早老症とは?種類や原因、治療方法を知って対処しよう!

若い年で老いている病気をもっている人を見たことはありますか?TV等のメディアで特集を組まれていることもあるため、見たことのある方もいらっしゃるかもしれません。

早老症(そうろうしょう/progeroid syndromes)とは、簡単に言うと遺伝子がDNAやRNAの関連している遺伝子の染色体異常によって呈し、顕著な老化症状が起きる病気です。早老症にも様々な疾患があります。その疾患の種類や原因、症状や治療法について述べていきます。

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早老症の種類

早老症 染色体異常 フルサイズ

早老症には様々な種類があります。中には、メジャーで良く耳にする、良く見かける病名やあまり耳にしないものまでがあります。

早老症には、先天性と後天性があります。先天性は、細胞分裂時の染色体異常があります。後天性は、放射線(紫外線を含む)による被爆、、化学物質による遺伝子のメチル化等による加齢の促進が挙げられます。

ウェルナー症候群

ウェルナー症候群(WS/Werner Syndrome)は世界では約1300の症例が報告されていますが、日本人がその内800人以上であり、日本においては約1.6人/10万人(約2000人)がウェルナー症候群を呈していると推測されています。ほとんどが気づかず見過ごされています。なぜ、日本人に多いのかと言いますと、日本人の祖先にウェルナー症候群の原因遺伝子をもつ人が多く存在していた可能性があるとされています。また、他国ではウェルナー症候群を知る医師が少なく診断困難だが、日本国ではこれを知る医師が多く診断も明確にされたからとも考えられています。

1904年、ドイツの内科医オットー・ウェルナー(Otto Werner)により初めて臨床報告された疾患です。発症は成人期以降が多いです。幼少期に好発するハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(プロジェリア症候群)に対して「成人性プロジェリア(Adult Progeria)と呼ばれることもあります。原因は、常染色体劣勢遺伝であり、単一の遺伝子異常です。

外観の特徴は、低身長、低体重、白髪、両側性白内障、皮膚の硬化・萎縮、嗄声(させい)等です。主に著明にみられる症状は、骨粗鬆症、性腺機能低下、尿中ヒアルロン酸量の増加、耐糖機能低下です。予後、平均40~50歳で動脈硬化や悪性腫瘍を発症して死亡することが多いでく、比較的に寿命は長い方ですが良いとは言えません。

ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群

ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(Hutchinson-Gilford Progeria Syndrome/HGPS)の原因は、先天的遺伝子異常です。ハッチンソンが初めて臨床報告した疾患です。「プロジェリア」とは、ギリシャ語の「早すぎる老化」に由来して名前を付けられています。ウェルナー症候群と共に主な早老症の一つとされており、顕著な老化症状を進行させます。

好発年齢は生後6か月~24カ月目に多く、新生児期または幼年期です。発症頻度は少ないですが、人体のメカニズムを解明するためのキーをもっており研究の対象とされる事が多いです。発症率は新生児では1/400万人、幼児期では1/900万人とされています。男女比は1.5対1と男児に多いです。発症頻度は97%が白色人種とされ、北米地域に多いとされています。

症状の特徴は、身長・体重の発育が乏しく、強皮症などの皮膚老化、骨格や歯の形成不良、脱毛が挙げられます。また、頭頂部の大泉門の閉鎖不により頭部が大きく見え、脱毛や皮膚の多皺(シワが多くなる)・萎縮、細いカギ鼻化といった小人症などの症状が見られます。

症状が進行すると、更に皮膚が老化します。他、高コレステロール血症、動脈硬化の悪化、糖尿病、骨粗鬆症、老年性白内障、網膜の萎縮、白髪、更なる脱毛が見られ、早老変性が著名となります。予後は、動脈硬化の進行が早いため脳血管疾患や心疾患などの重篤な循環器疾患を発症するリスクが高く平均寿命も著名に短くなり、予後不良とされています。その平均寿命は約13年間です。

また、初期の頃は神経系も脳機能も正常の成長し、機能異常も生じないため認知症を呈することはなく外見のみが変化していきます。しかし、上記でも述べた様に脳血管疾患等を呈することがあれば、それによる認知症を発症するリスクは高くなります。老化の進行は、本疾患の患者の1年間の老化が健常者の10年間以上の老化に当たると言われています。治療法は未だ解明されていません。

ロスモンド・トムソン症候群

ロスモンド・トムソン症候群(Rothmund-Thomson Syndrome/RTS)は、ヘリカーゼRECQL4遺伝子(DNAの複製・・修復に関与)の突然変異が原因の常染色体劣性遺伝子の異常による疾患です。特徴は、低身長であり、脱毛や癌、多形成皮膚萎縮症(皮膚が赤く湿疹様の症状を呈する)などを伴い、加齢を促進します。この中でも、癌、特に骨肉腫・皮膚扁平上皮癌といった悪性腫瘍や胃癌、白血病、免疫不全を合併するリスクが高いです。

その他の特徴的な症状は、乳幼児期からの皮膚病変です。浮腫性紅斑から毛細血管拡張症や皮膚萎縮・色素沈着を生じます。特に、日光に当たる箇所に強く現れ、水疱を形成する(日光過敏性紅斑)場合もあります。幼児期では、若年性白内障や低身長、骨形成異常(骨格異常)、性腺機能の低下も呈します。

世界では、400例と症例数が少ない疾患です。日本では、近親婚の頻度が高くこのような早老症の発症例が多いと言われています。発症原因は明確ですが、機能性は不明です。

治療法は、日光に当たることを避け、皮膚病変に対してはレーザー治療を施行します。白内障や骨形成異常に対しては対症療法を施行します。癌は定期健診により早期発見して外科的切除や抗がん剤治療を施行していきます。

コケイン症候群

コケイン症候群(Cockayne Syndrome)は常染色体劣性遺伝子のDNA修復機構の異常により生じる疾患です。

発症年齢は2~4歳で、成長の遅延発達障害を呈し、知能の発達がその時点で止まるため知能障害も生じます。聴力障害や網膜色素変性、白内障、角膜混濁、視神経萎縮といった老化症状もみられます。他、皮膚の光過敏性皮膚炎や末梢神経障害を生じます。コケイン症候群の患者の細胞は紫外線に対して高い感受性をもち、紫外線照射により障害を受けますが、回復が遅く色素性乾皮症と鑑別しにくい事があります。双方の特徴を持つ患者もいますが、皮膚癌にはならないとされています。

予後は、平均寿命が10歳後~20歳代前半とされ、30歳以上の生存も報告されています。

治療法は根本的な治療は存在しておらず、対症療法となっています。

ダウン症候群

ダウン症候群(Down Syndrome) は、体細胞21番染色体が1本余分に存在して合計3本の染色体を所有する(トリソミー症)をもつことで発症する先天性の疾患です。

好発年齢は新生児です。特徴的な症状は、知的障害、低身長、肥満、筋力の虚弱さ、頸椎の不安定性、閉塞性睡眠時呼吸、耳の感染症、先天性白内障、眼振、斜視、屈折異常、難聴が挙げられます。肉体的な成長は遅延し、顔つきも特徴的であり、知的障害も軽度~中等度です。青年の場合は平均知能指数は50であり、精神年齢は8~9歳に等しいいとされていますが、個人差があります。

予後は、40歳以降にアルツハイマー病が高確率で発症し、同様の時期に高血圧や脳血管疾患、癌を発症するリスクは極めて低いとされており、他の早老症に比べると良好とは言えます。ダウン症の根本的な治療は存在していません。

ブルーム症候群

ブルーム症候群(Bloom Syndrome)は、常染色体劣性遺伝の疾患です。症状の特徴は、低身長、日光過敏性紅斑、放射線感受性を呈する免疫不全症(白血病、リンパ腫といった造血器腫瘍)の合併、鳥様顔貌、造血不全、糖尿病の合併、不妊が挙げられます。癌(悪性腫瘍)は高確率で合併します。

予後は、約3割の症例が20歳までに何らかの癌を発症するため難治困難となり不良と言えます。一旦治癒したとしても、二次的・三次的に癌を発症することがあり、免疫不全に伴う感染により肺炎を合併することもあります。

治療は免疫不全の程度に対して感染症の対策を行うといった対症療法や、悪性腫瘍に対する治療が施行されます。

毛細血管拡張性運動失調症

他に、ataxiatelangiectasia/A-T/ルイ=バー症候群/Louis-Bar syndromeとも言います。神経系、免疫系といった多系統の障害を生じる常染色体劣性遺伝の疾患です。

発症頻度は欧米に多く1/40,000~100,000万人です。好発年齢は、新生児期です。小脳失調は8カ月~5歳6カ月、毛細血管の拡張は1歳8カ月~13歳6カ月に好発してみられます。

特徴的な症状は、眼球結膜、顔面頬部や耳介の毛細血管拡張症、神経症状(小脳性運動失調症、眼球運動失効、舞踏アテトーゼ、ジストニーといった不随意運動)が挙げられます。1歳前後の歩行時の失調から始まり、四肢の失調、小脳性構音障害、休速眼球運動等からわかることがあります。免疫低下により、胸腺の低形成・欠損、反復する呼吸器の感染症、造血疾患の白血病や悪性リンパ腫、癌(悪性腫瘍)の合併症も高頻度で発症します。

予後は、悪性腫瘍が10歳を過ぎると発症しやすく、感染症や免疫異常症も生じるため、不良となります。治療法は根本的なものは存在せず、対症療法となります。免疫グロブリン等の補充治療を施行することがあります。

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早老症の治療法

早老症 治療法が無い

いずれの早老症にも、各疾患の種類で述べた通りに根本的な治療法は存在していません。先天的な染色体の異常による疾患であるため、治療方法を探すことが困難となっています。

早老症によって引き起こされる症状や合併症に対しての治療を施行していくことしかできません。

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まとめ

早老症 治療 協力 助け合い

まとめますと、早老症とは幼児のまま顕著な早さで老人化してしまうという疾患です。ほとんどが先天性の染色体異常によるもので、症状の進行による合併症も多くあり、根本的な治療は存在しておらず、平均寿命が短いという予後が極めて不良な疾患です。

先天性なので、生まれながらに病気を患っており、生まれた時から病気と向かい合っていかなければならない病気になります。様々な症状に対応をしていくために、家族や医師だけではなく周囲のフォローも大切です。患っていない方で身近にこういった疾患を患う方がいた場合、何かを手助けするフォローがしていけると良いでしょう。

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