健康を害する悪役としてすっかり有名になった「活性酸素」。体にためると体調不良になったり、美容や老化にも影響するといわれています。
体の中にある活性酸素はどのように除去したらよいのでしょうか。専門家の意見を分かりやすくまとめてみました。「そもそも活性酸素って何?」といった疑問にもお答えします。
活性酸素とは
本当は冒頭から「除去法」をお教えしたいのですが、活性酸素というものを正確に把握しておかないと、「除去のメカニズム」が理解できません。そこで「活性酸素とは」から解説していきます。「活性酸素は知っている」という方は、この「活性酸素とは」は飛ばしてOKですよ。
体に必要なモノ
活性酸素は、単なる悪役ではないのです。実は体に良い働きもしているのです。活性酸素とは、活発な酸素のことです。
酸素には、良いイメージがあります。地球温暖化の原因となる二酸化炭素を減らすには、植物を増やす必要があることはよく知られています。その植物が大気に送り出しているのが、酸素で、地球上の生物は酸素を吸うことで生きています。
酸素は「酸化」と呼ばれる機能を持っています。つまり「活性酸素」は「酸化をものすごく行っている酸素」という意味です。
酸化は、殺菌作用があり、体内に入り込んだ細菌を駆除してくれます。また酸化は、酵素の働きを活発にする機能もあります。酵素という物質は、体の中で消化吸収を助けたり、呼吸や筋肉にも関与しています。「酵素が活発になる」ことは、健康に良いことです。
悪に変身
殺菌という体に良いことをしてくれる活性酸素ですが、その機能が強くなりすぎると、本来殺菌してはならないモノまで殺菌してしまうのです。それは「殺菌」とは「攻撃」にほかならないからです。「本来殺菌してはならないモノ」とは、私たちの体を作っている細胞です。
例えていうと、家の柱に住みついた白アリを駆除しようと強力な薬をまいたら、柱まで傷つけてしまったようなものです。
体内で作られる
つまり活性酸素は、適量を維持できれば、それが最も体に良いのです。どうして増えてしまうのでしょうか。
呼吸活動で肺に吸い込んだ酸素のうち、2%が体内で活性酸素になります。この「2%」が適正値の目安と考えてください。体に異変が起きると、この数値が増えてしまうのです。
活性酸素が増える原因
活性酸素を増やしてしまうのは、実は「あなた」自身です。あなたが変れば、活性酸素は適正値に戻る可能性があるのです。
ストレス
活性酸素を増やす最大の原因は、ストレスといわれています。人の体は、ストレスを受けると「ストレスに負けないようにしよう」という準備をします。ストレスを緩和することができる、副腎皮質ホルモンが分泌されるのです。このときに、一緒に活性酸素ができてしまうことが分かっています。
紫外線
紫外線を浴びると、体は「攻撃された!」と認識します。体は次に「皮膚を守れ!」と指示を出します。そうなのです、紫外線の攻撃にさらされた体を守るために、活性酸素が大量に発生してしまうのです。
活性酸素を一度勢いづかせたら、なかなか止まりません。人が紫外線を浴びない場所に移っても、皮膚の近くに集まった活性酸素は活動を続け、それがシミや肌荒れを引き起こすのです。
喫煙
「喫煙と活性酸素」の関係は、「紫外線と活性酸素」の関係と同じです。タバコに含まれるタールは「毒」です。それが体の中に入るので、体は「攻撃された!」と認識します。「体を守れ!」とばかりに、活性酸素が勢力を増すのです。
受動喫煙でも同じ効果があります。受動喫煙は、肺がんのリスクを高めるだけでなく、活性酸素も増やしてしまうのです。
大量のアルコール
タバコもアルコールも「毒」という点では同じなのですが、両者には決定的な違いがあります。タバコは吸ったその瞬間から体をむしばんでいくのですが、アルコールは飲み始めは体に良い働きをするのです。
活性酸素でも同じことがいえて、タバコは吸った瞬間に活性酸素を増やすのですが、適量のアルコールは活性酸素の増加を抑える作用があるのです。しかしその適量を過ぎて、大量に飲むと、今度は逆に活性酸素を増やすのです。
過度な運動
運動をすると酸素を吸いこむ量が増えます。なので、活性酸素を増やす要因になりえます。ただ、「適度な運動」は、活性酸素による被害を上回る、健康に良いことが得られますので、総合的に体に良いといえます。
問題になるのは「過度な運動」なのです。運動し過ぎると、体への良い効果が頭打ちになるのに、活性酸素は増え続けます。
食品添加物や大気汚染
食品添加物も、体にとっては「敵」です。それが体内に入ってくると活性酸素が「頑張って」しまいます。大気を汚染している物質が呼吸によって体内に入ってきても同じです。
体に悪いものが体の中に入ると、活性酸素が頑張りすぎちゃう――そう覚えておいてください。
活性酸素の除去法
ここまで読んでいいただければ、活性酸素を「増やさない方法」は簡単ですよね。ストレスを避け、禁煙をして、アルコール量を減らし、直射日光に当たらないようにして、適度な運動にとどめ、食品添加物を摂らないようにすればよいのです。すべてを実行できなくても、ひとつひとつ取り組むことで、活性酸素の量を適量にまで戻せます。
しかし問題は体内で増えてしまった活性酸素を「除去する方法」です。この分野の研究も進んでいます。簡単に取り掛かれることもありますので、この記事を読み終えたらすぐに試してみてください。
水素水
水素には、活性酸素の「毒」を抜く効果があることが証明されています。実はいま、水素水は静かなブームです。知っている人は知っている「水」です。スーパーやドラッグストアで買うことができます。しかし「水素水を飲めば活性酸素を除去できる」ことを知っている人でも、そのメカニズムまで知っている人は少ないと思います。
簡単です。「水」は「H2O」と表記します。Oは酸素、Hは水素です。つまり「活性酸素」という酸素に、水素をつなげると、水ができるのです。水になれば、なんの害も生じません。
ビタミンC
ストレスが増えると、体内で大量のビタミンCが消費されてしまいます。ビタミンCを細胞に多く取り込むことで、ストレスが減るからです。しかし、次から次へとビタミンCが消費されてしまうと、体内のビタミンCはどんどん減ってしまいます。
ビタミンCは、活性酸素をやっつける作用があるのです。「活性酸素をやっつける作用」のことを「抗酸化作用」といいます。酸化に抗(あらが)う作用という意味です。ビタミンCが少ない体内は、活性酸素の天国です。次々に「酸素」を「活性酸素」にしていくのです。
水素水と並んで、活性酸素の除去が期待できるのが、ビタミンCです。ただ、活性酸素の除去の方法は違います。ビタミンCは、細胞に代わりに自らが活性酸素の攻撃を受けるのです。
活性酸素の攻撃は「酸化」です。元気になりすぎた活性酸素が細胞を酸化させようとすると、ビタミンCが細胞の身代わりになって酸化を受けてくれるのです。
ビタミンE
ビタミンEも活性酸素を除去します。ビタミンEは、細胞のバリアになって、活性酸素の攻撃から細胞を守ります。
そのほかの成分
活性酸素の除去法としては、水素水、ビタミンC、ビタミンEが「三銃士」ですが、そのほかにも効果が期待できる成分があります。
ビタミンAやポリフェノールも、抗酸化作用があります。こうした成分を摂取できる食材を箇条書きしておきます。
イチゴ、キウイ、アセロラ、アーモンド、落花生、うなぎ、ニンジン、カボチャ、ホウレンソウ、サケ、エビ、緑茶、紅茶、トマト、大豆
まとめ
活性酸素を除去することは、健康を維持するだけでなく、美容にも良いことがたくさん起きます。ぜひ体に良いものをたくさん摂ってください。
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