妊娠時の心拍数を確認しよう!増えすぎた時は要注意!

妊娠中はお母さんの身体の血液循環が急激に増えるようになります。これは、妊娠中はお母さんの摂取した栄養素が血液を通してお腹の赤ちゃんに運ばれ、赤ちゃんをきちんと成長させようとしている身体の正常な働きでもあります。

それに伴って身体の状況はどのように変化してゆき、どのように対策を練ってゆけば良いのかを考えてゆきましょう。

妊娠中は循環器の働きによって血液循環が促進される

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妊娠中のお母さんの身体は、自分自身の身体の他にお腹の赤ちゃんの成長も促す働きをしています。

お母さんの摂取した栄養素を赤ちゃんに送り届ける重要な器官は心臓に代表される循環機能で、通常時の身体の状況とは異なり、より多くの血液を循環させて赤ちゃんにも栄養供給しています。血液の循環が多くなることでどのような体調変化が現れるのか、身体の働きを徹底解明してゆきましょう。

血液量増加と循環器(心臓)

妊娠 危険日

人間の身体は常に一定のリズムで同じ量の血液を体内に循環させます。少し話しが脇道にそれますが、人間一人の体内にある血管を一本につなげると、およそ地球2週半の長さになると言われております。

そのくらいの長さのある血管を通して血液を身体中に循環させているメイン機能が心臓に代表される「循環器」です。その循環器の働きによって妊娠中には以下の通りの体調変化が現れます。

  1. 「心臓は血液を送り出しているポンプの役割をしている」
  2. 「体全体の血液量が増えてしまう妊娠中などは、一度に送り出す血液量が増加する」
  3. 「一度に送り出す血流量が増加すると心臓の収縮回数も増加する」
  4. 「心臓の収縮回数=心拍数となるので結果的に心拍数が増加する」

という現象が体内で起こります。

この際に増えているのは血液の中の全ての成分が増加するしているのではなく、主には血液中の血清が大きく増加してますので、血液中に含まれるヘモグロビンや鉄分が薄まっている状態となっている為に貧血が起きやすいという状況になります。

心拍数の増加=動悸は、貧血の際にも見られる症状ですので、妊娠中の生理現象と言えると思いますが、あまりにもひどい場合はかかりつけの産婦人科医にご相談下さい。

基本的には異常ではないので即効性のある対策はないが・・・

妊娠中に心拍数が増えてしまう現象は、基本的には身体の正常な機能によって起こっている生理現象である為に、即効性のある対処方法はありませんが、補助的にというか間接的に行える対処法としては下記に挙げた通りとなります。

  • 「貧血でも出る症状の為、適度な鉄分補給の食生活を心がける」
  • 「脱水症状の際にも動悸が出ることがある為、水分補給を心がける」
  • 「横になって休息する際には意識をして腹式呼吸を心がけ副交感神経を優位にさせる」
  • 「身体を持続的に温めることで血液循環を緩めにさせる」

※身体を温めると血流量が増加すると考えられがちですが、持続的な温熱は、体温上昇を防ごうとする身体の機能によって、血流を緩やかにすることで体内の熱を抑え、汗を出して蒸発する気化熱の作用によって体温の上昇を抑えています。

血液循環は循環器だけで行われているのではない

先にも書いた通り、血液循環をメインとして司っている中枢は心臓に代表される循環器の機能ですが、実は循環器だけで行われているのではありません。

では循環器の他に、身体のどの部分が血液循環を行っているのかというと、それは皆さんがよく知っている全身に分布する、ある部位によって行われています。

体型維持、運動機能の他に筋肉は血液循環も行っている

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人間の身体には無数の筋肉が全身にあります。筋肉は皆さんの身体の体型維持や運動器としての役割がメインとなりますが、実は筋肉は血液循環の為のポンプの役割も担っています。元々脳からは筋肉に対して神経を通して「収縮する」という命令が出ており、収縮した逆側にある筋肉は反射的に伸びることで関節を動かしています。

  • 「筋肉は基礎代謝機能を引き上げてくれる」
  • 「筋肉には毛細血管が無数にあり、収縮と伸展を繰り返すことで血液を循環させている」
  • 「体内にある動脈も筋収縮が補助をして血液循環を行っている」
  • 「血液循環のメイン機能である心臓や他の内臓も筋肉でできている」

筋肉は程よい柔軟性があることで循環機能を円滑に行っておりますが、妊娠中は運動不足やむくみなどが原因となって筋肉の柔軟性が損なわれやすくなってしまう為に、送り出した血液がスムーズに進めずに、心拍を増加させることもあります。

筋肉の循環機能をきちんと発揮させる為には?

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妊娠中はどうしても運動不足となりがちで、運動不足になってしまうと筋肉と、筋肉を包んでいる筋膜の柔軟性が損なわれてしまい、身体のもつ機能を全て発揮させることは難しくなってしまいます。

また、出産予定の時期(夏・冬)によっても筋肉の柔軟性には変化があり、特に寒い時期は身体をすくめがちになってしまう為に、より筋拘縮が起こりやすくなってしまいます。では、日常生活の中で簡単にできる対策を考えて行きたいと思います。

  • 「母体に無理がかからない程度の適度な散歩」
  • 「ふくらはぎの筋肉の弛緩と血行促進の為の入浴中のふくらはぎマッサージ」
  • 「タンパク質とビタミンを摂取できる食事メニュー」
  • 「腸内環境をなるべく良好に保つように心がける」
  • 「手足の末梢部位を温める」

難しそうに聞こえてはしまいますが、上記のように、重要なのは良質な栄養素を摂取して適度な運動と身体を必要以上に冷やさないようにすることですので、人間が健康に生きてゆく上で、いたって普通のことなのです。

妊娠中におすすめな食材

では、良質なタンパク質やビタミンを摂取するには、どのような食材がおすすめなのか、また、筋肉の為だけではなく、妊娠中に失われやすい栄養素も合わせて補える食材はどういったものがあるのかを考えてみましょう。

「乳製品全般」

・乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)には、良質なタンパク質が含まれており、タンパク質は筋肉のエネルギーとして作用するだけでなく筋肉の柔軟性と、乳製品には腸内環境改善にもとても大切な栄養素が豊富に含まれています。

「緑黄色野菜」

・緑黄色野菜に豊富に含まれているのは数種類のビタミン群です。ビタミンは、ビタミン単体としても大切な栄養素で、免疫力を高めたりする作用もありますが、疲労回復や他の栄養素を、より運びやすくしてくれる補助的な作用もあります。

「セロリ」

・セロリにはβ-カロテンと豊富な水分、またピラジンという栄養素が含まれており、このピラジンは血流促進作用のある栄養素で、代謝機能を促進してくれます。

「大豆(その他豆類)」

・大豆にはイソフラボンという女性ホルモンに形状のよく似た栄養素が含まれるのと、カロリー値が高い為、失われやすい身体のエネルギー源を補うことができます。ただし、カロリーが高めである為に、摂取のしすぎには注意が必要です。

「乾燥生姜(熱を加えた生姜)」

・生姜は生の状態ではジンゲロールという成分が多く、ジンゲロールは体表の末梢血管の拡張作用があるものの、内臓の熱を奪ってしまうので、お腹を下しやすくしてしまうこともあります。

乾燥(熱を加えた)させた生姜はショウガオールという成分が主となり、ショウガオールには胃腸の働きを活発にして代謝を促進し、身体を隅々まで温める作用があります。

「肉類」

・牛肉には身体を動かす為の栄養素であるタンパク質や脂質、発育のビタミンと言われているビタミンB2が含まれています。

豚肉には疲労回復の手助けとなるビタミンBや、イライラの解消やストレスの緩和を手助けしてくれるビタミンB1が豊富に含まれています。

まとめ

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妊娠中のお母さんの身体には、母体の維持と赤ちゃんの発育の為に様々な体調変化が起こりやすくなります。

しかしこれは、妊娠自体もそうなのですが、病気とは違い身体の機能によって起こる自然的な現象なのだということです。病気ではない為に、特効薬というものはありませんが、それでも体調不良はただでさえストレスや不安に悩まされる妊婦さんの負の材料でしかありません。

そこで、体調変化が訪れてから何かをするのではなく、普段から細かなことに気を配っておくことが大切なのだと思います。

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