が紫色になる)、皮下気腫、血痰等がみられるようになります。

縦隔気腫に多くみられる症状は、一番多いのが胸痛で、頸部痛が約43%、嚥下痛が約36%見られます。

縦隔気腫の種類

突発性縦隔気腫

突発性縦隔気腫とは原因不明で、縦隔に空気が溜まる事ですが、多くは肺胞が破裂したのが原因ではないかと言われています。

外傷性縦隔気腫

外傷性縦隔気腫は交通事故や、打撲、医療事故等により、外から刺激が加わった場合に肺胞が破裂して、空気が縦隔に流れ出したのが原因です。肋骨などがおれて、肺胞に刺さる場合などが考えられます。

症候性縦隔気腫

肺の疾患肺結核や、肺炎、気管支喘息などで肺胞が破裂して、縦隔に空気がもれて縦隔気腫をおこします。

胸壁皮下気腫

胸壁皮下気腫には貫通性と、非貫通性とがあります。

  • 貫通性・・・外傷などで、胸壁が開放
  • 非貫通性・・・肋骨骨折による肺損傷、開胸手術

胸壁皮下気腫とは、胸壁が交通事故などの外傷等で損傷、あるいは炎症を起こした場合、胸壁が開放されて、貫通状態となっているために、空気が流れ込んで、皮下出血を起こした状態で皮下気腫になります。

また肋骨骨折などで肺の損傷がおこると、開教手術をした場合壁側胸膜の損傷部から、空気が漏れて皮下気腫を起こします。

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皮下気腫の症状

肺5

皮下気腫の場合皮下気腫によって自然に治癒するものと、自然に治癒しない物があります。

皮下気腫だけでは特に痛みはありません。皮下気腫でも色々ありますので、診察が必要な場合や診察の必要でない場合があり、胸や首に空気が溜まったりすると、膨らんだところが強く痛む場合があります。

皮下気腫の特徴的な症状として、膨らんだ患部のところを触ると、雪を握った様なさくさくとした感じの握雪感(あくせつかん)やプツプツと空気のはじける音捻髪音(ねんぱつおん)がでてきます。顔から下肢や足に溜まる事があります。

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皮下気腫の検査

レントゲン

皮下気腫の検査には所見の握雪感や、捻髪音で診断がつきます。もっと詳しく調べたいときは、胸部X腺写真の胸写や、胸部CTや血液検査などが行われます。

胸写

胸写とはレントゲン写真です。レントゲン写真で空気が漏れている状態を確認します。

胸部CT

胸部のCT検査をします。CT検査とはX腺を使って胸の写真を映像撮影して、コンピューターで画像を立体的に作り出します。

血液検査

血液検査では80%が好中球です。CRPの軽度の上昇が認められるかなど調べます。高度の炎症所見がみられる場合は穿孔を疑います。

また動脈の中の血液の酸素の量(酸素飽和度)をしらべ、静脈の中の血液の二酸化炭素の量を調べます。

また呼吸をする時の呼気量と、吸気量を測定して、呼吸の力の能力を調べます。また運動の前後の心電図や症状で、心臓の状態を調べます。

これらの検査をして、いろいろ総合した結果、症状に合わせて治療をおこないます。

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皮下気腫の治療

治療

◆皮下気腫の治療は症状により大きく異なります。程度が軽い場合は経過観察が多いです。縦隔気腫等が起こった場合軽い場合は、咳止めと鎮痛剤で症状を抑えながら、CTスキャンで皮下気腫の状態を確認します。そのようにしながら経過観察を行っていると、気腫が自然になくなって行くことがあります。

◆皮下気腫の酷い場合または程度が徐々に大きく、皮下気腫が膨れていく場合等は、胸腔内にチェストチューブを挿入して、胸腔内の空気を抜きます。これを胸腔ドレナージ法といいます。胸腔ドレナージ法で効果が出なかった場合は、外科的手術が行われます。

◆程度が大きくて徐々に皮下気腫が大きく成る場合は、血流障害を起こすことがありますので、生命に危険が及ぶ場合もあります。その場合は皮膚を切り開いて、皮膚に溜まった空気を身体の外にだします。

◆皮下気腫は外傷性や症候性の様に、何かの原因で肺胞が破裂する場合が多いので、元となる疾患を治す事が大事です。元となる疾患を治す事で、皮下気腫も治る事が多いです。

◆皮下気腫だけであれば、空気が漏れているのが、持続しない限り数日で回復します。しかし気管や食堂損傷などが起こっている場合は、早期に外科的治療を行います。

◆緊張性縦隔気腫の場合は、胸骨の上窩を切り開いて、体内に溜まった消化液、膿、血液や浸出液を身体の外に排出し、排出されたものから、物理的損傷が加わった状態を観察、確認して治癒できる様に、感染を早期に見つけ出します。感染に対する抗生剤については、決まった見解はありません。

ドレナージ法

ドレナージ法とは簡単にいえば、胸腔内にチェストチューブを入れて、たまっている空気を抜く方法です。チューブは1~2個用意します。

挿入する箇所や体位は排出するのが、空気か液体かで違いがでてきます。患者は静脈注射で眠った状態の、意識がない状態が必要で、減菌状態で局所麻酔をかけておこないます。位置を確認するのは麻酔の注射器の中に、液体か空気かが戻る事で確認されます。

胸腔内にチェストチューブを挿入させて、溜まっている空気を抜きます。気胸の場合はチューブを通常、腋窩中腺上第4肋間腔に挿入して行います。

意識下沈静チューブを通って、胸部に空気が入るのを防ぎます。チューブは水封式につないで、胸部に空気が入らない様にして、胸腔内に溜まった空気を抜き取ります。

乱切法

皮下気腫で空気が徐々に大きく膨らんでいく場合、皮下気腫の他、局部瀉血(きょくぶしゃけつ)を行います。局部瀉血とは身体の血液を、外部に排出させる治療で、浮腫やむくみなどある場合にこの治療が行われます。

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まとめ

皆さん如何でしたでしょうか?少しは皮下気腫の事が、お解り頂けましたでしょうか?すこし難しくて解らないと、思われる方もおられると思いますが、要は皮下気腫とはケガなどの様に身体の皮膚が裂けた時に起こりやすく、空気が私達の身体の中に入り込んで、溜まってしまう事なのです。

皮下気腫もいくら気を付けていても、治療などで運悪くなることもあります。その時も肺に近いほうで皮下気腫が起こった場合は、注意をして医療機関を訪れてください。

肺から遠いところで起こる、皮下気腫の軽い場合は、安静にして数日様子を見れば、良いと思います。皮下気腫でもとても危険な物もありますので、その様な場合は救急車を呼んで、対処してくださいね。

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