SpO2の正常値と測り方について!基準値からブレると危険?

最近の医療ドラマで、緊急搬送された患者が、ベットに寝かされるとすぐに、指に何かを装着されているシーンを目にしたことはありませんか?

あれは、何かを測定しているように見えますが、いったい何を測って、どんな状態がわかるのでしょうか?

この洗濯ばさみのようなものは、パルスオキシメーターという機器です。

これは、”SpO₂”を測るときに使用されます。SpO₂は、病院などで聞いたことがある言葉かもしれませんが、看護師の間では「サチュレーション」や「サット」と言われたりするようです。

ここでは、SpO₂やそれを測定するパルスオキシメーターついて、詳しく述べていきます。

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SpO₂の正常な値とは?測定の歴史を紹介!

パルス

人が生命を維持していくために重要な働きとして、全身への酸素の運搬があげられます。

この酸素が、血液の中で効率的に運搬できているかどうかを知ることが、健康な状態を知る重要な手がかりとなります。

そこで、SpO₂の値がその指標となり、正常値の範囲を知ることが必要です。

血液内の酸素とヘモグロビンの結合状態を、パーセンテージという比較的わかりやすい表記で表します。

SpO₂とは

SpO₂とは、正式には経皮的動脈血酸素飽和濃度といいます。先にも述べたように、SpO₂とは、血液中のヘモグロビンにどのくらいの酸素が含まれているかを示しているものです。

SpO₂が示しているものは、以下になります。

  • 「S」・・・Saturetion 飽和
  • 「P」・・・Percutaneous 経皮的
  • 「O₂」・・・酸素

SpO₂測定の歴史

パルスオキシメーターが開発される以前は、動脈血ガス分析といわれる方法で、血液中の酸素濃度であるSpO₂を測定していました。

当時は、血液中酸素濃度を測るのに注射針での採血を行っていました。

採血のほとんどは、そけい部、手首などの動脈で行われました。目では見ることができない動脈に、垂直に注射針を突き立てるようにして採血をするので、痛みと恐怖を伴ったのは言うまでもありません。

こうして採血された動脈血は、すぐに検査室に運ばれ検査が行われます。SpO₂は、時間がたつにつれ酸素濃度が低下してしまうため、10分程度で急いで行うことが大切でした。

1974年に青柳博士が発明した、パルスオキシメーターという機器により、針を刺して採血することなく、迅速にSpO₂を測定できるようになりました。

また、操作も簡単なことから、手術中や集中治療室などでの連続モニタリングに使用されたり、病院の中だけでなく、訪問看護や在宅医療などで広く活用され、利便性を広げました。

SpO₂値はいくらならいいの?正常値は?

  • SpO₂が96%以上・・・正常値
  • SpO₂が95%未満・・・呼吸不全の疑い
  • SpO₂が90%未満・・・在宅酸素療法の適用
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パルスオキシメーターの使用法を詳しく解説!

救急車

先に述べたように、SpO₂を比較的容易に自宅等でも測定できる機器のことを、パルスオキシメーターと呼びます。

手の指、足の指(赤ちゃんは足ごと)、耳たぶなどに装着して測定します。

パルスオキシメーターとは

血液中の赤血球の中に存在するヘモグロビンは、肺から取り込まれた酸素とが結合し、全身に動脈血として運ばれます。

パルスオキシメーターは、2種類の赤い光線を爪などの毛細血管にあてることにより、血液中の全ヘモグロビンのうち、酸素と結びついているヘモグロビンの割合を%で表示することができます。

このパルスオキシメーターで測定されるのが、SpO₂値です。

パルスオキシメーターはどうやって酸素飽和濃度を測っているの?

パルスオキシメーターを観察してみると、何やら赤い光が光っているように見えることがあります。

これは、2種類の赤い光を、爪などの毛細血管などに当てることで、その光線の吸収具合で酸素が多いか少ないかを判定しているのです。

これは、動脈の血液が酸素を多く含んでいるので、赤い色をしていることを利用した仕組みです。

詳しく説明をすると、血液の中には酸素を運ぶヘモグロビンというたんぱく質があり、酸素が多く含むほど赤くなるし、少ないと赤くならないという性質があります。

この性質を応用することにより、パルスオキシメーターは血液を採らずに、爪などに光線を当てるだけで、簡単に血液に含まれる酸素の度合いを%でわかりやすく表示することができるようになったのです。

パルスオキシメーターは何のために使われるの?

パルスオキシメーターは、手術中や麻酔時におけるSpO₂値の測定としての利用が主でしたが、最近は、患者の負担がなく操作も簡単で、リアルタイムでの測定が可能なことから、経過観察や自己管理等様々な目的で広く利用されるようになりました。

以下に、その使用例をあげてみました。

入院患者のバイタルサインチェック

脈拍、血圧、体温、呼吸に加えて、SpO₂は5番目のバイタルサインと言えます。特に呼吸器に症状がなくても、入院時に記載し経過を観察し、朝、昼、夜など定期的な回診の際にSpO₂値を測定します。

肺炎の重症度判定

SpO₂値とSpO₂値というものを合わせて、肺炎の重症度を判定します。

PaO₂値が60Torr以上、SpO₂値が90%以下であれば重症だと判断されます。

睡眠時無呼吸症候群のスクーリング

メモリーがついているパルスオキシメーターで、夜間の睡眠時に装着してSpO₂値を記録し、低酸素血症の発作が起きている回数や低下している時間を測定します。

内視鏡検査時などのモニタリング

胃カメラや大腸検査等で、検査をする前に鎮静剤が使用されます。検査をしている患者の、心拍、SpO₂値の変動をモニタリングし、安全に検査ができるようにすることに利用されています。

パルスオキシメーターはどのような場所で使われているの?

病院の手術室で使用される場合は、据え置き型タイプで急性期のおいて使用されています。また、心電図などの重要なバイタルサインを同時測定できる生体モニターも使用されています。

手術のすぐ後の亜急性期や、回復室においては、据え置き型のパルスオキシメーターのほか、テレメータ、モニターとしてハンドヘルドタイプの機器を、ベッド横に固定して使用します。

症状が突然変化したことを、アラームで知らせる目的もあります。最近は、携帯用の比較的小型のパルスオキシメーターが病院で使用されています。

また、取り扱いも比較的簡単なことから、病院以外の場所においても広く利用されています。

以下に、その利用例を紹介します。

病院や病棟

呼吸器や循環器の病院や病棟で使用されることが多いです。入院すると看護師が一日のうちに何回か、体温、血圧、脈拍、呼吸、SpO₂といったバイタルチェックを行なう際に使用されます。

病院外来

呼吸器科の病院で特に、呼吸器疾患を疑われる患者のSpO₂値を測定するために、まずパルスオキシメーターを使用します。平常時のSpO₂値を測定することは、病状が変化した時の参考になるのでぜひ把握しておくべきです。

病院の呼吸機能検査室やリハビリ室

検査技師や理学療法士が、呼吸機能、歩行試験の検査においてパルスオキシメーターを使用します。

また、リハビリ室などでリハビリを行う際に、SpO₂値の低下や脈拍の上昇を理学療法士が把握するために使用されます。

救急車両

1991年の救命救急法の制定以後、救急車内で、ある程度の医療措置が可能となりました。パルスオキシメーターを搭載していることにより、一刻も早い治療ができるようになりました。

診療所

パルスオキシメーターの小型化が進み、携帯に便利になったため、診療所が行う往診などに利用されています。

訪問看護ステーション、老人健康保険施設

訪問看護や老人健康保険施設を受けている高齢者において、呼吸器や循環器に何らかの不具合を感じている人が多いようです。看護師さんが、SpO₂値を測定することで高齢の患者の不具合に気づくためのツールとして利用されるようになりました。

その他

パルスオキシメーターの使用は、病院などの医療施設だけとは限りません。

スポーツにおいても、マラソンのトレーニング法としてよく耳にするような、高所トレーニングや低酸素トレーニングにおいても、パルスオキシメーターを使用して、SpO₂値を測定しているのです。

パルスオキシメーターの正しい測り方とは?

パルスオキシメーターは、比較的簡単に誰にでも測定ができます。

一般にも普及が進んでおり、子ども向けのものやスタイリッシュなものまで、さまざまなデザインで販売されています。

その一方で、測り方や周りの条件により、測定に誤差が生じることがあります。以下に、正確なSpO₂値を測定するにあたっての留意すべき点をあげてみました。

指が冷たいとき

パルスオキシメーターは血流で測定をしているため、末梢循環が悪くなって指が冷たかったりすると、正確な測定ができない場合があります。このときは指をもんで温めたりして血流を良くして再度測定するとよいです。

激しく動いたとき

激しく動くことにより、測定値にノイズが入ります。このような時パルスオキシメーターは警告マークを表示して正しく測れていないことを知らせます。

腕や指の圧迫により、血流が阻害されたとき

血流の変動によって測定しているために、腕や指の圧迫で血流が止まると測定値に誤差が出る可能性があります。血圧を測っているのと、反対の指などで測定するのが良いでしょう。

電磁波の影響があるとき

テレビや電子レンジといった電化製品や、電磁放射の多い医療機器等を使用している場合、影響をうけて正確に測定できないことがあります。

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まとめ

SpO₂が正常値を示していたとしても、肺や循環器に慢性の疾患があると、風邪をひいたり肺炎を起こすと、急にSpO₂値が下がることもあります。患者によっては、理想的なSpO₂の正常値が普段でも低いことがあるので注意が必要です。

重要なのは、患者の安静時のSpO₂値を知っておくことです。

現在インターネット等でも販売されているパルスオキシメーターですが、品質や性能に問題があるものも見られます。

パルスオキシメーターは管理医療機器として、薬事法で分類されています。

購入に関して、信頼のおける第2種医療機器製造販売業許可証を取得している販売元から購入することをおすすめします。

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