梨状筋症候群について!症状や原因、治療方法を知ろう!

インターネットの普及により、誤った情報を信じて病気やケガを悪化させてしてしまう人がいます。基本的治療法が「安静」とされる怪我にもかかわらず、「歩けば歩くほど治りが早い」という文言のみを切り取って実践してしまうという、危険なことをする人もいるのです。

梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)とは、一般的にはあまり聞き慣れない難しい症名ですが、誰にでも起こり得るものです。梨状筋症候群の症状や原因、治療から簡単にできる予防方法までお伝えしていきます。

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梨状筋症候群とは何か

足

太ももの裏が痛い・・・ふくらはぎが痛い・・・毎日痛いわけではないけれど、気になる。それは、梨状筋症候群の可能性があります。

一般的に聞き慣れない症名なので、どういう状態なのか丁寧に解説します。

坐骨神経痛の一種

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)の9割は梨状筋症候群といわれています。

では、坐骨神経痛とは何でしょうか?体の中で最も長くて太い神経で、下半身を曲げたり伸ばしたりするときに使う坐骨神経が圧迫されることによって生じる痛みの総称のことを、坐骨神経痛と呼びます。お尻から太ももの後ろ側にかけて鋭い痛みがあります。しびれが徐々に下の方に降りて行き、足の指先までしびれることもあります。

梨状筋症候群のほかにも、ヘルニアや脊椎外傷、アルコールなどの中毒性疾患、感染症や糖尿病など、種々の原因があるといわれています。原因除去が治療の原則です。

梨状筋とは?

梨状筋(りじょうきん)とは、お尻にある筋肉の一つです。尾骨の上にある仙骨(三角形の骨)から、お尻を横切るようにして大腿骨の上部に付着しています。股関節を外に開かせる役割を持つ筋肉が、梨状筋です。

その梨状筋の異常によって、梨状筋症候群の症状は発生するのです。梨状筋に外傷や硬直が起きたとき、その下を通る坐骨神経を圧迫して痛みやしびれが生じます。

梨状筋症候群=お尻の硬直

簡単にいうと、梨状筋症候群とはお尻の筋肉が硬直して、神経が圧迫を受けることです。そのため、痛みやしびれが起きるのです。お尻の筋肉の硬直といっても、イメージしにくいかもしれません。筋肉は硬直すると、骨と同じような硬さになるといわれています。

お尻の筋肉は他の部位と比べても、大きな筋肉です。このような大きな筋肉が骨のように硬くなってしまうと、血管も締め付けられて下半身の血行が著しく悪化します。その結果、老廃物を流すことができなくなり、さまざまな症状が起きると考えられています。

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梨状筋症候群の症状

おしり

梨状筋症候群の症状は、軽度~中度~重度になるにつれて、変化します。それぞれの症状について説明します。

軽度の場合

梨状筋症候群がまだ軽度のときは、臀部(お尻)の周辺だけに痛みやしびれが起こります。お尻の三角形になっている骨(仙骨)の周辺やその近くに鈍い痛みやしびれを感じるケースでは、梨状筋の異常のみが原因で起きていると考えられます。

特にデスクワークや座って長時間勉強する人に多く、痛みやしびれが出てもさらに長時間座っての作業を続けていると徐々に症状が悪化していきます。

中度の場合

症状が進むと、痛みやしびれは下に移動していきます。まず、お尻から太ももの裏に症状が移ります。この部分の痛みを感じる神経は、坐骨神経よりも深い部分にあり、自然にはなかなか治りにくい症状の一つです。

さらに、ふくらはぎまで感じる痛みとしびれが出てくると、坐骨神経は梨状筋に圧迫されている状態になっています。ふくらはぎは、座る、立つ、歩くといった日常的な動作によって痛みを感じやすい部分です。寝ていると楽なので、だんだん横になって休む時間が長くなる人もいます。幅広く神経を圧迫しているため、足全体に症状がでます。

重度になると足先まで

梨状筋症候群が重度になってくると、お尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足裏、すねなど足の前側部分にも同時に症状が出てきます。これは、坐骨神経があらゆるところで圧迫されているために、広範囲で症状があらわれるのです。ふくらはぎの外側、足の裏、ひざ裏に特に強い痛みとしびれを感じる人が多いです。

最終的には、陰部にも症状がでてきます。坐骨神経に加えて、陰部の神経も圧迫されてしまうのです。陰茎や肛門に強いしびれを感じます。ここまで来ると、手術も考えなければいけないレベルです。

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梨状筋症候群の原因

運転

梨状筋症候群は、遺伝や特別な病気によって起こるわけではありません。日常生活における動作や習慣、癖などによって、誰にでも起こり得るものです。

長時間の車の運転

梨状筋症候群は、職業がトラックやバス運転手、タクシードライバーの人など、頻繁に車を長時間運転する機会がある人に起こりやすいといわれます。

長時間にわたりお尻を圧迫されるため、周辺の血流が悪くなります。お尻周辺にある梨状筋にも乳酸がたまり、筋肉が硬くなる要因となります。

仕事がデスクワーク

事務職やエンジニアの人は、職場によっては1日中座りっぱなしという人も多いでしょう。翻訳家やライター、作家の人も高いリスクがあるといわれます。

長時間の運転のときと同様に、お尻が長い時間圧迫されることによって梨状筋の硬直を招きやすいのです。若くても、1日中勉強のために座りっぱなしの10代の学生も梨状筋症候群になることがありますので、注意が必要です。

お尻の筋肉のストレス

激しいスポーツをしたり、スポーツによる転倒でお尻から強く転んだりすると、梨状筋周辺に強いストレスがかかります。

無理のないトレーニングで徐々に大腿の筋肉やお尻周辺の筋肉をつけていかずに、突然激しい運動をすると梨状筋が過緊張を起こします。逆に今まで毎日のようにハードなスポーツをしていた人が、突然やめた場合にも筋肉の萎縮が起こりやすくなります。

梨状筋症候群に陥りやすい状態について

女性は、生理期間中は特に注意が必要です。梨状筋が影響を受けやすくなっているので、無理は禁物です。

患者数の統計的には、30~40代が多いですが、これはデスクワークを中心とする長時間の座り仕事をする人が多いためと考えられます。臀部(お尻周辺)を強く打ったときや、股関節の捻挫などをしたときも、いつも以上に梨状筋にストレスをかけない配慮が必要です。

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診断と治療方法

薬

治療方法は、梨状筋症候群の進度によって異なります。自分の症状と照らし合わせてみてください。

診断は難しい

梨状筋症候群は、整形外科を受診してもはっきりとわからないことが多いのです。レントゲンやMRIなどでは、異常が見られないことが多いためです。

梨状筋症候群の原因である筋肉の硬直は、目で確認できるものではなく、実は整形外科では明確に診断できないのです。腰痛の8割は原因が明確ではないともいわれる所以です。椎間板ヘルニアなどを併発している場合には、MRIでの確認ができます。

軽度~中度の治療方法

患部をあたためることで血流を促進する温熱療法は、よく用いられる治療方法です。痛みを緩和するために抗炎症薬や解熱作用のある鎮痛薬の投与など、薬物療法もポピュラーです。これらの薬物投与で症状の改善がされないときは、ブロック注射も行われることがあります。

ただ、ブロック注射の効き目は人それぞれで、約半数は注射の当日のみしか効果が持たないともいわれます。痛みもあるので、効果が実感できないとやめてしまう人が多いです。

接骨院などでの治療

接骨院や整骨院で、保険適用の鍼治療を受ける人もいます。梨状筋はお尻の最深部にある筋肉なので、マッサージでほぐすことは難しいと考えられるためです。梨状筋だけでなく、股関節周辺の筋肉にアプローチすることで、早い回復が期待できるともいわれます。

交通事故など外傷を起因とする場合は、体のバランスが崩れているために梨状筋に過度な負担がかかっているケースもあります。その場合には、全体のバランスを整えるためのストレッチやマッサージなどの治療がなされます。

最終手段は手術

我慢できないほどの痛みが出ていて、ブロック注射でも痛みが取れないとなると、最終的には手術という方法になります。局部麻酔を行って、梨状筋を切断します。すると、痛みの原因となる坐骨神経の圧迫を取り除くことができます。通常は一泊入院で、翌日には帰宅できます。

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予防のためにできること

ベッド

梨状筋症候群は遺伝性疾患などではなく、日頃の体の使い方が主な原因です。そのため、若い頃から予防方法を知っておくと、この疾患を事前に防ぐことができます。

適度な休息が大事

同じ姿勢でずっと勉強や仕事をしていると、腰やお尻、背中、肩、首など体に何らかの「つらさ」を感じるでしょう。このサインを軽くみてはいけません。テストが近かったり、仕事の締め切りが迫っていると、体の負担を無視して目の前の作業を優先しがちです。

しかし、何をするにしても健康な体が資本です。梨状筋の硬直を招かないためには、「疲れを感じたら休む」「入浴など他のことをしてリラックスする」「マッサージに行く」など、自分の体が出すSOSのサインに応じて休息をとることが大切です。

適度な運動を心がける

仕事によっては、休息を入れたとしても長時間座っての作業は避けられないという人も多いでしょう。そういった人は特に、休日や仕事の後にスポーツやストレッチなど、適度な運動を行うことが梨状筋症候群の予防になります。

梨状筋を緩めるために効果的なのが、ストレッチです。お風呂上りにテレビを見ながら少しの時間行うだけでも、大変効果的です。朝のテレビ体操なども、身体全身をバランス良く動かすことができるのでおすすめです。

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まとめ

梨状筋症候群になると、お尻やふくらはぎのしびれや痛みをはっきりと感じます。それなのに、大学病院まで行ってレントゲンを撮っても「異常がない」と言われてしまうことも多々あるのです。歩いたり、立ったりするたびに痛みますし、ひどくなると寝ていてもしびれを感じて、夜も寝つきが悪くなります。

長時間の運転や、座り仕事が多い人は注意が必要です。お尻が疲れたな、背中や腰が痛いなと感じたら、ひとまず立ち上がってストレッチをするなど、筋肉の硬直を招かないよう工夫してみましょう。

診断が難しいとはいっても、進行度合や合併症がある場合には病院で画像診断できることもあります。自己判断で体に負担となる行為をしてしまうと危険なので、まずは整形外科の受診が基本です。

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